盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 11 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Rise of the Shield Heroes 2 Kapitel 11. Rise of the Shield Heroes 2 Chapter 11

十一 話 馬車 の 旅 じゅういち|はなし|ばしゃ||たび 数 日 後 、 村 の 領主 が 俺 達 に 馬車 を プレゼント して くれた 。 すう|ひ|あと|むら||りょうしゅ||おれ|さとる||ばしゃ||ぷれぜんと|| 村 の 代表 である 領主 が 村人 を 集めて 俺 達 に 贈り 、 祝う 。 むら||だいひょう||りょうしゅ||むらびと||あつめて|おれ|さとる||おくり|いわう

フィロリアル が 動かす のに 馬車 …… まあ いい か 。 ||うごかす||ばしゃ|||

「 感謝 する 」 かんしゃ|

「 勇者 様 に は 色々 と 協力 して 頂きました のに 、 この 程度 しか 力 に なれ ず 申し訳 ありません 」 ゆうしゃ|さま|||いろいろ||きょうりょく||いただき ました|||ていど||ちから||||もうしわけ|あり ませ ん 村 の 奴 等 、 いい 笑顔 で 俺 に 力 を 貸して くれて いた 。 むら||やつ|とう||えがお||おれ||ちから||かして||

恩人 扱い されて も それ に 甘える わけに は いか ない 。 おんじん|あつかい|さ れて||||あまえる|||| だけど 、 ここ は 素直に 感謝 の 気持ち を 示す 。 |||すなおに|かんしゃ||きもち||しめす

「 そう 言って もらえる と 嬉しい 」 |いって|||うれしい

「 行商 を する のです ね 」 ぎょうしょう||||

「 ああ 」

成功 する 見通し は 立って いない 。 せいこう||みとおし||たって| だけど せっかく フィーロ が いる のだ から 使わ ない 手 は ない 。 |||||||つかわ||て||

「 ん ？ 馬車 ー 」 ばしゃ|-

人 型 で 遊んで いた フィーロ が 驚いて いる 。 じん|かた||あそんで||||おどろいて|

「 これ を フィーロ が 引く の ？ ||||ひく| 」 目 を キラキラ と 輝か せて フィーロ は 聞いて くる 。 め||きらきら||かがやか||||きいて| 「 ああ 、 そうだ 。 |そう だ お前 は これ から この 馬車 を 引いて 、 国 中 を 走る んだ 」 おまえ|||||ばしゃ||ひいて|くに|なか||はしる|

「 ホント !?」 ほんと

とても 楽しげに フィーロ は 声 を 上げる 。 |たのしげに|||こえ||あげる

俺 だったら 嫌気 が さし そうな 重 労働 だ と いう のに ……。 おれ||いやき|||そう な|おも|ろうどう||||

「 本当に やる んです ね 」 ほんとうに|||

ラフタリア が 憂鬱 気味に 呟く 。 ||ゆううつ|ぎみに|つぶやく

未 だに 乗り物酔い を 完全に 克服 して ない ラフタリア は 、 どうも 馬車 の 旅 に 乗り気で は ない 。 み||のりものよい||かんぜんに|こくふく||||||ばしゃ||たび||のりきで||

「 いずれ 慣れる 。 |なれる それ まで の 辛抱 だ 」 |||しんぼう|

「 はい 」

俺 は フィーロ に 顔 を 向けて 何度 も 確認 する 。 おれ||||かお||むけて|なんど||かくにん|

「 フィーロ 、 お前 の 仕事 は ？ |おまえ||しごと| 」 「 えっと ね 。 えっ と| フィーロ の 仕事 は 馬車 を 引いて ご しゅじん さま の 言う とおり の 場所 に 行く こと 」 ||しごと||ばしゃ||ひいて|||||いう|||ばしょ||いく|

「 ああ 」

「 そして 槍 を 持った あの 人 を 見つけたら 蹴る こと 」 |やり||もった||じん||みつけたら|ける|

「 正解 だ 」 せいかい|

「 後半 は 違います ！ こうはん||ちがい ます な んです か それ は ？ 」 ラフタリア が 何 か おかしい 事 でも あるか の ように 異議 を 唱える 。 ||なん|||こと|||||いぎ||となえる 「 な んです か …… その まるで 私 が おかしい みたいな 目 は 」 |||||わたくし||||め|

元 もと 康 やす を 見つけたら 蹴る 。 もと||やす|||みつけたら|ける 何 が おかしい と 言う のだ ？ なん||||いう|

一 々 相手 を して いたら 限 が ない 。 ひと||あいて||||げん||

「 さて 、 じゃあ これ から 行商 の 始まり だ 。 ||||ぎょうしょう||はじまり| 俺 は 馬車 の 中 に 隠れて いる から 、 ラフタリア お前 が 最初に 村 や 町 に 着いたら 物 を 売る んだ 」 おれ||ばしゃ||なか||かくれて||||おまえ||さいしょに|むら||まち||ついたら|ぶつ||うる|

「 は ぁ …… わかりました 」 ||わかり ました 俺 の 悪 名 は リユート 村 以外 で は 未 だに 轟いて いる 。 おれ||あく|な|||むら|いがい|||み||とどろいて| 下手に 俺 が 交渉 に 出たら 売れる もの も 売れ ない 。 へたに|おれ||こうしょう||でたら|うれる|||うれ| だから ラフタリア が 販売 と 交渉 を 担当 する こと に なって いる 。 |||はんばい||こうしょう||たんとう|||||

ラフタリア は 容姿 に 優れて いる 。 ||ようし||すぐれて| 人見知り する わけで も ない し 、 客 商売 に 向いて いる だろう 。 ひとみしり||||||きゃく|しょうばい||むいて||

「 では 出発 する と しよう 」 |しゅっぱつ|||

準備 を 終えた 俺 達 は 荷車 に 荷物 を 載せて 、 フィーロ に 引か せる 。 じゅんび||おえた|おれ|さとる||にぐるま||にもつ||のせて|||ひか|

「 あ 、 勇者 様 」 |ゆうしゃ|さま

「 ん ？ どうした ？ 」 「…… これ を 」 領主 は そう 言って 、 一 枚 の 羊 皮 紙 を 俺 に 手渡す 。 りょうしゅ|||いって|ひと|まい||ひつじ|かわ|かみ||おれ||てわたす

「 これ は ？ 」 「 先日 お 話した 商業 通行 手形 です 」 せんじつ||はなした|しょうぎょう|つうこう|てがた| 「 ああ 、 そう だった な 」

行商 する 上 で この 手形 が あれば 、 通行 税 の 類 を 払わ ず に 済む んだった か 。 ぎょうしょう||うえ|||てがた|||つうこう|ぜい||るい||はらわ|||すむ|| かなり 便利な 手形 だ よ な 。 |べんりな|てがた||| 本来 、 勇者 相手 に 金 を 請求 する こと こそ が 間違って い そうだ けど 。 ほんらい|ゆうしゃ|あいて||きむ||せいきゅう|||||まちがって||そう だ|

と いう か 、 元康 達 は 当たり前の ように 持って そう 。 |||もとやす|さとる||あたりまえの||もって|

「 いって らっしゃい ませ 」

「…… ああ 、 行って 来る 」 |おこなって|くる

「 私 達 も 勇者 様 の 仕事 の 助け に なる よう 。 わたくし|さとる||ゆうしゃ|さま||しごと||たすけ||| 色々 と ご 協力 さ せて いただきます 」 いろいろ|||きょうりょく|||いただき ます 「 自分 達 の 生活 に 無理 が 出 ない 程度 に 頼む 」 じぶん|さとる||せいかつ||むり||だ||ていど||たのむ

「 はい ！ 」 こうして 俺 達 は 何でも 屋 と して 旅立つ こと に なった 。 |おれ|さとる||なんでも|や|||たびだつ||| 手始め に 行った の が 薬 の 販売 だ 。 てはじめ||おこなった|||くすり||はんばい|

品 は 少ない けれど 相場 より 安 めに 売る 。 しな||すくない||そうば||やす||うる

目玉 は 治療 薬 と 栄養 剤 だ 。 めだま||ちりょう|くすり||えいよう|ざい| これ だけ は 初級 より も 高位 の 薬 な ので それなり に 高値 で 売れる 。 |||しょきゅう|||こうい||くすり|||||たかね||うれる

そして 立ち寄った 村 で 知っている 薬草 など を 買い取り 、 移動 中 に 薬 を 調合 して おく 。 |たちよった|むら||しっている|やくそう|||かいとり|いどう|なか||くすり||ちょうごう||

フィーロ の 足 が 速い ので 、 一 日 の うち に 次の 村 に 辿り着ける のだ が 、 稀に 野宿 に なる とき も ある 。 ||あし||はやい||ひと|ひ||||つぎの|むら||たどりつける|||まれに|のじゅく||||| そういう 時 は 馬車 を 止めて 、 焚 たき火 を 起こして 食事 を 取る 。 |じ||ばしゃ||とどめて|ふん|たきび||おこして|しょくじ||とる

「 ご しゅじん さま ！ フィーロ の 隣 ！ ||となり あいて る よ 。 一緒に 寝よう よ ！ いっしょに|ねよう| 」 食事 が 終わる と 、 パンパン と 自分 の 隣 を 叩き 、 魔物 の 姿 で ここ に 座って 欲しい と 懇願 する フィーロ 。 しょくじ||おわる||ぱんぱん||じぶん||となり||たたき|まもの||すがた||||すわって|ほしい||こんがん|| 「 お前 の 隣 は 暑い んだ よ ……」 おまえ||となり||あつい||

どうも フィーロ は 俺 と 一緒に 寝 た がる 。 |||おれ||いっしょに|ね|| 宿屋 で 魔物 の 姿 に なる な と 命令 した から か 、 野宿 だ と 尚 の 事 ワガママ を 言う 。 やどや||まもの||すがた|||||めいれい||||のじゅく|||しよう||こと|||いう

まあ 、 野宿 なら 迷惑 を 掛ける 相手 が いない から 、 時々 なら 良い んだ けど ……。 |のじゅく||めいわく||かける|あいて||||ときどき||よい|| 「 フィーロ は 本当に ナオフミ 様 が 好きな んです ね 」 ||ほんとうに||さま||すきな||

「 うん ！ ラフタリア お 姉ちゃん に は 負け ない よ 」 ||ねえちゃん|||まけ||

「 お 姉ちゃん は やめて ください ！ |ねえちゃん||| 」 そっち な の か ？ 「 じゃあ なんて 呼べば いい の ー ？ ||よべば|||- 」 「 そ 、 そう です ね …… で は 、 お母さん と いう の は どう でしょう か ？ ||||||お かあさん||||||| 私 は フィーロ が 卵 から 孵った 頃 から 知っている わけです し 、 おかしく は ない はずです 」 わたくし||||たまご||ふ った|ころ||しっている|||||| 「 や ー ！ |- お 姉ちゃん だ もん ！ |ねえちゃん|| 」 なんか 微妙に 仲 が 悪い ような 良い ような 喧嘩 を して いる 。 |びみょうに|なか||わるい||よい||けんか||| フィーロ なんて 子供 と 一緒な んだ から 、 何 を ムキ に なって いる と いう のだ 。 ||こども||いっしょな|||なん||||||||

あ 、 ラフタリア も 実質 子供 だ もん な 。 |||じっしつ|こども||| 精神 年齢 で は 一緒 か 。 せいしん|ねんれい|||いっしょ|

「 は いはい 。 二 人 と も 早く 寝よう な 。 ふた|じん|||はやく|ねよう| 交代 の 時刻 に なったら 起こす ぞ ー 」 こうたい||じこく|||おこす||-

「 あー また フィーロ を こども 扱い する ー ！ |||||あつかい||- 」 「 そうです ！ そう です 私 を 子供 扱い し ないで ください 」 わたくし||こども|あつかい|||

「 そうだ な ーラフタリア も フィーロ も 大人 だ よ な ー 」 そう だ||-ラフタリア||||おとな||||-

「 絶対 に そう 思って ないで す ！ ぜったい|||おもって|| 」 「 うん ！ ご しゅじん さま ヒドーイ ！ 」 子供 みたいな もん だ よ 。 こども|||| 俺 は 二 人 の 親 代わり な んだ から さ 。 おれ||ふた|じん||おや|かわり||||

「 フィーロ 、 ご しゅじん さま の お 手伝い したい ！ ||||||てつだい|し たい 」 と 言い ながら その 辺り に 生えて いる 草 を 俺 の 真似 を して 石 で 揉み だす 。 |いい|||あたり||はえて||くさ||おれ||まね|||いし||もみ| 「 う ー …… 変な に おい が する ー ！ |-|へんな|||||- 」 「 そりゃ あ そうだ ろ 」 ||そう だ| その 辺り の 草 で 薬 が 作れたら 苦労 し ない 。 |あたり||くさ||くすり||つくれたら|くろう||

「 なんで 上手く いか ない の ？ |うまく||| 」 「 見よう見まね で できる 事 と でき ない 事 が ある だ ろ 」 みようみまね|||こと||||こと|||| 「 なんで ご しゅじん さま は 馬車 を 引か ない の ？ |||||ばしゃ||ひか|| 」 「 なんで 俺 が 馬車 を 引か なきゃ いけない んだ よ 」 |おれ||ばしゃ||ひか|||| 「 なんで ご しゅじん さま と フィーロ は 違う の ？ |||||||ちがう| 」 「 なんで 違う こと を 嫌がる んだ ？ |ちがう|||いやがる| 」 子供 特有 の なんで なんで 攻撃 だ 。 こども|とくゆう||||こうげき| こういう 時 に は 同じ ように 質問 を 繰り返す こと で 煙 に 撒 まく こと が できる 。 |じ|||おなじ||しつもん||くりかえす|||けむり||ま||||

「 む ー …… ご しゅじん さま の ばか ー ！ |-||||||- 」 「 誰 が 馬鹿だ ！ だれ||ばかだ 」 なんて 会話 を し つつ 、 俺 達 の 行商 は 続いて いく 。 |かいわ||||おれ|さとる||ぎょうしょう||つづいて|