Hokuto no Ken ( Fist of the North Star ) Episode 103
( ナレーター ) 運命 を 切り開く 男 が いる
天 に 背く 男 が いる
それ は 北斗 神 拳 ( ほ く と しんけん ) 2000 年 の 宿命
見よ 今 その 長き 血 の 歴史 に 終止符 が 打た れる
♪ ~
~ ♪
( ケンシロウ ) うん っ
( ナレーター ) 愛する ユリヤ を 奪った ラオウ を 追って
ケンシロウ は 荒野 を 急ぐ
( ケンシロウ ) アタッ ( 拳 王 ( けん おう ) 軍兵 A ) ウワッ クッ
アッ アア …
( 拳 王 軍兵 B ) オウッ グハッ
( ナレーター ) 一方
己 の 隠れ 城 に 立てこもった ラオウ は
( ラオウ ) ハア ハア ハア
俺 が ケンシロウ に 恐怖 を
あり え ぬ
( フドウ の 部下 ) う わ ああ
( ナレーター ) ラオウ は 動きだし た
身寄り の ない 子ども たち の ―
親 代わり と なって 暮らす フドウ の 村 へ
ラオウ の 魔 の 手 は 迫り くる
世紀 末 覇者 ラオウ の もくろみ は 何 か
フドウ の 子ども たち の 運命 は
あ あっ ああ …
( フドウ ) 何故 … 何故 貴 様 が ここ に ?
( ラオウ ) 貴 様 の 拳 と 命 が 欲しい
俺 が 魔 王 と なる ため に は う ぬ の 中 に 流れる ―
鬼 の 血 が 必要 だ
( リン ) え えっ ( バット ) 鬼 の 血 ?
( ラオウ ) 今 は 万 人 に 慕わ れる 善 の フドウ だ が
いかに 善人 の 皮 を かぶ ろ う と も その 体 に は ―
鬼 の 血 が 流れ て おる
その 鬼 の 血 を もらい に き た
ど … どう いう こと な ん だ
フドウ さん に 鬼 の 血 だ なんて …
貴 様 は ケンシロウ を 倒す ため
血 の いけにえ に なって もら お う
( フドウ ) ケンシロウ と の 戦い に 恐怖 し た か ラオウ !
( ラオウ ) フッ フフ
フドウ よ 鬼 と なれ 鬼 と なって 我 と 戦え
さもなくば 子ども を すべて 殺す
( 拳 王 軍兵 たち ) ええ い
や あっ !
( 子ども たち ) ああ …
よか ろ う
山 の フドウ 鬼 と な ろ う
鬼 と なら ね ば 貴 様 を 倒 せ ん
つい て こい ラオウ !
( ラオウ ) フッフ フフ
かつて 若き 日 の この 俺 を ただ 一 度 恐怖 さ せ た 男
フドウ よ
ギャア ウワッ
( 従者 A ) ウギャア ウウッ
( 従者 たち ) あ あっ
( ラオウ ) く う っ
くう う …
( フドウ ) フフ フフッ
( 従者 B ) フドウ ! 覚悟
( フドウ ) ウフ フフ
北斗 神 拳 を 甘く 見る な
( フドウ ) ほ ざ け ! さあ かかって こい
お わ あ !
ぎ ゃ あっ
フフフフフ
どう し た
そんな 程度 で 俺 を 倒 せる と 思った か
う うん ?
フッフ フフ
うん っ
( 従者 B ) ウウッ グワッ
( 従者 A ) う っ あっ
う う … う わ っ あっ
あ あっ あ あっ
( フドウ ) う うん う あっ
( ラオウ ) う う …
( 従者 C ) ま … 参り まし た ( 従者 D ) い … 命 だけ は
フッ 俺 に とって は 戦い は 生 か 死 か 2 つ に 1 つ
命がけ で 戦う やつ は い ねえ か !
い なけ れ ば あの 金 と 食料 を もらって いく ぞ
( ラオウ ) くっ
くう う …
若 造 !
死 の 覚悟 は でき て おる か !
う う っ
フン !
( リュウ ケン ) フドウ と か 申し た な
わし は リュウ ケン 北斗 神 拳 の 伝承 者 だ
お ぬし に 問い たい 者 の 命 を 何と 心得る
( フドウ ) 命 ?
フンッ 命 など ウジ 虫 よ 湧 い て 出る わ
哀れ な やつ よ
( フドウ ) ほ ざ け ハハハッ
( ラオウ ) くう …
は あ くっ
ラオウ よ 動 け ぬ か
お前 でも 鬼 に は 勝 て ぬ か
( ラオウ ) う っ くっ
あの とき の 気迫 動 け なかった
あれ は まさに 鬼 の 気迫 !
この ラオウ
恐怖 を 感じ た の は ―
あと に も 先 に も あの とき 一 度 かぎり
今 こそ やつ の 鬼 の 気迫 を 飲み込み ―
ケンシロウ へ の 気 の 迷い など 吹き飛ばし て くれる わ !
( フドウ ) あの ころ の 俺 は
村 々 へ 押し入り 倒し 奪い 食らい 飲む
鬼 の 生活 だった
( 人々 ) わ あっ 助け て くれ !
助け て くれ 鬼 が 来 た ぞ !
( 女性 ) キャー !
( 南 斗 の 従者 ) フドウ だ 止めろ !
フッハハハ
( 南 斗 の 従者 たち ) あ あっ ( フドウ ) う おお !
アハハ ハッ
う わ あっ
い よっ
( 南 斗 の 従者 たち ) う わ あっ
フン ウジ 虫 が !
うん ここ か
なん だ 小 娘
ユ … ユリア 様 いけ ませ ぬ
お 戻り ください その 男 は 鬼 の フドウ !
刃 向 って は いけ ませ ぬ
ほう この 俺 が 怖く ない の か
オラ どき な !
おう おうおう お前 何 を 隠し て おる ん だ ?
その 幼き 命 まで 捨て て 何 を 守 ろ う と いう の だ
( フドウ ) ど けっ ( ユリア ) あっ !
( フドウ ) な っ
( 子 犬 の 鳴き声 )
( フドウ ) ああ … あっ
い … 犬 ?
あ あっ 生まれ た !
( フドウ ) うん ?
( ユリア ) わ あっ フフッ
ウフフ フッ あっ
( フドウ ) この 子 が 命がけ で 守った もの は
この 犬
なぜ …
( ユリア ) ウフ フッ
ほら っ ウフフッ
( フドウ ) ああ …
お っ あ あっ
お っ あっ
ほう …
( ユリア ) ウフフッ ね ? 生き てる でしょ
暖かい でしょ ? これ が 命 よ
( フドウ ) 命 …
うん
命 …
鬼 が 負け おった わ
( フドウ ) ハア …
( フドウ ) 俺 は 母 も 知ら ず 父 も 知ら ず に 育った
だから それ まで 命 など ―
ウジ 虫 の ごとく 湧き出る もの と 思って い た
しかし …
その 子 犬 の あまり の か弱 さ に ただ たじろ い だ
そして まだ 幼かった ユリア に 知る はず も ない 母 を 見 た
その 日 より 俺 は 鬼 の よろい を 捨て
南 斗 慈母 星 ( なんと じ ぼ せい ) に 仕える 五 車 星 ( ご しゃせい ) の 男
山 の フドウ と し て 生きる こと を 誓った
だが 今 その よろい を 着ける とき が き た
お 許し くだされ ユリア 様
この フドウ 汚れ なき 命 の ため に 鬼 と 戻り 戦 お う
( バット と リン ) あっ ああ !
( リン ) あれ が フドウ さん ?
( 子ども たち ) フドウ の 父ちゃん お 父 さ ー ん !
( オル ) リハク 様 ( リハク ) やはり ここ か
リハク 様 なぜ ラオウ は この 村 を 襲う と 分かり まし た ?
うむ やつ は 恐怖 と 戦って いる
( オル ) は っ ?
ラオウ は ケンシロウ の 幻 の 秘 奥義
無 想 転生 ( むそう てんせい ) の 前 に おびえ た
( ラオウ ) バ … バカ な
俺 が … この ラオウ が
ふ … 震え て
この ラオウ が 震え て …
ラオウ よ それ が 恐怖 と いう もの だ
な ぬ っ !
( リハク ) その とき から やつ の 中 で 恐怖 と の 戦い が 始まった
恐怖 を 拭い去る に は ―
さらなる 大きな 恐怖 と 立ち向かう こと が 必要 だ
ラオウ が かつて 感じ た 最大 の 恐怖 と は ―
若き 頃 に 出会った 鬼 の フドウ
やつ が ケンシロウ に 抱 い た 恐怖 を 払う に は ―
フドウ と 戦う こと 以外 に は ない
フドウ
鬼 の 闘 気 は よみがえった な
だが う ぬ の 鬼 の 拳 が さび つい て は どう に も なら ぬ
やれ っ !
( 拳 王 軍兵 C ) ぬ ふ っ は いや あ !
ぎ ゃ あ !
う あ ああ
あっ う わ ああ
ギャア
アアッ ウウウッ
腕 が … ない ああ あっ
う お っ う ぐ ぐ っ
( フドウ ) ぬ う っ
( バット ) ダメ だ 見る な 見る なって ば !
( フドウ ) ぬ お お お っ
( 拳 王 軍兵 C ) ウゲッ ウヒッ グッギャア
ば き ゃっ ぴ き ゃ あ
( フドウ ) は あ お おお
( ラオウ ) アハハ ハッ
フドウ その 心 その 拳 昔 の フドウ そのまま だ
ならば こそ 俺 の 拳 の いけにえ に ふさわしい
その 鬼 の 闘 気 飲み込 ん で やる わ
よい か !
俺 が 一 歩 でも ここ より ひ い たら 容赦 は いら ぬ
この 背 に すべて の 矢 を 撃ち 放て !
( 拳 王 軍兵 たち ) は はっ
( 拳 王 軍兵 D ) しぼれ !
( ラオウ ) もし この 線 より ひく なら この ラオウ
死 ある のみ !
弟 ケンシロウ に 勝 て ぬ 愚か な 兄
ラオウ !
( 拳 王 軍兵 E ) おい もしも ケンシロウ が 来 たら どう する よ
拳 王様 は い ねえ し
( 拳 王 軍兵 F ) ヘッヘヘ へ どうせ やつ は 目 を 負傷 し て いる
我々 が 束 ん なりゃ 簡単 に 勝 てる さ
( 男 ) 本当 に そう かな ?
そう だ と も お め え も くどい な ちょ ろ い もん だ ぜ
アッハハ
( 男 ) で は 束 に なって もら お う か
( 拳 王 軍兵 F ) う う っ な … なん だ ?
ケ … ケンシロウ
( ケンシロウ ) は あ ああ アチャー !
( 拳 王 軍兵 たち ) う わ あ あ !
ケンシロウ だ ! ケンシロウ だ
( 拳 王 軍兵 たち ) ケンシロウ だ ! ケンシロウ が 来る ぞ !
ケンシロウ だ !
て や あ !
野郎 !
くら え !
( ケンシロウ ) は あ ああ
アター アチョー !
( 拳 王 軍兵 たち ) お わ あ !
おわ っ お えっ
おお っ おお お っ
偉 え こと を し て くれ た じゃ … あっ
あっ う っ あ あっ
ラオウ は どこ だ
ユリア は どこ だ
誰 が て め え なんか … アゲッ !
( ケンシロウ ) さあ 言え !
ヘッヘヘ ナメ ん な よ
俺 は 口 が 堅い んで 有名 な ん だ
そ っか
( 拳 王 軍兵 G ) あが ひ ひ っ が が が ひ っ が が が が ああ あ あっ ああ …
あっ あっ ああ
回り 方 が まだ 足りない か
あ あっ いいえ 言わ せ て いただき ます
拳 王様 は この 城 を 捨て て フドウ の 村 へ !
( ケンシロウ ) う っ ユリア は ?
ほ … ほか の お 城 へ 移さ れ た どこ だ か 知ら ねえ
ホ … ホント に 知ら ねえ ん だ よ
ユリア
( フドウ ) う お っ
( ラオウ ) うりゃ あ !
( フドウ ) う わ お っ ど わ っ !
あっ
アッ ウッ ふん っ
お 父さん !
フドウ さん !
( キラ ) おのれ !
( リハク ) 待て ( オル ) なぜ なぜ です か !
今 手助け を すれ ば 拳 王 部隊 は 必ず 子ども たち を 襲う
( フドウ ) おお っ ウウッ
( ラオウ ) フフフ フフ フフ
フドウ 俺 の 血 を すする 気 で こい !
さもなくば 貴 様 に 勝ち目 は ない ぞ
( フドウ ) おのれ !
う お !
う うりゃ あ !
( ラオウ ) うん が あ !
( フドウ ) う わ あっ
ウウッ
( 子ども A ) あ あっ ( 子ども B ) 父ちゃん !
フドウ の 父さん !
この 拳 王 かつて の ラオウ と は 違う
鬼 の フドウ の 恐怖 など みじんも 感じ ぬ
やはり ケンシロウ に 感じ た 恐怖 など 気 の 迷い に すぎ ぬ
フドウ よ
もはや お前 に は 用 は ない
子ども たち と 共に 死 に 果てる が よい
( フドウ ) ハア … どう かな
貴 様 が 俺 の 中 に 鬼 を 見る の は ―
これ から だ !
あ あっ
ああ …
ああ …
と おお っ
( ラオウ ) う い いや あ !
父さん …
( フドウ ) アアッ
これ が 鬼 の 拳 か
やはり 情け は 拳 を 曇ら す のみ か
( フドウ ) うん っ
( ラオウ ) おわ っ 抜け ぬ !
( フドウ ) は あ ああ …
( ラオウ ) うん ?
この 目 だ
この 悲しき 目 の 光 こそ
俺 が ケンシロウ に 感じ た 同じ 光
これ だ これ が 恐怖 だ
( フドウ ) う うん
( ラオウ ) ぬ ああ ああ …
うん っ グアア
フドウ !
今 こそ 貴 様 の 血 と 共に 恐怖 を 飲み込 ん で くれる わ
ど りゃ あ !
( リン ) キャー !
( ケンシロウ ) あ あっ
フドウ !
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~ ♪
( ナレーター ) ラオウ よ 汚れ なき 涙 の 力 を 知れ
たとえ この 身 は 砕け て も まこと の 勝利 我 に あり
次回 北斗 の 拳
「 やさしき 勇者 フドウ ! 」
「 その 涙 は 熱き 心 を 呼びさます ! ! 」
( ケンシロウ ) 北斗 の 掟 ( おきて ) は 俺 が 守る