カエルのお坊さん
かえる の お ぼうさん
Frog Monk
Le moine grenouille.
むかし むかし 、 ある 池 の 中 に 、 カエル の お 坊さん が い ました 。
|||いけ||なか||かえる|||ぼうさん|||
Once upon a time, there was a frog monk in a pond.
毎日 、 ハス の 葉っぱ の 上 に 座って 、 「 ナムゲロゲロダブツ 」 と 、 お 経 を あげて い ました 。
まいにち|はす||はっぱ||うえ||すわって||||へ||||
Every day, I would sit on a lotus leaf and chant, ``Namge ro gero dabutsu.''
とても すごい お 坊さん で 、 その 日 に 咲く ハス の 花 の 数 を かぞえて 、 いくつ お 葬式 が ある か を 言い当てる のです 。
|||ぼうさん|||ひ||さく|はす||か||すう|||いく つ||そうしき|||||いいあてる|
He is an amazing monk who can tell how many funerals there are by counting the number of lotus flowers that bloom that day.
さて 、 ある 日 の 朝 の 事 、 池 の 上 に ハス の 花 が 五 つ 咲き ました 。
||ひ||あさ||こと|いけ||うえ||はす||か||いつ||さき|
One morning, five lotus flowers bloomed on the pond.
( おや 、 今日 は 五 つ も お 葬式 が あって 、 忙しく なり そうだ ) と 、 思って いたら 、 さっそく モグラ の おかみ さん が やってきて 、 「 カエル の お 坊 さま 。
|きょう||いつ||||そうしき|||いそがしく||そう だ||おもって|||もぐら||||||かえる|||ぼう|
(Just as I was thinking, "Oh, it's going to be a busy day with five funerals today," the mole's housekeeper came in and said, "The Frog Boy.
主人 が 亡くなり ました 」 と 、 言い ました 。
あるじ||なくなり|||いい|
My husband is dead," she said.
「 それ は お 気の毒に 。
|||きのどくに
I'm sorry to hear that.
でも 、 あんた の ご 主人 は よく 働いた から 、 立派な 仏さま に なれる だろう 。
||||あるじ|||はたらいた||りっぱな|ふつ さま|||
But your husband worked very hard, so I'm sure he will become a great Buddha.
ナムゲロゲロダブツ 」 と 、 ていねいに お 経 を あげて やり ました 。
||||へ||||
Nam gerogerodabutu." I carefully recited the sutra to him.
すると そこ へ 、 セミ の 息子 が やってきて 、 「 カエル の お 坊 さま 。
|||せみ||むすこ|||かえる|||ぼう|
Just then, Cicada's son came and said, "Frog monk.
おやじ が 亡くなり ました 。
||なくなり|
My father passed away.
立派な 仏さま に なれる よう 、 お 経 を あげて やって ください 」 と 、 言い ました 。
りっぱな|ふつ さま|||||へ||||||いい|
Please give me sutras so that I can become a splendid Buddha."
「 残念じゃ が 、 そいつ は 無理じゃ な 。
ざんねんじゃ||そい つ||むりじゃ|
I'm sorry, but that's impossible.
夏 の 間 、 仕事 も せず に 歌 ばかり うたって いて 、 立派な 仏さま に なれる もん か 。
なつ||あいだ|しごと||せ ず||うた||||りっぱな|ふつ さま||||
Can you become a splendid Buddha by doing nothing but singing during the summer?
まあ それ でも 、 お 経 だけ は あげて やろう 」
||||へ||||
Well, I'll just give him a sutra."
カエル の お 坊さん は こわい 顔 で 、 「 ナムゲロゲロダブツ !」 と 、 お 経 を あげ ました 。
かえる|||ぼうさん|||かお|||||へ|||
The frog monk looked scared and said, "Nam vom vom vom! I gave a sutra.
セミ の 息子 が ガッカリ して 帰って 行く と 、 今度 は コオロギ の 家 から 使い が やってき ました 。
せみ||むすこ||がっかり||かえって|いく||こんど||こおろぎ||いえ||つかい|||
The son of the cicada was disappointed and went home, but this time the crickets' house sent a messenger.
「 カエル の お 坊 さま 。 うち の だんな が 、 亡くなり ました 」
かえる|||ぼう||||||なくなり|
"Frog Boy, my husband has passed away. My husband is dead."
「 なんと 、 コオロギ の だんな が 亡くなった と な 。
|こおろぎ||||なくなった||
"Oh, my God, Cricket's master is dead.
うーん 、 これ から は いよいよ 、 お前 さん たち の 季節 が くる と いう のに 、 なんとも おしい のう 。
|||||おまえ||||きせつ||||||||
Well, it's really nice to hear that your season is finally coming.
よし よし 、 立派な 仏さま に なれる よう 、 お 経 を あげて やろう 。 ナムゲロゲロダブツ 」
||りっぱな|ふつ さま|||||へ||||
All right, all right, let's chant sutras so that you can become a great Buddha. Nam va va va va va dabutsu.
カエル の お 坊さん が いっしょうけんめい お 経 を あげて いる と 、 目の前 に 緋鯉 が 顔 を 出して 言い ました 。
かえる|||ぼうさん||||へ|||||めのまえ||ひごい||かお||だして|いい|
While the frog monk was doing his best to chant the sutra, a scarlet carp appeared in front of him and said, "I'm going to go to the temple and pray for you.
「 カエル の お 坊 さま 。 さっき 、 夫 が 亡くなり ました 。
かえる|||ぼう|||おっと||なくなり|
"Dear Frog Boy, I've just lost my husband. My husband just passed away.
どうか 立派な 仏さま に なれる ように 、 お 経 を あげて やって ください 」
|りっぱな|ふつ さま|||よう に||へ||||
Please give him sutras so that he can become a great Buddha.
「 だめだ 、 だめだ 。
No, no, no.
夫婦 して 毎日 遊び くらして いた くせ に 。
ふうふ||まいにち|あそび||||
Even though they used to play as a couple every day.
・・・ でも まあ 、 お 経 ぐらい は あげて やる が 。
|||へ|||||
... But well, I'll give you some sutras.
ナムゲロゲロダブツ !」
Nam gerogerogerodabutu!"
お 経 が すむ と 、 カエル の お 坊さん が ホッ と して 言い ました 。
|へ||||かえる|||ぼうさん||ほっ|||いい|
When the sutra was over, the frog monk was relieved.
「 やれやれ 、 これ で 四 つ の お 葬式 が 終わった ぞ 。
|||よっ||||そうしき||おわった|
I was so happy to see them.
あと 一つ は どう なって いる? 早く 言って こ ない か な 」
|ひと つ|||||はやく|いって||||
What about the other one? I can't wait for him to tell me."
その とたん 、 池 の そば で 遊んで いた 人間 の 子ども が 石 を 投げ ました 。
||いけ||||あそんで||にんげん||こども||いし||なげ|
At that moment, a human child playing near the pond threw a stone.
石 は カエル の お 坊さん の 頭 に 当たり 、 カエル の お 坊さん は ひっくり返る と 、 白い おなか を 出して 言い ました 。
いし||かえる|||ぼうさん||あたま||あたり|かえる|||ぼうさん||ひっくりかえる||しろい|||だして|いい|
The stone hit the frog-monk on the head, and the frog-monk turned over, showing his white belly and saying,
「 こいつ は たまげた 。
I'm amazed at this guy.
五 つ 目 の お 葬式 が わし と は 、 気 が つか なかった 。 ナムゲロゲロダブツ 」
いつ||め|||そうしき|||||き||||
I didn't realize that I was the fifth funeral. "Nam vom vom vom dum!"
そして そのまま 、 死んで しまった と いう 事 です 。
||しんで||||こと|
And then he died as he was.
おしまい