Grisaia no Kajitsu Episode 8

どういう 意味 だ この メール は |いみ|||めーる|

あ それ な それ は アレ よ

文字通り の な の よ さ もじどおり|||||

わから ん から 聞き に 来 た ん だ ろ う が きちんと 説明 しろ |||きき||らい||||||||せつめい|

えっ と ね

マキナ の パパ に なって ください ||ぱぱ|||

と いう わけ で

俺 は マキナ の 父親 に なる こと に し た おれ||||ちちおや||||||

は アンタ 何 言って ん の ||なん|いって||

聞こえ なかった か きこえ||

いや いやいや いや そう じゃ なく て どういう 意味 かって ||||||||いみ|

言葉 通り だ が ことば|とおり||

父親 って 言って も そこ まで 本 域 じゃ ない って いう か ちちおや||いって||||ほん|いき|||||

ごっこ 遊び の 延長 み たい な |あそび||えんちょう|||

ほら 私 が マキナ の ママ に なって 上げる って な のり で |わたくし||||まま|||あげる||||

そういう こと で し た か

しかし 父親 プレイ と は また マニアック な |ちちおや|||||まにあっく|

私 は 本気 だ よ わたくし||ほんき||

パパ だって たとえ 世界中 を 敵 に 回し て も ぱぱ|||せかいじゅう||てき||まわし||

わたし を 守って くれる って ゆった よ ||まもって||||

もちろん だ

俺 の 持てる すべて を 動員 し て お前 を 一人前 に して やる おれ||もてる|||どういん|||おまえ||いちにんまえ|||

何も 心配 する な なにも|しんぱい||

ありがとう パパ |ぱぱ

は 言って る 意味 が わから ない ん だ けど |いって||いみ||||||

なぜ この 話 を する と ど いつ も こいつ も 同じ 反応 を する ん だ ||はなし|||||||||おなじ|はんのう||||

あなた の 言って いる こと が それ だけ 非常識 だ と いう 証拠 でしょ う ||いって||||||ひじょうしき||||しょうこ||

あいつ は 俺 を 七千万 で 買う と 言って き た ||おれ||しちせんまん||かう||いって||

は 七千万 |しちせんまん

あいつ の 一生 分 の 小遣い らしい ||いっしょう|ぶん||こづかい|

額 が 額 だけ に ひとまず 預かって おい た がく||がく||||あずかって||

それ に 何故 か 放っておけ ん 気 が し て な ||なぜ||ほうっておけ||き||||

結婚 する わけ で も ない し けっこん||||||

その 程度 で いちいち |ていど||

と 言い たい ところ だ けど |いい||||

相手 が あの 入 巣 蒔 菜 と なる と あいて|||はい|す|ま|な|||

そう も いって い られ ない の よ ね

どういう 意味 だ |いみ|

何 代 に も 渡って 数 多く の 政治 家 を 輩出 し なん|だい|||わたって|すう|おおく||せいじ|いえ||はいしゅつ|

内政 や 外交 に も 深く 関与 し て いる 入 巣 家 ないせい||がいこう|||ふかく|かんよ||||はい|す|いえ

しかも 宗 家 の 長女 よ |はじめ|いえ||ちょうじょ|

うち の 組織 でも 無関係 と いう わけ で も ない し ||そしき||むかんけい|||||||

うち と どういう つながり が

入 巣 蒔 菜 の 父 はい|す|ま|な||ちち

入 巣 正孝 は かつて 防衛 省 管理 部 の 会計 官 だった みたい ね はい|す|まさたか|||ぼうえい|しょう|かんり|ぶ||かいけい|かん|||

数 年 前 に 事故 死 し てる けど 書類 上 は すう|とし|ぜん||じこ|し||||しょるい|うえ|

書類 上 しょるい|うえ

なあ JB その辺 の 資料 を まとめ て 送って くれ ない か ||そのへん||しりょう||||おくって|||

ダメ よ 一応 部 外 秘 な ん だ から だめ||いちおう|ぶ|がい|ひ||||

無理 を 承知 で 頼む むり||しょうち||たのむ

知って どう する の よ しって||||

知った あと で 決める しった|||きめる

ジュリア お 願い だ ||ねがい|

もう 出 せる 情報 に も 限界 は ある わ よ |だ||じょうほう|||げんかい||||

恩 に 着る おん||きる

パパ こんな ところ に い た ぱぱ|||||

なに

馬鹿 な この 俺 が ばか|||おれ|

マキナ お前 何 し てる ん だ |おまえ|なん||||

何 って ただ の 親子 の 愛情 表現 な の よ さ なん||||おやこ||あいじょう|ひょうげん||||

パパ の エッチ ぱぱ||

お邪魔 だった かしら おじゃま||

入 巣 家 の 実質 的 な 支配 者 は 祖母 と その 娘 入 巣 さん の 母親 はい|す|いえ||じっしつ|てき||しはい|もの||そぼ|||むすめ|はい|す|||ははおや

亡くなった 父親 は 入り 婿 だった らしい わ なくなった|ちちおや||はいり|むこ|||

彼女 たち は その 絶対 な 発言 権 を 利用 し かのじょ||||ぜったい||はつげん|けん||りよう|

国政 レベル の 汚職 に 関与 し て い た こくせい|れべる||おしょく||かんよ||||

知ら ぬ 間 に 加担 さ せ られ て い た マキナ の 父 は しら||あいだ||かたん|||||||||ちち|

入 巣 家 の 裏 帳簿 を 持ち出し はい|す|いえ||うら|ちょうぼ||もちだし

内 調 と 接触 しよ う と し た うち|ちょう||せっしょく|||||

が 事件 に 巻き込ま れ 死亡 し た |じけん||まきこま||しぼう|| その 事件 と いう の が 入 巣 蒔 菜 の 誘拐 事件 と いう わけ |じけん|||||はい|す|ま|な||ゆうかい|じけん|||

なるほど

事件 後 精神 疾患 に よる 失 語 障害 に 陥って しまった 彼女 は じけん|あと|せいしん|しっかん|||うしな|ご|しょうがい||おちいって||かのじょ|

入 巣 家 の 跡取り から も 外 さ れ 事実 上 は 絶縁 はい|す|いえ||あととり|||がい|||じじつ|うえ||ぜつえん

代わって 妹 が 入 巣 家 の 家 督 相続 人 の 席 に 着 い て いる わ かわって|いもうと||はい|す|いえ||いえ|ただし|そうぞく|じん||せき||ちゃく||||

もう いい の

大体 は 目 を 通し た だいたい||め||とおし|

せっかく 用意 し て もらった 資料 だ が |ようい||||しりょう||

予想 を 超える 情報 は ひと つ だけ だった よそう||こえる|じょうほう|||||

ひと つ

あいつ は 絶対 一人っ子 だ っと 思って い た ||ぜったい|ひとりっこ|||おもって||

風見 さん かざみ|

おい 雄二 |ゆうじ

パパ どこ 行って た の よ さ ぱぱ||おこなって||||

野暮 用 で な 千鶴 と あって い た やぼ|よう|||ちず||||

まあ あれ な

たま に ゃ いろんな もん 突っ込 ん で や ん ない と |||||つっこ||||||

チズチズ の 下水 管 も 詰ま っち まう し な ||げすい|かん||つま||||

海兵 隊 なみ に 口 の 悪い 奴 だ な かいへい|たい|||くち||わるい|やつ||

それ は

リンゴ りんご

今日 ね 先生 に 苗 を もらった から 植え て み た の よ さ きょう||せんせい||なえ||||うえ||||||

今 は チビッコ い 苗木 で も いま||||なえぎ||

数 年 後 に は 真っ赤 な 小玉 リンゴ が 鈴なり な の よ さ すう|とし|あと|||まっか||こだま|りんご||すずなり||||

実 が なったら パパ に も 食べ さ して あげる ね み|||ぱぱ|||たべ||||

そう か 楽しみ だ な ||たのしみ||

さて これ で 一 学期 の 授業 は 全て 終了 と なり ます |||ひと|がっき||じゅぎょう||すべて|しゅうりょう|||

明日 から の 夏 休み あした|||なつ|やすみ

皆さん それぞれ 目標 を 立て て 計画 的 に 過ごし て ください みなさん||もくひょう||たて||けいかく|てき||すごし||

夏 休み な の よ さ なつ|やすみ||||

今日 から 遊び まく ん ぞ きょう||あそび|||

な サッチン

自分 で 書 い た スケジュール を 忘れ た か じぶん||しょ|||すけじゅーる||わすれ||

朝 は 俺 と 一緒 に 5 キロ の ランニング 朝 食後 は 宿題 あさ||おれ||いっしょ||きろ||らんにんぐ|あさ|しょくご||しゅくだい

その後 は 実技 そのご||じつぎ

ちょっと 厳し すぎ ない |きびし||

父親 に なる と 決め た からに は ちちおや||||きめ|||

マキナ は 俺 の やり 方 で 育て させ て もらう ||おれ|||かた||そだて|さ せ||

あんた 鬼 ね |おに|

無駄 な 動き が 多い もっと 小さく 動け むだ||うごき||おおい||ちいさく|うごけ

相手 に 反撃 の 隙 を 与える な あいて||はんげき||すき||あたえる|

レンジャ

だが 軽い |かるい

いて え も もげる

ねえ 榊 さん ユージ と マキナ 見 て ない |さかき|||||み||

見 て ない けど どう か し た の み||||||||

あの 二 人 最近 なんか 様子 が 変 な の よ |ふた|じん|さいきん||ようす||へん|||

どうも 私 に 隠れ て コソコソ なに か し てる っぽい の よ ね |わたくし||かくれ||こそこそ||||||||

そう いえ ば 関係ない かも しれ ない けれど |||かんけいない||||

風見 くん この 前 私 の ところ へ 来 て ネット で 何 か 注文 し て い た わ かざみ|||ぜん|わたくし||||らい||ねっと||なん||ちゅうもん|||||

ネット で ねっと|

ねえ パパ |ぱぱ

なん だ

あ ち ゅ い

我慢 しろ 狙撃 中 の 仕事 の 八 割 はやせ がまん だ がまん||そげき|なか||しごと||やっ|わり|||

まずは 標的 を 狙って 第 一 射 射撃 用意 |ひょうてき||ねらって|だい|ひと|い|しゃげき|ようい

射撃 用意 よし しゃげき|ようい|

撃て うて

修正 アップ ワン クリック ライト ツー クリック しゅうせい|あっぷ|わん||らいと||

アップ ワン ライト ツー クリア あっぷ|わん|らいと||くりあ

第 二 射 射撃 用意 だい|ふた|い|しゃげき|ようい

射撃 用意 よし しゃげき|ようい|

撃て うて

班長 レンジ 内 に 人 が はんちょう|れんじ|うち||じん|

なに

由美子 か クソ ゆみこ||くそ

こら 由美子 |ゆみこ

射撃 訓練 中 に レンジ 内 に 立ち入る と は 何事 か 馬鹿 者 が しゃげき|くんれん|なか||れんじ|うち||たちいる|||なにごと||ばか|もの|

ば バカ と は |ばか||

あれ を 見ろ ||みろ

赤旗 が 出 て いる 時 は 立ち入り 禁止 だ あかはた||だ|||じ||たちいり|きんし|

そんな 事 も わから ん の か 貴 様 は |こと||||||とうと|さま|

わかる わけない でしょ う

あなた 何 やって いる の |なん|||

射撃 訓練 だ と 言って いる だ ろ う が しゃげき|くんれん|||いって|||||

射撃 訓練 しゃげき|くんれん

私 の パソコン で 買った の は これ ね わたくし||ぱそこん||かった||||

まあ そういう こと だ

榊 もや て みる か さかき||||

悪い けど ゴメン だ わ わるい||||

どちら か と 言え ば 椅子 に 座って チェス を 指す 方 が 好き かしら |||いえ||いす||すわって|||さす|かた||すき|

そんな こと 言って から ド 地味 だって 言わ れ ん の よ ||いって|||じみ||いわ||||

誰 が 言って る の かしら だれ||いって|||

強いて 言う なら 主に 私 しいて|いう||おもに|わたくし

痛 て い つう||

もう 言わ ない |いわ|

うる せ ブス

穴 に 棒 突っ込 ん で 泣か す ぞ て め え あな||ぼう|つっこ|||なか|||||

ごめん な はい 反省 ひ み ひた |||はんせい|||

超 ソーリー な の 許 ひ て ちょう||||ゆる||

ねえ マキナ 本当 に 行か ない の ||ほんとう||いか||

まあ リンゴ の 苗 の 水 やり と か ザリガニ の 世話 と か |りんご||なえ||すい||||ざりがに||せわ||

いろいろ ある し な

わかった わ よ

ちゃんと 宿題 やる の よ |しゅくだい|||

じゃあ ね

周防 天 音 の 出発 を 祝し て バンザーイ すおう|てん|おと||しゅっぱつ||しゅくし||

ち ゅっ やめ て よ

恥ずかしい はずかしい

ねえ パパ は 実家 に 帰ったり 予定 と か は ない の |ぱぱ||じっか||かえったり|よてい|||||

俺 か そう だ な おれ||||

帰る 実家 は ない が 墓参り に は 行く つもり だ かえる|じっか||||はかまいり|||いく||

お 墓 誰 の |はか|だれ|

俺 の 師匠 の だ おれ||ししょう||

墓 は 山梨 に ある はか||やまなし||

山 の 中 だ から 年 に 一 度 は 掃除 し ない と 草 だらけ に なる やま||なか|||とし||ひと|たび||そうじ||||くさ|||

ん じゃ 今日 行 こ う よ ||きょう|ぎょう|||

今日 か きょう|

今 から いま|

私 お 弁当 作って あげる わたくし||べんとう|つくって|

急 で は ある が そう だ な きゅう|||||||

これ も また ひと つ の きっかけ か

天 姉 の ボバ 太郎 調子 どう てん|あね|||たろう|ちょうし|

最初 は 苦労 し た が さいしょ||くろう|||

動き出し たら 悪く ない 扱い づらい が な うごきだし||わるく||あつかい|||

ねえ パパ 聞い て も いい |ぱぱ|ききい|||

なん だ

これ から お 墓参り する 人 |||はかまいり||じん

パパ の 師匠 って どんな 人 ぱぱ||ししょう|||じん

どんな 人 か なんと 説明 し た もん か |じん|||せつめい||||

師匠 と 初めて あった の は 今 から 五六 年 前 だった ししょう||はじめて||||いま||ごろく|とし|ぜん|

当時 の 俺 は 家族 を 全員 な くし て 父親 の 知人 に 拾わ れ 生き て い た わけ だ が とうじ||おれ||かぞく||ぜんいん||||ちちおや||ちじん||ひろわ||いき||||||

まあ その 知人 って の が 世に 言う 悪党 って やつで な ||ちじん||||よに|いう|あくとう|||

そんな 悪党 の 巣 窟 に 少数 の 部隊 を 率い て 強襲 し |あくとう||す|いわや||しょうすう||ぶたい||ひきい||きょうしゅう|

ごく 短 時間 で 制圧 を し た の が 俺 の 師匠 日下部 麻子 だった |みじか|じかん||せいあつ||||||おれ||ししょう|くさかべ|あさこ|

つまり 子供 の 頃 の パパ を 悪党 から 救い出し て くれ た の が 師匠 な の ね |こども||ころ||ぱぱ||あくとう||すくいだし||||||ししょう|||

簡単 に 言う と そう だ な かんたん||いう||||

それ から は ずっと 師匠 と 一緒 に ここ で 暮らし た の ||||ししょう||いっしょ||||くらし||

最初 の 一 年 は ここ で 暮らし た が さいしょ||ひと|とし||||くらし||

俺 は 麻子 の 仕事 の 都合 で すぐに アメリカ に 渡った おれ||あさこ||しごと||つごう|||あめりか||わたった

しばらく し て アメリカ から 戻って き た あ と も |||あめりか||もどって|||||

俺 は 麻子 と 一緒に 暮らし て 生きる ため の 力 を 手 に 入れた おれ||あさこ||いっしょに|くらし||いきる|||ちから||て||いれた

つまり パパ に とって 師匠 は ママ みたい な もの だった の ね |ぱぱ|||ししょう||まま||||||

俺 を 弱虫 の クソ ガキ から いっぱ し の 男 に 育て た と いう 意味 で は おれ||よわむし||くそ|がき|||||おとこ||そだて||||いみ||

確かに 母親 に 近い の かも しれ ん な たしかに|ははおや||ちかい|||||

ここ だ

疲れ た つかれ|

ここ が パパ の 実家 ||ぱぱ||じっか

実家 と いう か いや そうだ な じっか|||||そう だ|

ここ が 俺 の 家 実家 だ な ||おれ||いえ|じっか||

ほう ここ が パパ の 育った お 家 か |||ぱぱ||そだった||いえ|

思って い たより もの が 多い の ね おもって|||||おおい||

ちゃんと テレビ も ある し |てれび|||

缶 ビール と スモーク チーズ しか ない かん|びーる|||ちーず||

JB の 飲み 残し だ な ||のみ|のこし||

マキナ ほれ

なに これ 目薬 ||めぐすり

狙撃 手 は 目 が 命 だ そげき|て||め||いのち|

試し て み な ためし|||

射撃 の 30 分 前 に さし て 眼 筋 の ストレッチ を する と 焦点 速度 が 変わって くる しゃげき||ぶん|ぜん||||がん|すじ||||||しょうてん|そくど||かわって|

どれ どれ

ねえ パパ あの 写真 って |ぱぱ||しゃしん|

JB め 余計 な 真似 を ||よけい||まね|

あの 写真 の 人 が 師匠 の 人 |しゃしん||じん||ししょう||じん

ああ そう だ

あまり 見 られ たく ない 写真 な ん だ が |み||||しゃしん||||

ひどい 顔 し てる だ ろ 俺 |かお|||||おれ

この頃 の 俺 は 何 に 対 し て も 価値 を 見いだせ ず このごろ||おれ||なん||たい||||かち||みいだせ|

死 ん で いる の と 同じ ガキ だった し||||||おなじ|がき|

そんな 俺 を 見兼ね た 麻子 は |おれ||みかね||あさこ|

慣れ ない 子守 を し て みよ う と 思った ん だ ろ う な なれ||こもり|||||||おもった|||||

だが 俺 は 麻子 の おかげ で |おれ||あさこ|||

こうして 立ち直る こと が でき た |たちなおる||||

麻子 は 俺 に 生きる 理由 と いう か 死な ない ため の 言い訳 を 用意 し て くれ た あさこ||おれ||いきる|りゆう||||しな||||いい わけ||ようい||||

もし 麻子 と 出会わ なけ れ ば 俺 は とっくに 死 ん で い た かも しれ ない |あさこ||であわ||||おれ|||し|||||||

命 の 恩人 いのち||おんじん

そう だ な

恩 を 返す 前 に 勝手 に 死に や がった とんでもない 女 だ おん||かえす|ぜん||かって||しに||||おんな|

久しぶり だ な 麻子 ひさしぶり|||あさこ

お前 も な ジョン おまえ|||じょん

紹介 する 俺 の 娘 入 巣 蒔 菜 だ しょうかい||おれ||むすめ|はい|す|ま|な|

マキナ お前 も 何 か 一言 言って やって くれる か |おまえ||なん||いちげん|いって|||

パパ を ぱぱ|

パパ を 育て て くれ て ありがとう ぱぱ||そだて||||

ああ すまない な 幸 |||こう

よろしく 頼む |たのむ

さて と それ じゃ 最後 に ||||さいご|

ただいま 電話 に 出る こと が でき ませ ん |でんわ||でる|||||

JB め 仕事 中 か ||しごと|なか|

ビー と いう 発信 音 の 後 に お 名前 と ご 用件 を お 話 ください |||はっしん|おと||あと|||なまえ|||ようけん|||はなし|

現在 地 山梨 麻子 の 山小屋 げんざい|ち|やまなし|あさこ||やまごや

風見 雄二 入 巣 蒔 菜 両 二 名 状況 に 異常 なし かざみ|ゆうじ|はい|す|ま|な|りょう|ふた|な|じょうきょう||いじょう|

明日 12 : 00 時 に 帰 隊 予定 あした|じ||かえ|たい|よてい

送信 終わり そうしん|おわり

お 休み ジュリア |やすみ|

麻子 思い出し た よ あさこ|おもいだし||

昔 逃げ出 そ う と し た 俺 が ここ で 何 を 考え て い た の か むかし|にげだ||||||おれ||||なん||かんがえ|||||

ただ 星 が キレイ だ なって 思って た ん だ |ほし|||||おもって|||

私 が 来る こと は 事前 に 知らせ て おい た はず でしょ わたくし||くる|||じぜん||しらせ|||||

申し訳 ござい ませ ん もうし わけ|||

後日 屋敷 の 方 へ お 届け さ せ ます ので ごじつ|やしき||かた|||とどけ||||

どうして ちゃん と サイズ を 揃え て おか ない の |||さいず||そろえ||||

サリナ

商売 を する 気 が ない の かしら しょうばい|||き||||

誘拐 事件 が きっかけ で 心 を 病 ん だ 私 の 代わり に ゆうかい|じけん||||こころ||びょう|||わたくし||かわり|

私 を バカ に し て いる の わたくし||ばか|||||

家 督 を 継 い だ 妹 いえ|ただし||つ|||いもうと

妹 と 言って も パパ は 私 の 知ら ない 人 いもうと||いって||ぱぱ||わたくし||しら||じん

そして サリナ も 私 の 存在 を 知ら さ れ て ない |||わたくし||そんざい||しら||||

私 は こっそり 妹 の 様子 を 度々 見 に 行った わたくし|||いもうと||ようす||たびたび|み||おこなった

誘拐 事件 に 遭遇 する その 日 まで ゆうかい|じけん||そうぐう|||ひ|

久しぶり だ ね お 姉ちゃん だ よ ひさしぶり||||ねえちゃん||

マキ ちゃん やっと 眠って くれ まし た まき|||ねむって|||

大丈夫 な の か だいじょうぶ|||

はい みちる 様 と 榊 さん が 交代 で 付き添って い ます ||さま||さかき|||こうたい||つきそって||

風見 くん かざみ|

かわって くれる か

わかった

私 の ポケット マネー で 得 られる 情報 なんて たかが 知れ て いる けれど わたくし||ぽけっと|まねー||とく||じょうほう|||しれ|||

今回 の 事件 狙わ れ た の は 入 巣 さん の 妹 さん よ こんかい||じけん|ねらわ|||||はい|す|||いもうと||

入 巣 さん は 偶然 巻き込ま れ た だけ はい|す|||ぐうぜん|まきこま|||

彼女 の 実家 で 何 か が あった と 見る べき でしょ う ね かのじょ||じっか||なん|||||みる||||

よろしく

まあ いい わかった

俺 は こんなに 安く は ない が おれ|||やすく|||

お前 に 買わ れ て やろ う おまえ||かわ||||

へ へ じゃ ない 今日 から 俺 が お前 の 父親 に なって やろ う きょう||おれ||おまえ||ちちおや||||

この 金 は 俺 が 預かって おく |きむ||おれ||あずかって|

いい か よく 聞け マキナ |||きけ|

引き受け た 以上 は きっちり と 仕事 を しよ う ひきうけ||いじょう||||しごと|||

だが 俺 に は 俺 の やり 方 しか でき ない |おれ|||おれ|||かた|||

それ が お前 の 思い描 い て い た 理想 の 父親 と 必ずしも 重なる と は 言え ない かも しれ ない ||おまえ||おもいえが|||||りそう||ちちおや||かならずしも|かさなる|||いえ||||

それ でも だ

俺 は お前 の 父親 と して たとえ 世界中 を 敵 に 回す こと に なった と して も おれ||おまえ||ちちおや||||せかいじゅう||てき||まわす||||||

必ず お前 を 守って やる かならず|おまえ||まもって|

嫌 な 胸騒ぎ を 感じる いや||むなさわぎ||かんじる

なん だ 何 が 起こって いる ||なん||おこって|

パパ ぱぱ

マキナ

サリナ は

私 の 妹 わたくし||いもうと

入 巣 沙 里 菜 なら 事故 後 すぐに 病院 に 運ば れ た はい|す|いさご|さと|な||じこ|あと||びょういん||はこば||

危うく 一命 を 取り留め た そう だ あやうく|いちめい||とりとめ|||

よかった

安心 しろ あんしん|

だから お前 は すこし 休め |おまえ|||やすめ

ねえ パパ |ぱぱ

何 だ なん|

パパ は 私 を 残し て 死 ん じゃ ったり しな いよ ね ぱぱ||わたくし||のこし||し||||||

大丈夫 だ 俺 は 死な ない だいじょうぶ||おれ||しな|

本当 に ほんとう|

ああ 約束 する |やくそく|

JB 本社 出頭 だ と |ほんしゃ|しゅっとう||

9029 号 参り まし た ごう|まいり||

相変わらず 時間 に は 正確 ね あいかわらず|じかん|||せいかく|

まあ そこ に お 掛け な さ い ||||かけ|||

失礼 し ます しつれい||

キアラ コーヒー を 二 つ お 願い |こーひー||ふた|||ねがい

私 の 分 は デカフェ で わたくし||ぶん|||

はい

あの あなた が 9029

ああ ここ 数 年 は その 屋号 で 仕事 を さ せ て もらって いる が ||すう|とし|||やごう||しごと|||||||

9029 は 何 人 も いる って いう けど 本当 |なん|じん||||||ほんとう

あなた は 何 人 目 ||なん|じん|め

キアラ ご苦労様 退出 し て 結構 よ |ごくろうさま|たいしゅつ|||けっこう|

それ と よかったら あと で 一緒 に 写真 を |||||いっしょ||しゃしん|

キアラ 退出 し なさい |たいしゅつ||

は ー い |-|

じゃあ また あと で ね

ずいぶん と 尻 の で かい 秘書 だ な ||しり||||ひしょ||

あなた それ セクハラ よ ||せくはら|

セクハラ と いう 言葉 で 男 を 追い込む の は パワハラ だ せくはら|||ことば||おとこ||おいこむ||||

口 の 減ら ない 子 ね くち||へら||こ|

で 今回 は |こんかい|

また か

なあ JB 今 の 俺 に 人 は 殺せ ない ||いま||おれ||じん||ころせ|

知って る だ ろ う しって||||

勿論 知って いる わ もちろん|しって||

それ が 原因 で あなた が 予備 役 に なった こと も 理解 し て い ます ||げんいん||||よび|やく|||||りかい||||

落ち着 い て 暗殺 対象 者 の 名前 を 見 て み なさい おちつ|||あんさつ|たいしょう|もの||なまえ||み|||

おい これ は 一体 |||いったい

見 て の 通り み|||とおり

あなた と 同じ 学園 に 通う クラスメート ||おなじ|がくえん||かよう|

入 巣 蒔 菜 が 今回 の 標的 はい|す|ま|な||こんかい||ひょうてき

パパ ぱぱ