Nichijou episode 1 (1)
( 相生 祐子 ( あい おい ゆうこ )) ああ
( 長野原 ( な が のはら ) みお ) どうした の ? ゆ っこ
( 祐子 ) いろいろ やる 気 が 出 なくて
( みお ) 何 言って ん の ? 私 たち 高校 生 な んだ よ
新 学期 な んだ よ
やる 気 なんて やれば 自然に 出て くる もん だ よ
その やる まで の やる 気 が 出 ない んだ よ
やる まで の やる 気 を 出す に は どう すりゃ いい の ?
やる まで の やる 気 か …
うーん
とにかく やる っ きゃ ない !
よっ し ゃあ
( うぐいす の 鳴き声 )
( 東雲 ( し の のめ ) な の ) は かせ そろそろ 起きて ください
よっ と
あっ
フフッ
( ネジ が 緩む 音 )
( はかせ ) フワア … おはよう
何 して る の ?
今日 の 朝 ごはん は 焼き魚 です よ
( はかせ ) え えっ ! オムライス …
昨日 食べた じゃ ないで す か
お 魚 は 栄養 が たくさん 入って る んです よ
( はかせ ) 不満
( な の ) 好き嫌い し ないで 何でも 食べ ない と 大きく …
あっ !
( な の ) あっ ( 猫 ) ニャッ !
あの それ は 大切な 朝 ごはん な ので …
( ネジ が 緩む 音 ) ( 猫 ) ニャッ !
えっ ? あっ いや 違う んです ! これ は 決して ―
ロボット 的な もの で は なくて です ね
ええ
と その … あ あっ
( はかせ ) あっ 逃げた ( な の ) えっ
( 猫 の 鳴き声 )
( な の ) ああ … 待って え
いって らっしゃい
ハア ハア
( な の ) もしかしたら あの 猫 も 困って いる の か な ?
フフフッ あっ !
ああ っ
ぶつかる う !
( 爆発 音 )
♪~
~♪
( 爆発 音 ) ( みお ) あーあ みお ちゃん スラマッパギー !
ああ ゆ っこ おはよう
どう しよう 学生 章 着け 忘れて きちゃ った よ
( 祐子 ) あれ ? スラマッパギ 素通り ?
( みお ) 上級 生 に 呼び 出さ れたり し ない よ ね ?
そういう とき は ―
“ 私 は 3 年生 だ ! ” って 言っちゃ えば いい んじゃ ない ?
何の 解決 に も なって ない じゃ ん
( ごう音 ) ( みお ) うん ? 何 ?
雷 ? 晴れて る のに
いきなり 降って くる かも よ ? 夕立 と か ひょう と か
( 祐子 ) こけし が 降って きた
( みお ) だ … 大丈夫 ? ゆ っこ ( 祐子 ) う う … まさか の こけし だ よ ビックリ した どっか ら 落ちて きた んだろう
分かんない よ お
でも 人生 の 中 で ―
こけし に 当たる なんて なかなか ない から ね
めったに ない でしょ ? そんな 人
( みお ) まず い ない よ
逆に ツイ てる かも
( 祐子 ) ツイ て ねえ …
( みお ) ゆ っこ 大丈夫 ?
まさか の 赤べこ だ よ
赤べこ …
違う ツイ て ない んじゃ ない
こう 考えれば いい んだ よ みお ちゃん
当たった の が なま 物 じゃ なくて よかった って
そう 考えれば 不幸中の幸い って …
あ …
シャケ だ あ !
( 月夜 野 ( つきよ の )) おはよう
( 中之条 剛 ( なか の じょう つよし )) おはよう ございます
あっ 麻衣 ( まい ) ちゃん おはよう
スラマッパギー !
( 水上 ( みなかみ ) 麻衣 ) おはよう
麻衣 ちゃん 何 読んで る の ?
不動産 の 情報 誌
( みお ) えっ 麻衣 ちゃん 引っ越す の ?
( 麻 衣 ) 未定 …
( 祐子 ) と ほほ スラマッパギ は スルー です か
しかたない この ワード は 今日 で ララバイ し ます か
( 麻 衣 ) ゆ っこ ( 祐子 ) あっ
スラマッマラム
うわ あ あっ
あっ うっ
えっ あっ う う …
麻衣 ちゃん そこ は スラマッパギ だろ っ
ウフフッ
( みお ) それ 何 語 ?
( みお ) あっ
( 桜井 ( さ くらい ) 先生 ) あっ ホ … ホームルーム 始め ます
えっ と 今朝 学校 に 来たら これ が げた 箱 に 入って い ました
誰 か 入れた 人 は いま せんか ?
え … ええ と
もし 何 か 知って る 人 が いたら 教えて ください ね
みお ちゃん 誰 だろう ね ? あんな こと する の
イタズラ な の か な ?
意外 と 先生 の こと を 好きな 生徒 だったり
それ で 弥勒 菩薩 ( み ろく ぼさつ ) は ない よ
まあ でも そういう かなわない 人 へ の ―
憧れ の 気持ち は 分から なく も ない よ
うん あれ でしょ ?
みお ちゃん が 笹原 ( ささ はら ) 先輩 を 思って る みたいな
バ … バカヤロウ !
( な の ) ここ どこ だろう ?
( 爆発 音 ) ( な の ) ああ う う … ( な の ) わ あ … ああ
( 犬 の ほえ 声 )
帰ら なきゃ
はかせ も きっと 心配 して いる し 七輪 つけ っぱなし で 危ない し
これ 下り られ ない !
えっ ? お 箸 が ない
つっかけ も ない
う うっ どう しよう …
わ あっ
腕 が ない !
ああ っ ロボ だって バレちゃ う
( ネジ が 緩む 音 ) ( オグリキャップ ) ハッ ハッ ハッ いく よ
( 銃声 )
( オグリキャップ ) ハッ ハッ ハッ ごちそうさま ( みお ) ん ?
ほら 早く 食べ ない と 5 時間 目 LL だ よ
あれ ? ウインナー 好きじゃ なかった っけ ?
フッ
フッフッフッフ
お 弁当 の 最後 は ―
一 番 おいしい やつ に する の が 基本 です よ
そんで “ うまい ! ” と 言って 締めくくる んです
( みお ) ふうん
そい じゃあ ひと つ いった だっ きま ー す
ああ あ !
ぐう うっ
ぐ うっ ぬ おお !
の わ あっ
( 祐子 ) あっ ! ( みお ) ハッ
あっ ああ ! 抜け たっ !
まだ だ あ !
終わった あ !
まだまだ あ !
( 祐子 )1 つ
2 つ
3 つ
ああ っ セーフ ああ ! アウト だ よっ ( 祐子 ) フフン ヤダ なあ みお ちゃん 3 秒 ルール だ よ 3 秒 ルール
いや なんか もう いっぱい いっぱい アウト だ よ
( 中之条 ) え へ へ
うん うん
うまい !
( みお ) ゆ っこ は バカだ なあ
♪~ ( はかせ ・ な の ) ♪ 最初 は グー その 次 パー ♪ グッチョパッ は なし よ じゃんけん ぽん
ええ は ー い え いっ
( 校長 ) ええ 皆さん おはよう ございます
春 に なり 新しい 年度 が 始まり ました が ―
まだまだ 寒い 日 が 続き ます ね
私 は 皆さん の 倍 は 寒い んです けど ね
( 校長 の 笑い声 )
とにかく カゼ を ひか ない ように
いい です か これ は 校長 先生 と の 約束 です
皆さん が 言う こと を 聞か なかったら ―
校長 先生 は …
ほか の 学校 の 校長 先生 に なっちゃ い ます よ
( 校長 の 笑い声 ) みお ちゃん みお ちゃん 何 ?
話して る と 怒ら れる よ
あの さ 校長 って ―
自分 の ギャグ が 古 すぎる こと 気付いて ない の か な
毎回 受け入れ られて ない こと ぐらい ―
本人 が 一 番 分かって いる と 思う んだ けど
うーん どう なんだろう ね
( 祐子 ) も しか して
受け入れ られて ない こと を 知り ながら ―
なお 努力 する 姿勢 を ―
現代 の すれた 若者 に 見せて いる の … かも
そう だ と すれば この 校長 かなり の 手 だれ !
あっ ( 麻 衣 ) フフフッ ( 祐子 ) 麻衣 ちゃん ?
( 麻 衣 ) フフッ フフフフ
麻衣 ちゃん が !
まさか あの オヤジギャグ が ?
えーっ
( 祐子 ) しかも 麻衣 ちゃん が
こんなに 笑って る ところ 初めて 見た よ
よし ! ここ は ひと つ
麻衣 ちゃ !
( 麻 衣 ) うん ?
( 祐子 ) あっ なぜ だろう
今 ここ で 言ったら すべて を 失い そうな 気 が する
ゆ っこ
ん ?
あっ ( 麻 衣 ) ごめん やっぱ 何でもない うん ?
ん ん っ ?
( 麻 衣 ) やっぱり 気付く まで …
取る の は やめよう
フフッ
( 教頭 先生 ) で は 続いて 桜井 先生 から 生徒 指導 の お 話 です
桜井 先生 お 願い し ます
( 桜井 ) う う う …
( 高崎 ( たか さき ) 先生 ) あの … 桜井 先生
( 桜井 ) は いっ
すいません 生徒 指導 の 桜井 です
うっ すいません
ええ …
ああ …
( 桜井 ) う う やっぱり こんな 人数 いる と 緊張 する
ダメダメ こんなんじゃ
いつまで たって も 理想 の 教師 に 近づけ ない んだ から
言う べき ところ で ビシッと 言わ ない と
そう だ !
最近 校 内 で ヤギ を よく 見かける んです が ―
ヤギ は 学校 に は ―
あまり 持って こ ない ように し ましょう
( 笹原 幸 治郎 ( こうじ ろう )) ヤギ の … ヤギ の 何 が 悪い
ヤギ で 通学 する の は 校則 違反 で は ない であろう が !
( 桜井 ) えっ ああ その …
( 祐子 ) みお ちゃん あれ 笹原 先輩 じゃ ない ?
へ ええ そ ー お ?
う う う ヤ … ヤギ を 許可 し ます !
フッ ( 銃声 ) ( 生徒 たち ) うわっ ( 立花 ( たちばな ) みさと ) 却下 よ ! 却下 ド 却下 よ
ヤギ なんか 持って きて いい わけ ない でしょ
( 笹 原 ) そう は 言う が 立花 みさと よ
なぜ 私 が 二 本 足 で スタコラ 歩か ねば なら ん のだ
大体 笹原 家 の 長男 と いう の は …
なに が 笹原 家 の 長男 よ !
あん たんち 普通 の 農家 でしょう が
だから 何 だ
長男 が 長男 と 言って 何 が 悪い のだ
( フェッ ちゃん ) ふ えっ 笹原 君 ちって 農家 だった んだ
( ウェボシー ) なんか だまさ れた 気分
( みお ) あの 自転車 置き場 の ヤギ 笹原 先輩 の だった んだ
白 ヤギ に 乗った 笹原 先輩 が 私 を 迎え に …
ア ハッピー ニューイヤー
ミ … ミートゥー
( みお ) Q ~!
( 祐子 ) わっ みお ちゃん !
あっ ええ … 自転車 に 乗り ながら の 携帯 は 大変 危険です 絶対 やめ ましょう
それ と 最後に …
今朝 私 の げた 箱 に 弥勒 菩薩 が 入って い ました
こういう イタズラ を する の は よく ない と 思い ます
すい ませ ー ん 通り ま ー す
( 麻 衣 ) 弥勒 菩薩 …
うわ あっ 麻衣 ちゃん 急に 立ち止まら ないで
あっ ( 麻 衣 ) ここ ら 辺 デジャブ かも しれ ない 誰 が やった んです か ? 怒ら ない から 手 を 上げて ください
出て くる まで 今日 は このまま 朝礼 です よ
( 男子 生徒 1) 誰 だ よ ( 男子 生徒 2) お前 出ろ よ
( 桜井 ) えっ ええ っ
( 校長 ) いや あ 桜井 先生 が 誕生日 だ と 聞いて いた もの で
いやいや そう です か 弥 勒 菩薩 は ダメです か
ええ … ( 教頭 ) 以上 で 朝礼 を 終わり ます 校長 先生 今日 まで ありがとう ございました
教頭 !
この 消火栓 の ボタン って すごく 押し たく なる 魔力 が ある よ ね
( 祐子 ) そうだ ね
あっ ! クックック ( 祐子 ) 押して みたら ?
それ 前 押したら 音 と か 鳴ら なかった し
えっ ホント ?
( 火災 報知 器 の ベル )
( 男子 生徒 1) えっ 火事 ? ( 男子 生徒 2) ウソ !
( 女子 生徒 1) どう す ん の ? これ 逃げ ん の ?
( 男子 生徒 3) みんな とりあえず 校庭 に 出る ぞ
( 生徒 たち の ざわめく 声 )
( 男子 生徒 4) て め え なに 人 の 背中 押して んだ よ
( 男子 生徒 5) お前 が 押した んだろ
( 男子 生徒 4) 何 言って んだ ? 大体 お前 前 から ムカついて た んだ よ
( 女子 生徒 2) や めな よ 人 が 死ぬ かも しれ ない の よ
( 男子 生徒 6) まずは 逃げろ ケンカ は それ から だ
♪ ヘルベチカ スタンダード
( 死 神 ) あの お
( お じいさん ) うわ ああ
( 死 神 ) あの すいません KY ( ケーワイ ) って 何で しょうか ?
( 死 神 ) あの … ( 女性 ) キャアー !
KY って 何 な んでしょう ?
すい ませ ー ん KY に ついて 教えて くださ ー い
( 男性 ) 助けて くれ え
( 死 神 隊長 ) おい !
あっ 隊長
KY って 何で しょうか ?
お前 の こと だ よ
( 富岡 ( とみ おか ) 先生 )2 年 B 組 笹原 幸 治郎
至急 職員 室 の 富岡 の ところ まで 来る ように
( 富岡 ) 確かに 校則 違反 で は ない が な
ヤギ は ない だろ ヤギ は
なんとか なら ん か ?
徒歩 が イヤ なら 自転車 でも いいん だ ぞ
ヤギ で なければ
御 仁
( 富岡 ) 富岡 だ
富岡
( 富岡 ) 先生 を つけろ
先生
ヤギ で は なく ―
笹原 コジロウ と 呼ぶ わけに は いか ない か ?
今 は ヤギ だ
( な の ) 私 は 東雲 なのって いい ます
一緒に 住んで いる はかせ が 作って くれた ロボット です
はかせ は 何らか の 研究 を して いる らしく ―
一 日 中 家 に い ます
私 は その お 手伝い を し ながら 日々 過ごして い ます
はかせ 牛乳 温 ( あった ) め まし … た !
つ … う う う
( な の ) 秀でた 機能 は あり ませ ん が 痛 覚 は ある ようです
( はかせ ) な の どうした の ?
は … はかせ 小指 が … 小指 が あ !
ココッ ココッ コココ … 小指 カカカ カカカ カカカ …
( な の ) ハアッ ( はかせ ) ポン !
は う
( はかせ ) とりあえず これ で 大丈夫だ から
ええ っ
( な の ) 秀でた 機能 は あり ませ ん が 小指 が 取れる そうです
( な の ) は かせ この ネジ は 何 な んです か ?
ああ 回した こと なかった っけ ?
( な の ) あっ はい たまに 回り ます が
( はかせ ) フフッ これ は こう やって 回す と ねえ
( な の ) うわ あっ 何 です か ?
( はかせ ) フウ シュパー !
( な の ) すみません 秀でた 機能 満載 です
ねっ 面白い でしょ ?
もし かして … これ だけ の ため に ネジ を ?
そう だ よ お
もし かして これ だけ の ため に ネジ を ?
そう だ よ !
外して ください
( はかせ ) ヤダー ! ( な の ) ええ っ
なぜなら カワイイ から です
( な の ) リアルに 外して ください
ええ カワイイ のに
私 は もっと 普通 が いい んです
普通の 人 みたいに イス に 座ったり 寝返り を 打ったり し たい んです
( な の ) これ じゃあ 学校 に も 行け ないで す
いっそ 人 型 ロボット で なければ よかった のに
( はかせ ) な の …
( な の ) ハッ
( はかせ ) うっ うっ
ああ あ ! な … なんて ウソ です よ ウソ もう イヤだ なあ はかせ は
( はかせ ) じゃあ 取って ( な の ) え ?
芥川 ( あく たが わ ) 賞 取って
なんで ?
( はかせ ) 芥川 賞 ! 芥川 賞 ! ( な の ) そんな 毎日 です ( 男子 生徒 ) ここ どこ だろう ?
♪~ ~♪ ( 親指 ) こんにちは な の ちゃん の 足 の 親指 です 容量 は 1 ギガ です
もう ちょっと 欲しい ところ です よ ね
次回 の 「 日常 」 は 第 2 話 で す お 楽しみに