Kiseijuu : Sei no Kakuritsu (Parasyte -the maxim -) Episode 17 kiseijuu|sei||kakuritsu|parasyte|||episode

こんばん は 田村 さん ||たむら|

隠 そ う と 思って も 隠せ ない もの だ な かく||||おもって||かくせ||||

ああ 私 たち が 発 する 最も 強い 波長 は 殺意 |わたくし|||はつ||もっとも|つよい|はちょう||さつい

あるいは 敵意 だ から な |てきい|||

なのに 逃げ なかった の は なぜ だ |にげ|||||

興味 が あった から 好奇心 に 負け た わけ だ きょうみ||||こうきしん||まけ|||

この 決定 に 賛同 し た 者 は ほか に いる の か |けってい||さんどう|||もの||||||

俺 たち ３ 人 だけ だ おれ||じん||

広川 や 後藤 は 一切 関知 し て い ない ひろかわ||ことう||いっさい|かんち||||

そう か 理由 は ||りゆう|

俺 の 勘 だ よ おれ||かん||

この先 あんた は 我々 全体 に とって 非常に 危険 な 存在 と なる このさき|||われわれ|ぜんたい|||ひじょうに|きけん||そんざい||

なるほど

お前 は A に 似 て いる おまえ||a||に||

A ？ a

我々 寄生 生物 の 行動 や 考え 方 は 極めて 合理 的 で あり 単純 明快 だ われわれ|きせい|せいぶつ||こうどう||かんがえ|かた||きわめて|ごうり|てき|||たんじゅん|めいかい|

一 糸 乱れ ぬ 組織 づくり も たやすい と 思って い た が ひと|いと|みだれ||そしき|||||おもって|||

見込み 違い だった な みこみ|ちがい||

しかし 私 を 含め 寄生 生物 それぞれ が これほど 大きな 個体 差 |わたくし||ふくめ|きせい|せいぶつ||||おおきな|こたい|さ

いや 個性 を 持った こと を 私 は 喜ばしく 思う |こせい||もった|||わたくし||よろこばしく|おもう

この リンチ など 感動 すら 覚える |りんち||かんどう||おぼえる

さて お 別れ だ な ||わかれ||

３ 人 いれ ば 勝て る と 思った の か じん|||かて|||おもった||

逃がす な 殺せ にがす||ころせ

ボディ の 筋力 は 俺 の ほう が 上 だ ||きんりょく||おれ||||うえ|

１ 対 １ で 戦って も 俺 が 勝つ たい||たたかって||おれ||かつ

おめでたい な

ノロマ め

あげる わ それ

２ 体 に 分かれる と は どういう つもり からだ||わかれる||||

俺 は やつ を おれ|||

体 内 に 田村 が からだ|うち||たむら|

大丈夫 だいじょうぶ

うん

い い た ぞ あいつ だ

お おい

え なんで 石ころ なんか かばん に 入れ てる の ||いしころ||||いれ|| 痴漢 対策 ちかん|たいさく

すみません 人違い だった みたい で |ひとちがい|||

さっき 頭 が 半分 しか ない 女 の 人 を 見掛け た から |あたま||はんぶん|||おんな||じん||みかけ||

服装 も 同じ だった んで てっきり … ふくそう||おなじ|||

頭 が 半分 ？ あたま||はんぶん

変 な の へん||

でも 頭 の 中 は からっぽ だ よ |あたま||なか||||

むちゃくちゃ だ

田村 は 思考 能力 を なくし て いる たむら||しこう|のうりょく||||

それ に 半分 の 寄生 体 で 全身 を 維持 できる はず も ない ||はんぶん||きせい|からだ||ぜんしん||いじ||||

完全 に 自殺 行為 だ かんぜん||じさつ|こうい|

くだら ん

これ が 高い 知能 を 持つ と 言わ れ た 田村 玲子 の 最期 か ||たかい|ちのう||もつ||いわ|||たむら|れいこ||さいご|

足 が 下半身 が あし||かはんしん|

何 を する なん||

俺 で は ない おれ|||

俺 で は … おれ||

１ 人 死 ん だ じん|し||

なるほど そう やって もぐりこめ ば 生き て い られる |||||いき|||

だが 半分 だけ の お前 が 完全 に 乗っ取れ る の か |はんぶん|||おまえ||かんぜん||のっとれ|||

ダメージ を 受け た その ボディ で 俺 に 勝て る の か だめーじ||うけ|||||おれ||かて|||

やめろ

私 の 体 を わたくし||からだ|

よせ やめろ

いま 喋った の は どっち だ |しゃべった||||

氷 川 か それとも 田村 か こおり|かわ|||たむら|

やめ て くれ 私 は 味方 だ |||わたくし||みかた|

ならば なぜ 俺 に 近づく ||おれ||ちかづく

くそ ッ 首 から 下 が 勝手 に ||くび||した||かって|

諦めろ 田村 玲子 の 肉 片 もろとも 死ね あきらめろ|たむら|れいこ||にく|かた||しね

私 は 味方 な ん だ わたくし||みかた|||

おのれ おのれ おのれ ぇ

おのれ おのれ おのれ ぇ

これ が お前 の 戦術 か ||おまえ||せんじゅつ|

乗っ取 ろ う と し た 体 は ズタズタ だ のっと||||||からだ||ずたずた|

さあ 出 て こい |だ||

いつまで もぐ りこん で いる つもり だ

いつの間に … いつのまに

人間 部分 が 弱点 なら にんげん|ぶぶん||じゃくてん|

もったいぶら ず 一撃 で 破壊 する べき だ ||いちげき||はかい|||

たとえ ボディ を 破壊 さ れ て も |||はかい||||

寄生 生物 の 細胞 は しばらく の 間 は 生き て いる きせい|せいぶつ||さいぼう||||あいだ||いき||

脳波 を 出し て いる のうは||だし||

お前 が いま 身をもって 感じ て いる 通り だ おまえ|||みをもって|かんじ|||とおり|

我々 寄生 生物 が 発 する もっとも 強い 波長 は 敵意 われわれ|きせい|せいぶつ||はつ|||つよい|はちょう||てきい

あるいは 殺意 |さつい

それ は 視野 の 範囲 外 の 相手 が 敵 な の か 味方 な の か を 識別 する ||しや||はんい|がい||あいて||てき||||みかた|||||しきべつ|

重要 な 材料 で も ある はず じゅうよう||ざいりょう||||

だが お前 は 味方 で ある 氷 川 の 体 を 寸断 し |おまえ||みかた|||こおり|かわ||からだ||すんだん|

自分 の 周囲 に 強い 敵意 を 持つ 肉 片 を ばらま い て しまった じぶん||しゅうい||つよい|てきい||もつ|にく|かた|||||

そう その 肉 片 に よって ||にく|かた||

お前 に 接近 する 私 の 脳波 が カモフラージュ さ れ た の だ おまえ||せっきん||わたくし||のうは|||||||

まさか そこ まで 計算 し て い た と は |||けいさん||||||

自分 は どこ から 来 て どこ へ 行く の か なんて じぶん||||らい||||いく|||

人間 み たい に 考え た こと は ある か にんげん||||かんがえ|||||

さようなら 草野 さん |くさの|

共食い か ともぐい|

開 い て いる ひらき|||

よっぽど 手ごわい じゃ ない か 探偵 さん |てごわい||||たんてい|

え 出かけ た |でかけ|

そちら の ホテル に は い ない ん です か ||ほてる|||||||

父さん なんで 家 に いる ん だ よ とうさん||いえ|||||

ここ に は 来 て ない わ |||らい|||

なんで お前 が |おまえ|

おはよう

まさか 父さん を 殺し に |とうさん||ころし|

今 は それ どころ じゃ ない わ いま||||||

あなた に は 個人 的 な 件 で 連絡 を 取り たかった の |||こじん|てき||けん||れんらく||とり||

ひかり 第 一 公園 って 知って る |だい|ひと|こうえん||しって|

そこ へ 今日 の 午後 ５ 時 ２０ 分 に 来 て ほしい ん だ けど ||きょう||ごご|じ|ぶん||らい|||||

な に 言って る ん だ よ ||いって||||

渡し たい もの が ある わたし||||

人間 と 寄生 生物 の ちょうど 中間 に いる あなた に ね にんげん||きせい|せいぶつ|||ちゅうかん|||||

母親 か ははおや|

あんた いったい 誰 ||だれ

良子 良子 を どこ へ やった の ながこ|ながこ|||||

今日 も 誰 も い ない きょう||だれ|||

どう し た ん だ ろ う

い 泉 さん です よ ね |いずみ||||

あの 新一 くん は |しんいち||

ここ に は い ない わ

その 新一 くん の お 母さん です か |しんいち||||かあさん||

いいえ そんな 歳 に 見える かしら ||さい||みえる|

あ いえ

教え て ほしい ん です 何 が あった ん です か おしえ|||||なん|||||

新一 くん 今 とんでもない こと に 巻き込ま れ てる ん でしょ しんいち||いま||||まきこま||||

とんでもない こと

だって わかる わ 何 か ある って こと ぐらい |||なん|||||

泉 くん いつ だって 何も 言わ ない けど いずみ||||なにも|いわ||

心配 な の ね 彼 の こと が しんぱい||||かれ|||

羨ま し い うらやま||

え 心配 いら ない わ |しんぱい||| 彼 は 見かけよ り ずっと 強い 男 よ かれ||みかけよ|||つよい|おとこ|

近い うち に 必ず 元気 で 帰って くる ちかい|||かならず|げんき||かえって|

近い うち って ちかい||

あの 人 どこ か で |じん|||

本当 に どこ へ 行っちゃ っ た ん だ ろ う ね 泉 くん ほんとう||||おこなっちゃ||||||||いずみ|

まったく 能 天気 な ん だ から こっち の 気 も 知ら ない で |のう|てんき|||||||き||しら||

近い うち 帰って くる ちかい||かえって|

今日 かも しれ ない きょう|||

ま また 帰って くる よ ね ||かえって|||

帰って くる かえって|

よ ー |-

大丈夫 心配 いら ない よ だいじょうぶ|しんぱい|||

帰って くる よ かえって||

きっと

どう し た の

ごめん 先行 って て |せんこう||

ここ は 確か 加奈 さん の い た 街 だ ||たしか|かな|||||がい|

加奈 さん は 知って い た の か な かな|||しって|||||

あたし の 知ら ない 泉 くん の こと ||しら||いずみ|||

ね 待って |まって

もう くそ ぅ 逃げ足 の 速い |||にげあし||はやい

こら

ダメ だって 若い 嬢 ちゃん が で っけ え 声 で くそ ぅ なんて 言っちゃ だめ||わかい|じょう||||||こえ|||||いっちゃ

これ は

お ー よち よち よ ち |-||||

ば ぁ ー ||-

子守 が うまい の ね こもり||||

一 時期 女房 に 食わせ て もらって た もん で ね ひと|じき|にょうぼう||くわせ||||||

子守 は よく やって い た の さ こもり|||||||

よち よち よ ち ば ぁ ー ||||||-

約束 の 時間 に は まだ 早い な やくそく||じかん||||はやい|

ならば 周辺 を 歩 い て くれ |しゅうへん||ふ|||

地形 など を 見 て おき たい ちけい|||み|||

ああ

冷酷 な 化け物 でも 我が 子 は 大事 か れいこく||ばけもの||わが|こ||だいじ|

私 は 人間 に つい て 研究 し て き た わたくし||にんげん||||けんきゅう||||

あなた の そうした 不合理 な 行動 も なんとなく 理解 できる |||ふごうり||こうどう|||りかい|

ほう うれしい ね

だが やっぱり あんた に は わから ねえ

人間 の なんたる か が 親 の 気持ち って もの が な にんげん|||||おや||きもち||||

これ まで 生き て き た 幸せ の 大き さ が ||いき||||しあわせ||おおき||

すべて を 失った 悲しみ の 大き さ が わかる か お前 ら に ||うしなった|かなしみ||おおき|||||おまえ||

今 ここ で この 子供 を 殺し て も お前 は 悲し ん だ り は し ない だ ろ う いま||||こども||ころし|||おまえ||かなし|||||||||

「 ああ そう か 」 と 思う だけ だ ||||おもう||

違う か ちがう|

第 一 これ は お前 の 子 じゃ ない 人 間 の 子 だ だい|ひと|||おまえ||こ|||じん|あいだ||こ|

なん だ これ は

今 まで の 仲間 に は ない 波長 だ いま|||なかま||||はちょう|

確かに 田村 玲子 の 脳波 だ が たしかに|たむら|れいこ||のうは||

いったい どういう 感情 な ん だ ||かんじょう|||

わかる はず ねえ

わかる はず は ねえ だ ろ う が

それ でも 俺 の 味わった 悲しみ の 100 分 の 1 ぐらい は 貴 様 に も ||おれ||あじわった|かなしみ||ぶん||||とうと|さま||

じ ょ 冗談 だ ぜ ||じょうだん||

人間 が 人間 の 赤ん坊 を 殺す わけ ねえ だ ろ にんげん||にんげん||あかんぼう||ころす||||

まさか 化け物 の お前 が な |ばけもの||おまえ||

驚 い た ぜ おどろ|||

自分 でも 驚 い てる わ じぶん||おどろ|||

田村 玲子 が 移動 を 始め た 反対 側 の 隅 に 向かって いる たむら|れいこ||いどう||はじめ||はんたい|がわ||すみ||むかって|

こっち か

ホント 何 やって ん だ ろ う ほんと|なん|||||

こんな ところ まで 来 ちゃ って |||らい||

人 が あ あっ ち で 人 が じん||||||じん|

倉 森 くら|しげる

倉 森 おい しっかり しろ くら|しげる|||

あ 刑事 さん |けいじ|

いる の か ヤツ は この上 か |||やつ||このうえ|

行け 一目 で それ と わかる なら 躊躇 する な いけ|いちもく||||||ちゅうちょ||

はっ

田村 玲子 だ な 彼女 一 人 か たむら|れいこ|||かのじょ|ひと|じん|

広川 に は 知ら れ て い ない の か ひろかわ|||しら||||||

彼女 は 白い 服 赤ん坊 を 抱 い て かのじょ||しろい|ふく|あかんぼう||いだ||

肌着 に 私 の 血 が 少し はだぎ||わたくし||ち||すこし

分かった ヤツ は 逃がさ ん わかった|やつ||にがさ|

あと 1 つ 教え て くれ ||おしえ||

君 の 報告 書 に あった 協力 者 それ は 誰 な ん だ きみ||ほうこく|しょ|||きょうりょく|もの|||だれ|||

人間 な の か 名前 を 教え て くれ にんげん||||なまえ||おしえ||

彼 は 人間 です かれ||にんげん|

私 と 同じ 小さな 家族 が あり そして 奪わ れ 苦し ん で わたくし||おなじ|ちいさな|かぞく||||うばわ||にがし||

頼む その 名前 を たのむ||なまえ|

陽子 由美 ようこ|ゆみ

すま なかった すぐ いく よ

倉 森 さん しっかり し て くれ くら|しげる|||||

倉 森 さん くら|しげる|

赤ん坊 を 殺さ なく て よかった あかんぼう||ころさ|||

おい 倉 森 さん |くら|しげる|

倉 森 くら|しげる

あんた よく やった よ

ひょっとしたら 大変 な 英雄 に なる かも しれ ん |たいへん||えいゆう|||||

必ず 仇 は とる ぞ 名 探偵 かならず|あだ||||な|たんてい

了解 りょうかい

白い 服 に 赤ん坊 か しろい|ふく||あかんぼう|

名前 は なまえ|

早く 質問 に 答えろ はやく|しつもん||こたえろ

我々 の 動き が 広川 たち に 掴まれ て い ない こと を 願う われわれ||うごき||ひろかわ|||つかま れ||||||ねがう

田村 玲子 を 逃がし て は なら ん たむら|れいこ||にがし||||

今 ここ で 仕留める の だ いま|||しとめる||

次回 「 人間 以上 」 じかい|にんげん|いじょう