イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #5 (1)
( 入江 琴子 ( いりえ ことこ )) じゃーん !
( 松本 裕子 ( まつもと ゆうこ )) 合格 通知 ? 受かった の !?
( 琴子 ) 私 入江 琴子 は 無事 医学部 看護 学科 の ―
転部 試験 に 合格 し ました ー !―
頑張った ご褒美 は …―
もちろん 入江 君 と 念願 の デート
( 入江 直樹 ( なおき )) ここ の 公園 で ボート に 乗った カップル は 別れる らしい ぜ
えっ !
どう する ? もう 乗 っちまった ぜ ?
なんで 乗る 前 に 教えて くれ なかった の ?
知って たら 乗ら な …
こういう デート が し たかった んだ ろ ?
俺 と … ボート で
え … 入江 君 どうして それ …
俺 と して は お前 の 計画 通り に 動く デート なんて 真っ平 だ けど
お前 が せっかく 徹夜 で 考えた プラン だ から な
1 つ ぐらい 叶えて やら ない と な ―
どう する ?
くだらない ジンクス 信じて ボート 降りる か ?
入江 君 …
それとも …
♪~
( チャイム )
おーっ 白衣~っ !
おお …
どうも~っ
( 琴子 ) いよいよ 看護師 へ の 第一歩 が ここ から 始まる の ね !―
しかも ―
入江 君 の 医学科 と は 隣 同士
あっは~ん !
ほおー ルンルン ルーン …
あっ あった !―
202… 看護 学科
よっし !
おっはよ ~!!
( 学生 ) は ? 誰 ?
( 琴子 ) そ … そう だった ―
ここ に は 一人 も 知り合い がい ない ん だった ―
しかも みんな 私 より 3 つ も 年下 か ~
すいません 失礼 し ます ―
よいしょ よいしょ …
( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) もしかして 新しい 人 ?
( 琴子 ) お ~ かわいい 人
あっ はい 文学部 から 転部 して き ました
へえ ~
途中 から 転部 する って
よっぽど 看護師 さん に なり たい の ね
あ … うん まあ
私 小倉 智子 よろしく ね
あっ 入江 琴子 です よろしく
( 教員 ) はい おはよう ~
( 学生 達 ) おはよう ございます
今日 から みなさん 新学期 です が ―
看護師 と して の 実践 力 を 身 に つける 演習 が 始まり ます ―
クラス 内 で 5 人 グループ に なって もらい ます ―
しっかり と 協力 し合う ように
では 名前 を 読み上げ ます
1 班 佐伯 直子 ( さえき なおこ )
1 班 佐伯 直子 ( さえき なおこ )
( 佐伯 直子 ) はい
( 琴子 ) ああ ついに 始まる の ね 待って て ね 入江 君 !―
私 入江 君 に 釣り合う 立派 な 看護師 に なる から !
( 直樹 ) メス
( 琴子 ) はい
( 直樹 ) 汗
( 琴子 ) はい
( 直樹 ) お疲れ様
さすが ドクター 入江 オペ は 大成功 ね
ああ 頼り に なる 看護師 の おかげ だ よ
私 は そんな …
これ から も ずっと 俺 の そば で サポート して くれ
はい !
( 教員 ) 入江 琴子 …―
入江 さん ?
琴子 さん
あっ はい ずっと サポート して いき ます !
( 教員 ) なに 新学期 早々 ボーっと して る んです か ―
気 を 引き締め なさい !
すいませーん
2 班 一緒 だ ね
ホント ?
おお よかった ~
♪~
琴子 さん に 同じ 班 の メンバー 紹介 する ね
うん !
みんな …
この 子 が 新 メンバー だ よ
( 琴子 ) うわ すっごい 美女 !―
なんか 迫力 の メンバー …
こちら 入江 琴子 さん
はじめまして 入江 琴子 です ―
大きな 夢 が 見つかった ので 看護 学科 に 転部 して き ました
よろしく お 願い し ます
( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) ふーん …
あたし 品川 真里奈 大きな 夢 って ?
あ … えっと …
( 真里菜 ) 好き な 男 が 医学 科 に いる と か ?
図星 !? あたし と 一緒 !―
やっぱ 将来 は 医者 と 結婚 して 玉の輿 だ よ ね ~
( 鴨狩 啓太 ( かもがり けいた )) 真里奈 !
てめえ いい加減 その 醜い 考え 捨てろ !
そんな 気持ち で 神聖 な この 仕事 を す んな
あたし は ね お 金持 って て 頭 の いい 男 が 好き なの
将来 優秀 な DNA 受け継いだ 子供 産む んだ から
はぁ ~ こんな 奴 が いる から 医療 現場 が 廃れる んだ よ
うるさい な ! 啓太 みたい に みんな が 熱血 看護師 じゃない の よ !
お前 が 冷め すぎ な だけ だろ !
あんた が 熱 すぎ ん の よ !
( 智子 ) まあまあ 二人とも 落ち着いて ねっ
この 二人 いっつも こう な の 気 に し ないで
この 熱血 の 彼 が 鴨狩 啓太 君
俺 は 日本一 の 看護師 を 目指す ―
患者 さん に 最善 を 尽くす のみ !
若い のに すごい 立派 !
( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) ねえ …
入江 って あの 入江 と 関係ない わよ ね ?
わあ あっ !
( 幹 ) 何 驚いて る の よ
ひょ … ひょっとして 男 !?
はあ~ん もー 失礼 ね 心 は 女 よ
あたし 桔梗 幹 よろしく モト ちゃん で いい わ
モ … モト ちゃん …
( 幹 ) あんた さ 医学科 の 入江 と は 無関係 の 入江 よね ?
医学 科 の … 入江 ?
( 幹 ) えー !?―
医学部 の 中 の 超 ~ エリート 入江 直樹 よ !?
入江 … 直樹 … あっ 耳 に した こと ある …
( 幹 ) でしょ ?
めちゃくちゃ イケメン で しかも 天才 !
あんな パーフェクト な 殿方 そう そう お目にかかれ ない わ
どんなに かっこいい か ! どんなに 頭 が いい か !
そうそう モト ちゃん は ね …
入江 さん の ファンクラブ も 作って んだ よ
あたし も 会員 な の
あんなに あたし の 条件 に ぴったり 合う 男 い ない もん
ちょっと …
条件 って あんた ね !
そういう 目 で しか 入江 さん の こと 見 られ ない わけ ?
何 よ 同じ じゃない !
あたし は そんな 不純 じゃない わ もっと 純粋 に 入江 さん の こと を …
報われ ない 愛 は 捨てたら ?
何 です って !? 愛 は 全て の 人 に 平等 な の よ !
あ … で … でも お …
入江 君 て 結婚 して る よ ね ?
なんで 知って る の よ !
噂 ! 噂 … 噂 ね 聞いた ね ~
( 幹 ) もう そー なの よ … 聞いて !
入江 さん たら この 私 を おいて 結婚 した って 言う の
噂 に よる と 入江 さん の 同い年 の 大学 の 同級生 らしい んだ けど …
許せ ない わ !
入江 さん を 独り占め する なんて いったい どんな 女 な の かしら ?
そりゃ 美人 で 頭 の いい 才女 に 決まって る でしょ
( 幹 ) 一度 で いい から 拝んで みたい わ
( 琴子 ) じゃあ 血圧 測り ます ね ~
ねえ 今日 放課後 入江 さん ち に 行って み ない ?
行く 行く ! 智子 も 行く でしょ ?
うん !
モト ちゃん ! 入江 さん ち 突き止めた なんて 執念 ね
( 幹 ) 当たり前 でしょ ?―
ファンクラブ 会長 と して 奥さん 偵察 し なきゃ
え …
( 琴子 ) うち に 来る の ?―
どう しよう … あ ~ もう !―
私 が 入江 君 の 奥さん な のに !―
でも バレ ちゃったら もう ここ に い られ なくなる ―
3 年間 入江 君 と は ―
他人 の ふり し 続けて 生きて いか なきゃ …―
かわいそう な 私
( 啓太 ) おいっ ! いつまで 空気 入れて んだ よ !
えっ ?
あー !!
見ろ 腕 の 色 変わって きて る ぞ
あ … でも ほら あんまり 怒る と 血圧 上がる よ
誰 が 怒ら せる んだ !
次 は 大丈夫 だから ね ?
お前 と 同じ 班 に だけ は なり たく なかった よ
おかし ー な
( 啓太 ) ちょ 痛い 痛い … ストップ ! ストップ …
俺 の 腕 の 血 を 止める 気 か お前 は …
だって 啓太 脈 の 音 し ない よ !
えっ ?
お前 …―
聴診器 逆に あてて る の は ―
何 か 特別 な 理由 で も ある の か
ご … ごめん ! あ … もう 一回
( 啓太 ) ふざける な !―
これ が 患者 さん だったら どー すんだ よ !
あんまり 怒ら ないで よ 誰 だって 失敗 の 1 つ や 2 つ …
( 幹 ) いーや あんた の 失敗 は これ で 3 つ 目 よ
( 真里菜 ) いや 4 つ じゃない ?
( 智子 ) 正確 に は 6 つ ね
だいたい お前 は ―
いい加減 な 気持ち で 看護師 を 目指して る から ―
覚え が 悪い んだ よ !
いい加減 な 気持ち なんか じゃない 私 は 入江 君 の サポート し たい の !
は ? なんで あんた が 入江 さん の サポート な の よ ?
だって …
だって …
私 は …
入江 君 の 奥さん な んだ から ~!
( 笑い声 )
何 を 言う か と 思えば !
琴子 ウケる !
笑わ ないで よ !
わかった わかった 言う だけ なら タダ よ ね
じゃ あたし も 入江 さん の 奥さん ~
本当 だって ばあ !
失礼
入江 さん !?
( 歓声 )
琴子 !
( どよめき )
忘れ物 だ
お袋 が 届けろ って
( 琴子 ) あ …
あ は …
( 直樹 ) じゃあ な
( 幹 ) あっ 入江 さん あ …―
こ~と~こ ~
ねっ 言った でしょ ? 本当 だって
何 が 入江 さん の こと “ ちょっと 耳 に した こと ある ” よ
ごめんなさい ! ウソ つく つもり は なかった の
つい 言い 出せ なくて …
( 琴子 ) ああ これ で もう 看護 学科 で は 生きて いけ なく なる の ね
( 幹 ) あら いい の よ 謝ん なく って
ん ?
( 真里菜 ) うん
ぜーんぜん 怒って ない もん
へ ?
だって 入江 さん の 奥さん が 琴子 なら
あたし 達 諦める 必要 ない もん ね
うん
入江 さん て 手 の 届か ない 人 だ と 思って た けど …
あたし 達 に も 望み あり そう !
( 真里菜 ・ 幹 ) ね ~
( 琴子 ) なんか … 複雑
( 琴子 ) 入江 く~ん !
( 幹 ・ 真里菜 ) どき なさい !
( 琴子 ) 入江 くーん …
( 琴子 ) 入江 くーん …
( 幹 ・ 真里菜 ) きゃーっ !
( 琴子 ) それ から ―
私 は 堂々 と 入江 君 の 奥さん と 言える ように なり …
( 啓太 ) ちゃんと 見 とけ よ
♪~
はい できた
琴子 頼む ぞ
任して
( 琴子 ) アク の 強い メンバー と の 友情 も 育んで ―
大変 ながら も 充実 した 学生 生活 を 送って いた のです が …―
恐れて いた 最大 の 試練 が 待って いた んです !
( 教員 ) 注射 は 肩 峰 突起 より ―
約 3 横 指 下 三角 筋 中央部 この 辺り です ね
( 琴子 ) ま … マズ い ―
私 注射 は 大 の 苦手 な の よ ね
( 教員 ) 正しい 位置 に 針 が 刺さる と ―
緑色 の ランプ が つき ます
( 琴子 ) 注射 の 時 の あの 血 … 血 … 血 が !
( 教員 ) ここ まで わかり ました ね
では 早速 注射 の 演習 を 行い ましょう ―
来週 は テスト な ので しっかり 演習 する ように ―
全員 正しい 位置 に 注射 できた グループ から 休憩 に し ましょう
( 学生 達 ) はーい
( 啓太 ) よし 一番 に なる ぞ ! 返事 !
よし やる よ ー
( 琴子 ) うわ ~ なんか リアル だ よ この 感触 …
さっ チャッチャ と 終わら せて お 昼 行き ましょう
じゃあ 啓太 腕 貸して
え ?
あら … 啓太 意外 と いい 腕 して る わ ね
大丈夫 か よ
大丈夫 大丈夫 じゃあ 誰 から やる ?
( 智子 ) 私 ! やって いい ?
あ … いい けど
あ … 怖く ない の ?
全然 !
え … ちょ … おい !
注射器 を
( 琴子 ) あっ はい !
♪~
ど … どんな 感じ ?
ああ … 智子 余裕 ね
真里奈 ちゃん 上手 !
( 真里菜 ) やった !―
じゃあ 最後 は 琴子 の 番 ね
は … はい
しっかり やれ よ
はい ! 入江 琴子 いき ます !
それ 俺 の 肩 だ から !
こっち ね こっち !
こっち ね こっち !
こっち ね
こっち ね
こっち ね
( 啓太 ) 大丈夫 ?
( 啓太 ) 大丈夫 ?
( 啓太 ) 大丈夫 ?
うん 大丈夫 大丈夫
うん 大丈夫 大丈夫
えいっ !―
( 警告音 )
( 警告音 )
( 警告 音 )
あ …
目 つぶって 注射 する バカ が いる か !
だって 注射 見る の 怖い んだ もん
刺し っぱなし やめろ よ
はい
( 警告 音 )
えいっ !
えいっ !
おい !
はっ !
うわっ
こりゃっ !―
えいっ !
( 警告 音 )
( 警告 音 )
まだ ~?
私 達 だけ に なっ ちゃった ね
お腹 すいた ~
こ … 今度 こそ …
はっ !
( 警告 音 )
おいっ ! 何度 言えば わかる んだ よ !
指 で つまんで 盛り上がった 筋肉 の とこ に 刺す の !
わかって る けど … 私 が やる と 鳴 っちゃう の ごめん ね
何回 言えば わかん だ よ !
( 幹 ) あ~あ―
あんた の せい で うち の 班 は いーつも ビリ
悪い と 思う なら ―
早く 入江 さん と の 医学部 コンパ セッティング し なさい よ ね
え … そ そんな …
( 直樹 ) ったく 信じらんねー な
( 琴子 ) 入江 君 !
( 琴子 ) 入江 君 !
( 幹 ) 入江 さん !
( 幹 ) 入江 さん !
琴子
今 の 調子 なら 将来 同じ 病院 に は 来 ないで くれ よな
( 船津 誠一 ( ふなつ せいいち )) まあ まず 国家 試験 に 受から ない と 思い ます が
あんた が 何とかして やれ よ !
こいつ このまま じゃ 看護師 なんて
ぜ って ー 無理 だ ぜ !
( 琴子 ) 無理 って 何 よ …
天才 なんだ ろ ? あんた が 何とかして やれ よ !
別に … 俺 は こいつ の ため に 医者 に なる わけじゃない し
こいつ が 看護師 に なる 能力 が ない なら それ まで だ
俺 に は 関係ない