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江戸小話, 小男の願い

小 男 の 願い

小 男 の 願い

生まれつき 背 の 低い の を 、 とても 悩んで いる 男 が い ました 。 男 は 毎日 、 神棚 に 手 を 合わせて は 、 「 神さま 、 何とぞ 背 が 高く なり ます 様 に 、 どう か お 願い し ます 」 と 、 お 祈り を して い ました 。

ある 日 の 事 、 ついに 男 の 夢 の 中 に 神さま が 現れて 、 こう 言った のです 。 「 お前 の 望み を 、 叶えて やろう 。 目覚めた 後 、 ご飯 を 一 升 ( いっしょう → 約 1.8 リットル ) と 、 お 餅 を 一 升 食べ 、 酒 を 一 樽 ( ひと たる ) 飲んで 、 そのまま 眠る が よい 。 そして 目覚めた 時 に 体中 が だるく 感じる から 、 その 時 、 体 を 上下 へ 十分に 伸び を せよ 。 そう すれば 、 お前 の 背 は 必ず 、 布団 ( ふとん ) の 長 さ まで 伸びて いる だろう 」 そこ で 、 男 は 目覚め ました 。 「 おお 、 ありがたい お告げ だ 。 よし 、 さっそく 試して みよう 」 男 は お告げ の 通り 、 一 升 の ご飯 を 食べ 、 一 升 の お 餅 を 食べ 、 一 樽 の 酒 を 飲む と 、 ぐ で ん ぐ で んに 酔って しまい 、 その場で 眠って しまい ました 。

さて 、 男 が 目 を 覚まして みる と 、 お告げ の 通り 体中 が だるく なって い ます 。 そこ で 、 体 を 上下 に ぐ ぐっと 伸び を して 、 「 さて 、 これ で 願い が 叶った はず 。 布団 の 長 さ まで 背 が 伸びる なんて 、 ありがたい 、 ありがたい 」 と 、 立って みる と 、 どうした 事 か 、 前 より も 背 が かなり 低く なって いる のです 。 「 おかしい な 。 確か 布団 の 長 さ まで 背 が 伸びて いる はずな のに 。 ・・・ ああ っ ! この ふとん は ! 」 男 が 布団 を 見て みる と 、 何と その 布団 は 寝る 布団 で は なく 、 座布団 ( ざぶとん ) だった のです 。

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


小 男 の 願い しょう|おとこ||ねがい

小 男 の 願い しょう|おとこ||ねがい

生まれつき 背 の 低い の を 、 とても 悩んで いる 男 が い ました 。 うまれつき|せ||ひくい||||なやんで||おとこ||| 男 は 毎日 、 神棚 に 手 を 合わせて は 、 「 神さま 、 何とぞ 背 が 高く なり ます 様 に 、 どう か お 願い し ます 」 と 、 お 祈り を して い ました 。 おとこ||まいにち|かみだな||て||あわせて||かみさま|なにとぞ|せ||たかく|||さま|||||ねがい|||||いのり||||

ある 日 の 事 、 ついに 男 の 夢 の 中 に 神さま が 現れて 、 こう 言った のです 。 |ひ||こと||おとこ||ゆめ||なか||かみさま||あらわれて||いった|の です 「 お前 の 望み を 、 叶えて やろう 。 おまえ||のぞみ||かなえて| 目覚めた 後 、 ご飯 を 一 升 ( いっしょう → 約 1.8 リットル ) と 、 お 餅 を 一 升 食べ 、 酒 を 一 樽 ( ひと たる ) 飲んで 、 そのまま 眠る が よい 。 めざめた|あと|ごはん||ひと|しょう||やく||||もち||ひと|しょう|たべ|さけ||ひと|たる|||のんで||ねむる|| そして 目覚めた 時 に 体中 が だるく 感じる から 、 その 時 、 体 を 上下 へ 十分に 伸び を せよ 。 |めざめた|じ||たいちゅう|||かんじる|||じ|からだ||じょうげ||じゅうぶんに|のび|| そう すれば 、 お前 の 背 は 必ず 、 布団 ( ふとん ) の 長 さ まで 伸びて いる だろう 」   そこ で 、 男 は 目覚め ました 。 ||おまえ||せ||かならず|ふとん|||ちょう|||のびて|||||おとこ||めざめ| 「 おお 、 ありがたい お告げ だ 。 ||おつげ| よし 、 さっそく 試して みよう 」   男 は お告げ の 通り 、 一 升 の ご飯 を 食べ 、 一 升 の お 餅 を 食べ 、 一 樽 の 酒 を 飲む と 、 ぐ で ん ぐ で んに 酔って しまい 、 その場で 眠って しまい ました 。 ||ためして||おとこ||おつげ||とおり|ひと|しょう||ごはん||たべ|ひと|しょう|||もち||たべ|ひと|たる||さけ||のむ||||||||よって||そのばで|ねむって||

さて 、 男 が 目 を 覚まして みる と 、 お告げ の 通り 体中 が だるく なって い ます 。 |おとこ||め||さまして|||おつげ||とおり|たいちゅう||||| そこ で 、 体 を 上下 に ぐ ぐっと 伸び を して 、 「 さて 、 これ で 願い が 叶った はず 。 ||からだ||じょうげ||||のび||||||ねがい||かなった| 布団 の 長 さ まで 背 が 伸びる なんて 、 ありがたい 、 ありがたい 」 と 、 立って みる と 、 どうした 事 か 、 前 より も 背 が かなり 低く なって いる のです 。 ふとん||ちょう|||せ||のびる|||||たって||||こと||ぜん|||せ|||ひくく|||の です 「 おかしい な 。 確か 布団 の 長 さ まで 背 が 伸びて いる はずな のに 。 たしか|ふとん||ちょう|||せ||のびて||| ・・・ ああ っ ! この ふとん は ! 」   男 が 布団 を 見て みる と 、 何と その 布団 は 寝る 布団 で は なく 、 座布団 ( ざぶとん ) だった のです 。 おとこ||ふとん||みて|||なんと||ふとん||ねる|ふとん||||ざぶとん|||の です

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )