Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 15
( キョン ) 何 か が おかしい なんとなく そんな 気 が した
俺 と は 縁 も ゆかり も ない 県 同士 の 試合 を
なんとなく 眺めて いる と
なんとなく だ が ハルヒ が 騒ぎ だし そうな
そんな 予感 が した
( キョン ) あ …
( テレビ : アナウンサー ) 三 塁 側 の 応援 の 声 も まだ 熱気 を 失って い ませ ん
( 携帯 電話 の 着信 音 ) ( キョン ) ん っ
( キョン の 妹 ) キョン 君 電話
言わ れ ん で も 分かって る
( ハルヒ ) あっ キョン ? あんた 今日 暇でしょ
ん …
( ハルヒ ) 2 時 ジャスト に 駅前 集合 だ から ちゃんと 来 なさい よ
( 通話 が 切れた 音 )
( キョン ) 俺 は まだ ひと言 も しゃ べっと ら ん のだ が
( 携帯 電話 の 着信 音 ) ( キョン ) あっ
なんだ ?
( ハルヒ ) 持参 物 を 言い 忘れて たわ
水着 一式 と 十分な お 金 ね あと 必ず …
自転車 に 乗って くんだ ろ
( ハルヒ ) ん ? そう よ 分かって る じゃ ない 遅れたら おごり だ から
( 通話 が 切れた 音 ) ( キョン ) ん ?
俺 今 なんで 自転車 の こと を …
( 打 球音 ) ( キョン ) あっ
( アナウンサー ) 打った ! 大きい ! 大きい !
( 妹 ) あっ これ 入る んじゃ ない か な
( アナウンサー ) 入り ました
( 妹 ) ほら ね
( キョン ) 水着 どこ しまった んだ っけ ?
夏 も もう 終わり だ
♪~
~♪
( ハルヒ ) 遅い わ よ キョン
( キョン ) へい へい
遅れて すいません ね
( み くる ) あたし も 来た とこ です から
( ハルヒ ) まったく もっと やる 気 を 見せ なさい よ
じゃあ 全員 そろった し 出発 し ま しょ
行く って どこ に ?
市民 プール に 決まって る じゃ ない
( キョン ) なるほど この 用意 なら そう だろう な
あっ
失った 時間 は 決して 取り戻す こと が でき ない の よ
だから やる の この たった 一 度 きり の 高 1 の 夏 に !
ああ …
( ハルヒ ) こら キョン 聞いて ん の ?
お っ … おう
ちなみに プール まで は 自転車 で 行く わ よ
ああ お前 ら は どこ 止めて る んだ ?
( 古泉 ( こい ずみ )) いえ 自転車 は あなた と 僕 の 2 台 だけ です
へ っ ?
( キョン ) それ は つまり …
こういう こと かい !
ほら キョン 古泉 君 に 負けちゃ ダメ よ
では 出発 進行 !
( キョン ) 鬼 ! 羅 刹 ( ら せつ )!
( キョン ) ハァ …
こら キョン !
これ から 遊ぼう って のに 何 へばって ん の ?
( キョン ) 誰 の せい だ 誰 の !
( ハルヒ ) うん この 人ごみ この 消毒 液 の におい
いかにも って 気 が する わ
ほら さっさと 荷物 置く 場所 確保 して 泳ぎ に 行き ま しょ
( キョン ) おう
( ハルヒ ) キャハ ! ( キョン )… って あっ こら
( 飛び込む 音 )
飛び込み 禁止 の 文字 が 読め ん の か あいつ は
プハッ !
水 が ぬるくて 気持ち いい わ よ
み くるちゃ ん 有希 ( ゆき )!
( キョン ) は あ … 先 に 行って ください
ほっとく と うるさい です から あいつ
あっ じゃあ …
涼 宮 ( すずみ や ) さ ~ ん 待って くださ ~ い
( ハルヒ ) ん もう 遅い !
( み くる ) あっ ちょ っ 引っ張ったら 危ない で … わ あ ~
ハハッ 何やら 平和 を 感じ ます ね
あ ?
いえ 涼 宮 さん です よ
結構 常識 的な 楽しみ 方 を 身 に つけて きた と 思い ませ ん か ?
いきなり 電話 かけて きて
一方的に 用件 だけ 言って 切 っち まう ような 誘い 方 が
常識 的な の か ?
( 古泉 ) その くらい 僕 から 言わ せて もらえば なんでも あり ませ ん よ
ああ やって 楽しげに 笑って いる 涼 宮 さん は
この世 を 揺るがす ような こと は し ない でしょう から
( キョン ) だ と いい のだ が …
( 古泉 ) ん ? ( キョン ) あっ どうした ?
いえ
多分 僕 の 気のせい です よ
春先 から いろいろ あった せい で ―
ちょっと 神経質に なって いる んでしょう
( キョン ) 変な の あっ いつも か
( 子供 たち ) アハハハ
( ハルヒ ) こら ! ( キョン ) やれやれ
市民 プール と いう より は 庶民 プール だ な
ん ? あいつ あんな とこ に いた の か
なんだ ? 1 人 で 何 を やって …
何 ?
なんだ この 感覚
俺 は 前 に も こんな 光景 を … こんな 長門 ( な が と ) を 見た ような …
( ハルヒ ) キョン !
お っ
( キョン ) ハルヒ
ああ それ で 確か ハルヒ は こんな こと を 言いだす んだ
“ この 2 人 が あたし の 団員 よ ”
“ なんでも 言う こと 聞く から なんでも …”
言っちゃ い なさい !
あ …
( ハルヒ ) 水中 サッカー を やる の よ 全員 参加 だ から ね
有希 !
( キョン ) 予知 能力 で も 備わった の か 俺 は
( ハルヒ ) はい キョン ボール !
( キョン ) で も ない らしい
まっ たまたま だ ろ よく ある こと だ デジャヴ なんて
活動 内容 を 考えた わ よ
( キョン ) なんだ それ は ?
残り 少ない 夏 休み を どう やって 過ごす か の 予定 表 よ
( キョン ) これ を 2 週間 足らず で ?
( ハルヒ ) み くるちゃ ん やり たいこ と ある ?
( み くる ) え ~ っと 金魚すくい と か …
( ハルヒ ) オーケー 金魚すくい っと
すいません ちょっと 失礼
ん …
( 古泉 ) ん ? ( キョン ) あっ
フフ
どうも
( ハルヒ ) じゃあ あした から 決行 よ
この 近く で 盆踊り やって る とこ ある ?
花火 大会 で も いい けど
( 古泉 ) 僕 が 調べて おき ましょう 追って 連絡 し ます
( ハルヒ ) 金魚すくい も 忘れ ないで ね
み くる ちゃん たって の 希望 なんだ から
( キョン ) また 払い は 俺 か よ
( ハルヒ ) 遅れたら おごり って 言った でしょ
じゃあ 今日 は これ で 解散 じゃ あね !
では 僕 も
( み くる ) じゃあ また ( キョン ) はい
( 自転車 の 鍵 を 開ける 音 )
ああ …
長門 !
あっ いや なんでもない んだ けど な
最近 どう だ 元気に して る か ?
( 長門 ) 元気
( キョン ) そ っか … そりゃ よかった
( 長門 ) そう
あっ ああ …
ああ いや それ だけ なんだ が
悪かった な 引き止めて
( キョン ) なんだ ?
俺 なんで 声 なんて かけた んだ ?
( キョン ) 翌朝 また ハルヒ から 電話 が あった
“ 盆踊り の 会場 が 見つかった 今夜 市民 運動 場 ” だ そうだ
( ハルヒ ) お 待た せ !
( キョン ) 遅 え … って おお !
( 古泉 ) 皆さん よく お 似合い です よ
当然 よ あたし が 選んだ んだ から
特に み くる ちゃん さすが あたし の 見立て ね !
( キョン ) 朝比奈 ( あさひ な ) さん … いい ! いい !
( 和 太鼓 の 音 )
わ あ ~!
え ~ っと 肝心の もの は どこ に ある の かしら ?
( キョン ) なんだ ? 最近 来た ような 気 が する な
あの やぐら あの 出店 何 か 見覚え が …
( ハルヒ ) あっ み くるちゃ ん ! ( キョン ) あっ
( ハルヒ ) ほら あなた が やり た がって た 金魚すくい よ !
じゃ んじゃ ん すく いま しょ
ああ あ ! す … 涼 宮 さん 待って くださ ~ い
我々 も やり ます か ?
いや いい わ
それ より 長門
食い もん と か どう だ ?
あ ?
ん ?
そんな もん に 興味 ある の か
へえ どれ だ ?
( 長門 ) いい ( キョン ) えっ ?
これ
( おじさん ) は いよ ! 800 円 ね
( キョン ) なんとなく 世話に なって る 気 が する から
それ くらい 買って やって も よかった んだ が
( ハルヒ ) 13 匹 ! でも まあ そんなに いら ない し
み くる ちゃんと あたし で 1 匹 ずつ もらって きた わけ
ほら 1 個 だけ なら 食べて いい わ よ
あり が と よ
あれ 有希 その お 面 どうした の ?
買った
ふ ~ ん そう
さて 次 は 花火 よ まとめて 今日 やっちゃ い ましょう !
( キョン ) とにかく 夏 で 夏 休み だった
だから できれば 忘れ たい のだ が 1 つ 引っかかって いる こと が あった
( ハルヒ ) あした は 昆虫 採集 ね
( キョン ) ハルヒ よ ( ハルヒ ) ん ?
( キョン ) 遊ぶ の は いい んだ が 宿題 終わって る の か ?
宿題 ? あんな もの 3 日 も あれば できる じゃ ない
な っ !
あんな 面倒な もの 先 にちゃ っちゃ と 片付けて ―
遊び 倒す の
それ が 夏 休み の 正しい 過ごし 方 よ
( キョン ) くっ … 天 は なんと 不公平な の か
みんな あした は 昆虫 採集 よ
それ も セミ 限定 ! SOS 団 内 セミ 捕り 合戦 よ
( キョン ) そして 翌日 は これ でも か と いう くらい の 日本 晴れ
SOS 団 内 セミ 捕り 合戦 は そんな 中 で 行わ れた
各人 と も それなり に 健闘 した ようだ が
やはり と いう か なんという か 優勝 者 は ハルヒ と なった
( ハルヒ ) やっぱり キャッチ & リリース の 精神 は 必要 よ ね
逃がして あげたら 将来 恩返し に 来て くれる かも しれ ない し
( キョン ) 余命 少ない セミ に 何 を 求める つもりだ
なんか 箱 を 開けた パンドラ って 気分 だ な
( キョン ) その 翌日 俺 たち は なんだか 分から ない まま に
カエル の 着 ぐるみ を 着て スーパー の 店先 で
風船 を 配る アルバイト を して いた のだった
( キョン ) ふう
( み くる ) ふえ ~ ん
パージ した ヴァーチェ の 気持ち が よく 分かる ぜ
( ドア が 開く 音 )
( ハルヒ ) みんな お 疲れ !
( キョン ) なんだ この 待遇 の 差 は
ご 苦労 さん 店長 の おっちゃん も 感謝 して たわ よ
( キョン ) おっちゃん の 感謝 など いら ん バイト 代 は ?
( ハルヒ ) これ よ ( キョン ) は っ ?
( ハルヒ ) あたし 前 から これ が 欲しかった の よ ね
おっちゃん も み くる ちゃん に 免じて
くれる って 言って くれた の
あ … ふえ ~
( キョン ) 俺 たち は そんな こと の ため に 額 に 汗して 働いた の か
( ハルヒ ) 部室 に 記念 に 飾 っと きま しょ
み くる ちゃん いつでも 好きな 時 に これ 着て いい わ よ
あたし が 許す わ !
( み くる ) あっ えっ と その … ありがとう ございます ~
( キョン ) その 夜 俺 から 安眠 を 奪った の は またしても 一 本 の 電話 だった
ああ う っせ え …
ああ ん っ …
ん ん …
( 携帯 電話 の 着信 音 ) ( キョン ) ん ん う っせ え … クソ
ああ はい
( み くる ) う う う …
はっ !
( み くる ) キョン く ~ ん …
朝比奈 さん ?
( み くる ) はい あたし です ~ ひ っく …
とても よく ない こと が … う っ う っ …
このまま じゃ あたし … う っ うえ え …
あっ あの …
( 古泉 ) どうも 古泉 です
なんで お前 が 朝比奈 さん と 一緒な んだ よ
( 古泉 ) ちょっとした 事情 が あり まして ね 今 から 来て いただけ ます か ?
( キョン ) すぐ 行く すぐ 行く
( 自転車 を 置く 音 ) 朝比奈 さん !
一体 どうした ん です か ?
( み くる ) う う …
キョン 君 あたし … 未来 に …
( キョン ) み … 未来 ?
帰れ なく なり ました ~
( 古泉 ) つまり こういう こと です
我々 は 同じ 時間 を 延々と ループ して いる のです よ
( キョン ) そんな 非 現実 的な こと を 明るく 言わ れて も な
お前 自分 が 何 言って る の か 分かって る の か ?
( 古泉 ) 分かって い ます これ 以上 ない くらい に ね
さっき 朝比奈 さん と も 話し合った のです が
( キョン ) 呼べよ 俺 も その 話し合い に
( 古泉 ) その 結果 ここ 最近 の 時間 の 流れ が
おかしく なって いる こと に 気付き ました
これ は 朝比奈 さん の 功績 と 言って も いい でしょう
おかげ で 僕 に も 確信 が 持て ました
なんの 確信 だ よ
( 古泉 ) 我々 は 同じ 時間 を
もう 何度 も 繰り返して いる と いう こと の ようです
それ は さっき 聞いた
( 古泉 ) 正確に は 8 月 17 日 から 31 日 の 間 です ね
僕たち は 終わり なき 夏 休み の 真っただ中 に いる わけです よ
( キョン ) 確かに 今 は 夏 休み だ が
( 古泉 ) 決して 終わら ない エンドレスサマー です
今 この 世界 は ―
9 月 1 日 以降 の 時間 が なくなって しまって いる んです よ
朝比奈 さん が 未来 に 帰れ なく なった の は その ため です
当然 と 言える でしょう
物理 的 ノーフューチャー の どこ が 当然だ
誰 が それ を 信じる んだ
( み くる ) ひ っく … う う …
( 古泉 ) 少なくとも あなた に は 信じて もらい たい ところ です
じゃあ 俺 たち は あの 閉鎖 空間 みたいな もの に
閉じ込め られて いる の か ?
( 古泉 ) いえ そうで は あり ませ ん
一部 の 時間 のみ が 切り取ら れて いる のです よ
8 月 31 日 の 24 時 ジャスト に なった 瞬間
全て が リセット さ れて
17 日 に 戻って くる と いう プロセス です
また 時間 が どう と か いう 話 か
まあ 未来 人 が 交じって んだ から しかたない の かも しれん が
( 古泉 ) いえ ( キョン ) あっ
( 古泉 ) この 件 に 朝比奈 さん は 無関係です
じゃあ 原因 は …
( 古泉 ) 涼 宮 さん でしょう
は あ …
( 古泉 ) 本人 は 無自覚でしょう が
夏 休み を 終わら せ たく ない と いう 思い が
どこ か に ある のでしょう ね
( キョン ) なんだ そりゃ ? 悔い で も 残って る の か
( 古泉 ) そうだ と 思い ます
恐らく ―
夏 休み に やり 残した こと が ある と 感じて いる ので は ない でしょう か
( キョン ) う う …
で 俺 に どう しろ と ?
それ が 分かれば 解決 した も 同然です ね
は あ … なんか 楽し そうだ な
ここ 最近 頻繁に あった 既視 感 の 謎 が
ようやく 解けた もの です から
( キョン ) なあ ひょっとして あれ は 世界中 の 人 が 感じて いる の か ?
( 古泉 ) それ は ない ようです
僕 や あなた は 特殊な 事例 な んです よ
涼 宮 さん に 近しい 人間 ほど
この 異常 を 感じ取れる こと に なって いる ようです
ハルヒ は どう な んだ ? ちょっと でも 自覚 ある の か
( 古泉 ) まったく して い ない ようです ね
して もらって は 困る と いう の も あり ます が
ただ 既視 感 どころ か
繰り返さ れる 時間 全て の 記憶 を 持った 者 が
確実に 1 人 いる ので は ない か と 僕 は 考えて い ます
そりゃ ぞっと せ ん 話 だ な
誰 だ よ そりゃ ?
言わ ず と も 分かる でしょ
時空 を 超越 して いる 情報 思 念 体 なら あるいは …
( キョン ) 長門 そう な の か ?
( 長門 ) そう
( キョン ) 全部 覚えて る の か ?
( 長門 ) そう
( キョン ) ちなみに その 繰り返し と やら は 今 何 回 目 だ ?
( 長門 ) 今回 が 1万5,513 回 目 に 該当 する
あっ …
( キョン ) 1万5,513?
1万5,513 って なんだ ?
長門 お前 は 何 を 言って る んだ
( キョン ) それ は マジ な 話 な の か
( 長門 ) そう
( キョン ) それ だけ の 回数 ―
俺 たち は まったく 同じ こと を 繰り返して きた って の か
( 長門 ) 必ずしも そう で は ない
( キョン ) えっ ? と いう と ?
( 長門 ) 1万5,513 回 中 盆踊り に 行か なかった パターン が
2,391 回 目 と 1万1,054 回 目 の 2 回 ある
また 盆踊り に 行った が 金魚すくい を し なかった パターン が
437 回 ある
アルバイト を 行った の は 9,031 回 である が
その 内容 は 6 つ に 分岐 する
風船 配り 以外 で は 荷物 運び レジ 打ち ビラ 配り
( 長門 ) 電話 番 … ( キョン ) いや もう いい
( キョン ) 1万5,513 回 目
長門 は そう 言った
かける 2 週間 で … え ~ っと 約 594 年 分 だ
それ だけ の 時間 を ただ 一 人 しっかり 記憶 を 持った まま
何度 も 何度 も やり 直して きた って の か
長門 お前 は 一体 今 まで どんな 気持ち だった んだ ?
フフ
( ハルヒ ) い ない の かしら ? ( キョン ) あ ?
( ハルヒ ) 火星 人
( キョン ) あんまり いて ほしく ない な
( ハルヒ ) 多分 地下 で 暮らす ような 遠慮がちな 人種 な の ね
きっと 友好 的な 連中 よ
( キョン ) そう と は 限ら んだ ろ
( ハルヒ ) もう 飽きて きちゃ った UFO 探し ま しょ UFO !
( キョン ) 一体 何 が し たい んだろう な こいつ は
( 古泉 ) さて な んでしょう ね
それ が 分かれば 解決 した も 同然です が
ああ ! 試しに こういう の は どう です ?
( キョン ) ん ?
涼 宮 さん を 後ろ から 突然 抱きしめて
耳元 で “ アイ ラブ ユー ” と ささやく んです
誰 が それ を する んだ ?
あなた 以外 に 適役 が いま す かね
拒否 権 を 発動 する ぜ テコ でも やら ん !
しかたない で すね じゃ 代わり に 僕 が
冗談 です
僕 で は 役者 が 不足 して い ます
涼 宮 さん を 余計 混乱 さ せる だけ でしょう ね
ん …
( 打 球音 )
( キョン ) なあ 長門
お前 は 朝比奈 さん が 言いだす 前 から
繰り返し に 気付いて いた んだ よ な ?
そう
だったら どうして 黙って た んだ ?
私 の 役目 は 観測 だ から
なるほど ( 打 球音 )
( ファンファーレ ) ( ハルヒ ) やった ~!
見なさ ~ い ホームラン よ !
( キョン ) それ から も 俺 たち は 動き ずくめ だった
本物 の 花火 大会 に も 行った ハゼ 釣り 大会 に も 参加 した
他 に も 肝 試し 海水 浴 ボウリング カラオケ 映画 の ハシゴ
もちろん ―
それ で ハルヒ が 満足 して いる はず が ない と は 思って いた が
だからといって 何 か 手 を 打つ わけで も なく
それ でも 夏 休み の 残り の 日 にち だけ は
確実に 減って いった
そして やって 来た 8 月 30 日
( ハルヒ ) これ で 課題 は ひととおり 終わった わ ね
う ~ ん こんなんで よかった の かしら
でも … うん こんな もん よ ね
ねえ みんな 他 に 何 か やり たい こと ない ?
ん ?
まあ いい わ
この 夏 は いっぱい いろんな こと が できた から ―
もう 十 分 よ ね
( キョン ) いい や よく ない お前 は まだ 満足 して ない はずだ
じゃあ 今日 は これ で 終了 !
あした は 予備 日 に 空けて おいた けど そのまま 休み に しちゃ って いい わ
また あさって 部室 で 会い ま しょ
( キョン ) 待て 待てよ ハルヒ
ダメな んだ よ ここ で お前 を 帰したら
ここ で お前 を 帰したら あの 1万 何 千 回 と 繰り返して きた
あの 2 週間 を また 延々と 繰り返す は めに な っち まう
でも 何 を す べきな んだ ? 何 を 言う べきな んだ ?
ハルヒ の 言葉 の 中 に その ヒント は あった はずだ
だが それ は なんだ ?
あいつ は 今 まで なんて 言って きた ?
ダメだ 分から ない
待て 待てよ !
ハルヒ
( 店員 ) ありがとう ございました
( キョン ) 8 月 31 日 宿題 手つかず
もう 知ら ん どうにも でも なれ だ
もし また 繰り返す ん なら
宿題 な ん ぞ やった ところ で 意味 は ない しな
あした が 来よう が 来 まい が
それ は そん 時 の 俺 が なんとか する しか ない か
( キョン ) は あ …
( 足音 )
( 電気 を 消す 音 )
♪~
~♪