Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 23
( ハルヒ ) アハハ …
( キョン ) ん っ ああ …
は あ …
( ハルヒ ) 到着 !
( キョン ) うん ?
これ は つまり “ 入る な ” って こと じゃ ねえ か ?
小学生 でも こんな ところ を 撮影 場所 に は 選ば ない ぜ
よほど の アホ を 除いて な
( ハルヒ ) 何 して ん の ? ( キョン ) うん ?
( ハルヒ ) さっさと 乗り越え なさい よ
( キョン ) こいつ が よほど の アホ である こと を 忘れて いた
( ハルヒ ) み くる ちゃん も 早く ( み くる ) えっ ?
( 鶴屋 ( つる や )) アハハッ
( 古泉 ( こい ずみ )) 乗り越える に は ちょっと この 柵 は 背 が 高い で すね
そう 思い ませ ん か ?
( キョン ) うん ?
( キョン ) うわ っ !
( 国 木田 ( くに き だ )) へえ 古く なって いた んだ ね
( 谷口 ( たに ぐち )) ここ で カッパ 役 でも やれ って か ?
( 鶴屋 ) 昔 は この 池 柵 なんか なくて さ
よく はまった よ
( キョン ) みんな おおらかな 性格 で 助かる
この シーン は ね
いよいよ ミクル が 窮地 に 立た さ れて いる ところ な わけ
青 目 ビーム は ユキ に 封じ られちゃ った の よ
うん いい 感じ だ わ
( ハルヒ ) あんた これ 持って て ( 谷口 ) は あ ?
( ハルヒ ) み くるちゃ ん 準備 は いい わ ね ?
( み くる ) はい … ( ハルヒ ) 声 が 小さい !
( み くる ) はい ! ( キョン ) お 気持ち 察し ます
( ハルヒ ) じゃあ いく わ よ よ ~ い アクション !
( み くる ) ここ … こけ っ こんな こと で は あたし は めげ ない のです !
悪い 宇宙 人 の ユキ さん !
し … 神妙に 地球 から …
立ち去り なさ ~ い ! ( ハルヒ ) カット ~!
( 長門 ( な が と )) 彼 に は 貴重な 価値 が ある のだ
その 一環 と して まず 地球 を 侵略 する
( ハルヒ ) カ ~ ット !
( み くる ) そ っ そんな こと は させ ない のです この 命 に 代えて でも !
( ハルヒ ) カ ~ ット !
( み くる ) は あ ~
( ハルヒ ) だんだん 気分 が 出て きた じゃ ない その 調子 よ !
それ から み くる ちゃん ちょっと こっち 来て
( み くる ) はい ?
( キョン ) さて ご 近所 の ウワサ の ネタ に なる 前 に
さっさと 引き揚げ られる と いい んだ が …
最近 の ビデオ って こんなん ? ふ ~ ん
これ に み くる の コッパ な 映像 が いっぱいな の ?
ウフフ … アハハ …
( キョン ) 笑い ご っちゃ ない この 精神 的 ダメージ が 高じて
朝比奈 ( あさひ な ) さん が 登校 拒否 に でも なったら どう する んです
( ハルヒ ) お 待た せ 本格 的な の は これ から よ
ほら 見なさ い !
( キョン ) おいおい ! これ は なんて 悪夢 だ
また 昨日 の あれ を 繰り返そう って の か ?
さあ み くるちゃ ん その ミラクルミクルアイ R から
なんでも いい わ
不思議な もの を 出して 攻撃 し なさい !
( キョン ) あっ ! ( み くる ) うわ ~!
( み くる ) な … 長門 さん ! ひ ゃ ~!
( ハルヒ ) ちょっと 有希 ( ゆき )!
あなた 魔法使い な の よ !
こんな とこ で プロレス して も …
まあ これ でも いい か
売り に なり そう ね
キョン ちゃん と 撮って !
せっかく の 有希 の アイデア な んだ から !
( キョン ) アイデア じゃ ない って !
し … しかし これ は きわどい
いや 決して そんな もの を 撮る つもりじゃ …
目標 を センター に 入れて 録画 スイッチ … いや ダメ だって !
いや ダメダメ … ( 発射 音 )
( 一同 ) うん ?
( キョン ) あっ ( み くる ) う う …
地球 から 立ち去り なさ ~ い !
あ ~ また コンタクト なく しちゃ った
うかつ レーザー は 拡散 し
無害 化 する ように 設定 した
今度 は 超 振動 性 分子 カッター
( み くる ・ キョン ) あっ !
モノフィラメント みたいな もの です ね
あの 今度 は あたし に 何 を その … 注入 した んです か ?
次元 振動 周期 を 位相 変換 し
重力 波 に 置き換える 作用 を 持つ 力 場 を
体 表面 に 発生 さ せた
なるほど
ひとまず は それ で 対処 した わけです ね
( キョン ) さっぱり 分から ん
フェンス の 件 は 老朽 化 と いう こと で
皆さん 納得 して いる ようです し
何より 大事に 至らなくて 幸いでした
しかし どう する よ このまま 撮影 を 続けたら
なんだか 惨事 を 生む ような 気 が する ぞ
ただ 中止 する の も まま なり ませ ん ね
我々 が 強引に 撮影 を 拒否 する と 涼 宮 ( すずみ や ) さん は どう なり ます ?
さあ な
もちろん 暴れ だす でしょう
少なくとも 閉鎖 空間 の 神 人 ( しんじん ) は
恐らく 涼 宮 さん は 今 の 状況 が 楽しくて しかたがない のです よ
まさに 神 の ように 振る舞え ます から ね
涼 宮 さん は 映画 と いう 媒体 を 利用 して
一 つ の 世界 を 再 構築 しよう と して いる のです
( キョン ) つくづく 自己 中 な ヤツ だ
もちろん 涼 宮 さん に そんな 自覚 は ない でしょう
あくまで フィクション の 世界 を 作って いる つもりです
ただ その 熱中 の あまり
無意識に 現実 世界 に 影響 を 及ぼして いる のだ と 考え られ ます
( キョン ) あくまで フィクション
どっち に して も バッドエンド かよ
それ でも どちら か を 選ば ない と いけない のだ と したら
僕 は 続行 を 選び ます ね
朝比奈 さん が スーパーウーマン に な っち まって も か ?
今回 の こと は 神 人 に 比べる と 小規模です
世界 が ゼロ から やり 直し に なる こと に 比べたら
単発 的な 異常 現象 を なんとか する ほう が
簡単な ような 気 が し ませ ん か ?
は あ ~
どう 考えて も どっち も どっち だ
ハルヒ を 後ろ から ぶん 殴って
文化 祭 が 終わる まで 気絶 さ せて おくって の は どう だ ?
恐れ多い こと です
あなた が 全 責任 を 負って くれる のならば
止め は し ませ ん が
う う っ ん …
ん ~ 俺 の 双 肩 に 世界 は 重 すぎる な
( み くる ) あっ … あたし なら 大丈夫です
なんとか 乗り切って みせ ます から
( キョン ) あっ …
献身 的 精神 痛み 入り ます
( ハルヒ ) あなた たち の 役 は これ よ
つまり ね ミクル は 正義 の 味方 だ から
一般 人 に は 手 を 出せ ない わけ
ユキ は そこ を 突いて
一般 人 を 魔法 で 操作 して 襲わ せる の
で … ミクル は 抵抗 でき ず に ボロボロ に なっちゃ う の よ
ウフフ … み くる は ボロボロ か
手始め に み くる ちゃん を 池 に たたき込み なさい !
え ~ っ !
( 谷口 ) おいおい この 池 に かよ ( 鶴屋 ) ハハハハ …
( 谷口 ) ぬるい かも しれん が もう 秋 だ ぜ
水 だって お世辞 に も キレイ と は 言え ねえ が …
す っ す っ 涼 宮 さん せめて 温水 プール と か …
確かに 過酷な 撮影 よ ね
でも ね み くる ちゃん 目指す リアリズム の ため に は
どうしても 今 この 犠牲 を 払わ なければ いけない の よ
それ に これ は み くる ちゃん が 乗り越え ない と いけない ―
壁 で も ある の よ
女優 と して 大きく ステップ アップ する チャンス な の よ
分かった ?
さあ 準備 して !
おい !
う っ …
ああ … ああ …
あっ … あっ …
あ … あの …
あたし やり ます !
み くる ちゃん いい !
それ で こそ あたし の 選んだ 団員 よ !
( 鶴屋 ) ハハハ … ハハハ … ( み くる ) う う ~
( キョン ) 朝比奈 さん …
( ハルヒ ) せ ~ の はい ! ( 谷口 ) うわ ~!
( 溺れる 音 )
( キョン ) 南 無 三 ! ( 古泉 ) どう し ました ?
( 古泉 ) つかまって ください !
う っ …
( せき込み )
( キョン ) まったく … ムダ な もの は 露天 商 を 開ける くらい ある くせ に
タオル 一 枚 の 用意 も ない と は どういう こった ?
( ハルヒ ) うん 出会い の シーン と して は まあまあ ね
イツキ と ミクル の ぎこちない 感じ が よく 出て る
( キョン ) そう か ? 俺 に は ふだん どおり の 古泉 に しか 見え なかった が …
次 は 第 2 段階 ね ミクル を 救い出した イツキ が
彼女 を 自宅 に かくまう シーン を 撮る わ よ
… って お前 ! それ じゃ 全然 つながら ない ぞ !
長門 や 谷口 たち は どう なった んだ ?
いくら なんでも 描写 なし じゃ 観客 は 納得 し ない ぜ
うるさい わ ね
そんな の 撮ら なくて も ちゃんと 見て る 人 に は 伝わる の !
( キョン ) この 野郎 !
ただ 朝比奈 さん を 池 に 突き落とし たかった だけ か !
あの さ あたし の 家 が すぐ 近く な んだ けど さ
み くる が 風邪 ひき そうだ から 着替え させて やって も いい かな ?
ちょうど いい わ 鶴 ( つる ) ちゃん の 部屋 を 貸して くん ない ?
そこ で イツキ と ミクル が 仲よく して る ところ を 撮る の
うん いい よ 使って 使って
えっ と 僕たち は ?
あんた たち は もう 帰って いい わ
( 谷口 ・ 国 木田 ) えっ ? ( キョン ) よかった な お 役 御免 で
( キョン ) お前 ら ハルヒ 的に は
使用 済み BB 弾 くらい の 価値 しか ない みたいだ ぞ
でも それ は 結構 幸せな こと な んだ ぜ
( 鶴屋 ) は ~ い これ あたし ん ち ( キョン ) デカ い !
( キョン ) どんな 悪い こと を すれば こんな 家 に 住める んだ ?
( 鶴屋 ) は ~ い これ あたし の 部屋
み くる が お 風呂 上がる まで ここ で 待って て
( キョン ) なんか 俺 の 部屋 が 猫 用 の 寝室 に 思える ね
( ハルヒ ) いい 部屋 ね ロケーション は バッチリ だ わ
そう だ 鶴 ちゃん ちょっと 思いついた んだ けど …
うん ?
フフッ ! アハハ … ハハハハ …
( キョン ) うん ?
( 鶴屋 ) みんな お 待た せ ~!
( ハルヒ ) サンキュー !
( み くる ) ごめんなさい 遅く なり ました
( 鶴屋 ) どうぞ ~
( キョン ) ああ っ
俺 は 今 猛烈に 理性 を 試さ れて いる !
朝比奈 さん その 姿 は 犯罪 です !
は ~ い これ 飲んじゃ って
( キョン ) どうも
ありがとう ございます
( キョン ) 飲んで る さま が また リビドー 直撃 です !
早速 始める わ よ !
( キョン ) … って こと で 撮影 開始
まず 気絶 した フリ の 朝比奈 さん を
お姫様 だっこ して 部屋 に 入って くる 古泉 は
なぜ か もう 敷か れて いる 布団 に 朝比奈 さん を 横たえ
布団 を かぶせる
み くる ちゃん そろそろ 起きて
う っ … う ~ ん
( 古泉 ) 気 が 付き ました か ?
はい ええ っと ここ は ?
( 古泉 ) 僕 の 部屋 です
ありがとう ございます
( キョン ) やけに 色っぽい が これ は 演技 な の か ?
( ハルヒ ) 2 人 もっと 顔 を 近づけて !
み くるちゃ ん 目 を 閉じて
古泉 君 肩 に 手 を 回して
もう いい から 押し倒して キス しちゃ って ~!
( キョン ) キ …
う う っ …
くっ …
待て こら !
いろいろ はしょり すぎ だ ぞ
… って か なんで こんな シーン が ある ?
なんだ これ は ?
ぬれ 場 よ ぬれ 場
時間 またぎ に は こういう の を 入れて おく もん よ
アホ か !
夜 9 時 から 始まる 2 時間 ドラマ か !
古泉 も 何 乗り気な 顔 して や がん だ !
こんな もの が 上映 さ れたら 次の 日 から お前 の ゲタ 箱 に は
100 単位 で 呪 詛 ( じゅ そ ) の 手紙 が 舞い込む ぞ !
俺 だって 送る !
( 鶴屋 ) ハハハハ … み くる おかし …
( キョン ) おかしく い ない と 言い たい ところ だ が
確かに おかしい
目 が 潤み っぱなし で ほお も 染め っぱなし だ し
おまけに 古泉 に さ れる が まま に なって る
ハッ 面白く ない !
古泉 君 あたし なんか 頭 重い のれ す …
( キョン ) まったく ど っか で 薬 でも 盛ら れた んじゃ …
あっ !
エヘッ あっ …
ごめん み くる の ジュース に 甘酒 混ぜ といた の
そし たら 演技 に 幅 が 出る かも って 言わ れて さ
そんな もん 黙って 混入 する な !
いい じゃ ん 今 のみ くるちゃ ん すごく 色っぽい わ よ
いい から キス し なさい ! もちろん マウス トゥ マウス で !
やめろ 古泉 !
監督 僕 に は 荷 が 重 すぎ ます よ
それ に 朝比奈 さん は もう 限界 の ようです
あたし なら 大丈夫 れ すよ …
は あ ~ しょうがない わ ね
( み くる ) あっ …
もう 甘酒 くらい で そんなに 酔っ払って どう する の ?
( キョン ) 飲ま せた の は お前 だろう が !
ほら しゃ きっと し なさい
あっ !
そんな リアクション じゃ ダメ よ
こうして 頭 を たたか れたら
背筋 を ピーン と 伸ばす くらい の こと は し ない と
じゃあ もう 一 度 練習
( 頭 を たたく 音 ) ( キョン ) う う …
くっ …
ひ っ !
( キョン ) やめろ
何 が 練習 だ !
それ を 映画 の どこ に 使おう って んだ !
何 よ 止め ないで よ
どこ に 使う か なんて いちいち あんた に 言う 必要 は ない わ
どうせ 何も 考えて ない んだろう が
適当な こと 言って んじゃ ねえ よ
何 決めつけて ん の よ
映画 の 中身 を 知ら ない くせ に 勝手な こと 言う んじゃ ない わ よ !
お前 こそ 勝手な こと 言って
朝比奈 さん を たたいて る だけ だろう が !
そんな 権利 お前 に は ねえ !
うるさい わ ね ! あんた に 何 が 分かる って いう の よ !
これ も あたし の 映画 に とって は 大事な 約束 事 の 一 つ な の !
誰 と の 約束 だ それ は ? つまら ん !
朝比奈 さん は お前 の オモチャ じゃ ねえ ぞ !
あたし が 決めた の !
み くる ちゃん は あたし の オモチャ な の !
くっ !
ハッ !
あっ …
あっ …
う っ …
あっ …
( ハルヒ ) な っ … 何 よ ! 何 が 気 に 入ら ない って いう の よ !
あんた は 言わ れた こと して れば いい の !
あたし は 団長 で ! 監督 で …
とにかく 反抗 は 許さ ない から !
くっ … う う …
離せ 古泉 ! 動物 でも 人間 でも
言って 聞か ない ヤツ は 殴って でも しつけて やる べきな んだ !
でないと こいつ は
一生 誰 から も 避け られる ような アホ に な っち まう んだ !
( み くる ) やめて くら さ ~ い ! ( キョン ) う っ …
ケンカ は ダメな のれ す で ない と …
ああ これ 禁 則 でした あ ~
( 鶴屋 ) キョン 君 ごめん 調子 に 乗り すぎた よ
み くる の こと は ご 心配 なく
後 で 送る か 泊めて く から
あなた は もっと 冷静な 人 だ と 思って い ました が …
( キョン ) 俺 も その つもり だった さ
閉鎖 空間 は 出て い ない ようです
涼 宮 さん の 無意識 は 自制 して くれた ようです ね
( キョン ) よかった な 出番 が 減って
( 古泉 ) ところで これ から
つきあって もらい たい ところ が ある のです が
イヤだ と 言ったら ?
( 古泉 ) お 時間 は 取ら せ ませ ん よ
( 古泉 ) 涼 宮 さん の 昨日 の 言葉 を 覚えて い ます か ?
( キョン ) あんな 妄言 の 数々 を いちいち 覚えて られる か
( 古泉 ) これ を 見れば 思い出し ます よ
今朝 に は もう この 状態 だった そうです
誰 か に ペンキ でも 塗ら れた の か ?
これ ら の 羽 は 間違い なく 彼ら の 自 毛 です よ
昨日 の 銃撃 が よほど 恐怖 だった んだ な
仮に そう だった と して 本当に こう なる と 思い ます か ?
( キョン ) フンッ 分かって る さ
( ハルヒ ) できれば 全部 白い ハト に し たい んだ けど
この際 どんな 色 でも 目 を つむる わ
( キョン ) つむって ねえ じゃ ねえ か
僕 は こう 考え ます
涼 宮 さん は 誰 か から 神 の ごとき 力 を 与え られた ―
特殊な 人間 である と
現実 と して 涼 宮 さん も この 世界 の 一部 である こと が
その 傍証 に なる と 思い ます
やぶ から 棒 に なんだ ?
それ に お前
以前 “ ハルヒ は 神 だ ” と か 言わ なかった か ?
はて そうでした か ?
( キョン ) ふざけ ん な !
冗談 です よ
涼 宮 さん は 世界 を 構築 する 者 であり 同時に 破壊 する 者 で も あり ます
もしかしたら 我々 の この 現実 は 失敗 作 な の かも しれ ない
その 失敗 した 世界 を 修正 する 使命 を 持った 者 が
涼 宮 ハルヒ と いう 存在 な の かも しれ ない
( キョン ) 言って ろ !
( 古泉 ) と なれば 間違って いる の は
今 まで 涼 宮 さん が 行使 して きた 力 の 痕跡 を
ことごとく なかった こと に して きた 我々 かも しれ ませ ん
( キョン ) フンッ それ が どうした ?
( 古泉 ) 問題 は 間違った 側 に いる 我々 です
世界 が 涼 宮 さん に よって 正しい 形 に 再 構築 さ れた 時
我々 は 果たして
その 世界 の 一部 に なる こと が できる でしょう か ?
それとも バグ と して 排除 さ れて しまう のでしょう か ?
( キョン ) 知ら ん
ただ 僕 は 今 の この 世界 が 割と 好きな んです
はるか 昔 から 今に 至る まで
たくさんの 人間 が 積み上げて きた ―
もろもろ の 上 に 成り立って いる この 世界 の 形 を 崩し たく ない のです
だからこそ 僕たち は 涼 宮 さん を なんとか しよう と して いる のです
この 世界 に それ ほど の 価値 が ある の か ね ?
おや ? あなた も そう 思った から こそ
閉鎖 空間 から 戻って きた と 考えて いた のです が
違い ました か ?
フンッ
さあ どう だった かな ?
柄 に も ない こと を 言って しまい ました ね
まるで 自分 たち が
世界 を 守って いる と でも いう ような 言いぐさ でした
失礼 を
( 古泉 ) どうも 今 の 涼 宮 さん は イライラ する こと より
しょんぼり する こと に 忙しい ようです
( キョン ) ほう なんで かな ?
( 古泉 ) 分かって おら れる はずです が … なら 説明 し ましょう
涼 宮 さん は あなた だけ は 何 が あろう と
自分 の 味方 を する と 思って いた のです
いろいろ 文句 を つけ つつ も
あなた だけ は 許して くれる だろう と ね
( キョン ) あいつ を 許せる の は とうに 殉教 した 聖人 くらい だ
( 古泉 ) 涼 宮 さん に 元気 を 出す ように 言って もらえ ませ ん かね ?
このまま 気持ち が 沈み 続ける と 閉鎖 空間 と は 別の
もっと ひどい 事態 が 起こり そうな ので
ネガティブな 涼 宮 さん が
世界 に 対して どのように 干渉 する の か
想像 も つき ませ ん し
( キョン ) だ から あいつ を 慰めろ って の か ?
( 古泉 ) 元 の さ や に 戻って くれれば いい んです
( キョン ) 元 も 何も 俺 は そんな さ や に 納まって いた こと なんて ない ぞ
( 古泉 ) はて …
あなた の 頭 も 冷えた 頃合い だ と 思って いた のです が
見込み 違い でした か
( キョン ) 昨日 俺 が カッカ きち まった の は
朝比奈 さん へ の 暴 虐 を 見かねた 俺 の 善良なる 心 が そう さ せた
… と も 限ら ない
カルシウム が 不足 して た だけ な の かも な
昨日 の 晩 牛乳 1 リットル ほど 飲んで 寝て 起きたら
不思議 と おさまって た から な
プラシーボ 効果 かも しれ ない が …
( 谷口 ) 何 が 映画 だ 行 って 損した
( 国 木田 ) まあまあ
彼 ホント は もっと 涼 宮 さん たち と 遊び たかった んだ よ
他の 予定 を キャンセル まで して ね
言う な バカ !
とにかく だ 俺 は もう あんな くだらない こと に は
一切 関わら ん から な !
映画 だ と ? フンッ
どうせ ゴミ みたいな もん に なる 決まって る ぜ
お前 に だけ は 言わ れ たく ない ぜ
( キョン ) そんな こと は 言わ れ なくて も 想像 が ついて る
しかし だ それ を お前 に 言わ れる の は 腹 が 立つ
少なくとも ハルヒ は 文化 祭 に 向けて 行動 を 起こして る
関わろう と して る
対して お前 は どう だ ?
どんなに くだら ん もの でも ここ で 文句 言って る お前 より
作って る ハルヒ の ほう が はるかに マシ だ !
まったく ムシャクシャ する ぜ !
さて ムシャクシャ する の は なんで かな ?
俺 に も ついに
映画 に 懸ける 情熱 なんて もの が でき ち まった の か ?
どうした の さ キョン ?
涼 宮 さん も 機 嫌悪 そう だし なんか あった の ?
( 谷口 ) 痴話 ゲンカ じゃ ねえ の
フンッ
( キョン ) ああ そう か 俺 も ハルヒ の 言う が まま に へ い こらして は
ブツブツ 言って る だけ だ
俺 が ムシャクシャ する の は つまり
谷口 の 言った こと に 腹 を 立てて る 俺 自身 も
谷口 と 何も 変わら ん こと に …
( キョン ) クソ !
( キョン ) 谷口 の ゲロハゲ 野郎 !
お前 の せい で 変な こと に 気 付 いち まった じゃ ねえ か
クソ !
後 で 後悔 し そうな こと を し たく なって きた じゃ ねえ か
クソ ! クソ !
あっ !
おい ハルヒ
何 よ ?
この 映画 は 絶対 成功 さ せよう
当然 よ
あたし が 監督 する んだ から ね 成功 は 約束 さ れて る の
あんた に 言わ れる まで も ない わ よ
( キョン ) なんちゅう 単純 さ だ
まあ 元気 の ない ハルヒ なんて 不気味な もの を 見る くらい なら
( キョン ) この ほう が マシ だ ( ハルヒ ) いっ くわ よ ~!
もう 少し 他 に 言い よう は なかった のです か ?
すま ん
元 に 戻った と いう より 更に パワフルに なって ます よ
すま ん
これ で は 隠し よう が あり ませ ん ね
なんて 都合 が いい の かしら ! 桜 の 画 が 欲しい なって 思って た の よ
すばらしい タイミング の 異常 気象 ね
はい ! そこ で 決め ポーズ !
えっ ? え ~?
お っ そうだ ! 猫 を 捕まえ ましょう
猫 ?
魔女 に は 使い 魔 が いる の よ 猫 が 一 番 しっくり くるわ
ど っか に 黒い 猫 落ちて ない ?
長門 の 初期 設定 は 悪い 宇宙 人 じゃ なかった の か ?
いい から 猫 よ !
あたし の イメージ で は そう なって る の よ
ねえ 有希 野良 猫 で いい から
どこ か 集まって る ような 場所 知ら ない ?
♪~
~♪