イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #11
( 学生 ) こないだ の さ テスト どう だった ?
( 入江 裕樹 ( いりえ ゆうき )) 満点 だ よ
マジ か …
なんで 満点 取れ んだ よ … あれ で
あれ で って 言う な よ
難しかった じゃん
難しい よ
♪~
次 の テスト さあ 満点 取れる ?
取れる ん じゃない かなあ 勉強 すれば ね
( 裕樹 ) さっき から 何 ?
どう した んだ よ ?
野良猫 が ついてきて る みたいだ から …
野良 猫 ?
まあいっか
( 佐川 好美 ( さがわ このみ )) あの … 入江 君 !
あの … 私 …
あの …
何 ?
私 F 組 の 佐川 好美 です
F 組 の 佐川 …
何 ? 入江 知って る の この 子 ?
いや
入江 君 は 私 の こと 知ら ない と 思う けど
私 は 入江 君 の こと ずっと 前 から 知って て …
だから 何 ?
私 入江 君 と 友達 に なり たい の !
( 学生 ) うっ ひょ ~!
入江 すっげ ~ モテて ん じゃん
んな ん じゃね ~ よ
ダメ … です か ?
F 組 の バカ な 奴 なんて 友達 に なんか なり たくない
( 入江 琴子 ( ことこ )) えーっ !
告白 !?
ちょ … 琴子 さん !
あ … ごめん でも 好美 ちゃん 展開 早 すぎ !
まだ 一言 も 裕樹 君 と
しゃべった こと なかった ん でしょう ?
まあ 私 も そう だった から 人 の こと 言え ない けど …
でも この間 琴子 さん と 話したら ―
少し 勇気 が 出て きて
当たって 砕けろ の 精神 で 行った んです !
そっかあ … で 裕樹 君 は 何て ?
今度 の 期末 テスト で ―
100 番 以内 に 入ったら 考えて やる って
100 番 以内 !? うわあ 懐かしい ~ その 響き
でも もう いい んです !
私 もう 裕樹 君 の こと 諦めよう と 思って …
へ !?
自分 の 気持ち 裕樹 君 に 伝えた から
なんか スッキリ し ちゃった し
それ に 100 番 以内 なんて 絶対 無理 だ し …
何 言って ん の ! なんで 諦め ちゃう の
100 番 以内 に 入れば いい ん でしょ ?
上等 じゃない の !
琴子 さん そんな ムチャ な こと が できる わけ が …
だって 私 F 組 です よ !
私 だって F 組 だった けど ―
その昔 意地 で 100 番 取った こと あった んだ から !
( 好美 ) えー ? すごーい !
やって でき ない こと なんて ない わ
でも 今 から 必死 で 勉強 した ところ で ―
100 番 以内 なんて …
大丈夫 よ ! 私 が 手伝って あげる
こう なった の も 半分 私 の せい だ し …
テスト 勉強 私 が 見て あげる !
え ~! ホントです か ?
任せて !
私 なんだか やる気 が 出て きた !
100 番 以内 に 入って 裕樹 君 を 見返して やる ぞ ~
オー !!
♪~
( 玄関 の チャイム )
はい
あ … こ … こんにちは
何 だ お前 何 の 用 だ よ ?
あっ えーっと …
( 琴子 ) あー いらっしゃい ! 好美 ちゃん
琴子 さん
( 裕樹 ) え … 何 ? 知り合い ?
ちょっと ね
好美 ちゃん の 勉強 ―
今日 から 私 が 教える こと に なった の
は !? 琴子 が ?
好美 ちゃん は ―
大船 に 乗った つもり で いて くれたら いい から ね !
はい !
さあ ! 私 の 部屋 に 行き ましょ !
( 好美 ) お邪魔します
おいっ !
なんか ドキドキ し ちゃい ました ~
いい な ~ 琴子 さん は 裕樹 君 と 一緒に 住めて
そーお ?
好美 ちゃん も 将来 裕樹 君 と 住む ため の 第一歩 !
まずは 100 番 以内 に 入ら なきゃ ね !
よろしく お 願い し ます !
はい よろしく お 願い し ます さあ ! 頑張る ぞ !
さて と ! 何 から やり ます か ~
うん ちょっと 待って よ …
これ は ~
この 公式 … 入れる ん じゃない ?
あの ー 琴子 さん …
もう 1 時間 以上 経って ます けど …
まだ 1 問 も …
だっ 大丈夫 よ もう 少し で 解け そうだ から
あ … ほらっ お菓子 でも 食べて リフレッシュ しよう ! ねっ ?
( ドア が 開く 音 )
( 入江 直樹 ( なおき )) ただいま
( 琴子 ) お かえり なさい 入江 く~ん !
お邪魔 して ます
どうも
何 して ん の ?
この 子 斗南 中学 で 裕樹 君 と 同級生 の 好美 ちゃん
今 ね 期末 テスト の 勉強 私 が 教えて あげて る の
こいつ に 教えて もらって も 役 に 立つ か どう か わかんない よ
えっ ?
ちょっと 何 言って る の !
私 は 好美 ちゃん を 100 番 以内 に 入れる 義務 が ある んです から
100 番 以内 …
ああ …
なんか あった な そういう の
そう そう ! 思い出す でしょ ?
ここ が 4 に なる でしょ で 4 の 二乗 は ?
密室 で 二人っきり で 勉強 …
思えば あの 時 から ―
私 達 の 距離 縮まって いた の ね !
密室 で 二人きり …
ま … 時間 の 無駄 に なら ない ように
ちょっと 入江 君 勉強 の 邪魔 し ないで よね !
はいはい
( 琴子 ) さっ 始め ます か
( 好美 ) はいっ
何 して んだ
べーつに 通りかかった だけ だ よ
が 勉強 見て やれば ? その方 が 確実 だろ
ヤダ よ あんな バカ 女 に …
あいつ が 100 番 以内 に 入ったら 僕 が 困る んだ から
ふーん
深い 事情 が ある んだ な
浅い よっ !
( 好美 ) こ … 琴子 さん …
ああ …
ああ ごめん
私 …
どうも 数学 の 公式 見て る と ―
眠く なっ ちゃう んだ よ ねえ
( 好美 ) 琴子 さん !―
琴子 さん !
もう 寝 ないで !―
ああ … どーしよう
( ドア の 開閉 音 )
おいっ メシ が …―
ったく しょーがねー 奴 だ な
何 が 教える だ
私 そろそろ 帰り ます
どこ まで できた の ?
あっ えーっと 1 問 できて …
3 時間 で ?
はい
範囲 は ?
えっと あ …
ここ から …
ここ まで … です
これ 以上 時間 を 無駄に させる わけにもいかない し
何か 事情 が ある みたいだ から 俺 が 教える よ
で っ でも 私 バカ だ から イライラ し ちゃい ます よ ?
慣れ てる よ そういう 子 教える の
えっと … 答え は ―
2 xy カッコ 3 x マイナス 2 y …
カッコ 閉じる ?
正解
うわー すごーい ! 解けた !
すごーい …
( ドア が 開く 音 )
( 裕樹 ) おいっ !
ん …? え … 入江 君 に … 裕樹 君 ?
私 寝 ちゃって た !?
お前 お 兄ちゃん に 迷惑 かけ ん な よ !―
お 兄ちゃん 医師 国家 試験 近い んだ から ―
もしも の こと が あったら どーすん だ よ !
( 裕樹 ) 僕 が 教えて やる から
明日 から 期末 テスト まで の 1 週間 …
学校 が 終わって から 夜 9 時 まで だけ だ から な !
( 好美 ) うん !
( ドア が 閉まる 音 )
ん ? どう なって ん の ?
裕樹 君 が 好美 ちゃん に ?
琴子 さん の おかげ です !
なんだか … よく わからない けど …
やった ー !!
よしっ つかみ は OK よ !
あと は 恋 に ! テスト に ! 一石二鳥 大作戦 よ ~!
はいっ !
お前 だんだん お袋 に …
んっ ? 何 ?
いや
( 琴子 ) なんだか 久々 に 燃える !―
この 気持ち !
( 琴子 ) 裕樹 君 の スパルタ 家庭 教師 は 続き …
♪~
おいっ !
合って ん じゃん
えっ すごーい !
やった ー !
次 !
はい
マイナス 2 y イコール 0
y プラス 3 x マイナス 2 y プラス 3…
すいません
( 琴子 ) いよいよ 最終日
( 琴子 ) 好美 ちゃん 裕樹 くーん お茶 に し ません ?
はーい
どう ? 順調 ?
はい おかげ さま で
裕樹 君 厳しい でしょ ? 嫌 な こと 言わ れて ない ?
あ … いや …
バカ だ から しょうがねー だろ ?
( 琴子 ) まーた そんな こと 言って ~
好美 ちゃん 気 に し ないで ね
裕樹 君 あんなふうに 言って る けど
ほらあ 男の子 って ―
好きな 女の子 に わざと イジワル する もん だ から ~
えっ ? そう な んです か ?
誰 が こんな 奴 !
またまた ~
じゃーん ! これ でも ?
えっ 何 です か ?
いい から 開けて みて
この 写真 て …
お 義母 ( か あ ) さん が 撮った んだ けど ね いい 写真 でしょう ~?―
好美 ちゃん を 優しく 見つめる まなざし と か …
裕樹 君 も 意地張って ないで 好き なら 好き って 認め なさい よ !
ホント 二人 お似合ーい
そんな … これ もらって いい んです か ?
もちろん !
私 お守り に し ます ありがとう ございます !
( 裕樹 ) ふざけんな よ !
こんな バカな 奴 の 勉強 を 見させられた あげく ―
写真 まで 撮られる なんて …
僕 は …
僕 は … お前達 の オモチャ じゃない んだ !―
大迷惑 な んだ よ !
( 好美 ) ご … ごめんなさい …
ごめんなさい !
あ … こっ 好美 ちゃん !
♪~
( 好美 の すすり泣き )
ひゃっ !
痛った …
( 裕樹 ) 何 やって んだ よ
ゆっ … 裕樹 君 …
ひでえ 格好 だ な
どうして ?
約束 した だろ ?
期末テスト まで の 1 週間
毎日 夜 9 時 まで 勉強 見て やる って
まだ 7 時半
勝手に 約束 破 んな よ
ああ … そっか
ごめん
( 裕樹 ) それ と …
忘れ物
お 守り なん だろ ?
ありがとう !
離せ よ …
見て ! ほら …
わかった から …
( 好美 ) ほら ! これ も …
( 裕樹 ) 離せ よ ! 帰る ぞ !
ったく お前 も たいがい に しろ よ
( 琴子 ) だって お 義母 さん に 頼まれた んだ もーん
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
裕樹 も 俺 と 似た ような 道 を 進む かも しれ ない な
裕樹 も 俺 と 似た ような 道 を 進む かも しれ ない な
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
気の毒 に
え ? 誰 が 気の毒な の ?
( シャッター 音 )
( 琴子 ) い … 入江 君 受験票 持った ?
筆箱 ある よ ね ?
( 直樹 ) ああ
落ち着け よ 受験 する の は 俺 だ ぞ
そう だ けど さ …
ねえ やっぱり 私 も 試験 会場 まで つい てく
来る な
入江 君 ! 万が一 …
万が一 何 だ よ ?
万が一 その …
あ ?
ダメ だったら …
その 時 は 来年 私 と 一緒に 卒業 できる って いう ―
大 イベント が ある から 安心 して ! ね !
そんな 気 さらさら ない ね
じゃあ
入江 くーん ファイト ~!
( 琴子 ) いよいよ 入江 君 の 医師 国家 試験 ―
発表 当日
( 裕樹 ) おいっ 琴子 !
オリ の 中 の クマ みたいに ウロウロ す んな よ
( 琴子 ) あ ~ だって !
発表 の 2 時 まで あと 1 分 でしょ ?
じっと なんて して らんない よ
( 入江 紀子 ( のりこ )) 落ち着いて 琴子 ちゃん
リラーックス ! はい 吸って ~ 吐いて ~
( 裕樹 ) あっ 2 時 だ
( 琴子 ) どっ … どう だった !? 合格 ?
( 直樹 ) あ …
あっ !
俺 …
はっ ウソ !―
そ … そう 大丈夫 …
長い 人生 そんなに 急いで どーする んだ … よねっ
1 度 や 2 度 の 失敗 も …
んな わけねー だ ろ
えっ ! じゃあ …
お 兄ちゃん おめでとう !
おめでとう ~!
ありがとう
今日 は お 祝い ね ~
入江 く~ん ! おめでとう !
( 琴子 ) これ で 入江 君 も 本当の お 医者 様 に なる の ね !
おい 琴子 !
では 失礼 し ます
( 田辺 ( たなべ )) 入江 君 !―
悪い 話 ではない から よく 考え なさい
はい
( ドア が 閉まる 音 )
はぁ …
さて と …
どーする かな …
( 紀子 ) あっ ! そう だ わ
お 兄ちゃん の 卒業 式 お家 で パーティー 開き ましょう
いい です ね ~
たくさん 来て くれた 方 が いい から
琴子 ちゃん は 看護 学科 の みなさん ご 招待 して ね
あ ~ はい …
裕樹 は 好美 ちゃん を 呼んで ちょーだい
なんで あいつ を ?
だって 好美 ちゃん は 裕樹 の お 友達 でしょ ?
別に 友達 なんか じゃ …
( 琴子 ) 何 言って ん の ?
だって ほら 期末 テスト 入った んでしょ ? 100 番 以内 !
97 番
え ?
97 番 だ よ
まあ ~ すごい じゃない !
じゃあ 確定 ね !
まあ 僕 の 教え 方 が よかった んだ
そう ねえ …
でも 琴子 ちゃん の 時 に も 思った ん けど ―
F 組 の 子 が 100 番 以内 に 入る って ―
すごく 大変 だった と 思う の よ ~
ああ 恋 の 力 って すごい わ ね ~
だから ! 僕 の 教え 方 が …
( 琴子 ) 勉強 の つらさ より も ―
一緒に いる 時間 が 二人 の 愛 を 育てる と いう か …
裕樹 君 も 好美 ちゃん と
すっかり 仲良く なった みたいだ し ?
琴子 ! 勝手な こと 言う な よ
でも なんだか んだ 言って ―
あなた も 好美 ちゃん と お 友達 に なり たかった の ね ~
だから ~!
( 相原 重雄 ( あいはら しげお )) そういえば 直樹 君 の 卒業 式 って いつ だ っけ ?
3 月 20 日 です
ああ そう か … いよいよ 直樹 君 も お 医者 さん か
また 卒業生 代表 で 答辞 読む の
ねえ 入江 君 ?
入江 君 どうした の ?
えっ
あ … 何 ?
卒業 式 入江 君 が 答辞 読む んだ よ ね ?
ああ
やっぱり !
じゃ ビデオ 持って 行か なきゃ ね !
裕樹 の 卒業 式 も ある し ―
この際 思い切って 新しい の 買おう かしら ?
琴子
ん ?
それ から みんな に も 話 が ある んだ
あら なあに ? 改まって …
今日 教授 から 話 が あった んだ けど
俺 の 勤める 病院 ―
神戸 の 病院 に しよう と 思って る んだ
え … こ … 神戸 って …
だって 入江 君 斗南 大病院 に 行く ん じゃなかった の ?
最初 は その つもり だった けど ―
もっと 専門 分野 を 勉強 し たい んだ
そんな …
だから その 専門 の 病院 に …
だって ! だって …
神戸 って すごく すごく 遠い んだ よ !
往復 6 時間 以上 かかっ ちゃう んだ よ
どうやって …
通わない それ は 無理 だ よ
え … じゃあ …
この 家 を 出て 神戸 に 住む つもり だ
お 兄ちゃん ! 本気で 言って る の !?
ああ
そこ の 権威 ある 先生 から も 誘い を 受けて る んだ
そこ で 何年 か 勉強 して 帰る の は その後 …
入江 君 ! じゃあ …
私 神戸 の 学校 探さ なきゃ ! 間に合う かな …
お前 は 残れ
え …
俺 一人 で 行く から ―
お前 は こっち に 残って ちゃんと 勉強 しろ
やだ そんな の 入江 君 と 離れる なんて !
( 直樹 ) お前 は 1 年間 こっち で ちゃんと 勉強 して ―
卒業 して から 来れば いい
イヤ ! 1 年 も 入江 君 と 離れる なんて 絶対 イヤ !
だって 私 バカ だ から !
来年 もし 看護 師 に なれ なかったら 1 年 じゃ 済まされない よ !
( 紀子 ) 琴子 ちゃん
そしたら 入江 君 と 離れた まま に なっ ちゃう そんな の イヤ !
じゃあ 俺 は お前 が 看護 師 に なる の を 待って ―
それ から 神戸 に 行けば いい の か ?
お 兄ちゃん ! なんて こと を 言う の !?
琴子 ちゃん の 気持ち も 考え なさい あなた 達 は 夫婦 な の よ !
ああ
夫婦 は 離れ ちゃダメ よ !
自分 の こと ばっかり 考えて ないで …
わかって る よ
( 琴子 ) わかって ない ―
入江 君 は わかん ない よ ―
私 は … 入江 君 の 何倍も 何 十倍 も 好きだ から
私 の 気持ち …
離れる の が …
離れる の が どんだけ つらい か わかんない よ !
だって …
入江 君 は …
私 と 離れた って 全然 平気 だ もん ね ―
それ 決める 時 だって ―
私 の こと …
全然 頭 に 入って なかった でしょ !
私 だけ 寂しい なんて ずるい よ !
琴子 ちゃん …
あっ あ …
( ドア が 閉まる 音 )
( 琴子 ) どう しよう …―
どう しよう … どうしたらいい の ?―
私 入江 君 を 困らせてる ―
( 泣き声 )
こんなんじゃ 入江 君 の 妻 失格 だ ね ―
わかって る わかって る よ ―
でも … でも ね …―
入江 君 と 離れ たくない の
♪~
琴子
お前 また 夕飯 とら なかった の か ?
うん
でも もう 眠い から
琴子 …
( 琴子 ) おやすみ
おかえりなさい
あ … ただいま なんだ まだ 起きて た んだ
お 義父 ( とう ) さん ちょっと 話 いい です か ?
琴子 は どう ?
相変わらず ふてくされて ん の か ?
ええ
この 話 を する 前 から ―
こう なる こと は 覚悟 して いた んです けど
でも 実際 あんな 琴子 を 見て る と …
あいつ 直樹 君 に 惚れ まくって る から なあ
お 義父 さん
俺 やっぱり 琴子 を 神戸 に 連れて いこう と 思って …
え … 直樹 君 でも …
今 から 看護 学校 探して 編入 して 何とか なる と 思う んです
ただ …
知ら ない 土地 で 知ら ない 人間 の 中 で ―
ちゃんと 落ち着いて 勉強 できる の かな って ―
俺 も たぶん 自分 の こと で 手一杯 で …
あいつ の こと ―
ちゃんと 構って やれる 余裕 が ある か ―
心配 だった んです
あいつ に は ちゃんと 看護 師 に なって もらい たい し
お互い …
1 年間 離れた 方 が いい と 思って た んです けど
直樹 君 …
あいつ …
俺 が あいつ に 惚れて る こと
あんまり 知ら ない みたいだ から
♪~
( 琴子 の すすり泣き )
( 琴子 ) 入江 君 …
( 三浦 孝之 ( みうら たかゆき )) 在校生 代表
医学部 三浦 孝之
( 拍手 )
( 教員 ) 答辞 医学部 入江 直樹
はい
( 直樹 ) 答辞 ―
斗南 の 学舎 で 過ごした 日々 を 今 思い返せば ―
忘れがたい 数々 の 思い出 が
いくつも 脳裏 に よみがえり ます …
( 琴子 ) 高 3 の 卒業 式 は ―
どんな 気持ち で 入江 君 を 見て た っけ …―
あの 時 は じんこ や 理美 ( さとみ )―
金 ( きん ) ちゃん が いて …―
第二 ボタン 断られた っけ …
( 琴子 ) でも 思って た こと は 同じ ―
入江 君 が 好き !―
バカ の ひとつ 覚え みたい に いっつも 入江 君 が 好き
卒業 生 代表 医学部 医学科
入江 直樹
( 拍手 )
( 琴子 ) 昔 も 今 も それ だけ は 変わんない よ
ここ は 1 回生 の 時 入江 君 が いた 理工 学部 の キャンパス
松本 裕子 ( まつもと ゆうこ ) も いた な ~
( 松本 裕子 ) 選択 科目 何 に する か 決めた ?
いや まだ 決めて ない
懐かし ~ テニス 部 …
二人 で ダブルス 出た んだ よ ね
スムース
入江 君 と ランチ した 学食 …
金 ちゃん と よく モメた なあ
なんだ この 差 は ?
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) なん や お客さん
金 ちゃん !?
シャー !
医学科 の 講義室 …
ここ から よく 入江 君 のぞいた っけ
( 品川 真里菜 ( しながわ まりな )) いた いた !
( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) さすが 入江 さん オーラ が 違う わ
( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) うん
( 琴子 ) もう あんな 光景 は 見られ ない んだ よ ね
入江 君 …
入江 君 …
入江 く~ん !!
( 直樹 ) 何 だ よ
( 琴子 ) うわ !
でけえ 声
( 琴子 ) どっ ど … どうして ?
たぶん ここ に いる と 思って さ
え …
お前 に 話 が ある んだ
家 で 話す より いい と 思って
神戸 の 話 な んだ けど …
私 !
私 …
絶対 に 1 年 で 看護 師 に なる
それ から 神戸 に 行く
絶対 に 行く ! だ から …
待って て ね
浮気 …
し ないで ね
毎日 電話 して も …
怒ら ないで ね
それ から …
それ から ?
休み に …
会い に …
誰か … 人 が 来 ちゃう よ
いい よ 見られた って …
♪~
( 直樹 ) ここ で いい よ
え ? ホーム まで 送る よ
( 直樹 ) いい から ―
お前 が 来たら なんやかんや で 新幹線 止め そうだ し
はあ ? ん もう …
でも …
つらく なる から ここ で バイバイ した 方 が いい かな ?
( 直樹 ) ああ じゃあな
あっ … の … あの …
着いたら 電話 して ね
( 直樹 ) ああ
あっ … あっ お 弁当 …
( 直樹 ) 中 で 買う よ !
新神戸 岡山 の 次 だ から ね ! 寝すごさ ない ように
新大阪 の 次 だろ ?
ああ …
もう … ホント 行って いい か ?
うん …
お 別れ の キス … して も いい よ
なんて ね
( 直樹 ) 勉強 頑張れよ
うん 入江 君 も ね 頑張って ね !
ああ
♪~
ガンバレ ガンバレ 入江 君 !
ガンバレ 琴子
ガンバレ …
私 達 …
♪~
( 真里菜 ) いつまで 包帯 巻いて ん の よ !
3 日 も 入江 君 の 声 聞いて ない んです ~
( 幹 )1 週間 以内 に 神戸 に 行く に 千円
( 智子 ( ともこ )) 明日 行く に 五 千円
( 琴子 ) や … やっ ちゃった
( 琴子 ) 見つけた !―
私 の エネルギー が どんどん 満たされて いく …
( 幹 ) 妻 が いない と 独身 気分 に なっ ちゃって ―
つい 羽 伸ばし ちゃう もの よ
( 椎名 奈美 ( しいな なみ )) 見いつけた !
琴子
あの 親子 椎名 さん て いう んだ けど …