フクロウ と カラス
ふくろう||からす
フクロウ と カラス
ふくろう||からす
むかし むかし 、 ある ところ に 、 腕 の 良い 染め物 屋 が い ました 。
|||||うで||よい|そめもの|や|||
この 染め物 屋 は 、 お 城 から も 染め物 の 仕事 が 来る ほど の 評判 でした が 、 この 染物 屋 の 息子 が どう しよう も ない 道楽 息子 で 、 仕事 の 手伝い も せ ず に いつも ふらふら と 遊び 歩いて いた のです 。
|そめもの|や|||しろ|||そめもの||しごと||くる|||ひょうばん||||そめもの|や||むすこ||||||どうらく|むすこ||しごと||てつだい||||||||あそび|あるいて||
This dye shop was so popular that the dyeing work came from the castle, but the son of this dye shop was a helpless hobby son, and he always wandered around without any help from the work. is .
ある 日 の 事 、 お 城 から の 使い が 、 上等な 白 絹 ( しろ ぎ ぬ ) を 持って 来て 言い ました 。
|ひ||こと||しろ|||つかい||じょうとうな|しろ|きぬ|||||もって|きて|いい|
One day, a messenger from the castle brought in fine white silk and said.
「 急な 頼み で すま ない が 、 殿さま が 江戸 へ のぼる 事 に なった ので 、 十 日 後 に は これ を 紋 服 ( も ん ぷく ) に 染め 上げて くれ 」 「 へ へ ー っ 。
きゅうな|たのみ|||||とのさま||えど|||こと||||じゅう|ひ|あと|||||もん|ふく|||||しめ|あげて||||-|
"I apologize for the sudden request, but the lord has decided to go up to Edo, so please have this dyed into a monpuku in ten days."
必ず 十 日 後 に は 、 染め 上げ ます ので 」 こうして 染め物 屋 の 主人 は 、 さっそく その 白 絹 に 下地 を 練り 込み 、 ていねいに 乾かして い ました 。
かならず|じゅう|ひ|あと|||しめ|あげ||||そめもの|や||あるじ||||しろ|きぬ||したじ||ねり|こみ||かわかして||
I'll be sure to finish dyeing it in ten days." Thus, the owner of the dyeing shop immediately kneaded the base into the white silk and dried it carefully.
すると そこ へ 、 酔っぱらった 道楽 息子 が 帰って きた のです 。
|||よっぱらった|どうらく|むすこ||かえって||
「 なんだ 、 親父 。
|おやじ
また 、 仕事 を して いる の か ?
|しごと|||||
染め物 なんて 、 川 に 入って 冷たい 思い を して 、 また 乾かして 冷たい 思い を する 。
そめもの||かわ||はいって|つめたい|おもい||||かわかして|つめたい|おもい||
Dyeing is something that goes into the river and makes you feel cold, and then dries it and makes you feel cold.
そんな 事 を 、 毎日 繰り返して どう する んだ ?
|こと||まいにち|くりかえして|||
それ より も 、 おれ みたいに バクチ でも すれば いいん だ 。
Rather than that, you should do some gambling like I do.
そう すれば 金 なんて 、 いくら でも 手 に 入る のに よ 」 「 しかし 息子 よ 、 働く と いう の は ・・・」 「 うる せ え !
||きむ||||て||はいる||||むすこ||はたらく|||||||
If you do that, you can get as much money as you want." "But son, working..." "Wow!
おれ に 説教 を する な !
||せっきょう|||
Don't preach to me!
」 そう 言って 道楽 息子 は 、 なんと 殿さま の 白 絹 に 泥 を 塗り つけて しまった のです 。
|いって|どうらく|むすこ|||とのさま||しろ|きぬ||どろ||ぬり|||
「 あ あっ !
お前 は 、 何て 事 を !
おまえ||なんて|こと|
」 染物 屋 の 主人 は あわてて 白 絹 を 洗い 直す と 、 再び 下地 を 練り 込んで ていねいに 乾かそう と した のです が 、 その 日 から 毎日 雨 が 続いた ため に 、 約束 の 日 まで に 白 絹 を 染める こと が 出来 なかった のです 。
そめもの|や||あるじ|||しろ|きぬ||あらい|なおす||ふたたび|したじ||ねり|こんで||かわかそう||||||ひ||まいにち|あめ||つづいた|||やくそく||ひ|||しろ|きぬ||そめる|||でき||
やがて 、 お 城 から の 使い が 染めた 白 絹 を 取り に 来た のです が 、 白 絹 が 染め 上がって い ない 事 を 知った 殿さま は 大変 怒って 、 「 この ふ らち 者 を 、 討ち 首 に せい !
||しろ|||つかい||そめた|しろ|きぬ||とり||きた|||しろ|きぬ||しめ|あがって|||こと||しった|とのさま||たいへん|いかって||||もの||うち|くび||
」 と 、 染物 屋 の 主人 を 殺して しまった のです 。
|そめもの|や||あるじ||ころして||
これ を 知った 道楽 息子 は 、 父親 の 死骸 ( しがい ) に 取りすがって 泣き ました 。
||しった|どうらく|むすこ||ちちおや||しがい|||とりすがって|なき|
「 す ま ねえ 、 親父 。
|||おやじ
おれ が 、 馬鹿だった 」 そして この うわさ を 知った 近所 の 子ども たち に 、 道楽 息子 は 寄ってたかって 石 を 投げ つけ られたり 、 棒 で 叩か れたり した のです 。
||ばかだった|||||しった|きんじょ||こども|||どうらく|むすこ||よってたかって|いし||なげ|||ぼう||たたか|||
道楽 息子 は 、 くやんで くやんで 、 とうとう フクロウ に なって しまい ました 。
どうらく|むすこ|||||ふくろう||||
そして 人目 に つく 昼間 は 林 の 中 に 隠れて 、 夜 も 暗く なって から 出歩く ように なった のです 。
|ひとめ|||ひるま||りん||なか||かくれて|よ||くらく|||であるく|||
そして 道楽 息子 を いじめて いた 子ども たち は 、 カラス に なり ました 。
|どうらく|むすこ||||こども|||からす|||
こうして 今 でも 、 カラス は 昼間 に フクロウ を 見つける と 、 寄ってたかって フクロウ を いじめる のだ そうです 。
|いま||からす||ひるま||ふくろう||みつける||よってたかって|ふくろう||||そう です
おしまい