泥棒 の お あいそ
どろぼう|||
petty thief
泥棒 の お あいそ
どろぼう|||
夜中 に 亭主 は 、 何やら 怪しい 物音 に 目 を 覚まし ました 。
よなか||ていしゅ||なにやら|あやしい|ものおと||め||さまし|
ゴシゴシゴシゴシ ゴシゴシゴシゴシ それ は 、 のこぎり で 壁 を 切り 破って いる 音 です 。
||||||かべ||きり|やぶって||おと|
That's the sound of a saw cutting through a wall.
「 は は あー ん 。
"Ha-ha-ha-ha.
さては 泥棒 だ な 」 亭主 は 起き上がる と 、 壁 に にじり寄って 身構え ました 。
|どろぼう|||ていしゅ||おきあがる||かべ||にじりよって|みがまえ|
The husband got up and leaned against the wall to brace himself.
やがて 壁 の 一部 が ガサッ と 崩れ落ちて 、 その 穴 から 手 が に ゅ ー と 入って き ました 。
|かべ||いちぶ||||くずれおちて||あな||て||||-||はいって||
Eventually, part of the wall crumbled away, and a hand squeezed through the hole.
亭主 は その 手 を 、 ギューッ と 掴んで 、 「 女房 、 そこ の 銭 、 二百 文 (→ 六千 円 ほど ) 寄こせ 」 亭主 の 声 で 、 女房 は 驚いて 飛び起き ました 。
ていしゅ|||て||||つかんで|にょうぼう|||せん|にひゃく|ぶん|ろくせん|えん||よこせ|ていしゅ||こえ||にょうぼう||おどろいて|とびおき|
The husband grabbed her hand and said, "Wife, give me 200 yen (about 6,000 yen) for the money there.
「 えっ 、 泥棒 ?
|どろぼう
"Eh, thief?
まあ 、 怖い 」 「 えい 、 いい から 早く 寄こせ 、 二百 文 、 二百 文 」 女房 が 震える 手 で 二百 文 を 差し出す と 、 亭主 は それ を 泥棒 の 手 に 握ら せて 言い ました 。
|こわい||||はやく|よこせ|にひゃく|ぶん|にひゃく|ぶん|にょうぼう||ふるえる|て||にひゃく|ぶん||さしだす||ていしゅ||||どろぼう||て||にぎら||いい|
「 おれ は 目 を 覚まして 得 を した が 、 お前 は 泥棒 を し そこなって 損 を した な 。
||め||さまして|とく||||おまえ||どろぼう||||そん|||
I gained by waking up, but you lost by failing to steal.
さあ 、 この 二百 文 で かん ベ ん せい 。
||にひゃく|ぶん|||||
Come on, let's go to the Kangenberg's with this 200 kroner.
だが 、 こんな 事 は 二度と する で ない ぞ 。
||こと||にどと||||
But don't you ever do that again.
次 は 許さ ぬ から な 」 やがて 、 逃げて 行き 泥棒 の 足音 が 聞こえ ました 。
つぎ||ゆるさ|||||にげて|いき|どろぼう||あしおと||きこえ|
Soon after, the thief's footsteps could be heard as he fled.
「 やれやれ 」 ところが しばらく する と 、 また 足音 が 帰って 来て 、 壁 の 穴 から 、 に ゅ ー っと 手 を 出す で は あり ませ ん か 。
||||||あしおと||かえって|きて|かべ||あな||||-||て||だす||||||
After a while, however, the sound of footsteps came back, and a hand came out of a hole in the wall.
「 えい 、 ずうずうしい 奴 だ !
||やつ|
"Eiw, he's got some nerve!
次 は 許さ ぬ と 言った だろう !
つぎ||ゆるさ|||いった|
」 亭主 が 腹 を 立てて 、 壁 の 穴 に 近づく と 、 「 これ は ほんの 駄菓子 ( だがし ) で ございます が 、 お 子 さま が た に あげて 下さい 。
ていしゅ||はら||たてて|かべ||あな||ちかづく|||||だがし||||||こ||||||ください
When the owner got angry and approached the hole in the wall, he said, "This is just a piece of candy, but please give it to your children.
先ほど は 、 まことに ありがとう ございました 」 と 、 お 菓子 の 入った 紙包み を 差し出した そうです 。
さきほど|||||||かし||はいった|かみづつみ||さしだした|そう です
He presented her with a paper package containing sweets, saying, "Thank you very much for the other day.
♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )
Chan ( The end )