山河 三 差 路 分かれ 道
守り たい の は 己 か 人 か
常 世 の 闇 か …
非だ の 乱れ は 貢が ない
終わる 事 ない 阿 鼻 の 芸
時に 分け入れ 扉 が 開く
晴らせ ぬ 恨み 晴らし ます
コックリ さん コックリ さん おいで ください
稲荷 の ゴン さん そこ に いらっしゃい ます か ？ お 答え ください
ゴン さん だって
笑っちゃ かわいそう よ
ゴン さん の お陰 で やっと みんな に 気付いて もらえた んだ から
ずっと 空気 だった もん ね
稲荷 の ゴン さん おいで ください
こら いつまで 残って る の
うん ？ 稲生 さん あなた また …
駄目 よ 曽根 先生 ゴン さん を 取り上げたら また 空気 に なっちゃ うって
それ しか ない んだ から ね この 子
そう そう ゴン さん あって の コックリ ちゃん だ もん
気 を つけて ね あん まし いじめる と 祟 られちゃ うよ
ほら あなた たち も
あ はい
指 を 離しちゃ 駄目 ！
今 ゴン さん が 降りて きた から
ゴン さん 小林 さん の アクセサリー は どこ です か ？
英語 の 小 テスト どう だった ？
うん ま ぁ なんとか
いい なぁ わたし 撃沈 だ よ
あった よ アクセサリー
良かった お告げ の 通り だった ？
うん びっくり した よ 四角い 箱 で 箪笥 の こと だった の ねぇ
何度 も 調べた のに
ゴン さん に は 何でも お 見通し な の
ゴン さん は ね …
なに あれ ？
あぁ コックリ ちゃん よ
コックリ ちゃん ？
二 年 の 稲生 楓 コックリ さん ばかり して る から ねぇ
結構 当たる みたい よ
ふん ？ そういう の まだ やって る 子 いたんだ
また か ？
何 して る の ？
一 度 使った 紙 は 土 に 埋め なきゃ いけない 決まり だ から
さすが プロ
ねぇ 木下 さん 期待 できる でしょ
あの さ 呪い って できる ？
え ？
生活 指導 の 猪瀬 あいつ を 呪って ほしい の
あれ で 休んだ 時 仮病 に 違いない って 難癖 つけて きて さ
まじ 重かった のに ねぇ
家 に まで 電話 かけて きて
症状 は どう だ と か ねちねち ねちねち
ほとんど セクハラ よ もう頭 きて
でも わたし 呪い なんて …
でき ない の ？
別に そう いう わけじゃ …
お 願い 稲生 さん
じゃ 今回 だけ
よく わかん ない けど ま ぁ いっか
ゴン さん よろしく お 願い し ます
まさか あんな の で 効く なんて …
稲生 さん ありがとう 本当に 猪瀬 の 奴 を やって くれた の ね
ちょっと …
すげ ぇ 本当に …
凄い よ 稲生 さん こんな 力 を 持って なんて
別に 私 は 何も …
や だ 謙遜 しちゃ って
う うん ～ これ は その ゴン さん が
ゴン さん が して くれた だけ で
コックリ さん って そんな こと まで できちゃ うんだ
もう 見る 目 変わっちゃ った 尊敬
そんな …
羨ま し い なぁ そんな すごい 狐 と 知り合い だ なんて
わたし の 守り神 な の ゴン さん は あたし の 言う こと …
猪瀬 先生 も 災難 だった よね
捻挫 かなり ひどい みたい
あの 噂 本当な の か な ？
実は 呪い を かけ られて たって やつ 聞いた 聞いた
まさか それ って 地獄 通信 ？
違う 違う ほら 二 年 の 誰 だ っけ … えっ と …
稲生 楓 さん
コックリ ちゃん ？
そう そう 二 年 ちゃ 彼女 の 噂 で も 打ち切り に なって る みたい
あ … あの 子 が ねぇ
小学校 一緒な ん だけ
あんまり 覚えて ない んだ けど
いる の か い ない の か わかん ない 子 だった よ ねぇ
ごめん 全然 覚えて ない
なるほど
それ が さ 中学 に 入って から 急に 注目 浴びちゃ って
突然 自分 に は 狐 が 憑 いて る と か 言い出して ね
コックリ さん を やりだした の も その 頃 よ
より に よって コックリ さん と は ね
ゴン さん これ から も 力 を 貸して ね
はい 稲生 です けど …
C 組 の ？ あぁ 木下 さん の 紹介 で
えっ … それ は …
わかり ました やり ます
で 相手 は … はい 三 年 の …
大丈夫です わたし に ゴン が ついて ます から
はい
ゴン さん また よろしく お 願い し ます
よく 見て 欲しい の は 内臓 の 位置 関係 だ
心臓 や 肺 など 人間 と カエル の 共通 点 と 相違 点 を 確認 する こ
お前 は 誰 に する ？
俺 は 数学 の 赤津 だ な
い いちゃ う ？
いい加減に し なさい よ
そう よ 趣味 悪い
なんだ よ お前 ら だって 怨 ん でる 奴 の 一 人 や 二 人 くらい いる だ ろ
地獄 少女 って めん どくさ そうじゃ ん
コックリ ちゃん なら すぐだ ぜ
コックリ ちゃん 最高
ほんと バカ あんた たち
んな こ と 言う と 狐 に 祟 られる ぞ
どう なって も 知ら ない から ね
何 が 崇 り よ くだらない
秋 恵 ！
あり え ない よ ね あんな ところ に 試験 管 置 いとく なんて
でも かすり傷 で 良かった よ
少し ずれて たら それ こそ …
どう しよう ゆず き
わたし 呪わ れた の よ
誰 か が 稲生 さん に 頼んで
そんな こと ある わけな いよ
きっと そう よ ！
ゴン さん は はぐれ 稲荷 と いって ね
住む べき 社 を 失った かわいそうな 狐 な の
それ で わたし の ところ に 来た んだ けど …
ちょっと いい ？
西野 さん
今 まで コックリ ちゃん と か バカに して て ごめん
う うん そんな こと …
それ で お 願い が ある んだ けど
いい わ よ なんでも 言って
そい つ を 殺して 欲しい の
殺す ？ 誰 な の この 人
近所 の 大学生
ずっと 私 の こと ストーカー を して る の
ストーカー ？
朝 も 夜 も 付き纏わ れて もう 限界 な の
でも 殺す と いう の は ちょっと …
できる んでしょ
それとも わたし が バカに した から 嫌な の ？
そんな こと …
お 願い 助けて 稲生 さん
わかった やって みる
稲生 さん
高杉 さん お 久しぶりです
どうした ん です か その 手
あなた わたし の こと 呪った ？
如何 な の ？
わたし は 何も …
本当に ？
呪い なんて やめた ほう が いい よ
誰 に も いい こと ない んだ から
取り返し が つか なく なる 前 に やめた ほう が いい って ねっ ？
先輩 たち に は 関係ない こと です
みんな が わたし を 頼って くれて る んです
もう 昔 の わたし じゃ ない んです
なに あれ ？
わたし に は できる
大丈夫 ゴン さん が ついて いる んだ から
ゴン さん 力 を 貸して ください ！
南 無 稲荷 大 権現 この 者 に
死 を ！
稲生 さん お は よ
あっ 西野 さん おはよう
どう だった ？
大丈夫 ちゃん と やって おいた から
ありがとう
如何 致し まして
人 を 呪わ ば 穴 二 つ
一 遍 死んで みる ？
台詞 とく やった
なん な の ？
やっかいな もん が 流行 っち まった もん だ なぁ
あいつ を 呪え こいつ を 呪え
もう 呪い の バーゲンセール さ
みんな たまって る んです ねぇ
で どう な んだ ？
その 娘 本当に 狐 が 憑 いて ん の か ぁ ？
いや ありゃ ただ の 思い込み だ ね
でも 崇 り が あった って
偶然だ よ 偶然
よく ある だ ろ
先 に 誰 か が 呪い を かけた と なりゃ 偶然 も 呪い に な っち まう の さ
でも その 女の子 は 信じて る んです よ ね
コックリ さん の 力
狐 が どう の と 言い出す 前 は
いる の か い ない の か わから ない 子 だった そうだ よ
ようやく より所 を 見つけた つもりな んだろう
それ に したって ねぇ
西野 ち ずる 覚えて ます ？
あぁ 前 に アクセス して きた 子 ね
ストーカー さ れた と か 言って る
まだ 打ち込んで 無かったろう
彼女 が コックリ ちゃん に 頼んだ そうです よ
相手 を 呪い 殺して くれ って
へ ぇ
殺す ねぇ …
さて どう なる か ねぇ
メール
無言 メール よ
あの 男 まだ 死んで ない んじゃ ない の ！
どういう こと ？
でも わたし 昨日 ちゃん と …
わたし だ から って 手 を 抜いて る わけ ？
そんな こと ない
とにかく もう 一 度 やって みる から
お 店 で 一 番 高い 油揚げ だ よ
奮発 した んだ から よろしく ね
お 願い お 願い お 願い し ます
南 無 稲荷 大 権現 この 者 に 死 を ！ 死 を ！ 死 を …
あいつ 今朝 も わたし を 見て た の よ
実は でき ない と か 言わ ない よ ね
ねぇ
それ は … 殺す の って 初めて だ から
少し 手間取って る だけ で … 本当 よ ！
いい わ 急いで ねぇ
大丈夫 ？ 顔 真っ青 よ
おい 何 や てん だ ？
なんだ ありゃ
新しい の を 試した から たぶん …
たぶん じゃ 困る の よ
う うん 大丈夫 今度 こそ きっと
本当 ね 間違い ない わ ね
じゃあ 頼む よ 信じて る から よ
最近 西野 さん と 仲 いい わ ね
うん ま ぁ …
稲生 さん の こと 目 の 仇 みたいに して た のに
これ も ご利益 ？
そう ゴン さん の お陰 な の
死んで ない じゃ ない の ！
どういう こと な の ？
そう 言わ れて も
もう いい あんた なんか に 頼って た の が 間違って たわ
ちょっと 待って
いい加減な こと ばっかり
結局 何も でき ない んじゃ ない の
そんな こと ない
嘘 よ この インチキ
みんな に も 教えて あげる わ 騙さ れる なって
ひどい
だったら 証拠 見せ なさい よ
呪い 殺せる の ？ どう な の ？
できる わ
また 調子 の いい こと を
本当 よ 呪い 殺して み せる
これ が 最後 よ それ しか 取り得 が 無い んだ から さ ぁ
しっかり やって よね コックリ ちゃん
七十三
お 稲荷 さま どう か ゴン さん に 力 を お 貸し ください
あの 男 を 呪い 殺す 力 を
八十六
百 南 無 稲荷 大 権現 我 が 願い を 聞き届けた まえ この 者 に 速やかな 死 を ！
嘘 ！ 何で 生きて る の ？
どうして 死な ない の よ ！
死んで よ ！ 死んで ！ 死んで ！ 死ね ！ 死ね ！ 死ね ！…
どう やったら 死んで くれる の よ
ゴン さん
ゴン さん
戻る の ？ 嫌
まだ 方法 は ある 間に合う
来た よ
地獄 少女
結局 こう な っち まう んだ ね
骨 女
バカだ よ あんた って 子 は
受け取り なさい
良かった これ で 助かる
そう よ あんな 思い 二度と …
あなた が 本当に 怨み を 晴らし たい と 思う なら
その 赤い 糸 を …
やった ぁ ー あいつ は 死ね
みんな 見て わたし が 殺した の よ
もう 誰 に も 空気 だ なんて 言わ せ ない
わたし は みんな から 頼り に さ れる コックリ ちゃん よ ！
人 を 呪わ ば 穴 二 つ
怨み 聞き届けたり
ありがとう コックリ ちゃん
あいつ どこ か に 消えちゃ った みたい
ストーカー から 助かって 良かった ね
ストーカー ？ 何の こと
えっ だって あの 大学生
あぁ あれ 嘘 ちょっと キモイ だけ だった の よ
ストーカー って 言った ほう が リアリティ ある でしょ
そんな …
それ より さ ぁ 友だち が お 願い し たい んだ って
引き受けて くれる わ ね
また 呪い 殺して ほしい 奴 が いる の
あなた の 怨み 晴らし ます
名前 は ？
市村 和也
お 母さん いっぱい 服 を 持って る んです ね
きれいで い たい んだ
お 父さん に 見て 欲しい んだ よ
昔 みたいに でも
お 母さん が 好きな んです ね だ から …
お 願い 地獄 へ 流して
怨み 聞き届けたり
次回
镜中 金 鱼
