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世界の昔話, 七つの星

七 つ の 星

七 つ の 星

むかし むかし 、 ある 村 で 、 毎日 毎日 、 あつい 日照り が 続き ました 。 雨 が 、 ちっとも 降ら ない のです 。 池 も 井戸 ( いど ) も 、 すっかり 水 が なくなって カラカラ です 。 ある 家 に 女の子 が いま した が 、 お 母さん が 病気 に なって 寝 込んで しまい 、 「 ああ 、 水 を 飲み たい 、 水 を 飲み たい 」 と 、 言う のです 。 女の子 は どうにか して 、 お 母さん に 水 を あげ たい と 思って 家 を 出て 行き ました 。 でも 、 どこ を 探して も 、 ひとし ずく の 水 さえ も 見つかり ませ ん 。 女の子 は 疲れて しまって 、 野原 の 中 の 草 の 上 に 座る と 、 そのまま 眠って しまい ました 。

しばらく して 目 を 覚ました 女の子 は 、 目の前 に ある 物 を 見て ビックリ 。 すぐ 前 に 一 本 の 木 の ひしゃく が 置いて あり 、 その 中 に きれいな 水 が 光って いる のです 。 「 あら 、 水 だ わ ! 」 女の子 は 喜んで 、 その ひしゃく を 取り あげ ました 。 すぐ に 飲もう と し ました が 、 「 いいえ 、 わたし より も お 母さん に 、 早く 飲ま せて あげ ましょう 」 急いで 、 家 の 方 へ かけて 行き ました 。 すると 途中 で 、 一 匹 の イヌ が 言い ました 。 「 わたし は のど が かわいて 、 死に そうです 。 一口 だけ 飲ま せて ください 。 ワン 」 女の子 は 可愛 そうに 思い 、 手のひら に 少し 水 を 入れる と イヌ に 差し出し ました 。 イヌ は 喜んで 、 ピチャピチャ と 水 を 飲み ました 。 すると 不思議な 事 に 、 木 の ひしゃく は キラキラ と 光る 銀 の ひしゃく に 変わり ました 。 それ から 、 急いで 家 へ 帰った 女の子 は 、 「 さあ 、 お 母さん 、 お 水 です よ 」 お 母さん は ゴクリ 、 ゴクリ と 、 ひしゃく の 水 を 飲み ました 。 「 ああ 、 おいしかった わ 、 ありがとう 」 お 母さん が そう 言った 時 、 銀 の ひしゃく は 金 の ひしゃく に 変わり ました 。 その ひしゃく の 底 に は 、 まだ 水 が 少し 残って い ます 。 女の子 が 、 今度 は やっと 自分 が 飲もう と する と 、 ふと 、 一 人 の 知ら ない お じいさん が やって 来 ました 。 「 のど が かわいて 、 倒れ そうです 。 一口 でも 水 を 飲ま せて ください 」 残って いる 水 は 、 わずかです 。 お じいさん に あげて しまう と 、 自分 は 飲む 事 が 出来 ませ ん 。 でも 女の子 は 、 「 はい どうぞ 、 お あがり なさい 」 と 、 言って 、 ひしゃく を 渡して しまい ました 。 その 人 は 、 うれし そうに 水 を 飲む と 、 「 ありがとう ございました 」 お 礼 を 言って 、 出て 行き ました 。 女の子 は 、 あと に 残った ひしゃく を 見て ビックリ し ました 。 ひしゃく から は きれいな 水 が 、 こんこんと わき出て いる のです 。 女の子 が 喜んで 飲んだ あと 、 金 の ひしゃく に は 、 ピカピカ と 光る 美しい 七 つ の ダイヤモンド が ついて い ました 。 そして それ が 空 へ 飛んで 行った か と 思う と 七 つ の お 星 さま に なり 、 ひしゃく の 形 の 星座 ( せいざ ) に なり ました 。 それ から 、 ひしゃく の 水 を 飲んだ おかげ で お 母さん の 病気 も 治り 、 二 人 は 幸せに 暮らした と いう こと です 。

おしまい


七 つ の 星 なな|||ほし the Big Dipper (asterism)

七 つ の 星 なな|||ほし

むかし むかし 、 ある 村 で 、 毎日 毎日 、 あつい 日照り が 続き ました 。 |||むら||まいにち|まいにち||ひでり||つづき| 雨 が 、 ちっとも 降ら ない のです 。 あめ|||ふら||の です 池 も 井戸 ( いど ) も 、 すっかり 水 が なくなって カラカラ です 。 いけ||いど||||すい|||から|から ある 家 に 女の子 が いま した が 、 お 母さん が 病気 に なって 寝 込んで しまい 、 「 ああ 、 水 を 飲み たい 、 水 を 飲み たい 」 と 、 言う のです 。 |いえ||おんなのこ||||||かあさん||びょうき|||ね|こんで|||すい||のみ||すい||のみ|||いう|の です 女の子 は どうにか して 、 お 母さん に 水 を あげ たい と 思って 家 を 出て 行き ました 。 おんなのこ|||||かあさん||すい|||||おもって|いえ||でて|いき| でも 、 どこ を 探して も 、 ひとし ずく の 水 さえ も 見つかり ませ ん 。 |||さがして|||||すい|||みつかり|| But no matter where I looked, I couldn't find a single drop of water. 女の子 は 疲れて しまって 、 野原 の 中 の 草 の 上 に 座る と 、 そのまま 眠って しまい ました 。 おんなのこ||つかれて||のはら||なか||くさ||うえ||すわる|||ねむって||

しばらく して 目 を 覚ました 女の子 は 、 目の前 に ある 物 を 見て ビックリ 。 ||め||さました|おんなのこ||めのまえ|||ぶつ||みて|びっくり After a while, the girl woke up and was surprised to see something in front of her. すぐ 前 に 一 本 の 木 の ひしゃく が 置いて あり 、 その 中 に きれいな 水 が 光って いる のです 。 |ぜん||ひと|ほん||き||||おいて|||なか|||すい||ひかって||の です 「 あら 、 水 だ わ ! |すい|| "Oh, it's water! 」   女の子 は 喜んで 、 その ひしゃく を 取り あげ ました 。 おんなのこ||よろこんで||||とり|| すぐ に 飲もう と し ました が 、 「 いいえ 、 わたし より も お 母さん に 、 早く 飲ま せて あげ ましょう 」   急いで 、 家 の 方 へ かけて 行き ました 。 ||のもう||||||||||かあさん||はやく|のま||||いそいで|いえ||かた|||いき| すると 途中 で 、 一 匹 の イヌ が 言い ました 。 |とちゅう||ひと|ひき||いぬ||いい| 「 わたし は のど が かわいて 、 死に そうです 。 |||||しに|そう です I am so thirsty that I am going to die. 一口 だけ 飲ま せて ください 。 ひとくち||のま|| ワン 」   女の子 は 可愛 そうに 思い 、 手のひら に 少し 水 を 入れる と イヌ に 差し出し ました 。 わん|おんなのこ||かわい|そう に|おもい|てのひら||すこし|すい||いれる||いぬ||さしだし| イヌ は 喜んで 、 ピチャピチャ と 水 を 飲み ました 。 いぬ||よろこんで|||すい||のみ| すると 不思議な 事 に 、 木 の ひしゃく は キラキラ と 光る 銀 の ひしゃく に 変わり ました 。 |ふしぎな|こと||き||||きらきら||ひかる|ぎん||||かわり| それ から 、 急いで 家 へ 帰った 女の子 は 、 「 さあ 、 お 母さん 、 お 水 です よ 」   お 母さん は ゴクリ 、 ゴクリ と 、 ひしゃく の 水 を 飲み ました 。 ||いそいで|いえ||かえった|おんなのこ||||かあさん||すい||||かあさん||ごくり|ごくり||||すい||のみ| 「 ああ 、 おいしかった わ 、 ありがとう 」   お 母さん が そう 言った 時 、 銀 の ひしゃく は 金 の ひしゃく に 変わり ました 。 |||||かあさん|||いった|じ|ぎん||||きむ||||かわり| その ひしゃく の 底 に は 、 まだ 水 が 少し 残って い ます 。 |||そこ||||すい||すこし|のこって|| 女の子 が 、 今度 は やっと 自分 が 飲もう と する と 、 ふと 、 一 人 の 知ら ない お じいさん が やって 来 ました 。 おんなのこ||こんど|||じぶん||のもう|||||ひと|じん||しら||||||らい| As the girl was finally about to take a drink herself, a strange old man suddenly arrived. 「 のど が かわいて 、 倒れ そうです 。 |||たおれ|そう です 一口 でも 水 を 飲ま せて ください 」   残って いる 水 は 、 わずかです 。 ひとくち||すい||のま|||のこって||すい||わずか です Give him a sip of water." There is very little water left. お じいさん に あげて しまう と 、 自分 は 飲む 事 が 出来 ませ ん 。 ||||||じぶん||のむ|こと||でき|| でも 女の子 は 、 「 はい どうぞ 、 お あがり なさい 」 と 、 言って 、 ひしゃく を 渡して しまい ました 。 |おんなのこ||||||||いって|||わたして|| But the girl says, "Here you go, sir. He handed her the ladle, saying, "I'm sorry. その 人 は 、 うれし そうに 水 を 飲む と 、 「 ありがとう ございました 」   お 礼 を 言って 、 出て 行き ました 。 |じん|||そう に|すい||のむ|||||れい||いって|でて|いき| 女の子 は 、 あと に 残った ひしゃく を 見て ビックリ し ました 。 おんなのこ||||のこった|||みて|びっくり|| The girl was surprised to see the ladle left behind. ひしゃく から は きれいな 水 が 、 こんこんと わき出て いる のです 。 ||||すい|||わきでて||の です 女の子 が 喜んで 飲んだ あと 、 金 の ひしゃく に は 、 ピカピカ と 光る 美しい 七 つ の ダイヤモンド が ついて い ました 。 おんなのこ||よろこんで|のんだ||きむ|||||ぴかぴか||ひかる|うつくしい|なな|||だいやもんど|||| そして それ が 空 へ 飛んで 行った か と 思う と 七 つ の お 星 さま に なり 、 ひしゃく の 形 の 星座 ( せいざ ) に なり ました 。 |||から||とんで|おこなった|||おもう||なな||||ほし||||||かた||せいざ|||| それ から 、 ひしゃく の 水 を 飲んだ おかげ で お 母さん の 病気 も 治り 、 二 人 は 幸せに 暮らした と いう こと です 。 ||||すい||のんだ||||かあさん||びょうき||なおり|ふた|じん||しあわせに|くらした||||

おしまい