( サトウ ) < その 街 が いつ から 存在 する の か → N
それ は 定か で は ない > N
< 東欧 の 一 地方 の 伝承 に → N
悪魔 と 賭博 を し て 得 た 金 を もたらし た 男 に よって → N
一 つ の 村 が 壊滅 する と いう もの が ある > N
< それ が あの 街 を 指す もの だ と する なら ば → N
中世 に は 同様 の 場所 が 存在 し て い た と いう こと に なる > N
< だが それ は あくまで 類推 で しか ない > N
( サトウ ) 金融 街 。
( 井 種田 ) かしこまり まし た 。
( 井 種田 ) サトウ さん ディール は まだ なん じゃ ない です か ?
( サトウ ) 今日 は 見物 。
( 井 種田 ) 賭博 は やめ て おい た 方 が いい です よ 。
ろくな こと が あり ませ ん 。
( サトウ ) 分かって る 。
( サトウ ) ただ の 見物 。
( 井 種田 ) まあ ディール より も → N
賭博 で やけど する 人 少なく ない です から ねぇ 。
< この ゲート を 通る の は 51 度 目 だ > N
< その うち ディール の ため に 通った の は 11 回 > N
< わたし は まだ 駆け出し の アントレ に すぎ ない > N
・~ N
< 金融 街 の 規模 は その 国 の 経済 状況 に 比例 する > N
< 世界 各国 に 存在 する 金融 街 の 中 でも → N
極東 金融 街 は 広大 だ > N
( サトウ ) ジョ ~ ルジュ 。
( サトウ ) ディール 見物 転送 し て 。
・~ N
< この 街 に は さまざま な 人間 が あふれ て いる > N
< 中でも 実質 的 に この 街 を 牛耳って いる 男 > N
< そして 彼 が 手なずけよ う と して いる 青年 > N
ん ? 来る の 早 過ぎ た か … 。
< 彼 の 二 度 目 の ディール の 行く末 が → N
そのまま 街 の 行く末 に なる > N
< それ は わたし の 直感 だった > N
( 壮 一郎 ) 《 勝負 から 逃げ てる 》
( 壮 一郎 ) 《 親 の こと から も 逃げ たい らしい な 》 → N
《 自分 自身 の 可能 性 を 見詰め て みろ 》 → N
《 待って る ぞ あの 街 で 》
( 公 麿 ) 《 あんた みたい に なり たく ねえ ん だ よ 》
( 公 麿 ) 《 それ が 悪い か 》
< わたし の 属 する 組織 は → N
金融 街 の 実態 を 把握 する こと に 血道 を 上げ て い た > N
< 金融 街 の 目的 は 何 か ? > N
< ミダス マネー が 現実 社会 に 与える 影響 と は ? > N
< 金融 街 に つい て 大まか な 知識 は 得 られ て い た > N
< 情報 は 主に 金融 街 に 出入り し て いる と さ れる → N
内通 者 から の もの だった > N
学校 か … 。 うん ?
< だが 核心 に は 一 向 に たどりつけ なかった > N
うん ?
《 で かい な … うん ? 》
ん あ ? まったく 何で たい焼き ?
< 世界 各国 金融 の 中心 と なる 土地 に → N
必ず 金融 街 は 出現 する > N
< 各地 に は 組織 の 調査 員 が 派遣 さ れ て い た > N
< わたし は 東京 に 赴任 する こと に なった > N
< 金融 街 に 出入り し て いる と お ぼ しき 人物 の → N
目安 は 付い て い た > N
< 組織 が 特に 目 を 付け た の が 三國 壮 一郎 で ある > N
< 彼 の 本業 は つかみ どころ が ない > N
< 正確 に は 肩書 が 多数 あり 過ぎ て → N
実態 を 不明瞭 に し て いる > N
ハァ … 。
( サイレン の 音 )
< その 中 で 最も 分かり やすい 肩書 は → N
財務 省 系 投資 機関 の 顧問 役員 と いう もの だ > N
< だが 実態 は 政府 省庁 金融 機関 → N
大 企業 に 隠 然 と 影響 力 を 与え 得る 若き 怪物 だ > N
< しかし それ は 裏 の 世界 に 生きる 男 の → N
ほんの 表 の 顔 に すぎ ない > N
< 彼 の 名前 は タブー と さ れ → N
マスコミ でも 取り上げ られる こと は ほとんど ない > N
< この 世界 の 大半 が 知ら ぬ 彼 の 裏 の 顔 …> N
< 金融 街 で 互助 集団 を 結成 し ミダス マネー を 意図 的 に → N
この 世界 に 投じよ う と して いる 男 の 素顔 こそ が → N
わたし の 求めて いる もの だ > N
( 警察 官 ) 長らく 止め て らっしゃる よう です が → N
どう かしま し たか ?
あれ ? 新しい 人 ? 東 君 は ?
( 警察 官 ) は ? ここ は ずっと 自分 の 管轄 です し → N
自分 の 課 に 東 と いう 人間 は おり ませ ん が 。
ああ … 。
< なぜ わたし に あの 街 へ 行く 資格 が 与え られ た の か > N
・ N 《 あっ 》 → N
《 もしもし ? 》 → N
《 は ? 振り込み ! ? 》
《 何 よ これ … 》
< 袖 の 下 を 渡さ れる 覚え など なかった > N
・ ( ノック )
( 真坂 木 ) 《 こんばん は 》 ( サトウ ) 《 ヒッ ! 》
< わたし は 組織 の 人間 と して 初めて → N
金融 街 に 足 を 踏み入れる こと に なった の だ > N
( 真坂 木 ) 《 ムフ 》
( 公 麿 ) あっ 。
ああ … フッ 。
( 協子 ) 高校 卒業 し て 以来 じゃ ない 。 → N
ちゃんと 生活 でき てる の ? うん 。 何とか やって る よ 。
( 協子 ) なら いい けど 。 → N
いきなり だった から びっくり し ちゃ った 。
ごめんなさい 。 いや ちょっと 俺 … 。
協子 叔母さん に 聞い て み たい こと と か 色々 あって 。
( 協子 ) なあ に ? 兄さん や 姉さん の こと ?
あっ … う っ うん 。
あんまり ちゃんと 聞い た こ と なかった から さ 。
いい 人 だった よ 2 人 と も 。 公 麿 の こと かわいがって た 。
気休め は やめ て よ 。 ホント だ から 。
兄さん や 姉さん の こと 悪く ばっかり 考え ない で 。
でも … い なく なる 直前 は 羽振り が 良かった みたい な の よ ね 。
株 か 何 か ?
もうかって た の ?
うまく 思い出せ ない の よ … 。 記録 も ない らしく て 。
ごめんなさい 。 兄さん の 持ち物 それ くらい しか なく て 。
あっ う うん 。
それ じゃ 終わったら 片付け と い て ね 。
分かって る ありがとう 。
ん ?
あ … 何 だ これ 。
ミダス って … まさか !
どう なって ん だ よ 親父 。
ハッ !
( 真 朱 ) 真坂 木 ~ ?
どう し たら 呼び出せ ん だ よ !
お前 しか 聞け る 人 が い ない ん だ から → N
しょうが ねえ だ ろ 。
あ ?
ディール が なく て も 街 に は 来 られる ん だ から → N
自分 で 捜し な よ 。
そ っか … 今 から 行く わ 。
すごい 勢い だ ね ~ 。
うる せ え !
< ディール は 週 一 度 > N
< わたし は 水曜日 に 呼ば れる こと が 多い > N
< 対戦 相手 を 指名 する こと も できる が …> N
( 永山 ) 女 か … 珍しい な 。
無駄 口 を たたく 趣味 は ない !
< わたし は それ を 行った こと が ない > N
< アセット は 本能 で アントレ を 防御 する > N
「 OPEN DEAL 」 !
グルー ! 「 メゾ FREEZE OUT 」
< そして アントレ が 命じ ない かぎり 攻撃 は でき ない > N
< 攻撃 技 は フレーション と 呼ば れ → N
マクロ メゾ ミクロ の 3 段階 に 分類 さ れる > N
「 EBO 」
< 分かり やすく 言え ば 大 中 小 だ > N
( 竹田 崎 ) う ひ っ また か !
な っ 何 だ … 。 ・ ( 物音 )
ん っ ! ?
< ミクロ は 10 万 以上 メゾ は 100 万 以上 → N
マクロ は 1,000 万 以上 発動 コスト が 掛かる > N
< わたし は マクロフレーション を 使った こと が ない > N
( 永山 ) ハァ ハァ … 。
そこ か ! おら ぁ ー !
< ディール に よって 破産 すれ ば 金融 街 を 追放 さ れる > N
( 永山 ) な め や が って 女 が 。 → N
ん っ ! ?
< わたし は 常に 小さく 勝つ か 小さく 負ける か → N
いずれ か に 転ぶ よう に 勝負 し た > N
< 対戦 相手 を 選ば ない の は その方 が 調整 が 利く から だ > N
「 CLOSING 」
( 竹田 崎 ) チッ 。 また 撮り 損なった か … 。
< わたし は あの 青年 同様 → N
アセット の 強 さ に だいぶ 助け られ て いる > N
さあ … それ は 私 ども に は 分かり かね ます 。
親父 は ここ へ 来 て たん だ ろ ?
俺 を ここ に 誘った の も それ と 関係 ある ん じゃ ねえ の か よ !
( 真坂 木 ) まったく の 偶然 です 。
そんな わけ ある か よ !
( 壮 一郎 ) 君 も 大胆 だ な 。
この 街 に 来 て 早々 真坂 木 を 困ら せる と は 。
( 真坂 木 ) これ は これ は 三國 さま 。
今日 は どの よう な ご 用件 で ?
・ ( 壮 一郎 ) 悪い な 真坂 木 。 → N
お前 じゃ なく て 今日 は 彼 に 用 が ある の さ 。
え ?
( Q ) ん ?
ん ん ?
どこ 行く の ?
まあ つい て こい 。
( 竹田 崎 ) 余 賀 ? ああ 覚え て ます よ 。
ホント です か ! ? 詳しく 教え て ください 。
お 願い し ます 。
( 竹田 崎 ) あんた 余 賀 さん と どういう ?
息子 です 。 ( 竹田 崎 ) ほう 。 → N
そう か あんた が ね 。 フフ 。
そい つ は また … 。
親父 が どう なった か 知り ませ ん か ?
聞い て どう する ん だい ?
知り たい ん です 。 それ だけ です 。
フッ … 。
ああ ? フッ … 。 え ?
強い アントレ だった よ 。 ディール に 夢中 だった 。
ずいぶん 稼 い だ ん じゃ ない か な 。 → N
けど 大 負け し て 破産 し た 。
それ で ? この 街 で 破産 する って こと は → N
自分 の 未来 を 使い果たし た って こと だ 。 → N
家族 の 前 に 顔 も 出せ ず 職 に も 就け ず → N
公園 の 鉄棒 で 首 を つった と さ 。 → N
身元 不明 で 遺体 は 役所 が 処理 し た らしい 。
気休め は 言い たく ない んで ね 。
あんた の 父親 は 死 ん だ 。 俺 が 知って いる てん末 は 以上 だ 。
ほか に 聞い て おき たい こと は ?
どんな 人 で し た か ?
( 竹田 崎 ) 世間話 すら した こと が ない から ね → N
人柄 まで は 分から ない が 。 → N
とにかく まあ 金 に 取りつか れ て い た ね 。 → N
一 銭 でも 多く 稼ぐ こと だけ を 考え て い た よう に 見え た よ 。 → N
守 銭 奴 と は あんた の 父親 の こと だ 。
・ ( 竹田 崎 ) しかし あんた が 余 賀 さん の 息子 と は ね 。 → N
勝負 運 の 強 さ は 親譲り か な 。 まっ 親父 さん の よう に → N
足元 すくわ れ ない よう に し なさい よ 。 → N
現実 の 世界 より も この 街 で 生きる こと を 最 優先 に する こった 。
( 竹田 崎 ) それ が 生き延びる コツ です よ 。
( シャッター 音 )
ここ は 俺 の お気に入り で ね 。
この 街 の 全体 が 見渡せ る 場所 だ 。
( 壮 一郎 ) ディール を 続ける 気 に なった か ?
そんな 気 に は なら ない よ 。
( 壮 一郎 ) 分かった じゃ ない か 。
お 父さん は 事業 に 失敗 し て 君 を 捨て た わけ じゃ ない と 。
こんな こと に はまら なけ れ ば 死な ず に 済 ん だ 。
普通 に 暮らせ た はず な ん だ 。
捨て た の と 一緒 だ よ 。 俺 や おふくろ を 。
お 父さん は 何の ため に 稼 い で た ん だ ろ う な 。
え ?
( 壮 一郎 ) 金 を 稼ぐ 目的 だ よ 。 → N
俺 の 親父 は 私利 私欲 の ため だった 。 → N
金 の ため に 金 を 稼 い だ ん だ 。
俺 の 親父 と 同じ だ ね 。
( 壮 一郎 ) 俺 が まだ が き だった ころ → N
うち が 経営 危機 に なった こと が あった 。 → N
俺 の 妹 は 深刻 な 難病 だった 。 金 を 掛け れ ば 治る はず だった 。 → N
だが 親父 は 会社 に 金 を つぎ込 ん だ 。 → N
結果 会社 は 成長 し た 。
( 壮 一郎 ) 俺 が この 街 で 得 た 金 で 最初 に やった の は 何 だ と 思う ?
親父 の 会社 の 乗っ取り だ よ 。
成功 し た よ 。 あいつ から 全て を 奪って やった 。
親父 が 生き て たら 俺 も そうして やり て え よ 。
( 壮 一郎 ) フッ … 。 自分 が 意識 し なく て も → N
親 の 影響 は 結構 大きい 。
おかげ で 俺 は こんな 人間 に な っち まっ た 。
だが 君 は ひどく 素直 な 性格 だ 。
親父 の 記憶 なんて ねえ し おふくろ や 叔母さん の おかげ だ よ 。
( 壮 一郎 ) そう かな ?
これ 見 て よ 。 数字 しか 書 い て ない ん だ 。
母さん の こと も 俺 の こと も どこ に も 何にも 書 い て ない ん だ !
ホント に 守 銭 奴 だ よ 。
こんな 親父 … 。 家族 の ため … じゃ ない か な 。
えっ … 。
家族 の ため に 稼 い で た ん じゃ ない の か ?
《 ハッ ! 》
( 壮 一郎 ) 君 は 「 普通 が いい 」 「 安定 が いい 」 と ばかり 言って る 。 → N
それ は 自分 だけ の ため に 金 を 稼ぐ と いう こと だ 。 → N
規模 は 違って も 俺 の 親父 と 大差 ない 。
君 が 侮って き た 君 の 父親 より も 下 だ 。
金 って もの は 自分 で は ない 何 か の ため に 使って こそ → N
貴い と 俺 は 思う 。 → N
君 に は ない の か ? その 何 か が 。
ない なら ば 探せ ば いい 。 だが 見つかった と して も → N
その とき に 使う べき 金 が ない なら 始まら ない 。
ディール を 続けろ 。 金 を 稼げ 。 それ を 何 か の ため に 使え 。
君 が 金 を 使え ば 誰 か を 潤す 。
ため込 ん で いれ ば 幸せ な の は 君 だけ だ 。
ささやか な 幸せ は 君 を 幸せ に し て も → N
周り に 大きな 幸せ を 振りまく こと は でき ない 。
俺 は 父親 を 越え た 。
そして ディール で 稼 い だ 金 を この 国 の ため に 使って いる 。
君 は どう する ?
次 の ディール まで まだ 時間 は ある 。
考える こと だ 。 Q 。 ( Q ) あっ … 。
公 麿 ~ 。 来 ん な よ 。
何で ? 戻れ よ 。
ちょっと ! 何 な の よ 。
( 泣き声 )
彼 を ギルド に 誘わ ない と は 意外 だった の です 。
フッ … 。
< わたし は この 街 で 起き て いる 出来事 を → N
逐一 組織 に 報告 し て いる > N
< 組織 から の 指示 は ない > N
< ただ ひたすら 報告 する だけ だ > N
< 一 度 本部 に 戻った 際 わたし は 尋ね た > N
< 世界 は ゆがみ 屈折 し → N
それ を 肯定 し ながら 膨張 し て いく > N
< わたし ごとき の 手 に 負え る 問題 で は ない の かも しれ ない > N
< それ でも わたし は 思う > N
< 何 か が おかしい 。 何 か が 変 だ と > N
< 黒い 不気味 な あの 金 が 何 か の ため に なる もの か > N
< 何 か の 救い に なる もの か > N
< 未来 を 担保 に する と いう こと が → N
どういう 事態 を もたらす の か と …> N
< そして わたし は どう する べき な の か と > N
( 壮 一郎 ) 来 た な 。 見せ て もらう ぞ 。
< 君 の 行く末 を 見守ら せ て もらう よ > N
< 君 が わたし の 敵 に なる か 味方 に なる か は 君 しだい だ > N
公 麿 。 公 麿 。
・ ( 江原 ) こんな 所 で 学生 に 会う と は な 。
あっ !
( 江原 ) いつ から だ ? 余 賀 。
・~ N