RDG : Red Data Girl Episode 2

君 の 声 が 呼び 合う その 光 へ きみ||こえ||よび|あう||ひかり|

薄 絹 越し に 今 世界 を 見つめ てる うす|きぬ|こし||いま|せかい||みつめ|

飛べ ない 籠 の 中 羽 を 縮め て とべ||かご||なか|はね||ちぢめ|

風 渡る 森 へ と 咲き 継ぐ 花 たち の かぜ|わたる|しげる|||さき|つぐ|か||

呼吸 を 真似 し て 羽 を そっと 揺らせ ば こきゅう||まね|||はね|||ゆらせ|

ほら 君 の 声 が |きみ||こえ|

固く 閉じ た まま うずくまる かたく|とじ|||

この 足元 照らす よ |あしもと|てらす|

刻ま れ た 未来 が 遠く 見え ない 場所 でも きざま|||みらい||とおく|みえ||ばしょ|

恐れ を 脱ぎ捨て て 君 の 元 へ おそれ||ぬぎすて||きみ||もと|

触れ合わ なく て も 伝わる 確か な 想い が ふれあわ||||つたわる|たしか||おもい|

何度 でも 向かう 強 さ に なる なんど||むかう|つよ|||

変わって ゆく ため に かわって|||

相楽 君 って 泉 水子 と 同じ 家 に 住 ん でる の ？ さがら|きみ||いずみ|みずこ||おなじ|いえ||じゅう|||

まさか … 神社 の 宿舎 の 方 |じんじゃ||しゅくしゃ||かた

ご飯 は 一緒 だ けど ごはん||いっしょ||

へえ いい な

だって 栗谷 中 に あんなに レベル の 高い 男の子 なんて い ない よ |くりや|なか|||れべる||たかい|おとこのこ||||

じゃあ 告 っちゃ え ば |こく|||

ライバル 多 すぎ らいばる|おお|

でも 運動 部 に 入ら ない なんて もったいない よ ね 彼 |うんどう|ぶ||はいら||||||かれ

迎え の 時間 ずらし て もらって バスケ 部 の 練習 に 出 られ ない か な むかえ||じかん|||||ぶ||れんしゅう||だ||||

ああ ああ あ ゆ っち も ライバル か ||||||らいばる|

春 っち 勘ぐり すぎ はる||かんぐり|

どう ？ 泉 水子 |いずみ|みずこ

たぶん 無理 だ と 思う |むり|||おもう

今 は 学校 から 帰る と 毎日 野々 村 さん と 稽古 し てる から いま||がっこう||かえる||まいにち|のの|むら|||けいこ|||

なんの 稽古 ？ |けいこ

弓 … と か ゆみ||

なに な に かっこいい

弓 を 引く 相楽 君 見 て み たい ゆみ||ひく|さがら|きみ|み|||

相楽 君 修学 旅行 行く の か な さがら|きみ|しゅうがく|りょこう|いく|||

そりゃ 行く でしょ う |いく||

自由 行動 どう する ん だ ろ う じゆう|こうどう||||||

三崎 たち と 一緒 か な みさき|||いっしょ||

泉 水子 は 大丈夫 いずみ|みずこ||だいじょうぶ

だから 修学 旅行 |しゅうがく|りょこう

行か なきゃ いけない よ ね いか||||

もう こない だ の やる 気 は どう し た の ？ |||||き|||||

行 こ う よ 絶対 楽しい よ ぎょう||||ぜったい|たのしい|

泉 水子 は いつも 緊張 し すぎ な の よ いずみ|みずこ|||きんちょう|||||

リラックス リラックス りらっくす|りらっくす

おい 洋平 待て |ようへい|まて

鈴 原 さん すず|はら|

和 宮 君 わ|みや|きみ

最近 元気 ない ね さいきん|げんき||

そ … そう かな

転校 生 が 来 て から だ ね てんこう|せい||らい||||

そう ？

あいつ の こと 嫌い ？ |||きらい

うん 嫌い |きらい

そう だ ろ う と 思った 僕 と 同じ だ ね |||||おもった|ぼく||おなじ||

一緒 に 外 津川 高校 へ 行 こ う ね 鈴 原 さん いっしょ||がい|つがわ|こうこう||ぎょう||||すず|はら|

う … うん

ただいま

お 帰り なさい 紫 子 さん から 宅配 便 が 届 い て い ます よ |かえり||むらさき|こ|||たくはい|びん||とどけ|||||

本当 ？ ほんとう

あら かわいい 携帯 電話 ||けいたい|でんわ

ちょうど よかった です ね 泉 水子 さん ||||いずみ|みずこ|

紫 子 さん は なんと ？ お 元気 な ん です か むらさき|こ|||||げんき||||

ちょっと 宿舎 行って くる |しゅくしゃ|おこなって|

泉 水子 さん ？ いずみ|みずこ|

相楽 君 さがら|きみ

いきなり な ん だ よ

お 母さん なら なんとか し て くれる と 思った の |かあさん|||||||おもった|

相楽 君 の こと も さがら|きみ|||

紫 子 さん ？ むらさき|こ|

確かに 雪 政 が 誰 か に 従う と し たら 紫 子 さん 以外 に は ない だ ろ う な たしかに|ゆき|まつりごと||だれ|||したがう||||むらさき|こ||いがい|||||||

どう しよ う

なに が

修学 旅行 の 際 に 東京 で 会 お う って しゅうがく|りょこう||さい||とうきょう||かい|||

でも 無理 |むり

なんで

だって あんな 人 の 多い ところ ||じん||おおい|

社会 科 見学 も 熱 出し て 行け なかった し しゃかい|か|けんがく||ねつ|だし||いけ||

ふん で ？ 俺 に どう しろ って ||おれ||||

極秘 で 会 お う と か 学校 の 誰 に も 教える な と か ごくひ||かい|||||がっこう||だれ|||おしえる|||

相当 変わって る けど それ が 紫 子 さん の 提案 な ん だ ろ う そうとう|かわって|||||むらさき|こ|||ていあん|||||

これ で メール 連絡 しろ って ||めーる|れんらく||

でも 私 メール を 打つ わけ に は いか なく て |わたくし|めーる||うつ||||||

どうして ？

壊す から こわす|

私 が 使う と パソコン も 携帯 も 変 に なっちゃ う の わたくし||つかう||ぱそこん||けいたい||へん||||

これ を 壊し て しまったら 後 が ない でしょ う ||こわし|||あと||||

鈴 原 お前 ま じ で 言って ん の か すず|はら|おまえ||||いって|||

パソコン も 携帯 も 何も 使え ない まま 今 まで 生き てき たって の かよ ぱそこん||けいたい||なにも|つかえ|||いま||いき||||

電話 は かけ た こと ある 携帯 で なけ れ ば … でんわ||||||けいたい||||

それ じゃ 昭和 レベル だ ろ う ||しょうわ|れべる|||

相楽 君 この 携帯 を 持って 代わり に お 母さん に 会い に 行って よ さがら|きみ||けいたい||もって|かわり|||かあさん||あい||おこなって|

何 だって ？ なん|

この チャンス を 潰す わけ に は いか ない し |ちゃんす||つぶす||||||

それ に … 相楽 君 の 方 が 説得 は 上手 だ ろ う し ||さがら|きみ||かた||せっとく||じょうず||||

鈴 原 そこ まで 人 任せ って どういう こと だ よ すず|はら|||じん|まかせ|||||

紫 子 さん は お前 だ から わざわざ 会う 気 に なった ん じゃ ない の か むらさき|こ|||おまえ||||あう|き|||||||

俺 だけ で 行って 会え なかったら どう する ？ おれ|||おこなって|あえ|||

二 人 で 会い に 行く なら 一緒 に 行って くれる の ？ ふた|じん||あい||いく||いっしょ||おこなって||

自分 の 死活 問題 だ から 力 を 尽くす 気 は ある じぶん||しかつ|もんだい|||ちから||つくす|き||

だったら 私 も |わたくし|

えっ ？ 和 宮 ？ |わ|みや

うん

あいつ は 行か ない って ||いか||

もともと あまり 行事 に 出 て こ ない タイプ じゃ なかった っけ ？ 泉 水子 と 同じ で ||ぎょうじ||だ||||たいぷ||||いずみ|みずこ||おなじ|

そう な ん だ …

食べる ？ どう し た の ？ たべる||||

酔った ？ よった

後ろ に うしろ|

後ろ が どうか し た の ？ うしろ|||||

う うん なんでもない 大丈夫 |||だいじょうぶ

泉 水子 顔色 … いずみ|みずこ|かおいろ

春 っち 私 の 荷物 頼 ん で も いい ？ はる||わたくし||にもつ|たの||||

いい けど 大丈夫 ？ 先生 に お 薬 もら っと く ね ||だいじょうぶ|せんせい|||くすり||||

おい

本当 に 具合 が 悪い の か ほんとう||ぐあい||わるい||

約束 は まだ ずっと 先 な ん だ ぞ やくそく||||さき||||

お 母さん に メール を 出し た ？ |かあさん||めーる||だし|

ああ もう 返事 も 届 い て いる ||へんじ||とどけ|||

三 時 半 都庁 の 北 展望 室 だ そう だ みっ|じ|はん|とちょう||きた|てんぼう|しつ|||

ひょっとして 鈴 原 は 行け ない と いう こと に なる の か ？ |すず|はら||いけ||||||||

う うん 行く ||いく

もう 少し 慣れ たら きっと 大丈夫 に なる から |すこし|なれ|||だいじょうぶ|||

東京 の 人 混 み に 当てられ て 気 分 が 悪く なった と か そういう 話 な の か ？ とうきょう||じん|こん|||あてられ||き|ぶん||わるく|||||はなし|||

簡単 に 言わ ない で よ あんなに 変 な もの が いっぱい いる のに かんたん||いわ|||||へん||||||

なん だ よ 変 な もの って |||へん|||

付け狙 お う と する 悪い も の 何 か 禍々 しく て 黒い 塊 に 見える もの つけねら|||||わるい|||なん||か々|||くろい|かたまり||みえる|

本当 に そんな もの が いる なら 紫 子 さん に 対処 法 を 聞い て みろ よ ほんとう|||||||むらさき|こ|||たいしょ|ほう||ききい|||

はい これ から 自由 時間 に し ます |||じゆう|じかん|||

四 時 に は この 場所 に 集合 都庁 から は 離れ ない よう に 分かり まし た ね よっ|じ||||ばしょ||しゅうごう|とちょう|||はなれ||||わかり|||

はい

泉 水子 展望 室 行け そう ？ いずみ|みずこ|てんぼう|しつ|いけ|

うん なんとか …

そっち は 南 展望 室 行き だ ||みなみ|てんぼう|しつ|いき|

間違える だ ろ う と 思って た よ まちがえる|||||おもって||

紫 子 さん の 指定 は 北 だ むらさき|こ|||してい||きた|

もう 三 時 半 だ けど |みっ|じ|はん||

他人 が 怖い ん だ な 鈴 原 は たにん||こわい||||すず|はら|

自分 の 知ら ない 人間 に は 害 が ある と 思って いる ん だ じぶん||しら||にんげん|||がい||||おもって|||

誰 も が そう だ と は 思わ ない でも 黒い 塊 の 話 は 本当 だ から だれ|||||||おもわ|||くろい|かたまり||はなし||ほんとう||

だめ だ ここ に は 来 られ ない らしい |||||らい|||

そんな … どうして

あなた たち も 早く そこ を 降り なさい もう 見つかった |||はやく|||ふり|||みつかった

何 に 見つかった ん だ ？ なん||みつかった||

あれ の こと よ お 母さん の こと も 狙って い た の かも |||||かあさん||||ねらって||||

まさか …

どう しよ う すぐに 降り ない と ||||ふり||

お 母さん の 家 って … 無理 行け ない |かあさん||いえ||むり|いけ|

この 住所 の 中野 って かなり 近く だ |じゅうしょ||なかの|||ちかく|

家 まで 行く 気 な の ？ いえ||いく|き||

会わ ず に 帰る の か ここ まで 来 て おい て あわ|||かえる|||||らい|||

新宿 駅 ご 利用 の お 客 様 に お 知らせ いたし ます しんじゅく|えき||りよう|||きゃく|さま|||しらせ||

先ほど 起き まし た 西口 自動 改札 機 の 故障 に より … さきほど|おき|||にしぐち|じどう|かいさつ|き||こしょう||

お 客 様 に お 知らせ し ます |きゃく|さま|||しらせ||

只今 非常 ベル が 鳴り まし た 関係 で ただいま|ひじょう|べる||なり|||かんけい|

一体 どう なって る ん だ よ いったい||||||

まるで 行く の を 阻止 さ れ てる み たい じゃ ない か |いく|||そし||||||||

見つかった かも しれ ない みつかった|||

だから そい つ は 一体 な ん だ よ ||||いったい||||

分かれ ば こんなに 怖く ない わかれ|||こわく|

でも 感じる ん だ も の 近く まで 来 てる って |かんじる|||||ちかく||らい||

降りろ このまま 待つ わけ に は いか ない おりろ||まつ|||||

どこ か 帽子 が 買え る 道 を 探 そ う ||ぼうし||かえ||どう||さが||

その お下げ を どうにか し ない と どこ に 行って も 注目 さ れる |おさげ||||||||おこなって||ちゅうもく||

そんな こと 言わ れ て も … ||いわ|||

早く はやく

クソ 違う 場所 に 降ろさ れ た みたい だ くそ|ちがう|ばしょ||おろさ||||

通り が 数 本 違う だけ だ から 歩 い て も 十 分 くらい だ ろ う とおり||すう|ほん|ちがう||||ふ||||じゅう|ぶん||||

間 が 悪い な これ で は 降って くる ぞ あいだ||わるい|||||ふって||

急 ご う きゅう||

山 暮らし なら 雷 は 怖く ない ん だ ろ う やま|くらし||かみなり||こわく|||||

雷 は かみなり|

まだ 見つけ に くる 奴 が 怖い の か |みつけ|||やつ||こわい||

本当 に 怖 さ で 震え て いる 奴 を 俺 は 初めて 見る よ ほんとう||こわ|||ふるえ|||やつ||おれ||はじめて|みる|

もう すぐ そこ に

さすが に 何 か ある ん だ と いう 気 が し て き た よ ||なん|||||||き||||||

気休め に なる なら 加持 祈祷 と か 唱え て み て も いい ぞ きやすめ||||かじ|きとう|||となえ||||||

加持 ？ かじ

悪霊 退散 って やつ あくりょう|たいさん||

羽 黒山 で 少し だけ 教わった はね|くろやま||すこし||おそわった

あれ は 退散 し て くれ ない と 思う ||たいさん||||||おもう

でも よかったら

手 繋 い で も いい かな て|つな|||||

手 ？ て

少し だけ 怖く なく なった の さっき すこし||こわく||||

冷たい つめたい

来 た よ とうとう らい|||

「 誦 咒 五 遍 縷 七色 結 作 三 結 繋 痛 処 此 大神 咒 乃 是 過去 しょう|じゅ|いつ|へん|る|なないろ|けつ|さく|みっ|けつ|つな|つう|しょ|これ|おおがみ|じゅ|の|ぜ|かこ

四十億 恒 河 沙 諸 仏 処 説 我 於 過去 従 諸 仏 処 得 聞 説 此 大神 咒力 しじゅうおく|つね|かわ|いさご|しょ|ふつ|しょ|せつ|われ|お|かこ|じゅう|しょ|ふつ|しょ|とく|き|せつ|これ|おおがみ|じゅちから

従 是 以来 経 七百 劫 住 閻 浮 提 為 大 国 師 領 四 天下 じゅう|ぜ|いらい|へ|しちひゃく|ごう|じゅう|えん|うか|てい|ため|だい|くに|し|りょう|よっ|てんか

衆 星 中 王 得 最 自在 四 天下 中 一切 国 事 我 悉 当 之 若 しゅう|ほし|なか|おう|とく|さい|じざい|よっ|てんか|なか|いっさい|くに|こと|われ|しつ|とう|ゆき|わか

「 諸々 の 荒 魁 飛行 疫神 呪 詛 神 もろもろ||あら|かい|ひこう|えきかみ|まじない|のろ|かみ

八 大金 神 指 神 聞 神 友 引 悪霊 悪 鬼 三 界 外 道 の 輩 は やっ|たいきん|かみ|ゆび|かみ|き|かみ|とも|ひ|あくりょう|あく|おに|みっ|かい|がい|どう||やから|

神 法 不思議 の 加持 力 を 納 受 し て かみ|ほう|ふしぎ||かじ|ちから||おさむ|じゅ||

慳貪 邪 見 の 心 を 開き けんどん|じゃ|み||こころ||あき

各 々 その 根源 へ 退去 し かく|||こんげん||たいきょ|

宜しく 神 誓 を 守る べし よろしく|かみ|ちか||まもる|

重ねて 句 那 戸 を 破る なかれ 」 かさねて|く|な|と||やぶる|

オン ソチ リシ ユタ ソワカ 」 おん||||

誰 に 向かって 唱え て いる つもり だ だれ||むかって|となえ||||

調 伏 が 必要 な の は 泉 水子 の ほう だ ちょう|ふ||ひつよう||||いずみ|みずこ|||

相楽 さん どうして ここ に さがら||||

待って 近づく な まって|ちかづく|

本当 に 雪 政 だ と いう 証拠 を 見せろ よ ほんとう||ゆき|まつりごと||||しょうこ||みせろ|

なって ない な 深 行 |||ふか|ぎょう

ごらん

泉 水子 は 私 が 誰 か を ちゃんと 分かって る から いずみ|みずこ||わたくし||だれ||||わかって||

お前 大 まじ で 怖 がって い た ろ う おまえ|だい|||こわ|||||

どうして な ん だ よ

でも この 人 は 本当 に 相楽 さん な ん だ も の ||じん||ほんとう||さがら||||||

私 が 今 まで 怖かった の は 何 か 勘違い だった みたい で わたくし||いま||こわかった|||なん||かんちがい|||

ふざける な よ

泉 水子 に 恐れ られる から こそ いずみ|みずこ||おそれ|||

私 は 本物 な ん だ わたくし||ほんもの|||

私 本当 に 本当 に 感じ て い た の わたくし|ほんとう||ほんとう||かんじ||||

悪い もの が 迫って いる と わるい|||せまって||

君 が 感じ取って い た の は 多分 私 一 人 で は ない ん だ よ きみ||かんじとって|||||たぶん|わたくし|ひと|じん||||||

君 に 狙い を つけ 手 を 伸ばし て くる もの は 無数 に いる きみ||ねらい|||て||のばし|||||むすう||

それ で 俺 たち が 紫 子 さん に 会う の を 妨害 し た の も ||おれ|||むらさき|こ|||あう|||ぼうがい||||

雪 政 の 仕業 だった の か ゆき|まつりごと||しわざ|||

それ は 私 じゃ ない な ー ||わたくし||||-

言って おく が いって||

家 に 行って も 紫 子 さん に は 会え ない いえ||おこなって||むらさき|こ||||あえ|

都庁 へ 行け なかった 時点 で とちょう||いけ||じてん|

彼女 は 君 たち と 接触 する こと を 諦め た ん だ かのじょ||きみ|||せっしょく||||あきらめ|||

だが あの 家 に は 結 界 が ある から 休憩 する に は いい 所 だ よ ||いえ|||けつ|かい||||きゅうけい|||||しょ||

本当 に い ない ん だ お 母さん ほんとう|||||||かあさん

紫 子 さん を 恨 ん で は いけない よ むらさき|こ|||うら|||||

彼女 は 君 の 代わり に 注意 を 引き付け て おく 立場 を 選 ん だ ん だ から ね かのじょ||きみ||かわり||ちゅうい||ひきつけ|||たちば||せん||||||

お 母さん が 忙しい の は 公安 なんて 所 に 勤め て いる から よ |かあさん||いそがしい|||こうあん||しょ||つとめ||||

賢明 な 選択 だった よ けんめい||せんたく||

紫 子 さん 自身 が 有能 の せい も ある けれど ね むらさき|こ||じしん||ゆうのう||||||

泉 水子 は 二 階 で 着替え を 探し て ごらん いずみ|みずこ||ふた|かい||きがえ||さがし||

しばらく 横 に なって も いい |よこ||||

ずいぶん 具合 の 悪 そう な 顔 し て いる よ |ぐあい||あく|||かお||||

ズボン は 脱が ない ほう が いい ぞ ずぼん||だつ が|||||

一応 人様 の 家 だ から な いちおう|ひとさま||いえ|||

分かって いる こと を わざわざ 言わ なく て いい わかって|||||いわ|||

いつ 会って も 怒って る な 深 行 は |あって||いかって|||ふか|ぎょう|

たまに は 和やか に 水入らず の 会話 を し て みよ う と は 思わ ない の か ||なごやか||みずいらず||かいわ||||||||おもわ|||

お前 が 悦 に 入って いる 時 は 俺 は むかつく ん だ よ おまえ||えつ||はいって||じ||おれ|||||

俺 は 簡単 に は 騙さ れ ない ぞ おれ||かんたん|||だまさ|||

鈴 原 は うまく 丸め こ ん だ よう だ が すず|はら|||まるめ||||||

どう 騙さ れ ない ん だ |だまさ||||

鈴 原 が 死ぬ ほど 怯え て いる の を 俺 は そば で 見て い た すず|はら||しぬ||おびえ|||||おれ||||みて||

雪 政 に 会った とたん けろりと し た が ゆき|まつりごと||あった|||||

それ こそ 術 だ ||じゅつ|

つまり 雪 政 に 調 伏 さ れ た ん だ |ゆき|まつりごと||ちょう|ふ|||||

それ で

紫 子 さん が 現れ なかった の だ って むらさき|こ|||あらわれ||||

お前 に 気づ い た から じゃ ない の か おまえ||きづ|||||||

それ は 仕方 が ない ん だ ||しかた||||

彼女 たち の 本性 は 逃げる もの だ から だ かのじょ|||ほんしょう||にげる||||

彼女 たち の 力 を 手中 に し て 利益 を 掴み たい と 願う 連中 は かのじょ|||ちから||しゅちゅう||||りえき||つかみ|||ねがう|れんちゅう|

雲 霞 の 如く 存在 する くも|かすみ||ごとく|そんざい|

企業 家 きぎょう|いえ

政治 家 せいじ|いえ

研究 者 けんきゅう|もの

宗教 家 しゅうきょう|いえ

我々 山伏 も ね われわれ|やまぶし||

一体 あの 鈴 原 に どんな 力 が ある と いう ん だ いったい||すず|はら|||ちから||||||

それ は 山伏 が 修行 で 身 に つける もの を ||やまぶし||しゅぎょう||み||||

ただ 純粋 に 力 と して 持って 生まれる |じゅんすい||ちから|||もって|うまれる

稀有 な 人間 が いる と いう こと だ けう||にんげん||||||

そういう 者 は 昔 から 女性 に 限ら れ て いる |もの||むかし||じょせい||かぎら|||

女性 だけ じょせい|

だけど あいつ は そんなに 大層 な もの じゃ ない ぞ ||||たいそう|||||

極端 に 怖がり だし 何も でき ない 女の子 だ きょくたん||こわがり||なにも|||おんなのこ|

ああ 彼女 は まだ 目覚め た と は 言え ない |かのじょ|||めざめ||||いえ|

勘弁 しろ よ かんべん||

鈴 原 の お守り が し たかったら 自分 で やって くれ すず|はら||おもり||||じぶん|||

俺 は 雪 政 の 手先 に さ れる の なんか まっぴら だ おれ||ゆき|まつりごと||てさき|||||||

何と して も 紫 子 さん に 会って なんと|||むらさき|こ|||あって

鈴 原 すず|はら

降り て くる なら そう 言え よ ふり|||||いえ|

鈴 原 すず|はら

離れろ 深 行 はなれろ|ふか|ぎょう

いい その 格好 で 御前 に 立てる よう な お方 で は ない 下がれ ||かっこう||おまえ||たてる|||おかた||||さがれ

おや 雪 政 が い た の か |ゆき|まつりごと|||||

姫 の おいで を 迎え ながら 何 の 用意 も なく ひめ||||むかえ||なん||ようい||

お 見苦しい ところ を お 目 に かけ まし た |みぐるしい||||め||||

お 許し ください |ゆるし|

よい の だ

いきなり 来 て み た の は 私 の ほう だ |らい||||||わたくし|||

泉 水子 に 降り た の は これ が 初めて だ いずみ|みずこ||ふり||||||はじめて|

まだ この 体 は 私 に は 若 すぎ て 居心地 が 悪い ||からだ||わたくし|||わか|||いごこち||わるい

けれども 何 か の 動き を 感じ た の で 来 て み た |なん|||うごき||かんじ||||らい|||

それでは この 後 姫 は 泉 水子 の もと に ||あと|ひめ||いずみ|みずこ|||

まだ そ なた に つかまった わけ で は ない ぞ

とはいえ 泉 水子 の 器 を 大切 に する と よい |いずみ|みずこ||うつわ||たいせつ||||

この 子 は 私 の 最後 の 器 と なる だ ろ う から |こ||わたくし||さいご||うつわ||||||

泉水 子 の 代 で 閉じ られる と せんすい|こ||だい||とじ||

私 は そこ から 先 へ は 行か ない だ ろ う わたくし||||さき|||いか||||

姫 ど どうして 私 こ こんな ひめ|||わたくし|| 落ち着 い て おちつ||

今 は 思い出せ なく て いい いま||おもいだせ|||

その うち 少しずつ 思い出す ||すこしずつ|おもいだす

あの 私 |わたくし

つまり 鈴 原 は 憑依 体質 の 系統 な ん だ な |すず|はら||ひょうい|たいしつ||けいとう||||

泉 水子 が 相当 大事 な 子 だ と いう こと は 察し が つい て い た が いずみ|みずこ||そうとう|だいじ||こ||||||さっし||||||

まさか ここ まで と は

どういう こと だ よ

そう だ な 深 行 が 言った よう に 泉 水子 の お守り は お前 に は 荷 が 勝ち すぎ て い た よ |||ふか|ぎょう||いった|||いずみ|みずこ||おもり||おまえ|||に||かち|||||

分かった ん なら わかった||

うん 深 行 に 泉 水子 の 同級 生 を 無理強い する の は もう やめ て おく |ふか|ぎょう||いずみ|みずこ||どうきゅう|せい||むりじい|||||||

転校 し たかったら 好き な 所 に 転校 し て いい よ てんこう|||すき||しょ||てんこう||||

は ー 何 考え てる ん だ よ お前 は |-|なん|かんがえ|||||おまえ|

もっと 喜 ん で くれ ない か な |よろこ||||||

望み どおり だ ろ う のぞみ||||

誰 か が 私 を 呼ぶ の だれ|||わたくし||よぶ|

どこ か で 私 を 呼ぶ |||わたくし||よぶ

遠く から 近づ い てる とおく||ちかづ||

優しい 響き やさしい|ひびき

心 動き出し て こころ|うごきだし|

一 つ 教え て ひと||おしえ|

この 切ない 予感 の 前 で |せつない|よかん||ぜん|

まだ 知ら ず に い た |しら||||

思い が 広まり かけ てる の おもい||ひろまり|||

夢見 て い た 自由 に ゆめみ||||じゆう|

戸惑い がち の まま とまどい|||

小さな 声 で 願う ちいさな|こえ||ねがう

みんな と 一緒 に ||いっしょ|

笑い 合い たい ね わらい|あい||