Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 08
( キョン ) 季節 は 夏 期末 テスト を 間近に 控え
俺 の 中 の 愉快な 気分 は
ブラジル 辺り を さまよって
当分 戻って き そうに ない
( ハルヒ ) ねえ 今日 は なんの 日 か 知って る ?
( キョン ) お前 の 誕生日 か ? ( ハルヒ ) 違う わ よ
( キョン ) 朝比奈 ( あさひ な ) さん の 誕生日
違う
( キョン ) 古泉 ( こい ずみ ) か 長門 ( な が と ) の 誕生日
知ら ない わ よ そんな の
( キョン ) ちなみに 俺 の 誕生日 は … ( ハルヒ ) どう で も いい
あんた って ヤツ は 今日 が どんなに 大切な 日 か
分かって ない の ね
( キョン ) 俺 に して みれば ただ 暑い 平日 で しか ない のだ が
( ハルヒ ) 今日 が 何 月 何 日 か 言って みなさ い
7 月 7 日
もしや と は 思う が
七夕 が どう と か 言いだす んじゃ ない だろう な ?
もちろん 言いだす つもり よ 七夕 よ 七夕
あんた も 日本 人 なら
ちゃんと 覚えて ない と ダメじゃ ない の
ああ そう
あたし こういう イベント ごと は
しっかり やる こと に してん の
今年 から 七夕 は 団員 全員 で 盛大に やる わ よ !
( キョン ) 始まった な …
( チャイム )
( キョン ) ハルヒ が 何 か 言いだす たび に 意味 も なく あちらこちら を
うろちょろ し なければ なら なく なって しまう と いう 法則 が
この 春 から の 俺 の 日常 と なり つつ ある
そんな 日々 に 慣れ 始めて いる 自分 が ちょっと イヤだ
( ノック ) ( み くる ) は ~ い
オ ~ ッス
( み くる ) こんにちは
( 古泉 ) どうも 調子 は どう です か ?
俺 の 調子 は 高校 入学 以来 狂い っぱなし さ
( み くる ) はい ( キョン ) ありがとう ございます
どう いたし まして
( 古泉 ) どう です 一 局 ? ( み くる ・ キョン ) うん ?
オセロ ばかり で は 飽きて しまい ます から ね
( キョン ) あいにくだ が 俺 は ルール を 知ら ん
( 古泉 ) それ は 残念
のんきに 構えて られる の も 今 の うち だ ぞ
あいつ が また つまら ん こと を 思いついて …
( ドア が 開く 音 ) あっ !
ヤッホ ~ イ ! めん ご めん ご ! 遅れて ごめん ね !
ど っ から 持ってきた んだ ? そんな もん と 挨拶
学校 の 裏 の 林
あそこ は 確か 私有 地 だ ぞ この 笹 ( さ さ ) 泥棒 が !
ほら 短冊 も 作って きた から みんな 願い 事 を 書き なさい
短冊 ?
なるほど 今日 は 七夕 でした ね
ただし 条件 が ある わ !
条件 も 何も 俺 たち は まだ 書く と も なんとも 言って ない ぞ
キョン あんた 七夕 に 願い 事 を かなえて くれる の って
誰 だ か 知って る ?
織り姫 か ひこ星 じゃ ねえ の ?
まあ 正解 10 点
じゃあ 織り姫 と ひこ星 って どの 星 の こと か 分かる ?
知ら ん !
ベガ と アルタイル でしょ ?
85 点 ! つまり 短冊 は
その 星 に 向かって つるさ ない と いけない の !
残り の 15 点 は どこ の 部分 だ ?
オッホン !
説明 し ます
特殊 相対 性 理論 に よる と
光 の 速 さ を 超えて ど っか に 行く こと は でき ませ ん
ちなみに 地球 から ベガ と アルタイル まで は
それぞれ 25 光年 と 16 光年
… って こと は 地球 から 発した 情報 が
どっち か の 星 に たどりつく まで その くらい かかる わけ !
そんな こと わざわざ 調べて きた の か
だから どっち か の 星 の 神様 が 願い 事 を かなえて くれる の も
そん くらい 後
“ 今年 の クリスマス まで に 彼 氏 が でき ます ように ” と か ―
書いて も 間に合わ ない わ
行き で そう なら 往復 で 50 年 後 と か 32 年 後 の 話 に なる んじゃ ない の か ?
神様 な んだ から それ ぐらい なんとか して くれる わ よ
半額 サマー バーゲン よ
( キョン ) … で 相対 性 理論 は どう なった んだ よ
( ハルヒ ) 短冊 は ベガ 宛て と アルタイル 宛て の 2 種類 !
で … 25 年 後 と 16 年 後 に かなえて ほしい 願い 事 を し なさい !
( キョン ) 25 年 後 や 16 年 後 に 自分 が 何 して る の かも 知れ ない のに
どんな 願い 事 を せよ と いう のだ
いつも ながら し なくて いい こと ばかり 考えつく ヤツ だ
あいつ の 考える 一般 常識 は 一体 どこ の 宇宙 の 常識 だ ?
そう と も 言え ませ ん よ
涼 宮 ( すずみ や ) さん は ああ 見えて
常識 と いう もの を よく 理解 して い ます
なんで そんな こと が 分かる んだ ?
涼 宮 さん は 世界 が もっと 風変わりに なる こと を 望んで い ます
そして 彼女 に は 世界 を 再 構築 できる 力 も ある
しかし 今 の ところ この 世界 は
まだまだ 理性 を 失って は いま せ ん から
そこ ! 私 語 を 慎み なさい !
( キョン ) は あ …
( キョン ) この 人 は 何 か 勘違い し てる っぽい
我ながら 小 市民 的です が
( ハルヒ ) 俗 物 ね ( キョン ) うる せ え
お前 の より は はるかに マシ だ
価値 観 の 相違 よ
( ハルヒ ) みんな 書いた 内容 を ちゃんと 覚えて おき なさい !
今 から 16 年 後 が 最初の ポイント だ から ね
誰 の 願い を ひこ星 が かなえて くれる か 勝負 よ !
は あ ~
( ハルヒ )16 年 か … 長い な ( キョン ) うん ?
( キョン ) それ から の ハルヒ は 妙に テンション が 低く 憂鬱 そうだった
しおらしく して いる こいつ は それ は それ で 相当に 不気味だ
今 静かに して いる 分 反動 が 怖い
( み くる ) おかわり いかがです か ( キョン ) えっ ?
ああ いただき ます
うん ?
シーッ
( キョン ) かわいい …
今 だ !
もちろん です と も !
( ハルヒ ) 今日 は 帰る わ 最後 の 人 鍵 お 願い ね
( 古泉 ) で は 僕 も
( キョン ) おお ありがたい
うん ? おい …
( ドア が 開く 音 ) ( 古泉 ) それでは お 先 に
ああ ( ドア が 閉まる 音 )
よかった 自然に 2 人 だけ に なれて
( キョン ) 他の 連中 に 聞か れたら マズ い 話 です か ?
あっ … うん
あの … 一緒に 行って ほしい ところ が ある の
( キョン ) いい です よ どこ に 行く んです ?
その …
3 年 前 … です
さ … あっ ?
突然 変な こと 言って ごめんなさい
あの … ダメです か ?
それ って タイムトラベル です か ?
はい そうです
行く の は やぶさかじゃ あり ませ ん が
でも なんで 俺 が ? 何 し に ?
それ は その … 行けば 分かり ます
多分 …
お 願い です ! 今 は 何も 聞か ず に “ うん ” って 言って ください !
でないと 私 … 私 …
う っ … 困り ます
( キョン ) かわいい …
えっ と …
( キョン ) じゃあ いい です けど ( み くる ) ホント ?
ありがとう
( キョン ) かわいい …
は あ ~ よかった
( キョン ) 思い起こせば 朝比奈 さん が 未来 から 来た と いう 発言 は
自己 申告 で しか なく
証拠 と いえば 大人 モード の 朝比奈 さん の 存在 だけ だ
これ は 朝比奈 さん が 未来 少女 だ と ハッキリ 確認 する
うってつけの 機会 で は ない か
で … タイム マシン は どこ な んです ?
( み くる ) ここ から 行き ます ( キョン ) ここ から ?
( み くる ) キョン 君 ごめん ね ( キョン ) えっ ?
( み くる ) あっ 起きた !
あの そろそろ 起きて くれ ない と
私 足 しびれちゃ って
えっ ? ああ ! あっ う っ !
( キョン ) 俺 なんで 寝て た んです か ?
( み くる ) ごめんなさい
時間 跳躍 の 方法 を 知ら れ たく なかった んです
禁 則 事項 です から
( み くる ) あの … 怒った ? ( キョン ) いや 全然
ハルヒ の した こと なら 殴って ます が 朝比奈 さん なら オール オーケー です
( み くる ) よかった
( キョン ) 今 って もう 3 年 前 な んです か ?
( み くる ) 3 年 前 の 7 月 7 日 夜 の 9 時 ごろ かな ?
( キョン ) マジ で です か ? ( み くる ) マジ で です
は あ …
( キョン ) この 公園 いつぞや 長門 に 呼び出さ れて 来た 時 と 同じ 場所 だ
ここ は 変わり者 たち の メッカ な の か ?
えっ ?
( み くる の 寝息 )
朝比奈 さん ?
あの …
( キョン ) これ は 果たして なんらか の 意思 表示 な のだろう か
あっ !
キョン 君 こんばん は
( キョン ) 朝比奈 さん
この 時 の 私 って こんな だった の ね
ウフフ …
ああ …
ここ まで あなた を 導いて きた の は この 子 の 役目
これ から あなた を 導く の は 私 の 役目 です
朝比奈 さん を 眠ら せた の は あなた です か ?
私 の 姿 を 見 られる わけに は いか ない ので
私 が この 子 の 立場 だった 時 私 は 私 に 会って ない から
は あ …
そこ に ある 線路 沿い に 下る と 学校 が あり ます
その 校門 前 に いる 人 に 協力 して あげて
そっち の 私 は ごめん です が おんぶ して いって ください
( キョン ) なんか ゲーム の イベント みたいです ね
見返り に 何 か アイテム は もらえ ない んです か ?
( み くる ) 見返り です か ? そう ね …
うん
私 から 差し上げ られる 物 は あり ませ ん
でも そっち で 眠って いる 私 に
チュー くらい なら しちゃ って も いい よ
ただし 寝て る 間 に ね
それ は ちょっと …
( キョン ) 心情 的に も 状況 的に も
それ は 俺 の 主義 に 反する しだい である
しかし いや でも …
時間 です 私 は もう 行か ない と
それ から 私 の こと は この 子 に は ナイショ
約 束ね
指切り する ?
ああ …
( み くる ) 指 切った ♪
さよなら キョン 君 また ね
( キョン ) 今 の 大人 版 朝比奈 さん と 俺 は
どれ くらい ぶり に 再会 した のだろう か ?
前回 会った 時 と ほとんど 変化 して い ない ように 感じる
… って か そもそも ここ は 本当に 3 年 前 な の か ?
どこ か で 確認 する こと が 必要だ
117 に でも 電話 する か
東 ( ひがし ) 中 か
ん ? ああ …
( キョン ) おい !
何 よ ? あんた
( キョン ) 確かに 俺 は 3 年 前 に 来た らしい
涼 宮 ハルヒ 現在 中学 1 年生
“ 何 よ あんた ” って 聞いて る の よ 変態 ? 誘拐 犯 ?
( キョン ) お前 こそ 何 やって んだ ?
( ハルヒ ) 決まって る じゃ ない の 不法 侵入 よ
( キョン ) そんな 堂々と 犯罪 行為 を 宣言 さ れて も な
誰 だ か 知ら ない けど 暇 なら 手伝い なさい よ
でないと 通報 する わ よ
( キョン ) ハルヒ だ 間違い ない
( ハルヒ ) こっち よ
( キョン ) 暗がり で 幸いだった
この 分 で は 俺 と 朝比奈 さん の 顔 も よく 見えて は いま い
3 年 後 の ハルヒ は 俺 と 朝比奈 さん の こと を
ちらり と も 覚えて い ない ようだった から
そう であって くれない と 困る 気 が する
夕方 に 倉庫 から 出して 隠して おいた の よ
いい アイデア でしょ ?
代わって やる よ お前 は 線引き 持て
えっ ? うん
( キョン ) うん ?
( キョン ) で … これ を どう する 気 だ ?
( ハルヒ ) あたし の 言う とおり に 線 引いて
( キョン ) 俺 が ? ( ハルヒ ) そう あんた が
あたし は 監督 し ない と いけない から
ああ …
( ハルヒ ) そこ ゆがんで る わ よ ! 何 やって ん の ?
( キョン ) 見ず知らず の 高校 生 に 平気で 命令 する 気合い は
やはり どこまでも ハルヒ らしい
もし 俺 自身 が 初対面 で
こんな 女子 中学生 に 出くわして いたら
真性 の ヤバ い ヤツ だ と 思った こと だろう
そんな ハルヒ の 指示 の 下 俺 は グラウンド を 右往左往 して
白線 を 引いた
いつか 谷口 ( たに ぐち ) が 言って いた 謎 の メッセージ だ が
まさか 俺 が 描いた もの だった と は な
( ハルヒ ) うん まあまあ ね ( キョン ) 悪かった な
あんた 宇宙 人 って いる と 思う ?
( キョン ) 突然だ な ( ハルヒ ) 質問 に 答え なさい よ
( キョン ) いる んじゃ ねえ の ( ハルヒ ) じゃあ 未来 人 は ?
( キョン ) いて も おかしく は ない な ( ハルヒ ) 超 能力 者 なら ?
配り 歩く ほど いる だろう よ
異 世界 人 は ?
それ は まだ 知り合って ない な
( ハルヒ ) ふ ~ ん
( ハルヒ ) それ 北 ( きた ) 高 の 制服 よ ね ? ( キョン ) まあ な
( ハルヒ ) あんた 名前 は ? ( キョン ) ジョン ・ スミス
バカじゃ ない の
( キョン ) 匿名 希望 って ことにし といて くれ
( ハルヒ ) おんぶ して た 人 は ? ( キョン ) 俺 の 姉ちゃん だ
突発 性 居眠り 病 に かかって いて な
所 構わ ず 居眠り を する んで 担いで 歩いて た の さ
( ハルヒ ) フンッ …
それ で ? これ は 一体 な んな んだ ?
( ハルヒ ) 見れば 分かる でしょ ? メッセージ よ
( キョン ) まさか 織り姫 と ひこ星 宛て じゃ ない だろう な ?
どうして 分かった の ?
まあ 七夕 だ しな
似た ような こと を して る ヤツ に 覚え が あった だけ さ
へえ ~ ぜひ 知り合い に なり たい わ ね
北 高 に そんな 人 が いる わけ ?
( キョン ) まあ な ( ハルヒ ) ふ ~ ん
北 高ね
( ハルヒ ) 帰る わ 目的 は 果たした し じゃ あね
( キョン ) “ 手伝って くれて ありがとう ” の セリフ も なし か
( キョン ) 朝比奈 さん ( み くる ) み ゅう …
あっ … へ っ ?
なな な な … な んです か ここ ? 何 が どうして 今 は いつ ?
( キョン ) あの … ( み くる ) あっ !
ほっ はっ てっ はっ …
TPDD が あり ませ ん
( キョン ) えっ ? ( み くる ) ない よ ~
( み くる ) あ ~ ん … ( キョン ) どうした ん です ?
TPDD って な んです か ?
( み くる ) 禁 則 に 該当 し ます けど タイム マシン みたいな やつ です
なんで ない んでしょう か ?
( み くる ) 分かり ませ ん
なくなる はず が ない のに なく しちゃ った
誰 か 助け に 来て くれたり は ?
( み くる ) あり え ませ ん
つまり 俺 たち は どう なる んです か ?
このまま です
私 たち は この 3 年 前 の 時間 平面 上 に 取り残さ れて
元 の 時空 に 戻れ ませ ん !
( キョン ) そりゃ 一大事 です ね ( み くる ) 一大事 です …
う う ~
( キョン ) しかし 俺 は いまひとつ 緊迫 感 に 欠けて いた
TPDD と やら を かすめ 取った の は 恐らく 大人 の 朝比奈 さん だ
あの 人 は 多分 その ため に 過去 に 来た のだろう
なぜなら 自分 が この 時 TPDD を なくす と いう 体験 を …
あっ !
なんとか なる かも しれ ませ ん
えっ ?
( 呼び出し 音 )
( インター ホン が つながる 音 )
長門 有希 ( ゆき ) さん の お宅 でしょう か ?
ああ … なんと 言って いい か 俺 に も 分から ん のだ が
涼 宮 ハルヒ の 知り合い の 者 だ って 言ったら 分かる か ?
( キョン ・ み くる ) あっ !
( チャイム )
よう
入れて もらって いい か ?
俺 たち の 素性 と ここ に いる 理由 の あらまし は 以上 だ
で … 3 年 後 の お前 は こんな 物 を くれた んだ
( 長門 ) 理解 した
( キョン ) お前 から すれば ―
俺 たち と 出会う の は これ が 初めて な んだ よ な ?
( 長門 ) そう
異 時間 同位 体 の 当該 メモリ へ アクセス 許可 申請
時間 連結 平面 帯 の 可 逆 性 越境 情報 を ダウンロード した
現 時点 から 3 年 後 の 時間 平面 上 に 存在 する 私 と
現 時点 に いる この 私 は 同一 人物
( 長門 ) 記憶 を 共有 した ( キョン ) どう やって ?
( 長門 ) 同期 した ( キョン ) いや 分から ん けど
あっ …
なんで 北 高 の 制服 着て んだ ? もう 入学 して る の か ?
( 長門 ) して ない 今 の 私 は 待機 モード
( キョン ) 待機 って …
あと 3 年 近く も 待機 して る つもりな の か ?
( 長門 ) そう
それ は また えらく 気 の 長い 話 だ な
役目 だ から
時間 を 移動 する 方法 は 1 つ で は ない
TPDD は 時空 制御 の いち デバイス で しか ない
不確かで 原始 的
あの … それ は どういう ?
TPDD を 用いた 有機 生命 体 の 転移 に は
許容 範囲 で は ある が ノイズ が 発生 する
我々 に とって それ は 完全な もの で は ない
( キョン ) “ 我々 ” って の は 情報 思 念 体 の こと か ?
( み くる ) 長門 さん は 完全な 形 で 時間 跳躍 できる の ?
形 は 必要で は ない 同一の 情報 が 行き来 できれば 十 分
( キョン ) ああ …
( キョン ・ み くる ) えっ ?
まさか と は 思う が ここ で 寝ろ って いう の か ?
( 長門 ) そう
( キョン ) 朝比奈 さん と 2 人 で ? ( 長門 ) そう
( み くる ) う う … ( 長門 ) 寝て
( キョン ) 単 刀 直入 ! ( 長門 ) 寝る だけ
( キョン ) まあ その つもり で は ある が …
あっ ! … っと
い … 言う とおり に する しか ない でしょ
ええ …
う っ !
( キョン ) あっ !
うん ? あれ ?
あっ …
あっ …
ん ?
( み くる ) えっ ホントに ? ( キョン ) えっ ?
どう し ました ? それ が TPDD な んです か ?
違い ます これ は ただ の 電波 時計 です
よかった 帰って こ れ ました
私 たち が 出発 した 7 月 7 日 の 9 時 半 すぎ です
ああ … は あ ~
どう やった んだ ?
選択 時空 間 内 の 流体 情報 を 凍結
既知 時空 連続 体 の 該当 ポイント に おいて
凍結 を 解除 した
時間 を 止めた って いう こと です か ?
( キョン ) は あ ? ( み くる ) 長門 さん は
この 部屋 ごと 時間 を 止めた んです 3 年間
そして 今日 に なって 時間 凍結 を 解いた … の ね ?
( 長門 ) そう ( み くる ) 信じ られ ませ ん !
と いう こと は つまり …
お前 から 初めて 宇宙 人 と か なんとか と いう 話 を 聞いた 時
隣 の この 部屋 で は
俺 と 朝比奈 さん が 寝て たって こと か ?
( 長門 ) そう ( キョン ) ああ …
いつも 器用な マネ ばかり する と 思って た が
無敵じゃ ない か これ って
そう で も ない 今回 の は 特別
エマージェンシーモード めったに ない
( キョン ) あっ … ( 長門 ) よほど の こと が ない と
( キョン ) あり が と よ ( 長門 ) 別に いい
( み くる ・ キョン ) うん ?
これ なんて 書いて ある か 読める か ?
( 長門 ) “ 私 は ここ に いる ” そう 書いて ある
ひょっとして だ が
それ ど っか の 宇宙 人 が 使って いる ―
言語 に なって る んじゃ ない だろう な ?
( キョン ) 長門 は 何も 答え なかった
( み くる ) ごめんなさい 私 その … 実は よく 分かって い ない んです
私 は 下っ端 いえ 末端 …
いえ 研修 生 みたいな もの です から
その 割に は ハルヒ の 近く に いる ようです が
( み くる ) だって 涼 宮 さん に 捕まって しまう なんて
考えて も み なかった もの
私 は 上司 と いう か 上 の 人 と いう か
その 人 の 指令 に 従って 動いて いる だけ な の
だから 自分 でも
して いる こと の 意味 が 分から なかったり する んです
( キョン ) その 上司 と いう の は
大人 版 朝比奈 さん で は ない だろう か
あの 大人 バージョン の 朝比奈 さん は
俺 たち が どう なる か 知っていた はずだ
だが この 今 の 朝比奈 さん に は 何も 教えて やって い ない ようだ
でも まあ 未来 人 に は 未来 人 なり の 規則 や 法則 が ある のだろう
いつか 誰 か が 教えて くれる さ 全て の オチ が つく 時 に
( キョン ) 翌日 つまり 7 月 8 日
俺 の 意識 で は ちゃんと 翌日 な のだ が
肉体 的に は 3 年 と 1 日 ぶり の 登校 と いう こと に なる らしい
うん ?
( キョン ) どうした ? 毒 キノコ でも 拾い 食い した の か ?
( ハルヒ ) 別に 思い出し 憂鬱 よ
七夕 の 季節 に は ちょっと 思い出 が ある の よ
そうかい
なあ 長門 … 朝比奈 さん は ちゃんと 未来 人 な んだ よ な ?
( 長門 ) そう
それ に して は 過去 や 未来 を 行き来 する プロセス に
つじつま が 合って ない ような 気 も する んだ が
( 古泉 ) … と おっしゃい ます と ?
( キョン ) 以前 朝比奈 さん は
過去 と 未来 に は 連続 性 が ない と 言って いた
だが 3 年 前 に 戻った 俺 は
結果 と して ハルヒ に いら ぬ 知恵 を つけて しまって
どうやら その 知恵 が ハルヒ を 北 高 に 呼んだり
ただ の 人間 じゃ ない ヤツ ら を 探さ せて しまった … 可能 性 が ある
過去 と 未来 に は 明らかな 連続 性 が ある んだ
朝比奈 さん の 説明 と 矛盾 する だ ろ ?
無 矛盾 な 公 理 的 集合 論 は
自己 そのもの の 無 矛盾 性 を 証明 でき ない から
お前 は それ で 説明 できた つもりな の かも しれ ない が な …
その うち 分かる
( 古泉 ) こういう こと です よ
今 僕 の キング は あなた の ルーク に よって
王手 を かけ られて い ます
困り ました ね ~ どこ へ 逃げ ましょう か ?
さあ この 僕 の 行動 の どこ に 矛盾 が あった でしょう か ?
ああ …
もっとも 我々 の 場合
キング に 大した 値打ち は ない のです よ
より 重要 性 が ある の は あくまで クイーン な ので ね
ああ そうかい
次に 何 が 起こる か は 知ら ん が
もっと 頭 を 使わ ず に 済み そうな こと が
起きて ほしい もん だ な
( 古泉 ) 無事 平穏 が 一 番 だ と 思い ます が
あなた は 何 か 起きた ほう が いい です か ?
フンッ
こん に ゃろ !
♪~
~♪