中ぶらりんの 鐘
ちゅうぶらりんの|かね
hanging bell
Cloche suspendue centrale
中ぶらりんの 鐘
ちゅうぶらりんの|かね
Nakaburarin's bell
むかし むかし 、 吉 四六 さん と 言う 、 とても とんち の 出来る 人 が い ました 。
||きち|しろく|||いう||||できる|じん|||
Il était une fois un homme nommé Yoshishiroku qui était très doué pour faire des blagues.
ある 日 の 事 、 お 寺 参り に 来た 二 人 の 男 が 、 釣り鐘 の 下 で 大声 で 言い 合い を して い ました 。
|ひ||こと||てら|まいり||きた|ふた|じん||おとこ||つりがね||した||おおごえ||いい|あい||||
One day, two men who came to visit a temple were arguing loudly under the bell.
Un jour, deux hommes venus visiter un temple se disputaient bruyamment sous la cloche.
「 おれ は この 寺 の 鐘 を 、 むかし から 見て 知っ とる が 、 ぶらり と 下がっ とる 。
|||てら||かね||||みて|ち っ|||ぶら り||した が っ|
"I know the bell of this temple from a long time ago, but it hangs down.
"Je connais la cloche de ce temple depuis longtemps, mais je l'ai laissée tomber sans but.
間違い は ねえ !
まちがい||
Pas d'erreur!
」 「 いや 違う 。
|ちがう
"No, no.
"Non non.
この 鐘 は 、 下がって ぶらり と し とる んじゃ !
|かね||さがって|ぶら り||||
This bell will hang down and hang out!
」 「 いや 、 ぶらり と 下がっ とる !
|ぶら り||した が っ|
"No, just hang back!"
」 「 いや 違う 。
|ちがう
下がって ぶらり じゃ !
さがって|ぶら り|
Get down and hang out!
」 どっち も 負け ず に 言い 合って 、 一 歩 も ゆずり ませ ん 。
||まけ|||いい|あって|ひと|ふ||||
そこ で 二 人 は 一 両 の お 金 を かけて 、 通り かかった 人 に どっち が 正しい か を 判断 して もらおう と いう 事 に し ました 。
||ふた|じん||ひと|りょう|||きむ|||とおり||じん||||ただしい|||はんだん|||||こと|||
So they decided to spend 1 ryo to have a passer-by decide which was correct.
さあ 、 そこ へ ちょうど やって 来た の が 、 吉 四六 さん です 。
|||||きた|||きち|しろく||
「 さあ 、 吉 四六 さん 。
|きち|しろく|
どっち が 正しい か 、 決めて くれ 」 二 人 の 言い分 を 聞く と 、 吉 四六 さん は 、 「 まずは 、 一 両 ずつ 預かり ましょう 」 と 、 言って 二 人 から お 金 を 受け取る と 、 吉 四六 さん は わざと 難しい 顔 で 、 「 うーん 。
||ただしい||きめて||ふた|じん||いいぶん||きく||きち|しろく||||ひと|りょう||あずかり|||いって|ふた|じん|||きむ||うけとる||きち|しろく||||むずかしい|かお||
Decide which one is correct." When they heard what they were saying, Yoshishiroku said, "First, let's take one car at a time." with a deliberately difficult face, "Hmm.
ぶらり と 下がる と 、 下がって ぶらり か 。
ぶら り||さがる||さがって|ぶら り|
・・・ はて 、 どっち かのう ?
」 と 、 言い ながら 、 釣り鐘 の 回り を 、 ぐるぐる と 見て 回り ました 。
|いい||つりがね||まわり||||みて|まわり|
'' he said, looking around the bell.
「 吉 四六 さん 、 早く 決めて くれ 」 二 人 が 詰め寄る と 、 吉 四六 さん は まじめな 顔 を して 言い ました 。
きち|しろく||はやく|きめて||ふた|じん||つめよる||きち|しろく||||かお|||いい|
「 そう だ !
この 鐘 は 、 中ぶらりんじゃ 。
|かね||ちゅうぶらりんじゃ
『 ぶらり と 下がる 』 でも 『 下がって ぶらり 』 でも なく 、『 中ぶらりん 』 じゃ 。
ぶら り||さがる||さがって|ぶら り|||ちゅうぶらりん|
だ から 、 どっち が 勝ち で も ない 。
||||かち|||
・・・ しかし 、 お 金 の 中ぶらりん は 困る だろう から 、 これ は おら が もらって おこう 。
||きむ||ちゅうぶらりん||こまる||||||||
... But I'm sure you'll be in trouble if you're running out of money, so I'll take this for myself.
では 、 さい なら 」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 あっけにとられて いる 二 人 を 残して 、 吉 四六 さん は 二 両 の お 金 を ふところ に しまう と 、 さっさと 帰って しまい ました 。
|||||ふた|じん||のこして|きち|しろく|||ふた|りょう|||きむ|||||||かえって||
Then," "..." "..." Leaving the two of them stunned, Yoshishiroku-san put the two coins in his pocket and hurriedly went. I have gone home.
おしまい