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幼女戦記, Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 9

( ターニャ ) アレーヌ 市 で は 自国 民 保護 の 大義 を 守り ―

直接 的 排除 対象 は 敵 魔 導 師 に 徹底 し た

いまだ 私 の お手 々 は 真っ白 … の はず

( ウーガ ) 失礼 する ( ターニャ ) ん …

( ウーガ ) 久しぶり だ な デグレチャフ 少佐

ウーガ …

少佐 殿 ご 壮健 で 何より です

( ウーガ ) 貴 官 も 壮健 そう で 何より だ

( ターニャ ) 確か 今 は 陸軍 鉄道 部 に ?

( ウーガ ) ああ こちら でも 貴 官 の 活躍 は 聞い て いる

それ より これ から 参謀 本部 へ ?

ええ 少佐 殿 も 同じ でしょう か ?

最近 は ほとんど ゼートゥーア 閣下 の 使い走り だ な

鉄道 部 が 大忙し と いう こと は … N 大きな 作戦 でも ?

フッ …

何 か ご存じ の よう です ね

まっ 貴 官 なら 問題 ない だ ろ う

以前 に 後方 勤務 を 勧め て もらった 恩義 も ある こと だ

現在 鉄道 部 に は 緊急 戦域 輸送 の 計画 が 求め られ て いる

作戦 局 は ライン 戦線 を 大きく 引っ込める 腹 らしい

( ターニャ ) 戦線 を 後退 ?

ここ まで 押し 返し て おき ながら です か ?

( ウーガ ) その とおり

敵 の 主力 を 引き込み 徹底 的 に たたく 算段 らしい

( ターニャ ) なるほど ボナパルト の アウステルリッツ か ―

あるいは カンネー に おける ハンニバル と いう わけ か

いやはや 驚き まし た

ライン 戦線 ほど の 規模 で 包囲 殲滅 ( せん め つ ) 戦 と は

大胆 です が 面白い 発想 です

( ウーガ ) まったく だ 上 は 何と して も ―

共和 国 と の 戦争 に ケリ を つけ たい らしい な

( ターニャ ) しかし どの よう に 敵 の 包囲 を ?

詳しく は 知ら さ れ て おら ん が

貴 官 の 隊 が 後退 を 悟ら せ ない ため の 殿 軍 に 回さ れる らしい

しんがり … です か

これ まで 以上 の 厳しい 戦い に なる はず だ

参謀 本部 に 到着 すれ ば 望む もの は 用意 し て くれる だ ろ う

♪~

~♪

( 座長 ) アレーヌ 市 の 一 件 で ―

鉄道 網 が 傷つき 前線 へ の 補給 状況 は 困窮

現状 で の 全面 攻勢 は 持続 不可能 か と

( 参謀 ) 協商 連合 同様 どこ か に 上陸 作戦 を 仕掛ける と いう 構想 は ?

( 参謀 長 ) 連合 王国 の 対応 が 問題 だ

一応 の 中立 を 掲げ て は いる が

領海 を 突破 さ れる と なれ ば 黙って は い まい

( 参謀 ) と なる と やはり 時間 が …

( 参謀 ) 多少 の 消耗 は やむ な しかと

( 参謀 長 ) うーん …

( ゼートゥーア ) パラダイム シフト が 必要 でしょ う

( ゼートゥーア ) 我々 が 直面 し て いる の は

歴史 が 始まって 以来 の 世界 大戦 です

敵 の 城 に 攻め 入って “ 城 下 の 盟 ( ちかい ) ” を 結ば せる と いった

戦前 の ドクトリン は 実現 性 が 乏し すぎ ます

では どの よう に 勝利 を ?

勝利 で は なく 敗北 を 避ける

これ 以外 に 最後 まで 立って いる の は 困難 か と

ゼートゥーア 准将 つまり 貴 官 も 攻勢 案 に は 反対 と いう わけ か ね ?

いえ 積極 的 な 行動 に つい て は 支持 いたし ます

ただし その 目的 は 突破 で は あり ませ ん

と 言う と ?

できる だけ 多く の 敵 兵 を 徹底 し て たたき

敵 の 戦争 継続 能力 を 粉砕 する

それ が 戦争 終結 へ の 唯一 の 道 です

( 参謀 長 ) 具体 案 は ある の か ね ?

既に 作戦 局 が 敵 主力 軍 の 撃 滅 計画 を 立案 済み です

( 参謀 長 ) この 状況 で 決戦 を ?

( 参謀 ) 本気 か ? ( 参謀 ) 無謀 で は …

( ルーデルドルフ ) 本 計画 に おける 第 1 作戦 は

戦線 の 大規模 後退 に よる 敵 の 誘引

その後 の 作戦 へ の 布石 で あり ます

我々 は 前 に 進ま ね ば なり ませ ん

いわば 前方 へ の 脱出 こそ

最良 の 解決 策 で ある と 確信 いたし ます

( ターニャ ) ブレイク ! ブレイク !

( 隊員 ) クソッ タレ ! やら れ た !

03 カバー だ ! 27 を 引きずって 下がれ !

( ノイマン ) こちら 04 ! 第 4 中 隊 脱落 者 多数 !

損 耗 率 6 割 以上 !

( ターニャ ) 第 4 中 隊 は デコイ を 出し ながら 下がれ !

可能 な 者 が 援護 しろ !

了解 !

( 共和 国 兵士 ) 侵入 し て き た お 客 さん は ?

( 共和 国 兵士 ) 強行 偵察 隊 だ 増強 大隊 規模 だ と よ !

連中 が 全面 攻勢 に 出る って の も いよいよ 本気 かも な

( 共和 国 兵士 ) 来る ぞ ! 撃て 撃て 撃て ー !

( ケーニッヒ ) くっ ! 曳 下 ( えい か ) 砲弾 か !

( ヴィー シャ ) 各 員 集中 ! 乱 数 回避 機動 を 徹底 し … はっ !

( ヴァイス ) こちら 02 ! 既に 半数 が 脱落 !

もう 長く は もち ませ ん !

クソッ こちら フェアリー 01 完全 に 包囲 さ れ た 上 ―

中隊 規模 の 敵 魔 導 部隊 と 交戦 中 ! そちら の 状況 は ?

( 通信 兵 ) 現在 第 1 作戦 を 実行 中

完了 まで あと 少し だ が 任務 の 即時 中止 許可 は 出 て いる

この タイミング で 中止 許可 だ と ?

無用 に 願 お う

( 通信 兵 ) 何 ? 本気 か

( ターニャ ) ここ で 中止 し て は 欺瞞 ( ぎまん ) 行動 の 意図 が 露呈 しか ねん

戦線 後退 を 敵 に 気づか れる わけ に は いか ない 以上 続行 する !

( 通信 兵 ) 了解 し た できる かぎり 急が せる

貴 官 ら に 神 の ご 加護 を

( ターニャ ) “ 神 の ご 加護 ” か …

存在 X ( エックス ) の いまいましい 顔 が 目 に … はっ !

( 帝国 兵士 ) 早く しろ ー !

( 帝国 兵士 ) 急げ ! ( 帝国 兵士 ) 重 砲 は 破壊 しろ !

( 帝国 兵士 ) 急げ ー !

( 帝国 兵士 ) 残り は 次 だ ! 早く 出せ ー !

( 帝国 兵士 ) 間もなく 後退 の 所定 位置 に 到着

敵 の 追撃 部隊 は 見え ない

こちら の 大規模 攻勢 を 信じ きって いる よう だ

( 隊員 ) お いっ ( 隊員 ) しっかり しろ !

( 軍医 ) 包帯 が 足り ん ぞ !

( 軍医 ) 衛生 魔 導 師 は ? ( 軍医 ) まだ か ?

( タイヤ ネン ) は … 腹 が … 腹 が !

( ノイマン ) 准尉 ! タイヤ ネン 准尉 !

グランツ 少尉 … 座 学 の 成績 は ?

( グランツ ) え ?

“ 部隊 内 で の 行為 の 責任 は 全て 部隊 の 指揮 官 に ある ” って

将校 課程 で 習わ なかった ? 法学 の 授業 で

一応 習った 気 は し ます が …

少佐 殿 は アレーヌ 市 の 戦闘 で 命令 で ある こと を 強調 さ れ た

( ターニャ ) もう 一 度 だけ 言う これ は 上 から の 命令 だ

指揮 官 は 自分 だ から 部下 が 責任 を 負う 必要 は ない

ひょっとしたら そんな 意図 が あった の かも ね

( グランツ ) まさか セレブリャコーフ 少尉 に ―

慰め られる と は 思い ませ ん でし た よ

は あ ? 何 それ !

( 2 人 ) プッ …

( ノイマン ) タイヤ ネン しっかり しろ !

( タイヤ ネン ) あ あっ … N ( ノイマン ) タイヤ ネン !

( レル ゲン ) 第 1 作戦 は 無事 完了

( レル ゲン ) 全て は 貴 官 の 隊 の おかげ だ

参謀 本部 を 代表 し 改めて 礼 を 言 お う

( ターニャ ) 身 に 余る お 言葉 感謝 いたし ます

そんな 中 恐縮 です が 1 つ お 尋ね し たい こと が あり まし て

( レル ゲン ) 何 か ?

現在 我が 軍 は 第三国 を 通じ て

偽 の プロパガンダ を 流布 し て いる そう です ね

さすが に 耳 が 早い な

( ターニャ ) いわ く ―

我々 は アレーヌ 市 の ゴタゴタ で 補給 線 が 崩壊

もはや 前線 維持 も 危ぶま れる 状況 の 中 ―

無謀 な 大規模 攻勢 を 計画 し て いる と

それ を 信じ た 共和 国 軍 は 兵力 を 集中 さ せる でしょ う

その 主力 軍 を 引き込 ん で 包囲 殲滅 する に は ―

敵 兵 の 統制 を 乱し 混乱 さ せる 必要 が ある の で は ?

ノル デン の 時 と 同じ か …

まったく 貴 官 と いう 存在 は …

新た な 作戦 の 指示 書 だ

拝見 いたし ます

第 2 作戦 名 は “ 衝撃 と 畏怖 ”

その 内容 は 敵 司令 部 を 直接 たたく 衝撃 に よって ―

敵 を 混乱 に 導く こと に ある

やはり 敵 主力 の 遊 兵 化 を ?

いかにも

( ターニャ ) なるほど 戦略 レベル で は 大いに 道理 か と

ですが 敵 の 司令 部 を 容易 に たたけ る なら ば ―

そもそも ライン 戦線 は 膠着 ( こ う ちゃ く ) など し ない はず で は ?

確かに その とおり だ な

では 第 2 作戦 遂行 の ため に は

常識 を 超え た 新た な 戦術 が 必要 …

( シュー ゲル ) バーン ! ( ターニャ ) いっ ! ?

( シュー ゲル ) これ も 神 の お 導き で あら れる な 少佐 !

ドクトル … シュー ゲル ! ?

( ターニャ ) 何 な の だ これ は …

( シュー ゲル ) 私 が 開発 し た 強行 偵察 用 の 特殊 追加 加速 装置 ―

秘匿 呼称 “ V - 1 ( ブイ ワン ) ” だ よ

( レル ゲン ) 迎撃 不可能 な 高 高度 を ―

追尾 不能 な 速度 で 飛しょう する 新型 の 偵察 機材 だ

この V - 1 で 敵 防衛 線 を 飛び越え 司令 部 を 強襲 し て もらう

( ターニャ ) いつの間に こんな 物 を …

ゼートゥーア 閣下 の 要請 で 進め て い た

重 防御 陣地 を 突破 する 新 装備 の 開発 を 技術 省 へ 要求 し …

どこ か の 狂信 的 な 科学 者 が ―

予想 以上 の 物 を 作り上げ た わけ です か

( レル ゲン ) まだ 性能 テスト の 段階 だった が ―

共和 国 と の 決戦 を 前 に ―

低 率 量産 型 が 間に合った こと は まさに …

( シュー ゲル ) まさに 福音 !

福音 と しか 言い よう が ない で あ ろ う !

見 たまえ ! この 大型 ブースター を !

ヒドラジン 燃料 を 使用 する 特注 品 を 5 基 も 搭載 し て おる の だ ぞ !

ドクトル … 大き さ と 数 を 誇る の は 結構 です が

速度 や 方向 の 調整 は できる の でしょ う ね ?

調整 ? そんな もの は 必要 ない ! ただ まっすぐ 飛べ ば よい

ただ まっすぐ 進み 続け れ ば よい の だ !

あ あっ …

( シュー ゲル ) ん ? その 顔 …

ブースター が 重 すぎる の で は ない か と 心配 し て いる の だ な ?

案ずる な ! 心配 は 要ら ん !

これ ら の 噴射 口 は 空 に なった 燃料 タンク と 切り離す こと が 可能 !

機体 を 軽量 化 する こと で 最終 的 な 速度 が さらに 高まる の だ

あー …

( シュー ゲル ) その 最高 速度 は マッハ 1,5 !

人類 史上 初 の 超 音速 に よって 一切合財 を …

一切合財 を 振り切る の だ あ !

あの う … 音速 を 超え た こと に よる 造 波 抗力 の 急増 や 衝撃 波 の 対策 は …

空 力 弾性 に よる 振動 や 衝撃 は 魔 導 師 の 防 殻 で 対処 できる はず だ

できる で あ ろ う ? でき なけ れ ば おかしい

まさしく … 天才 だ な

ええ … 天 の 災い です

片道 切符 で 地獄 行き の 代物 です よ

( 偵察 兵 ) 反応 あり ませ ん ! やはり 完全 に 撤退 し た よう です

( 指揮 官 ) 了解 司令 部 に つなぐ

( 通信 兵 ) ライン 方面 司令 部 より ―

戦線 左翼 に 展開 中 の 全 部隊 に 告 ぐ

( 通信 兵 ) ロール 低地 に おける 帝国 軍 の 撤退 を 確認

現 刻 を もって 主力 部隊 の 前進 を 開始 せよ

( 通信 兵 ) 了解

( 指揮 官 ) 全 隊 進め え ー !

( ビアント ) 我が 軍 は 主力 部隊 を 結集 し ―

前線 左翼 の 押し上げ を 開始 し まし た

( ビアント ) 右翼 に つい て は 依然と して 停滞 中 で あり ます が ―

左翼 さえ 突破 すれ ば 帝国 軍 も 音 を 上げる でしょ う

( ド ・ ルーゴ ) これ で ケリ が つく わけ か

ええ 私 も アレーヌ で の 借り を 返し たい ところ です が

当分 は タバコ 犬 役 で し て

うん ?

( ド ・ ルーゴ ) 暇 な 右翼 に でも 渡し て やれ

よろしい の です か ?

戦勝 記念 の 祝杯 分 は 残し て おけ よ

フッ …

( ヴァイス ) グランツ 少尉

( グランツ ) ヴァイス 中尉 殿 …

( ヴァイス ) 落ち着け 少尉 さすが に みっともない ぞ

( グランツ ) すみません 中尉

まあ 気持ち は 分かる

自分 も 正直 落ち着か ない よ

( ターニャ ) さて 選抜 中隊 の 諸君

言葉 を 飾ら ず に 言え ば 今回 の 任務 は ―

人間 ロケット で 敵 司令 部 に 突っ込め と いう わけ だ

貴 官 ら 11 名 の 中 に

ロケット で の 投 射 を 楽しめ る 者 は 数 少ない と 思わ れる が

やる しか ない

やる しか ない の で あれ ば 成功 さ せ ね ば なら ない !

事前 情報 を 基 に し た 襲撃 の 対象 は 3 か所

いずれ か が 敵 の ライン 方面 司令 部 と 目 さ れる

ここ を 刈り取って しまえ ば 頭 の ない 軍隊 など 鎧 袖 一触 ( がい しゅう いっしょ く ) だ

つまり 明日 の 作戦 こそ が 戦争 を 終わら せる 一撃 だ !

我々 は 全軍 の 先鋒 ( せ ん ぽ う ) たる ぞ !

これ で 落ち 着 い て い られる 軍人 など 帝国 は おろか 世界 の どこ に も …

あっ うん ?

( ヴィー シャ の 寝息 )

( ヴィー シャ ) ん が あ …

前言 撤回 だ な …

( 報告 兵 ) 既に 共和 国 軍 主力 は 前進 を 開始

西方 の 重 工業 地帯 を 射程 圏 内 に おさめる の も ―

時間 の 問題 か と

第 2 作戦 敵 司令 部 強襲 の 準備 は 整った

次 なる 作戦 状況 は ?

( 報告 兵 ) 前線 左翼 にて 最終 作業 中 と の こと

目標 地点 へ の 設置 も 完了 し 明日 に も 決行 できる と の 報告 です

既に ルビコン は 越え た

あと は デグレチャフ 少佐 に 懸かって いる わけ か

我々 が 黙って 食事 と は …

存外 緊張 し て いる らしい な

フンッ お前 は 緊張 と 無縁 か と 思って い た が

( ゼートゥーア ) お互い様 だ ろ う 私 こそ ―

お前 が 緊張 する と いう こと に 驚 い て いる

( 2 人 の 笑い声 )

祖国 の 命運 を 懸け た 計画 だ

敵 の 頭 を 刈り取り 損ね れ ば 残り の 作戦 も ご破算 だ

前 に 出る しか 帝国 に 活路 は ない

否 前進 する しか 道 は ない の だ

祖国 の 前 に 立ちふさがる もの は 全て 打ち破って みせよ う

友 よ 帝国 に 勝利 を !

勝利 を

( 技師 ) ヒドラジン 燃料 の 充填 ( じゅう てん ) 確認

( 技師 ) 射 点 および 投 射 角度 の 調整 よし !

( 技師 ) 全 装置 正常 に 起動

各 機 最終 準備 に 入り たまえ

( 技師 ) 安全 装置 解除

( 技師 ) 投 射 準備 完了 し まし た

( 技師 ) 作業 員 退避 !

( レル ゲン ) これ より 人力 誘導 式 噴 進 弾 ―

秘匿 呼称 V - 1 に よる 魔 導 中隊 の 投 射 を 行う

各 機 点火

( 起動 音 )

( シュー ゲル ) 祖国 に 神 の ご 加護 が あら ん こと を

( ターニャ ) 戦友 諸君

私 は 神 で は なく 参謀 本部 を … N 論理 と 知性 の 牙城 を 信ずる

義務 と 献身 こそ が 我ら の 誉れ だ

この 戦い 勝ち に いく ぞ !

煉獄 ( れ ん ごく ) で あ ろ う と 赴き 征服 する こと こそ 帝国 軍人 の 本 務

番犬 は 優秀 で ある と いう こと を 教え て やれ !

全 機 発進 !

成功 を 祈る

安全 な 後方 で 出世 する はず が どうして …

( ターニャ ) 全て は … 全て は 存在 X の せい だ

あの クソッ タレ に 市場 原理 を たたき込む まで は ―

何 が あ ろ う と 死ぬ わけ に は いか ない !

生き て 絶対 に 絶対 に …

終わら せる !

( ターニャ ) 各 員 非 魔 導 依存 降下 だ !

ドア ノッカー 分離 !

( 飛行 音 )

( 飛行 音 )

( 共和 国 兵士 ) あっ …

♪~

~♪

( ターニャ ) “ 拝啓 親愛 な る ― ”

“ ツイーテ ・ ナイカ ・ N タイヤ ネン 准尉 の ご 家族 様 ”

“ この度 誠に 残念 ながら ― ”

“ タイヤ ネン 准尉 の 傷 痍 ( しょ う い ) 退役 を ご 報告 さ せ て いただき ます ”

“ 彼 は 軍医 の 診断 に よって ― ”

“ 長期 の 療養 が 必要 と 判断 さ れ まし た ”

“ お 預かり し た お 子 様 を ― ”

“ この よう な 形 で しか お返し でき ない こと を ― ”

“ ご 容赦 ください ”

“ わずか ばかり の 慰め に なる こと を 願って ― ”

“ 小 官 の 名 で 1 級 野戦 従軍 章 と ― ”

“ 傷 痍 メダル を 申請 し 認め られ まし た ”

“ 彼 の 闘病 と 回復 を 祈念 し て おり ます ”

( ターニャ ) ハァ …

まさか 腐った ジャガイモ で ―

部下 を 失う こと に なる と は なあ …

( ターニャ ) ハァ …


( ターニャ ) アレーヌ 市 で は 自国 民 保護 の 大義 を 守り ―

直接 的 排除 対象 は 敵 魔 導 師 に 徹底 し た

いまだ 私 の お手 々 は 真っ白 … の はず

( ウーガ ) 失礼 する ( ターニャ ) ん …

( ウーガ ) 久しぶり だ な デグレチャフ 少佐

ウーガ …

少佐 殿 ご 壮健 で 何より です

( ウーガ ) 貴 官 も 壮健 そう で 何より だ

( ターニャ ) 確か 今 は 陸軍 鉄道 部 に ?

( ウーガ ) ああ こちら でも 貴 官 の 活躍 は 聞い て いる

それ より これ から 参謀 本部 へ ?

ええ 少佐 殿 も 同じ でしょう か ?

最近 は ほとんど ゼートゥーア 閣下 の 使い走り だ な

鉄道 部 が 大忙し と いう こと は …\ N 大きな 作戦 でも ?

フッ …

何 か ご存じ の よう です ね

まっ 貴 官 なら 問題 ない だ ろ う

以前 に 後方 勤務 を 勧め て もらった 恩義 も ある こと だ

現在 鉄道 部 に は 緊急 戦域 輸送 の 計画 が 求め られ て いる

作戦 局 は ライン 戦線 を 大きく 引っ込める 腹 らしい

( ターニャ ) 戦線 を 後退 ?

ここ まで 押し 返し て おき ながら です か ?

( ウーガ ) その とおり

敵 の 主力 を 引き込み 徹底 的 に たたく 算段 らしい

( ターニャ ) なるほど ボナパルト の アウステルリッツ か ―

あるいは カンネー に おける ハンニバル と いう わけ か

いやはや 驚き まし た

ライン 戦線 ほど の 規模 で 包囲 殲滅 ( せん め つ ) 戦 と は

大胆 です が 面白い 発想 です

( ウーガ ) まったく だ 上 は 何と して も ―

共和 国 と の 戦争 に ケリ を つけ たい らしい な

( ターニャ ) しかし どの よう に 敵 の 包囲 を ?

詳しく は 知ら さ れ て おら ん が

貴 官 の 隊 が 後退 を 悟ら せ ない ため の 殿 軍 に 回さ れる らしい

しんがり … です か

これ まで 以上 の 厳しい 戦い に なる はず だ

参謀 本部 に 到着 すれ ば 望む もの は 用意 し て くれる だ ろ う

♪~

~♪

( 座長 ) アレーヌ 市 の 一 件 で ―

鉄道 網 が 傷つき 前線 へ の 補給 状況 は 困窮

現状 で の 全面 攻勢 は 持続 不可能 か と

( 参謀 ) 協商 連合 同様 どこ か に 上陸 作戦 を 仕掛ける と いう 構想 は ?

( 参謀 長 ) 連合 王国 の 対応 が 問題 だ

一応 の 中立 を 掲げ て は いる が

領海 を 突破 さ れる と なれ ば 黙って は い まい

( 参謀 ) と なる と やはり 時間 が …

( 参謀 ) 多少 の 消耗 は やむ な しかと

( 参謀 長 ) うーん …

( ゼートゥーア ) パラダイム シフト が 必要 でしょ う

( ゼートゥーア ) 我々 が 直面 し て いる の は

歴史 が 始まって 以来 の 世界 大戦 です

敵 の 城 に 攻め 入って “ 城 下 の 盟 ( ちかい ) ” を 結ば せる と いった

戦前 の ドクトリン は 実現 性 が 乏し すぎ ます

では どの よう に 勝利 を ?

勝利 で は なく 敗北 を 避ける

これ 以外 に 最後 まで 立って いる の は 困難 か と

ゼートゥーア 准将 つまり 貴 官 も 攻勢 案 に は 反対 と いう わけ か ね ?

いえ 積極 的 な 行動 に つい て は 支持 いたし ます

ただし その 目的 は 突破 で は あり ませ ん

と 言う と ?

できる だけ 多く の 敵 兵 を 徹底 し て たたき

敵 の 戦争 継続 能力 を 粉砕 する

それ が 戦争 終結 へ の 唯一 の 道 です

( 参謀 長 ) 具体 案 は ある の か ね ?

既に 作戦 局 が 敵 主力 軍 の 撃 滅 計画 を 立案 済み です

( 参謀 長 ) この 状況 で 決戦 を ?

( 参謀 ) 本気 か ? ( 参謀 ) 無謀 で は …

( ルーデルドルフ ) 本 計画 に おける 第 1 作戦 は

戦線 の 大規模 後退 に よる 敵 の 誘引

その後 の 作戦 へ の 布石 で あり ます

我々 は 前 に 進ま ね ば なり ませ ん

いわば 前方 へ の 脱出 こそ

最良 の 解決 策 で ある と 確信 いたし ます

( ターニャ ) ブレイク ! ブレイク !

( 隊員 ) クソッ タレ ! やら れ た !

03 カバー だ ! 27 を 引きずって 下がれ !

( ノイマン ) こちら 04 ! 第 4 中 隊 脱落 者 多数 !

損 耗 率 6 割 以上 !

( ターニャ ) 第 4 中 隊 は デコイ を 出し ながら 下がれ !

可能 な 者 が 援護 しろ !

了解 !

( 共和 国 兵士 ) 侵入 し て き た お 客 さん は ?

( 共和 国 兵士 ) 強行 偵察 隊 だ 増強 大隊 規模 だ と よ !

連中 が 全面 攻勢 に 出る って の も いよいよ 本気 かも な

( 共和 国 兵士 ) 来る ぞ ! 撃て 撃て 撃て ー !

( ケーニッヒ ) くっ ! 曳 下 ( えい か ) 砲弾 か !

( ヴィー シャ ) 各 員 集中 ! 乱 数 回避 機動 を 徹底 し … はっ !

( ヴァイス ) こちら 02 ! 既に 半数 が 脱落 !

もう 長く は もち ませ ん !

クソッ こちら フェアリー 01 完全 に 包囲 さ れ た 上 ―

中隊 規模 の 敵 魔 導 部隊 と 交戦 中 ! そちら の 状況 は ?

( 通信 兵 ) 現在 第 1 作戦 を 実行 中

完了 まで あと 少し だ が 任務 の 即時 中止 許可 は 出 て いる

この タイミング で 中止 許可 だ と ?

無用 に 願 お う

( 通信 兵 ) 何 ? 本気 か

( ターニャ ) ここ で 中止 し て は 欺瞞 ( ぎまん ) 行動 の 意図 が 露呈 しか ねん

戦線 後退 を 敵 に 気づか れる わけ に は いか ない 以上 続行 する !

( 通信 兵 ) 了解 し た できる かぎり 急が せる

貴 官 ら に 神 の ご 加護 を

( ターニャ ) “ 神 の ご 加護 ” か …

存在 X ( エックス ) の いまいましい 顔 が 目 に … はっ !

( 帝国 兵士 ) 早く しろ ー !

( 帝国 兵士 ) 急げ ! ( 帝国 兵士 ) 重 砲 は 破壊 しろ !

( 帝国 兵士 ) 急げ ー !

( 帝国 兵士 ) 残り は 次 だ ! 早く 出せ ー !

( 帝国 兵士 ) 間もなく 後退 の 所定 位置 に 到着

敵 の 追撃 部隊 は 見え ない

こちら の 大規模 攻勢 を 信じ きって いる よう だ

( 隊員 ) お いっ ( 隊員 ) しっかり しろ !

( 軍医 ) 包帯 が 足り ん ぞ !

( 軍医 ) 衛生 魔 導 師 は ? ( 軍医 ) まだ か ?

( タイヤ ネン ) は … 腹 が … 腹 が !

( ノイマン ) 准尉 ! タイヤ ネン 准尉 !

グランツ 少尉 … 座 学 の 成績 は ?

( グランツ ) え ?

“ 部隊 内 で の 行為 の 責任 は 全て 部隊 の 指揮 官 に ある ” って

将校 課程 で 習わ なかった ? 法学 の 授業 で

一応 習った 気 は し ます が …

少佐 殿 は アレーヌ 市 の 戦闘 で 命令 で ある こと を 強調 さ れ た

( ターニャ ) もう 一 度 だけ 言う これ は 上 から の 命令 だ

指揮 官 は 自分 だ から 部下 が 責任 を 負う 必要 は ない

ひょっとしたら そんな 意図 が あった の かも ね

( グランツ ) まさか セレブリャコーフ 少尉 に ―

慰め られる と は 思い ませ ん でし た よ

は あ ? 何 それ !

( 2 人 ) プッ …

( ノイマン ) タイヤ ネン しっかり しろ !

( タイヤ ネン ) あ あっ …\ N ( ノイマン ) タイヤ ネン !

( レル ゲン ) 第 1 作戦 は 無事 完了

( レル ゲン ) 全て は 貴 官 の 隊 の おかげ だ

参謀 本部 を 代表 し 改めて 礼 を 言 お う

( ターニャ ) 身 に 余る お 言葉 感謝 いたし ます

そんな 中 恐縮 です が 1 つ お 尋ね し たい こと が あり まし て

( レル ゲン ) 何 か ?

現在 我が 軍 は 第三国 を 通じ て

偽 の プロパガンダ を 流布 し て いる そう です ね

さすが に 耳 が 早い な

( ターニャ ) いわ く ―

我々 は アレーヌ 市 の ゴタゴタ で 補給 線 が 崩壊

もはや 前線 維持 も 危ぶま れる 状況 の 中 ―

無謀 な 大規模 攻勢 を 計画 し て いる と

それ を 信じ た 共和 国 軍 は 兵力 を 集中 さ せる でしょ う

その 主力 軍 を 引き込 ん で 包囲 殲滅 する に は ―

敵 兵 の 統制 を 乱し 混乱 さ せる 必要 が ある の で は ?

ノル デン の 時 と 同じ か …

まったく 貴 官 と いう 存在 は …

新た な 作戦 の 指示 書 だ

拝見 いたし ます

第 2 作戦 名 は “ 衝撃 と 畏怖 ”

その 内容 は 敵 司令 部 を 直接 たたく 衝撃 に よって ―

敵 を 混乱 に 導く こと に ある

やはり 敵 主力 の 遊 兵 化 を ?

いかにも

( ターニャ ) なるほど 戦略 レベル で は 大いに 道理 か と

ですが 敵 の 司令 部 を 容易 に たたけ る なら ば ―

そもそも ライン 戦線 は 膠着 ( こ う ちゃ く ) など し ない はず で は ?

確かに その とおり だ な

では 第 2 作戦 遂行 の ため に は

常識 を 超え た 新た な 戦術 が 必要 …

( シュー ゲル ) バーン ! ( ターニャ ) いっ ! ?

( シュー ゲル ) これ も 神 の お 導き で あら れる な 少佐 !

ドクトル … シュー ゲル ! ?

( ターニャ ) 何 な の だ これ は …

( シュー ゲル ) 私 が 開発 し た 強行 偵察 用 の 特殊 追加 加速 装置 ―

秘匿 呼称 “ V - 1 ( ブイ ワン ) ” だ よ

( レル ゲン ) 迎撃 不可能 な 高 高度 を ―

追尾 不能 な 速度 で 飛しょう する 新型 の 偵察 機材 だ

この V - 1 で 敵 防衛 線 を 飛び越え 司令 部 を 強襲 し て もらう

( ターニャ ) いつの間に こんな 物 を …

ゼートゥーア 閣下 の 要請 で 進め て い た

重 防御 陣地 を 突破 する 新 装備 の 開発 を 技術 省 へ 要求 し …

どこ か の 狂信 的 な 科学 者 が ―

予想 以上 の 物 を 作り上げ た わけ です か

( レル ゲン ) まだ 性能 テスト の 段階 だった が ―

共和 国 と の 決戦 を 前 に ―

低 率 量産 型 が 間に合った こと は まさに …

( シュー ゲル ) まさに 福音 !

福音 と しか 言い よう が ない で あ ろ う !

見 たまえ ! この 大型 ブースター を !

ヒドラジン 燃料 を 使用 する 特注 品 を 5 基 も 搭載 し て おる の だ ぞ !

ドクトル … 大き さ と 数 を 誇る の は 結構 です が

速度 や 方向 の 調整 は できる の でしょ う ね ?

調整 ? そんな もの は 必要 ない ! ただ まっすぐ 飛べ ば よい

ただ まっすぐ 進み 続け れ ば よい の だ !

あ あっ …

( シュー ゲル ) ん ? その 顔 …

ブースター が 重 すぎる の で は ない か と 心配 し て いる の だ な ?

案ずる な ! 心配 は 要ら ん !

これ ら の 噴射 口 は 空 に なった 燃料 タンク と 切り離す こと が 可能 !

機体 を 軽量 化 する こと で 最終 的 な 速度 が さらに 高まる の だ

あー …

( シュー ゲル ) その 最高 速度 は マッハ 1,5 !

人類 史上 初 の 超 音速 に よって 一切合財 を …

一切合財 を 振り切る の だ あ !

あの う … 音速 を 超え た こと に よる 造 波 抗力 の 急増 や 衝撃 波 の 対策 は …

空 力 弾性 に よる 振動 や 衝撃 は 魔 導 師 の 防 殻 で 対処 できる はず だ

できる で あ ろ う ? でき なけ れ ば おかしい

まさしく … 天才 だ な

ええ … 天 の 災い です

片道 切符 で 地獄 行き の 代物 です よ

( 偵察 兵 ) 反応 あり ませ ん ! やはり 完全 に 撤退 し た よう です

( 指揮 官 ) 了解 司令 部 に つなぐ

( 通信 兵 ) ライン 方面 司令 部 より ―

戦線 左翼 に 展開 中 の 全 部隊 に 告 ぐ

( 通信 兵 ) ロール 低地 に おける 帝国 軍 の 撤退 を 確認

現 刻 を もって 主力 部隊 の 前進 を 開始 せよ

( 通信 兵 ) 了解

( 指揮 官 ) 全 隊 進め え ー !

( ビアント ) 我が 軍 は 主力 部隊 を 結集 し ―

前線 左翼 の 押し上げ を 開始 し まし た

( ビアント ) 右翼 に つい て は 依然と して 停滞 中 で あり ます が ―

左翼 さえ 突破 すれ ば 帝国 軍 も 音 を 上げる でしょ う

( ド ・ ルーゴ ) これ で ケリ が つく わけ か

ええ 私 も アレーヌ で の 借り を 返し たい ところ です が

当分 は タバコ 犬 役 で し て

うん ?

( ド ・ ルーゴ ) 暇 な 右翼 に でも 渡し て やれ

よろしい の です か ?

戦勝 記念 の 祝杯 分 は 残し て おけ よ

フッ …

( ヴァイス ) グランツ 少尉

( グランツ ) ヴァイス 中尉 殿 …

( ヴァイス ) 落ち着け 少尉 さすが に みっともない ぞ

( グランツ ) すみません 中尉

まあ 気持ち は 分かる

自分 も 正直 落ち着か ない よ

( ターニャ ) さて 選抜 中隊 の 諸君

言葉 を 飾ら ず に 言え ば 今回 の 任務 は ―

人間 ロケット で 敵 司令 部 に 突っ込め と いう わけ だ

貴 官 ら 11 名 の 中 に

ロケット で の 投 射 を 楽しめ る 者 は 数 少ない と 思わ れる が

やる しか ない

やる しか ない の で あれ ば 成功 さ せ ね ば なら ない !

事前 情報 を 基 に し た 襲撃 の 対象 は 3 か所

いずれ か が 敵 の ライン 方面 司令 部 と 目 さ れる

ここ を 刈り取って しまえ ば 頭 の ない 軍隊 など 鎧 袖 一触 ( がい しゅう いっしょ く ) だ

つまり 明日 の 作戦 こそ が 戦争 を 終わら せる 一撃 だ !

我々 は 全軍 の 先鋒 ( せ ん ぽ う ) たる ぞ !

これ で 落ち 着 い て い られる 軍人 など 帝国 は おろか 世界 の どこ に も …

あっ うん ?

( ヴィー シャ の 寝息 )

( ヴィー シャ ) ん が あ …

前言 撤回 だ な …

( 報告 兵 ) 既に 共和 国 軍 主力 は 前進 を 開始

西方 の 重 工業 地帯 を 射程 圏 内 に おさめる の も ―

時間 の 問題 か と

第 2 作戦 敵 司令 部 強襲 の 準備 は 整った

次 なる 作戦 状況 は ?

( 報告 兵 ) 前線 左翼 にて 最終 作業 中 と の こと

目標 地点 へ の 設置 も 完了 し 明日 に も 決行 できる と の 報告 です

既に ルビコン は 越え た

あと は デグレチャフ 少佐 に 懸かって いる わけ か

我々 が 黙って 食事 と は …

存外 緊張 し て いる らしい な

フンッ お前 は 緊張 と 無縁 か と 思って い た が

( ゼートゥーア ) お互い様 だ ろ う 私 こそ ―

お前 が 緊張 する と いう こと に 驚 い て いる

( 2 人 の 笑い声 )

祖国 の 命運 を 懸け た 計画 だ

敵 の 頭 を 刈り取り 損ね れ ば 残り の 作戦 も ご破算 だ

前 に 出る しか 帝国 に 活路 は ない

否 前進 する しか 道 は ない の だ

祖国 の 前 に 立ちふさがる もの は 全て 打ち破って みせよ う

友 よ 帝国 に 勝利 を !

勝利 を

( 技師 ) ヒドラジン 燃料 の 充填 ( じゅう てん ) 確認

( 技師 ) 射 点 および 投 射 角度 の 調整 よし !

( 技師 ) 全 装置 正常 に 起動

各 機 最終 準備 に 入り たまえ

( 技師 ) 安全 装置 解除

( 技師 ) 投 射 準備 完了 し まし た

( 技師 ) 作業 員 退避 !

( レル ゲン ) これ より 人力 誘導 式 噴 進 弾 ―

秘匿 呼称 V - 1 に よる 魔 導 中隊 の 投 射 を 行う

各 機 点火

( 起動 音 )

( シュー ゲル ) 祖国 に 神 の ご 加護 が あら ん こと を

( ターニャ ) 戦友 諸君

私 は 神 で は なく 参謀 本部 を …\ N 論理 と 知性 の 牙城 を 信ずる

義務 と 献身 こそ が 我ら の 誉れ だ

この 戦い 勝ち に いく ぞ !

煉獄 ( れ ん ごく ) で あ ろ う と 赴き 征服 する こと こそ 帝国 軍人 の 本 務

番犬 は 優秀 で ある と いう こと を 教え て やれ !

全 機 発進 !

成功 を 祈る

安全 な 後方 で 出世 する はず が どうして …

( ターニャ ) 全て は … 全て は 存在 X の せい だ

あの クソッ タレ に 市場 原理 を たたき込む まで は ―

何 が あ ろ う と 死ぬ わけ に は いか ない !

生き て 絶対 に 絶対 に …

終わら せる !

( ターニャ ) 各 員 非 魔 導 依存 降下 だ !

ドア ノッカー 分離 !

( 飛行 音 )

( 飛行 音 )

( 共和 国 兵士 ) あっ …

♪~

~♪

( ターニャ ) “ 拝啓 親愛 な る ― ”

“ ツイーテ ・ ナイカ ・\ N タイヤ ネン 准尉 の ご 家族 様 ”

“ この度 誠に 残念 ながら ― ”

“ タイヤ ネン 准尉 の 傷 痍 ( しょ う い ) 退役 を ご 報告 さ せ て いただき ます ”

“ 彼 は 軍医 の 診断 に よって ― ”

“ 長期 の 療養 が 必要 と 判断 さ れ まし た ”

“ お 預かり し た お 子 様 を ― ”

“ この よう な 形 で しか お返し でき ない こと を ― ”

“ ご 容赦 ください ”

“ わずか ばかり の 慰め に なる こと を 願って ― ”

“ 小 官 の 名 で 1 級 野戦 従軍 章 と ― ”

“ 傷 痍 メダル を 申請 し 認め られ まし た ”

“ 彼 の 闘病 と 回復 を 祈念 し て おり ます ”

( ターニャ ) ハァ …

まさか 腐った ジャガイモ で ―

部下 を 失う こと に なる と は なあ …

( ターニャ ) ハァ …