Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 09
( キョン ) 七夕 の 時 憂鬱 だった ハルヒ は
期末 試験 期間 中 に ステータス を メランコリー 状態 から 回復 さ せて
また 好き勝手に 振る舞う ように なって いた
俺 は と いえば その 反 作用 で 押し出さ れた ブルー 色 を
バトン タッチ さ れた ような 鬱 々 真っ盛り だ
俺 の 後ろ の 席 で テスト を 受けて いた ハルヒ は
なぜ か いつも 時間 が 余る ようで
試験 終了 30 分 前 に は 大抵 机 で 寝息 を 立てて いた
いまいましい ああ いまいましい いまいましい !
♪~
~♪
( キョン ) ハルヒ に よる と SOS 団 に は
休み と いう もの が ない らしい
試験 期間 中 で 部活 動 が 中止 さ れて いた 間 も
部活 でも なんでもない この 謎 の 団 は
コンビニエンスストア の ように 年中 無休 で 営業 して いた
( ハルヒ ) ああ … ちょっと これ 見なさ い
( キョン ) ん ~ 何 これ ?
( ハルヒ ) 見て 分から ない の ?
( キョン ) 分から ん ね 全然 分から ん
あたし の SOS 団 の エンブレム よ !
エンブレム ? 酔っ払った サナダムシ が ―
くだ を 巻いて る ように しか 見え ない な
ちゃんと 見なさ いよ !
ほら 真ん中 に “ SOS 団 ” って 描いて ある でしょ
( キョン ) そう 言わ れて みる と
そんな 気 が しない で も ない ような ある ような …
でも 大声 で 言いかねる くらい に は 見え ないで も ない ね
さて 俺 は 一体 いく つ 否定 語 を 重ねた かな
暇な ヤツ が いたら 数えて くれ
一 番 暇な の は あんた でしょ !
それ より これ を SOS 団 サイト の
トップ ページ に 載せよう と 思って る の
( キョン ) トップ ページ しか ない この しょ ぼく れた サイト に か
あんた の 作った この サイト 訪問 者 が 増え ない の よ
遺憾 を 覚える わ
にぎやか す もの が 全然 ない の よ
あんた が 邪魔 した せい よ
せっかく み くる ちゃん の エロ 画像 で 客 を 呼ぼう と 思った のに
だから 考えた の
SOS 団 の シンボル みたいな もの を 貼り 付けたら どう かって
( キョン ) こんな アホ な ホームページ とっとと ネット から 撤収 しろ よ
アクセス カウンター は 3 桁 に 達して ない 上 に
その うち 9 割 は お前 が 自分 で 回して いる ような もん だ ぞ
日記 でも 書いたら どう だ ?
業務 記録 を つける の は 団長 の 仕事 だ ろ
イヤ よ 面倒くさい
( キョン ) 俺 だって 面倒くさい んだ が
さあ キョン
この シンボルマーク を サイト の 頭 に 表示 する ように し なさい
( キョン ) お前 が 自分 で しろ
あたし は 団長 な の
団長 は 命令 する の が 仕事 な の よ
それ に あたし が 全部 やっちゃ ったら
あんた たち の する 仕事 が なくなる でしょ
少し は あんた も 頭 を 使い なさい よ
言わ れた こと を やって る だけ じゃ 人間 進歩 し ない わ よ
お前 は 俺 に やれ と 言って いる の か する な と 言って いる の か ―
どっち な んだ ?
( ハルヒ ) いい から や んな さい !
は あ ~
( キョン ) 俺 は しぶしぶ ハルヒ 画伯 様 の サナダムシ 風 イラスト を
適当な サイズ に 縮小 して から
ファイル に 貼り付け アップロード した
( キョン ) あした から 夏 休み まで の 間 に は
つかの間 の 休息 試験 休み が ある
教師 が 俺 の 答案 用紙 に ペケ を 朱 入れ する 時間 で も ある
クソ いまいましい
せめて 朝比奈 ( あさひ な ) さん を 眺めて 少し でも 安らぎ を 得よう
俺 は “ は あ ~ い ” と 舌足らずな 朝比奈 ボイス を 期待 して
ドア を ノック した
( ハルヒ ) どうぞ !
( キョン ) なんだ お前 だけ か
有希 ( ゆき ) も いる わ よ
( キョン ) こいつ は 部屋 の 付属 物 みたいな もの だ から
人数 に は 入れ なくて いい の さ
正式に は 文芸 部員 だ
だが ここ は 言い 直して おく べきだろう
なんだ お前 と 長門 ( な が と ) だけ か
( ハルヒ ) なんか クレーム で も ある わけ ?
( キョン ) 俺 の お前 に 対する クレーム を 箇条書き に したら
それ だけ で A 4 ノート 両面 は
びっしり 埋め尽くさ れる こと に なる ぞ
ノック なんか する から
てっきり お 客 さん が 来た んじゃ ない か と 思った じゃ ない
( キョン ) 朝比奈 さん の 生 着替え を うっかり 目撃 し ない ように
気 を つけて いる んだ よ
( キョン ) あの うかつで 愛らしい 方 は
なかなか ドア に 施錠 する こと を 覚え ない から な
それ で お 客 って なんだ ?
あんた 覚えて ない の ?
( キョン ) 3 年 前 の 七夕 が どう と か 言う つもりじゃ ない だろう な
あんた が やった こと じゃ ない の あたし の 許可 も 得 ず に ね
なんの こと かな …
あんた が 貼った ポスター の こと よ
ああ それ か
( キョン ) 実は かつて 俺 は
よろず 悩み 相談 所 と して
SOS 団 を 存続 さ せる べく 生徒 会 に 働きかけて いた
ポスター まで 手書き で 作って
目 に ついた 掲示板 に 貼って おいた のだ
( ハルヒ ) それ より これ 見て よ なんか 変な の
パソコン の 調子 が 悪い の かしら
( キョン ) SOS 団 の エンブレム は
ギャザー 処理 さ れた みたいに ゆがんで いて
カウンター や タイトル ロゴ も 吹き飛んで いたり と
俺 が 作った もの と 微妙に 違って いた
( セミ の 鳴き声 )
サーバー に ある ファイル が 狂って る みたいだ
いつ から この 状態 な んだ ?
さあ ? 今日 見たら こんな だった の よ
どこ に クレーム つければ いい の ?
( キョン ) クレーム を つける まで も ない
うん ?
ん …
おかしい でしょ ?
あれ かしら ウワサ に 聞く ハッカー と か クラッカー と か
まさか 何 か の エラー だ ろ
ムカ つ くわ
誰 か が SOS 団 に サイバーテロ を 仕掛けて る んじゃ ない かしら
一体 それ は 誰 ?
見つけたら 裁判 なし で 30 日間 の 社会 奉仕 活動 を 宣告 する わ
( ノック )
どうぞ !
( 古泉 ( こい ずみ )) おや 珍しい
朝比奈 さん は まだ です か ?
( ハルヒ ) 2 年 は 余分に 試験 が ある んじゃ ない
( キョン ) さっさと 帰宅 すれば いい のに
なんで そろい も そろって こんな ところ に 集まり た がる んだ
それ と ハルヒ ノック に 対する ツッコミ を
古泉 に 入れ ない と いう の は どう いう わけだ
( キョン ) 朝比奈 さん の お茶 が 待ち遠しい ね
( キーボード を 打つ 音 ) ( キョン ) う っ う ~ ああ …
( ハルヒ ) 違う !
( キョン ) それ から しばらく の 間 俺 は
ハルヒ の 無理 難題 な 注文 に 応え させ られて いた
( ノック ) あ ~ 違う !
( キョン ) それ は 救い の 鐘 の 音 だった
( み くる ) あっ 遅れちゃ って ごめんなさい 4 時限 目 まで テスト が あって …
( キョン ) そう 控えめに 謝辞 を 告げ ながら 現れた の は
部室 専用 の エンジェル 朝比奈 さん 降臨
えっ と その … です ね … あっ …
あ … あの お 客 さん を 連れて き ました
( キョン ) なんという ことか
来る はずな い 悩み 相談 者 第 1 号 が 来て しまった のである
彼女 は 喜 緑 ( きみどり ) 江 美里 ( えみ り ) さん と いう ―
おとなしく 清 楚 ( せ いそ ) な 感じ の 2 年生 だった
すると あなた は 我が SOS 団 に
行方 不明 の 彼 氏 を 捜して ほしい と いう の ね ?
( 喜 緑 ) はい
う ~ ん
( キョン ) 彼女 は SOS 団 の 活動 目的 を
本当に よろず 悩み 相談 所 か
便利 屋 稼業 と 誤認 して しまった ようだ
で その 悩み 事 な んだ が …
彼 が もう 何 日 も 学校 に 来て ない んです
電話 して みた ?
携帯 に も 家 の 電話 に も 出 なくて
家 まで 行って みた んです けど 留守 でした
う ~ ん その 彼 氏 の 家族 は ?
彼 は 1 人 暮らし な んです
ご 両親 は 外国 に いらっしゃる と 前 に 聞き ました
でも 私 は 連絡 先 を 知り ませ ん
へえ ~ 外国 って カナダ ?
いいえ 確か ホンジュラス だった と 思い ます
ほほ う ホンジュラス ね なるほど ~
( キョン ) “ なるほど ~” じゃ ない よ
どこ に ある 国 か 知って る の か 疑わしい ね
え ~ と メキシコ の 下 くらい だ っけ ?
夜中 に 訪ねて も 真っ暗でした し 私 心配 で …
う ~ ん あなた の 気持ち は 分から ないで も ない わ
( キョン ) ウソ つけ 恋する 気持ち が お前 に 分かる わけ が ない
… に して も よく 我が SOS 団 の ところ に 来た わ ね
動機 は ?
彼 が よく SOS 団 の こと を 話題 に して いた んです
へえ ~ 誰 ? 彼 氏 って
( 鳴き声 ) … です
誰 だ っけ それ
( 喜 緑 ) SOS 団 と は 近所 づ きあい を して いる ように 言って ました けど
う ~ ん
彼 は コンピューター 研 の 部長 を 務めて い ます から
( キョン ) う ~ ん … あっ !
( キョン ) ハルヒ に 朝比奈 さん へ の セクハラ 写真 を 撮ら れ
それ を 盾 と して ハルヒ に 最新 の パソコン を 譲渡 さ せ られ
泣く泣く 配線 まで さ せ られた あの 気の毒な 部長 氏 か …
まったく 忘れて いた
うん 分かった
あたし たち が なんとか する わ
喜 緑 さん あなた ツイ てる わ よ
依頼 人 第 1 号 と して 特別に タダ で 事件 を 解決 して あげる から
( キョン ) カネ を 取る 気 だった の か よ
( ヒグラシ の 鳴き声 )
おい そんなに 簡単に 引き受けて
解決 でき なかったら どう する つもりだ よ
できる わ よ
きっと あの 部長 は 2 か月 遅れ の 五 月 病 で 閉じこもって る んだ わ
部屋 に 乗り込んで
2~3 発 ぶん 殴って 引きずり出せば いい だけ の 話 よ
( キョン ) 本気で そう 思って いる ようだ
しかし 部長 氏 は 喜 緑 さん の ような 恋人 が いて
なんで 閉じこもって いる んだ ?
喜 緑 さん と は 親しい んです か ?
う うん 一 回 も 話した こと なかった です
( キョン ) 相談 する なら 教師 か 警察 に 言えば いい のに …
いや すでに 言った けれども 相手 に さ れ ず
それ で SOS 団 に 相談 を 持ちかけた の か
そんな ところ だ と 思う ね
ハルヒ は これ を 契機 に もっと 大々的に 依頼 を 募集 し
片っ端から 解決 する こと を 考えて いる ようだ
( ハルヒ ) また 校門 前 で チラシ 配り する の も いい わ ね
( キョン ) 部長 氏 の 住まい は 可 も なく 不可 も なく
新しい と も 古い と も 言え ない 平凡な
3 階建て 半 地下 1 階 の ワンルーム マンション だった
( ハルヒ ) よし !
( ハルヒ ) ここ ね
なんとか 開け られ ない かしら ね
( チャイム ) ( キョン ) 順序 が 逆だ ろ
裏 から ベランダ に 上がったら どう ?
ガラス を たたき 割れば 入れる んじゃ ない ?
( キョン ) は あ … この 部屋 は 3 階 だ し
俺 たち は 空き巣 狙い の 少年 犯罪 グループ で は ない
俺 は まだ 前科 は 欲しく ない ぞ
そう ね
管理人 さん とこ 行って 鍵 を 借り ましょう
友達 が 心配で 来た って 言えば 貸して くれる わ
( キョン ) お前 は その 手 を よく 使う な
( 鍵 が 開く 音 )
( キョン ) 液体 ヘリウム みたいな 目 が 俺 を 見つめて いた
あら 開いて た の ? 気付か なかった
まあ いい わ さあ 上がり ましょう
きっと ベッド の 下 と か に 隠れて る から
みんな で 引っ張り出して 捕獲 する の
( キョン ) あいつ は パソコン を ぶんどった 自責 の 念 など
みじんも 感じて い ない らしい
お っか しい な ~
てっきり 部屋 の 片隅 で 膝 を 抱えて 丸く なって る と 思って た のに
キョン あんた 2 か月 遅れ の 五 月 病 患者 が
他 に 行き そうな ところ 知って る ?
( キョン ) 中南米 辺り を 旅行 中 か 本気で 行方 を くらまして いる か …
( 長門 ) 出た ほう が いい
( キョン ) そうい や 今日 初めて 声 を 聞いた な
僕 も 同感 です
( キョン ) 真面目な 声 を 出す な 息 を 吹きかける な
顔 が 近い んだ よ 気色 悪い
奇妙な 違和感 を 感じ ます
これ に 近い 感覚 を 僕 は 知っている
これ に 近い 感覚 を 僕 は 知っている
( ハルヒ ) わらび 餅 発見 !
( ハルヒ ) 賞味 期限 が 3 日 前 に なって る わ もったいない から 食べ ましょう
( ハルヒ ) さあ み くる ちゃん ( み くる ) イヤで …
( ハルヒ ) あ ~ ん ( み くる ) う ~
何 に 近い って ?
( 古泉 ) 閉鎖 空間 です
この 部屋 は あそこ と 同じ ような かおり が し ます
( キョン ) そう いえば お前 は マジ な 超 能力 者 だった な
( 長門 ) 次元 断層 が 存在 位相 変換 が 実行 さ れて いる
( キョン ) ここ は さっさと 撤退 した ほう が よ さ そうだ な
( み くる ) う っ う っ …
あ ~ ん ( み くる の 泣き声 )
おなか が すいた わ 本日 は これ にて 解散 !
( キョン ) … って おい 事件 は どう する んだ
なんとか なる でしょ じゃあ ね !
( キョン ) もう 飽きた らしい
( カラス の 鳴き声 )
あの … どうした ん です か ?
涼 宮 ( すずみ や ) さん に 見つから ない ように 再 集合 って …
( キョン ) そこ の 2 人 は さっき の 部屋 が 気 に なる みたいです
( キョン ) そう な んだ ろ ? ( 古泉 ) はい
もう 一 度 行けば 分かる と 思い ます よ
ねえ 長門 さん
( 長門 ) この 部屋 の 内部 に 局地 的 非 浸食 性 融合 異 時空 間 が
制限 モード で 単独 発生 して いる
( キョン ) そんな 適当に 辞書 引いて 目 に ついた 単語 を
並べた だけ の ような 語句 で 言わ れて も …
感覚 と して は あの 閉鎖 空間 に 近い もの です ね
あれ は 涼 宮 さん が 発生 源 です が
こちら は どうも 違う に おい が し ます
長門 さん 部長 さん の 行方 不明 は その 異常 空間 の せい です か ?
そう
( 超 高速で 唱える 呪文 )
( キョン ) 待て と 言う べきだった
イヤッ
( キョン ) 俺 は せっかく の 感触 を 味わう 暇 も なく
自分 の 居場所 を 必死で 確認 しよう と して いた
俺 が いた の は 確か 手狭な ワンルーム だ
こんな 薄気味悪い 場所 じゃ ない
( 長門 ) 侵入 コード 解析
通常 空間 と 重複 位相 が ズレ て いる だけ
( 古泉 ) 閉鎖 空間 で は ない ようです が
( 長門 ) 似て 非なる もの
ただし 空間 データ の 一部 に
涼 宮 ハルヒ が 発信 元 らしい ジャンク 情報 が 混在 して いる
( 古泉 ) どの 程度 です ?
( 長門 ) 無視 できる レベル 彼女 が トリガー と なった だけ
( 古泉 ) なるほど そういう こと です か
( キョン ) 俺 と 朝比奈 さん は 蚊帳 の 外 か よ
ここ に コンピューター 研 の 部長 が いる の か
( 古泉 ) その ようです ね
この 異 空間 が 自室 に 発生 して しまい
なんらか の 理由 で 閉じ込め られて しまった のでしょう
( キョン ) どこ に いる んだ ?
待て !
これ から 何 を する の か 教えて おいて くれ ない か ?
心 の 準備 期間 は 欲しい ぜ
何も
お出まし
( キョン ) な … なん です と !
明確な 敵意 を 感じ ます ね
( キョン ) こいつ ら は 自分 を 守る すべ が あり そうだ が
俺 と 朝比奈 さん は 安心 でき ない
光線 銃 と か 持って い ない んです か ?
う うん 武器 の 携帯 は 厳禁 です 危ない です
( キョン ) それ は 分かる ね
この 人 は 武器 を 持た せて も 役 に 立た ない どころ か
電車 の 中 に 忘れて きたり する かも しれ ない から な …
( み くる ) うん ? あっ !
( キョン ) カマドウマ と いう 虫 を ご存じ であろう か
知ら ない 人 に は ぜひ 目の前 の 光景 を 見せて あげ たい
( キョン ) な んな んだ これ は ( 古泉 ) カマドウマ でしょう
( キョン ) それ は 分かって る そんな こと は いい
( 長門 ) この 空間 の 創造 主
( キョン ) まさか これ も ハルヒ の 仕業 か ?
( 長門 ) 原因 は 別 でも 発端 は 彼女
( キョン ) もう 動いて いい ぞ
ここ で は 僕 の 力 も 不完全 ながら 有効 化 さ れる ようです ね
威力 は 閉鎖 空間 の 10 分 の 1
これ で 十分だ と 判断 さ れた のでしょう か
( キョン ) それ より 長門 よ
あの 昆虫 の 正体 は なんだ ? 部長 氏 は どこ に いる ?
情報 生命 体 の 亜種
男子 生徒 の 脳 組織 を 利用 し 存在 確率 を 高めよう と して いる
ひょっとして 部長 さん は この 中 です か ?
その もの
そう か この カマドウマ は
部長 氏 自身 が イメージ する 畏怖 の 対象 であり
これ を 倒せば 異 空間 も 崩壊 する 違い ます か ?
違わ ない
( 古泉 ) ならば 事 は 簡単です ( み くる ) ひ ょえ ~!
( キョン ) 俺 は 腰 に まとわり つく 朝比奈 さん の おかげ で
どうにか なり そうだ
行動 範囲 も 奪わ れ 逃げ られ ない
すぐ 済み ます よ
( キョン ) さっさと やれ ( 古泉 ) 了解 し ました
ふん も っふ !
( 超 高速で 唱える 呪文 )
( キョン ) 斥力 場 ?
セカンドレイド !
( キョン ) やった か ( み くる ) あっ …
やっぱり ダメ か
終わり です か ?
( み くる ) ほっ …
( キョン ) どうやら 生きて いる らしい
空間 も 元 の 狭い ワンルーム に 戻って いた
( 長門 ) 約 2億8千万 年 前 の こと に なる
地球 に 降下 した それ は
地球 に 自分 が 存在 できる ような 手段 が なかった ため
自己 保存 の ため の 冬眠 に ついた
人間 に よって コンピューター ネットワーク が 生み出さ れる と
それ は 半 覚醒 状態 と なり
そして 通常 の 数値 で は 測り 得 ない ―
異 界 の 情報 データ に よって 目覚めた
( キョン ) 異 界 の 情報 データ
それ は ハルヒ の 描いた SOS 団 の エンブレム だった
それ が きっかけ と なった ようだ
( 長門 ) この 紋章 は 地球 の 尺度 に 換算 する と
約 436 ペタバイト の 情報 を 持って いる
( キョン ) そんな アホ な ! 100 キロ バイト も なかった はずだ
( 古泉 ) たまたま 描いた シンボルマーク が それほど の もの だった なんて
まさに 涼 宮 さん です ね
( キョン ) 俺 は 本気で 恐怖 し かけて いた
でき すぎて いる
SOS 団 の 結成
朝比奈 さん は マスコットキャラ に うってつけだ から
古泉 は 転校 して きた から
長門 は 最初 から いた から メンバー と なった
でも って 実は 朝比奈 さん は 未来 人 で
長門 は 宇宙 人 も どき
これ が ハルヒ の 思いつき だ と したら あまりに も でき すぎて いる
( キョン ) ハルヒ が そう 望んだ から だ と 古泉 は 言う が 俺 は 信じ ない
俺 は ただ の 普通 人 だ から だ
だが ここ で もし ハルヒ の 行動 に 全て 裏 が ある と したら …
彼ら 3 人 と 同様に
俺 に も なんか 知ら ん すっとんきょうな 変な 能力 か
あるいは 素性 が ある から
ハルヒ は 俺 を SOS 団 の メンバー に 選んだ の か ?
俺 は 何者 な んだ …
( キョン ) 早い 話 俺 は SOS 団 唯一 の 良心 な のだ
ハルヒ に この 非合法な 部活 動 を やめ させ
まっとう な 高校 生活 を 送ら せる ため に
SOS 団 に いる のだ
結局 あの カマドウマ は な んだった んだ ?
情報 生命 体
お前 の パトロン の 親戚 か ?
起源 は 同じ
だが 異なる 進化 を 遂げ そして 滅亡 した
( キョン ) … と 思ったら ここ に 生き残り が いた わけだ
より に よって 地球 で 冬眠 する こと は ない だろう
海王星 辺り で 寝て たら いい のに
インターネット の 発達 が その 邪 心 も どき の 温床 に なる と は ね
( キョン ) おかしな こと が ある ( み くる ) ん ?
( キョン ) ここ で ハルヒ が 絵 を 映して いる 時 も
また そもそも 絵 を 完成 さ せた 時 も 何も 起こら なかった ぞ
ここ なら とっくに 異 空間 化 して い ます から ね
何 種類 も の さまざまな 要素 や 力 場 が せめぎ合い
打ち消し 合って 飽和 状態 と なり
それ 以上 溶け込む 余地 が ない んです
俺 が 気付か ない うち に 部室 は そんな 魔 窟 と 化して いた の か
無害だ と 思い ます よ 多分 ね
やれやれ
知ら ない うち に 気 が 変に なって いる と か
首つり 用 の ロープ を 探して いる と か は ごめん だ ぜ
そう なら ない ように 頑張って い ます
お前 が 頑張って いる から
そんな こと に なって いる んじゃ ない だろう な
えっ !
( キョン ) アクセス カウンター が なんと 3万 近く も 回って いた
この 情報 生命 体 は
ハイパーリンク を あちこち に 貼って 増殖 する
サイン を 見た 人間 の 脳 へ 自 情報 を 複写 し
限定 空間 を 発生 さ せる 仕組み
( キョン ) ただし データ が 破損 した ため 見た 人間 全員 が
部長 氏 と 同じ こと に なって いる わけで は ない ようだ
長門 が 言う に は 正しい 模様 を 見 ち まった アホ は 8 人
その うち 北 高 生 は 5 人
助け に 行く 必要 が ある んだろう な
( 監督 ) おい こら ! 集まら ん かい !
( キョン ) よ ~ く 目 を こらす と 実は “ ZOZ 団 ” そう 描いて ある
シンボルマーク は 長門 が リテーク し 俺 が 貼り付け 直した
部長 氏 が 学校 に 来て いる ぞ
( ハルヒ ) ふ ~ ん あっ そう
やっぱり 五 月 病 か ただ の 痴話 ゲンカ だった の よ
それ より すごい じゃ ない アクセス カウンター が 3万 よ !
やっぱり 見て る 人 は 見て る の よ ね ~
( キョン ) ひょっとして …
データ を 破壊 して くれた の は こいつ で は ない の か ?
そして 事件 を 持ち込んで くれた 喜 緑 さん
聞けば 部長 氏 い わく 彼女 は い ない そうだ
この 絵 に 描いた ような シナリオ の 中心 に は
いつも 長門 が いた
この 万能 宇宙 人 端末 が 喜 緑 さん を どうにか する こと で
俺 たち に 事件 を もたらした と して も 少しも 驚か ない
依頼 人 ごっこ で ハルヒ の 退屈 を 少し でも
解消 さ せて やろう と した の かも しれ ない
いつも は 誰 に も 言う こと なく 何 か おかしな もの を
未然 に 防いだり して いる んじゃ ない だろう な
陰 で ひっそり と …
それとも 俺 たち を 巻き込んだ の は
長門 お前 の 希望 だった の か ?
殺風景な 部屋 で 何 年 も 暮らす 宇宙 人 製 の アンドロイド …
長門 … やはり お前 に も ある のだろう か
“1 人 で いる の は 寂しい ” と 思う こと が …
♪~
~♪