幽霊の子守り
ゆうれい の こもり
Ghost babysitting
幽霊 の 子守り
ゆうれい||こもり
Ghost babysitter
これ は 、 十八 世紀 の ドイツ であった お 話 です 。
||じゅうはち|せいき||どいつ|||はなし|
This is the story of Germany in the eighteenth century.
ある 町 の 鍛冶 屋 の ケック さん の 家 に は 、 幽霊 ( ゆうれい ) が 出る と いう うわさ が たち ました 。
|まち||かじ|や|||||いえ|||ゆうれい|||でる||||||
There have been rumors that a ghost appears at Keck's house, a blacksmith in a town.
その 幽霊 は 夜中 の 十二 時 頃 に なる と 、 片方 の 手 に 大きな カギ の 束 ( たば ) を 、 もう 一方 の 手 に は ロウソク を ともした 燭台 ( しょくだい ) を 持って 、 どこ から と も なく 現れる のです 。
|ゆうれい||よなか||じゅうに|じ|ころ||||かたほう||て||おおきな|かぎ||たば||||いっぽう||て||||||しょくだい|||もって||||||あらわれる|
At about 12 o'clock in the middle of the night, the ghost had a large bundle of keys in one hand and a candlestick with a candle in the other, from anywhere. It will appear without.
白い ドレス の すそ を 引きずって 家 の 中 を スーッ と 音 も なく 通り抜け 、 時々 、 月 の 光 の 様 に 白く 輝いて 部屋 を 照らす こと から 、 人々 は その 幽霊 を 『 白い 女 』 と 呼んで い ました 。
しろい|どれす||||ひきずって|いえ||なか||||おと|||とおりぬけ|ときどき|つき||ひかり||さま||しろく|かがやいて|へや||てらす|||ひとびと|||ゆうれい||しろい|おんな||よんで||
People called the ghost a "white woman" because it dragged the hem of a white dress through the house silently, sometimes shining white like the light of the moon, illuminating the room. ..
ケック さん の 家 の あたり は 、 むかし 小さな お 城 が あった ところ です 。
|||いえ|||||ちいさな||しろ||||
Around Keck's house, there used to be a small castle.
その 城 で は 大きな ホール が 事故 で 崩れ落ちて 、 たくさんの 人 が 生き埋め に なり ました 。
|しろ|||おおきな|ほーる||じこ||くずれおちて||じん||いきうめ|||
In the castle, a large hall collapsed in an accident and many people were buried alive.
その 時 に 死んだ 人 の 魂 が 、『 白い 女 』 の 幽霊 に なった と 言い伝え られて い ます 。
|じ||しんだ|じん||たましい||しろい|おんな||ゆうれい||||いいつたえ|||
It is said that the soul of the person who died at that time became the ghost of the "white woman."
さて 、 ケック さん と 奥さん の アグネス さん に 十 番 目 の 子ども が 生まれて 、 カテリーナ と 名づけ られ ました 。
||||おくさん||あぐねす|||じゅう|ばん|め||こども||うまれて|||なづけ||
By the way, Mr. Keck and his wife, Mr. Agnes, gave birth to the tenth child and named him Katerina.
ある 晩 の 事 、 ケック さん 夫婦 は 何 か 気配 を 感じて 目 を 覚まし ました 。
|ばん||こと|||ふうふ||なん||けはい||かんじて|め||さまし|
One night, Mr. and Mrs. Keck woke up with a sense of something.
目 を こらす と 、 暗い 部屋 を かすかに 白い 光 が 横切って 行き ます 。
め||||くらい|へや|||しろい|ひかり||よこぎって|いき|
When you look away, a faint white light crosses the dark room.
「 誰 か いる わ 」 「 白い 女 だ 。
だれ||||しろい|おんな|
"Someone is there." "A white woman.
カテリーナ の ゆりかご の ところ だ 」 「 まあ 、 なんて 事 な の !
||||||||こと||
It's about Katerina's cradle. "" Well, what a hell!
」 お 母さん は 娘 の 所 へ 行こう と した のです が 、 恐ろし さ の あまり 体 が ガタガタ と 震えて 、 一 歩 も 動く 事 が 出来 ませ ん 。
|かあさん||むすめ||しょ||いこう|||||おそろし||||からだ||がたがた||ふるえて|ひと|ふ||うごく|こと||でき||
The mother tried to go to her daughter, but she was so scared that her body quivered and couldn't move even one step.
「 大丈夫だ 、 落ち着き なさい 」 お 父さん は カテリーナ を ビックリ さ せて は いけない と 、 少し 離れた ところ から 静かに 見守って い ました 。
だいじょうぶだ|おちつき|||とうさん||||びっくり||||||すこし|はなれた|||しずかに|みまもって||
"It's okay, calm down." Dad quietly watched Katerina from a distance, saying she shouldn't be surprised.
白い 女 は 、 優しく ゆりかご を ゆすって い ます 。
しろい|おんな||やさしく|||||
The white woman gently shakes the cradle.
カテリーナ は 気持ちよ さ そうに 、 スヤスヤ と 眠って い ました 。
||きもちよ||そう に|すやすや||ねむって||
Katerina was sleeping comfortably with Suyasuya.
「 心配 ない さ 。
しんぱい||
"Don't worry.
この 子 は 、 十二 月 生まれ だ 」 「 そう ね 。
|こ||じゅうに|つき|うまれ|||
This child was born in December. "" Yeah.
クリスマスシーズン に 生まれた 子 は 、 幽霊 に 出会う って 言う もの ね 」 ケック さん 夫婦 は 安心 して 、 白い 女 に 子守り を 任せて 眠り に つき ました 。
||うまれた|こ||ゆうれい||であう||いう|||||ふうふ||あんしん||しろい|おんな||こもり||まかせて|ねむり|||
A child born during the Christmas season would meet a ghost. ”Keck and his wife were relieved and left the white woman to babysit and fell asleep.
白い 女 は 、 それ から 毎晩 の 様 に 姿 を 現し ました 。
しろい|おんな||||まいばん||さま||すがた||あらわし|
The white woman then appeared like every night.
そして 、 ゆりかご を ゆすったり 、 カテリーナ を 抱っこ して 歩き 回ったり と 、 カテリーナ を うまく あやして くれた のです 。
||||||だっこ||あるき|まわったり|||||||
Then, by shaking the cradle and walking around with Katerina in her arms, she managed to manage Katerina well.
それ は 、 二 年 ほど 続き ました 。
||ふた|とし||つづき|
It lasted for about two years.
おかげ で カテリーナ は スクスク と 元気に 育ち 、 暗闇 を 怖 がら ない 子 に なり ました 。
||||すくすく||げんきに|そだち|くらやみ||こわ|||こ|||
Thanks to that, Katerina grew up vigorously and became a child who was not afraid of darkness.
カテリーナ が 大きく なる と 、 家 の 人 たち は よく 幽霊 の 話 を して 聞か せ ます 。
||おおきく|||いえ||じん||||ゆうれい||はなし|||きか||
As Katerina grows larger, the people at home often tell the story of ghosts.
「 白い 女 が 、 あなた の ゆりかご を ゆすって くれた の よ 」 「 まあ 、 会って み たい わ 」 カテリーナ は 夜 に なる と 、 幽霊 が 現れ ない か と 楽しみに 待って い ました が 、 大きく 成長 した カテリーナ の 前 に 、 白い 女 が 姿 を 現す 事 は あり ませ ん でした 。
しろい|おんな|||||||||||あって||||||よ||||ゆうれい||あらわれ||||たのしみに|まって||||おおきく|せいちょう||||ぜん||しろい|おんな||すがた||あらわす|こと|||||
"A white woman has shaken your cradle." "Well, I want to see you." Katerina was looking forward to seeing ghosts at night, but she grew up a lot. There was no white woman appearing in front of Katerina.
おしまい
The end