Another Episode 3 Another Episode 3

見せ て あげよ う か みせ||||

え 見せ て あげよ う か |みせ|||| この 眼帯 の 下 |がんたい||した

夜 を 覆う 瞼 開け よ||おおう|まぶた|あけ

もがき 影 を 恐れ 怖がれ |かげ||おそれ|こわがれ

仄暗き 棺 から ほのぐらき|ひつぎ|

産み 落とさ れ た 人形 の よう に うみ|おとさ|||にんぎょう|||

体 は 赤く 凍え からだ||あかく|こごえ

心 は 闇 に あやさ れ 育つ こころ||やみ||||そだつ

君 に 僕 が 見える かい きみ||ぼく||みえる|

繋ぐ 手 の 冷た さ に つなぐ|て||つめた||

鮮血 の 爪 立てる せんけつ||つめ|たてる

眉 寄せ て ご覧 よ まゆ|よせ||ごらん|

壊し 合 お う 先 に 続く 謎 に 満ちる 結末 を こわし|ごう|||さき||つづく|なぞ||みちる|けつまつ|

羽 も 足 も もが れ た まま はね||あし|||||

虚 空 の 中 朽ち果てる よう に きょ|から||なか|くちはてる||

もう 一 人 僕 が 居 て |ひと|じん|ぼく||い|

誰 か を 痛い ほど 愛し て いる ん だ だれ|||いたい||あいし||||

さあ どっち が 幻 だ ろ う ね |||まぼろし||||

義 眼 ただし|がん

私 の 左 目 は 「 人形 の 目 」 な の わたくし||ひだり|め||にんぎょう||め||

見え なく て いい 物 が 見え た り する から みえ||||ぶつ||みえ||||

普段 は 隠し てる ふだん||かくし|

気 分 が 悪い き|ぶん||わるい

慣れ て ない と この 場所 は 良く ない かも ね なれ|||||ばしょ||よく|||

良く ない よく|

人形 たち が にんぎょう||

人形 は ね 虚 ろ な の にんぎょう|||きょ|||

身体 （ から だ ） も 心 も とても 虚 ろ からだ||||こころ|||きょ|

それ は 死 に も 通じる 虚 ろ ||し|||つうじる|きょ|

虚 ろ な もの たち は それ を 何 か で 埋めよ う と し た がる きょ||||||||なん|||うずめよ|||||

ここ に いる と 吸い取ら れ て いく みたい な 感じ が し ない ||||すいとら||||||かんじ|||

自分 の 内側 から じぶん||うちがわ|

行き ま しょ う いき|||

上 の ほう が ここ より マシ だ から うえ||||||||

家 この 近く な の いえ||ちかく||

そう

「 夜 見 の たそがれ の 」 って いう の が よ|み|||||||

この お 店 の 名前 ||てん||なまえ

「 工房 m 」 って いう の は こうぼう|||||

霧 果 の 工房 きり|か||こうぼう

ここ の 二 階 ||ふた|かい

霧 果 きり|か

上 の 工房 で 人形 を 創って る 人 うえ||こうぼう||にんぎょう||つくって||じん

地下 の 人形 も ちか||にんぎょう|

たぶん 全部 霧 果 の 作品 |ぜんぶ|きり|か||さくひん

あの 人形 は 何で |にんぎょう||なんで

何で あんなに 君 に 似 て いる わけ なんで||きみ||に|||

さあ

始め て 会った とき 君 が 持って た の も 人形 だった の はじめ||あった||きみ||もって||||にんぎょう||

そう

あの 日 病院 で 亡くなった 女の子 が いたん だって ね |ひ|びょういん||なくなった|おんなのこ||||

その 子 に |こ|

あの ええ と

亡くなった 子 「 ミサキ 」 だ か 「 マサキ 」 だ か なくなった|こ|みさき|||||

そんな 名前 だった って |なまえ||

見 崎 さん お 姉さん か 妹 さん は いる み|さき|||ねえさん||いもうと|||

一 人 娘 さん だった みたい で 親 御 さん が 凄く 取り乱し て 大変 だった と か ひと|じん|むすめ|||||おや|ご|||すごく|とりみだし||たいへん|||

なぜ 君 は |きみ|

なぜ 何 だ ろ う ね |なん||||

ほか に お 客 さん は い ない し |||きゃく|||||

訊 き たい こと ほか に も ある ん でしょ う じん||||||||||

そりゃ

変 に 感じる こと が いく つ も あって へん||かんじる||||||

その

近寄ら ない ほう が いい って 言った のに ちかよら||||||いった|

でも もう 遅い かも ||おそい|

遅い おそい

何も 知ら ない の ね 榊原 くん なにも|しら||||さかきばら|

昔話 が ある の むかしばなし|||

二十六 年 前 の 三 年 三 組 の 話 にじゅうろく|とし|ぜん||みっ|とし|みっ|くみ||はなし

誰 から も 聞い て ない ん でしょ だれ|||ききい||||

ある 生徒 が い た の |せいと||||

勉強 も 運動 も 出来 て べんきょう||うんどう||でき|

誰 に でも 優しく って だれ|||やさしく|

先生 に も 生徒 に も とって も 好か れ て た せんせい|||せいと|||||すか|||

ところ が ね 三 年 に 上がって すぐ |||みっ|とし||あがって|

その 子 が 死 ん で しまった の |こ||し||||

どうして

家族 で 乗った 飛行機 が 墜落 し て って 話 だ けど かぞく||のった|ひこうき||ついらく||||はなし||

ほか に も 色 んな 説 が ある |||いろ||せつ||

自動車 の 事故 だった と か じどうしゃ||じこ|||

家 が 火事 に なった と か いえ||かじ||||

それ で ね クラス の 皆 は 物 凄い ショック を 受け た わけ |||くらす||みな||ぶつ|すごい|しょっく||うけ||

皆 とても とても 悲し ん だ ん だ けど みな|||かなし|||||

そんな 中 で ふと 誰 か が 言いだし た の |なか|||だれ|||いいだし||

あいつ は 死 ん で なん か い ない って ||し|||||||

その 子 が 使って た 机 を 指差し て |こ||つかって||つくえ||ゆびさし|

ほら あいつ は そこ に いる

生き て ちゃんと そこ に いる だ ろ う って いき|||||||||

そ したら ね 同じ ように 言い 始める 子 が 出 始め た の |||おなじ|よう に|いい|はじめる|こ||だ|はじめ||

本当 だ あいつ は 死 ん じゃ い ない って ほんとう||||し|||||

それ が 連鎖 反応 み たい に クラス 全体 に 広 がって い て ||れんさ|はんのう||||くらす|ぜんたい||ひろ|||

誰 も 信じ たく なかった だれ||しんじ||

受け入れ たく なかった の ね うけいれ||||

残酷 な 現実 を ざんこく||げんじつ|

気持ち は 分から ない でも ない でしょ う きもち||わから|||||

結局 クラス の 全員 が その後 も けっきょく|くらす||ぜんいん||そのご|

その 子 は 生き て いる って いう フリ を し 続け た の |こ||いき||||||||つづけ||

担任 の 先生 も 協力 し て ね たんにん||せんせい||きょうりょく|||

確かに あいつ は 生き て いる たしかに|||いき||

だから これ から も 皆 一緒 に 頑張って ||||みな|いっしょ||がんばって

皆 一緒 に 卒業 の 日 を 迎えよ う って みな|いっしょ||そつぎょう||ひ||むかえよ||

卒業 式 に は 校長 先生 の 計らい で そつぎょう|しき|||こうちょう|せんせい||はからい|

その 子 の ため に 席 が 用意 さ れ た り も し て |こ||||せき||ようい|||||||

ね それ 実話 ||じつわ

それ で ね 卒業 式 の 後 教室 で 記念 写真 を 撮った の |||そつぎょう|しき||あと|きょうしつ||きねん|しゃしん||とった|

クラス 全員 と 先生 と で くらす|ぜんいん||せんせい||

ところが 出来上がった 写真 を 見 て 皆 は 気づ い た の |できあがった|しゃしん||み||みな||きづ|||

写真 の 隅 っこ に しゃしん||すみ||

いる はず の ない その 子 の 姿 が 写って い た の |||||こ||すがた||うつって|||

死人 みたい な 青白い 顔 で しにん|||あおじろい|かお|

みんな と 同じ ように 笑って ||おなじ|よう に|わらって

その 子 その 死 ん だ 生徒 ね |こ||し|||せいと|

「 ミサキ 」 って 言う 名前 だった の みさき||いう|なまえ||

この 話 に はね |はなし||

まだ 続き が ある の |つづき|||

ごめん

ごめんなさい お 婆ちゃん ||ばあちゃん

うん 大丈夫 |だいじょうぶ

ちょっと 寄り道 し ちゃ って |よりみち|||

もう 帰る から |かえる|

嫌 な 機械 いや||きかい

どこ に い て も 繋がって 捕まっちゃ う の ね |||||つながって|つかまっちゃ|||

閉店 の 時間 だ よ へいてん||じかん||

今日 は もう お 帰り なさい きょう||||かえり|

試験 が 終わったら 進路 指導 か あ しけん||おわったら|しんろ|しどう||

改まって 先生 と そんな 話 を する っ つ う の も 激しく ユウウツ だ よ なあ あらたまって|せんせい|||はなし||||||||はげしく||||

高校 進学 率 は きょう び 95 ％ 以上 だ こうこう|しんがく|りつ||||いじょう|

大丈夫 きみ に も 行ける 高校 は ある だいじょうぶ||||いける|こうこう||

励まし て ん の か それ はげまし|||||

その つもり だ けど

お前 は どこ 行く ん だ よ おまえ|||いく|||

西 高 にし|たか

お前 そんな 成績 良かった っけ おまえ||せいせき|よかった|

頑張って る ところ さ がんばって|||

まっ 頑張れ よ |がんばれ|

まっ どの 道 お前 と の 腐れ縁 も 卒業 まで よ ||どう|おまえ|||くされえん||そつぎょう||

達者 で 暮らせ たっしゃ||くらせ

腐れ縁 くされえん

小学校 の 二 年 くらい から かな しょうがっこう||ふた|とし|||

家 も 近所 だ よ いえ||きんじょ||

がき の 頃 は つる ん で バカ ばっ か やって た のに ||ころ|||||ばか|||||

それ が こんな アドリブ の 効か ない 優等 生 も どき に な っち まっ て よ |||あどりぶ||きか||ゆうとう|せい||||||||

僕 から すれ ば ぼく|||

君 が 変わって ない だけ に 見える ん だ けど ね きみ||かわって||||みえる||||

俺 だって いっぱい 変わって ん だ よ おれ|||かわって|||

俺 の 何 を 知って る って おれ||なん||しって||

僕 は 君 が 知ら ない 君 の こと を 知って いる よ ぼく||きみ||しら||きみ||||しって||

何 知って ん だ よ なん|しって|||

それ ぐらい 腐れ縁 って こと ||くされえん||

成る程 なるほど

で サカキ は どう す ん だ 高校 |さかき||||||こうこう

東京 に 戻る の か とうきょう||もどる||

来年 の 春 に は 父さん が 帰国 する し らいねん||はる|||とうさん||きこく||

あっ ち の 私立 に |||しりつ|

たぶん ね

その 手 が あった か |て|||

何 だ よ その 手 って なん||||て|

私 も 東京 の 私立 に 行 こ う かな わたくし||とうきょう||しりつ||ぎょう|||

恒一 くん は 何 って 学校 行く の つねいち|||なん||がっこう|いく|

え K 高 だ けど ||たか||

K 高 か |たか|

赤沢 さん 東京 へ 行く の あかさわ||とうきょう||いく|

東京 なら 一 人 暮らし かな とうきょう||ひと|じん|くらし|

せい しん 何と かって 女子 高 へ 行く ん じゃ なかった の か よ ||なんと||じょし|たか||いく||||||

行き たい なんて 一言 も 言った 覚え ない ん だ けど いき|||いちげん||いった|おぼえ||||

お前 も 無駄 に 苦労 し てん な おまえ||むだ||くろう|||

榊原 くん さかきばら|

傘 持ってき て ない ん です か かさ|もってき|||||

大丈夫 か な と 思った ん だ けど ね だいじょうぶ||||おもった||||

あの

それ じゃ 一緒 に 帰り ませ ん か ||いっしょ||かえり|||

私 の 家 は 榊原 くん の 家 の 更に 向こう だ から わたくし||いえ||さかきばら|||いえ||さらに|むこう||

でも さすが に それ は 悪い し |||||わるい|

遠慮 し ない 遠慮 し ない えんりょ|||えんりょ||

さあ 行き ま しょ う |いき|||

そう いえ ば さあ

修学 旅行 って どう なって る の しゅうがく|りょこう|||||

去年 行き まし た よ 東京 に きょねん|いき||||とうきょう|

大きな 遊園地 に も 行った し 東京 タワー も 登った し おおきな|ゆうえんち|||おこなった||とうきょう|たわー||のぼった|

楽しかった です よ たのしかった||

ああ 東京 行った ん だ |とうきょう|おこなった||

東京 楽しい こと が いっぱい で いい です よ ね とうきょう|たのしい||||||||

私 も 東京 で 勉強 し たい な わたくし||とうきょう||べんきょう|||

すれ ば

うち は 無理 な ん で ||むり|||

って か 修学 旅行 って 三 年 で 行く もの じゃ ない の ||しゅうがく|りょこう||みっ|とし||いく||||

夜 見 北 は 二 年 の 秋 で 決まって る みたい です よ よ|み|きた||ふた|とし||あき||きまって||||

昔 は 三 年 の 春 に 行って た みたい です けど むかし||みっ|とし||はる||おこなって||||

昔 は むかし|

ええ

何時頃 か は 知ら ない ん です いつごろ|||しら|||

雨 は 嫌い じゃ ない から あめ||きらい|||

あの さ 桜井 さん ||さくらい|

見 崎 さん って さ どういう 子 な の み|さき|||||こ||

ダメ な ん です だめ|||

ダメ って だめ|

三 組 で は 言って は ダメ な ん です みっ|くみ|||いって||だめ|||

ダメ って だめ|

どう し

ああ 何 か 雨 酷 く なって ん な |なん||あめ|こく||||

あの さ 二十六 年 前 の 三 年 三 組 の 話 って 知って る ||にじゅうろく|とし|ぜん||みっ|とし|みっ|くみ||はなし||しって|

お前 その 手 の 話 信じる 口 だった の か おまえ||て||はなし|しんじる|くち|||

どうして

どうして それ を

何となく 噂 で なんとなく|うわさ|

どこ まで 聞い た ||ききい|

人気 もの が 急に 死 ん じゃ って にんき|||きゅうに|し|||

それ から 卒業 式 の 写真 に その 死 ん だ 子 が 写って た って ||そつぎょう|しき||しゃしん|||し|||こ||うつって||

その ぐらい

最初 の 年 だけ です か さいしょ||とし|||

どう し た の 三 人 で 深刻 な 顔 を し て ||||みっ|じん||しんこく||かお|||

榊原 くん が その 始まり の 年 の こと を さかきばら||||はじまり||とし|||

レー ちゃん おはよう レー ちゃん

はい はい おはよう

そう 難しい 問題 |むずかしい|もんだい

なるべく そっと して

やっぱり 今 は ね |いま||

とにかく 様子 を |ようす|

ただいま

お かえり なさい

あれ 来週 試験 じゃ なかった っけ |らいしゅう|しけん|||

余裕 で 楽勝 って 感じ よゆう||らくしょう||かんじ

そんな こと ない です よ

これ でも ちゃん と 必要 な だけ の 勉強 は し て ます ||||ひつよう||||べんきょう||||

それ は 失礼 いた し まし た ||しつれい||||

今日 は くたびれ た きょう|||

あの 怜子 さん |れいこ|

お 母さん が 中学 三 年 の 時 って 何 組 だった か 覚え て ます か |かあさん||ちゅうがく|みっ|とし||じ||なん|くみ|||おぼえ|||

さあ

じゃあ 二十六 年 前 の 三 組 の 話 って |にじゅうろく|とし|ぜん||みっ|くみ||はなし|

怜子 さん れいこ|

あの 二十六 年 前 の 三 組 の 話 な ん です が |にじゅうろく|とし|ぜん||みっ|くみ||はなし||||

昔 から 伝わって る 話 だ から ね むかし||つたわって||はなし|||

その 話 に 続き が ある って 聞い た ん です けど |はなし||つづき||||ききい||||

そこ まで は 知ら ない の ね 恒一 くん |||しら||||つねいち|

知って る ん です ね 怜子 さん は しって|||||れいこ||

色 んな 尾鰭 が つく 物 だ から ね そういう 話 って いろ||おひれ|||ぶつ|||||はなし|

恒一 くん は あんまり 気 に し ない ほう が いい ん じゃ ない か な つねいち||||き|||||||||||

物事 に は 知る タイミング って いう の は ある から ものごと|||しる|たいみんぐ||||||

理 津 子 姉さん は 三 組 よ り|つ|こ|ねえさん||みっ|くみ|

どうして レー ちゃん どうして

ちょっと

はい

大丈夫 か お前 だいじょうぶ||おまえ

何 だ よ いきなり なん|||

ヤバイ と 思って 駆け て やって ん だ よ ||おもって|かけ|||||

赤沢 の 奴 な ん か 今 に も 爆発 し そう だ し あかさわ||やつ||||いま|||ばくはつ||||

何で 赤沢 さん が なんで|あかさわ||

いい か サカキ ||さかき

い ない もの の 相手 を する の は よせ ||||あいて|||||

何 を 言って る ん だ なん||いって|||

ヤバイ ん だ よ それ

それ と な 昨日 言って た 二十六 年 前 の 話 |||きのう|いって||にじゅうろく|とし|ぜん||はなし

あれ 来月 に なったら 教え て やる よ |らいげつ|||おしえ|||

だから さ とにかく 今月 いっぱい は |||こんげつ||

この 間 の さ 病棟 で 亡くなった 女の子 の こと な ん だ けど |あいだ|||びょうとう||なくなった|おんなのこ||||||

何 か 分かり まし た なん||わかり||

名前 は ミサキ だった みたい なまえ||みさき||

マサキ じゃ なく て ミサキ ||||みさき

未来 の 「 未 」 に 花 が 咲く の 「 咲 」 みらい||み||か||さく||さ

姓 は 藤岡 って いう そう よ せい||ふじおか||||

藤岡 未 咲 ふじおか|み|さ

その 子 の こと を 知り た がって た 理由 って |こ||||しり||||りゆう|

ええ と その

今 すぐ じゃ なく て いい けど いま||||||

でも いずれ ね

はい

と そう いや 今 試験 直前 |||いま|しけん|ちょくぜん

そう です けど

うち の 弟 も 必死 で 勉強 中 ||おとうと||ひっし||べんきょう|なか

弟 さん おとうと|

二 人 い て ね ふた|じん|||

こいつ ら が もう 揃い も 揃って 筋肉 バカ で さあ ||||そろい||そろって|きんにく|ばか||

読書 に 一切 興味 なし どくしょ||いっさい|きょうみ|

漫画 以外 読 ん だ こと ない ん じゃ ない か な まんが|いがい|よ|||||||||

問題 あり でしょ う もんだい|||

早い ね 毎回 はやい||まいかい

そう

昨日 も 今日 も 途中 で 出 て た し きのう||きょう||とちゅう||だ|||

大丈夫 な の だいじょうぶ||

大丈夫 な の 私 は だいじょうぶ|||わたくし|

藤岡 未 咲 って いう 子 だった ん だ ね あの 日 亡くなった 人 って ふじおか|み|さ|||こ||||||ひ|なくなった|じん|

未 咲 は み|さ|

未 咲 は 私 の いとこ よ み|さ||わたくし|||

昔 は もっと 側 に い て もっと 繋がって た むかし|||がわ|||||つながって|

繋がって た つながって|

あの さ

二十六 年 前 の 三 組 の にじゅうろく|とし|ぜん||みっ|くみ|

あの 話 の 続き って 何 |はなし||つづき||なん

誰 も 教え て くれ ない だれ||おしえ|||

うん

ま しょうがない か |しょうが ない|

前 から 聞き たかった ん だ けど ぜん||きき||||

転校 し て き て から ずっと 気 に なって る ん だ けど てんこう|||||||き||||||

どうして な の か な

クラス の 連中 それ から 先生 も どうして 君 を くらす||れんちゅう|||せんせい|||きみ|

い ない もの だ から

いい か サカキ ||さかき

い ない もの の 相手 を する の は よせ ||||あいて|||||

そんな

ヤバイ ん だ よ それ

でも

皆 に は 私 の こと 見え て ない の みな|||わたくし|||みえ|||

見え てる の は 榊原 くん あなた だけ みえ||||さかきばら|||

だ と し たら

いや

まさか

そんな

どう し た ん だ ろ う

色褪せ て く フィルム の よう に いろあせ|||ふぃるむ|||

確か な 今 も いずれ 霞 ん で たしか||いま|||かすみ||

何でもなく 笑い あった なんでもなく|わらい|

刹那 の 時間 と 光 せつな||じかん||ひかり

繋がって ゆく 記憶 の 底 に つながって||きおく||そこ|

誰 か が 見つける ため ある と 信じ てる 今 でも だれ|||みつける||||しんじ||いま|