episode 11「 バレ た !! 同居 解消 」
( 菜緒 ( なお )) お 父さん お 母さん
( 美紀子 ) 菜緒 お かえり ( 和典 ) 元気 そうだ な
ど … どうした の ?
結婚 式 の お呼ばれ で ね
菜緒 の 顔 が 見 たかった んだ
しっかり 食べて ん の か ?
少し 痩せた んじゃ ない の か ?
( 菜緒 ) いや … 全然 大丈夫
来る なら 来る って
ちゃんと 知らせて くれ ない と
びっくり さ せよう って お 父さん が ね
そんな サプライズ いら ない よ
( 和典 ) 何 言って んだ
急に 来 られて マズ い こと で も ある の か ?
あっ いや … 全然 そんな こと ない よ
そちら の 方 は ?
( 菜緒 ) あ … あの 学校 の …
ハッ !
もし かして …
担任 の 先生 ? ( 上原 ( うえ はら )) え ?
おい どう 見て も 制服 だ ろ
あっ や だ 冗談 よ 随分 大人っぽい から
( 菜緒 ) あっ あの … 同じ 学校 の 上原 久志 ( ひさし ) 君
たまたま 同じ マンション 住んで て … ね ?
あっ はい どうも 初め まして 上原 です
まあ きれいな 所 じゃ ない ねえ ?
あっ この 部屋 ね
( 菜緒 ) あっ やっぱり 部屋 散らかって る から
ま たって こと で …
あっ そう だ ! 上原 君 の バイト の 喫茶 店
駅前 に ある から みんな で そこ 行か ない ?
何 言って ん の
そんな こと だろう と 思って エプロン 持ってきた から
早い とこ 掃除 して 寝る 場所 確保 し ない と
( 和典 ) ああ ( 菜緒 ) え ?
それ って 泊まる つもり ?
当たり前だ ろ
いや いや 無理 無理 無理 …
何 言って んだ
親 が 娘 の 部屋 泊まって 何 が 悪い
いや 悪く は ない けど 部屋 狭い から さ …
( 美紀子 ) えっ 広い って 言って なかった ?
あっ お 布団 ない じゃ ん お 布団 ね ?
大丈夫
今日 着く ように
ちゃんと お 布団 レンタル し といた から
今 は 便利 ねえ インターネット で ピッ だ もん ね
( 菜緒 ) ちょっと ちょっと 待って て
部屋 片付ける から
( 美紀子 ) 菜緒 散らかって て も 気 に し ない わ よ
( 菜緒 ) ちょっと 待って って ば 私 が 気 に する の !
( 菜緒 ) あっ
ダ … ダメだ
ダメ か
( 美紀子 ) あ ~ ステキな 部屋 ね
広 さ も 十分じゃ ない !
これ で 狭い なんて この 罰 当たり が
あっ 上原 君 も どうぞ どうぞ ( 上原 ) あっ お邪魔 し ます
( 和典 ) あー 山 が 見え ない と 何 か 落ち着か ん な
( 美紀子 ) 都会 の 暮らし 忘れちゃ った わ ね
( 和典 ) 本当だ な
( 和典 ) おい 菜緒
この 部屋 の 家賃 が 8万 って いわくつき な んじゃ ない の か ?
( 菜緒 ) 私 も 最初 は そう 思った んだ けど
8万 に は いろいろ 訳 が あって
( 和典 ) 訳 ?
( 菜緒 ) あっ いや …
あっ 大家 さん が す っ ごく いい 方 な んです
あら ぜひ ご挨拶 し たい わ
ま … また 今度 ね
菜緒 の 部屋 そこ か ?
( 菜緒 ) え ? ( 美紀子 ) あっ
あ ~ ら
あら きれいに して る じゃ ない
そう かな ?
( 美紀子 ) まあ ちゃん と 勉強 も して いる みたいだ し
まあ ね
こっち は 何 だ ?
( 菜緒 ) あっ ち ょっ …
ここ は う う …
( 和典 ) あ ? う う ?
( 菜緒 ) う ~ ( 和典 ) う ~?
( 上原 ) ウォークインクローゼット !
あら 収納 も 多い の ね
タンス が 歩く の か ?
( 菜緒 ) 物置 みたいな もん だ よ
散らかって る から 絶対 開け ないで よ !
( 美紀子 ) は いはい ( 和典 ) 見る ぐらい 構わ んだろう
( 菜緒 ) お 父さん ここ は 私 の 家 な んだ から ね
( 和典 ) 分かった よ
( 美紀子 ) どうした の ?
( 上原 ) あっ あの … 脳 の トレーニング を
( 美紀子 ) へ えー ( 和典 ) ん ?
( 上原 ) あっ ! ( 菜緒 ) え ? えっ
ちょっと … ちょっと どうした の ?
( 上原 ) ちょっと 立ち くらみ が ( 菜緒 ) えっ 大丈夫 ?
紙 紙 … ( 菜緒 ) 髪 ?
下 !
ハッ !
( 美紀子 ) 大丈夫 ?
( 上原 ) いえ … もう 全然 何でも あり ませ ん
( 美紀子 ) なら いい けど
( 和典 ) まだ 若い の に 立ち くらみ なんて 情けない
( 上原 ) おっしゃる とおり で ( 菜緒 ) ハハハ …
( 和典 ) 男 ?
( 菜緒 ) あっ ( 和典 ) 菜緒 何 だ これ
( 菜緒 ) いや いや …
あ ~ お前 の 友達 が 最近 ハマ って る と か 言って たよ な
お前 ?
いや あの …
吉川 ( よし かわ ) さん の お 友達 の 方 …
( お腹 の 下る 音 )
ちょっと トイレ 借りる ぞ
あっ あっ … あっ
ああ ~ こっち は 風呂 か
うち と 同じ 間取り だ トイレ は こちら です よ
( 和典 ) あ ~ あちゃ ちゃちゃ …
う ~ ちゃちゃ ちゃ うわ ~ ちょ ちょ ちょ …
( 菜緒 ) あ …
あっ
ハァ …
( 菜緒 ) は ~ い お 待た せ
はい 上原 君 どうぞ ( 上原 ) すいません
こんな イケメン 君 が いる んだったら
お土産 でも 買って くれば よかった わ
お土産 代わり と 言って は な んだ けど
お 母さん の 特製 コロッケ
もう 荷物 に なる から よせ って 言った んだ けど な
お前 に 食わせ たい から って わざわざ 3 時 に 起きて さ
( 美紀子 ) ここ で 作って も よかった んだ けど ね
そんな 時間 も 道具 も ある か 分から なかった し
うま そうだ ろ
俺 は これ を 食べて 結婚 を 決めた んだ
え ? ( 菜緒 ) また その 話
お 父さん いつも コロッケ 出る たび 言って る よ ね
( 美紀子 ) 他 に もっと 手 の 込んだ 料理 も 作った でしょ
いや コロッケ で 胃袋 を つかまれた んだ
どこ の コロッケ より も うまい ぞ
うち で とれた じゃがいも を 使って る から さらに だ
( 美紀子 ) はい どうぞ
いえ いただけ ませ ん
遠慮 し ないで また 作る から
ちゃんと 自炊 して る みたいで 道具 も 揃って そうだ し …
お 母さん 私 も 作り 方 教えて !
あら 好きな 男の子 でも できた の ?
そんな こと ある わけない だろう なあ 菜緒 ?
( 菜緒 ) え … うん
どうしても この 味 でき なくて さ
だって そりゃ あ お 母さん の 企業 秘密だ もん
( 菜緒 ) え ~
上原 君 は その … 菜緒 と は 級友 な の か ?
級友 って …
クラス は 違い ます が
( 和典 ) マンション に は ご 家族 と ?
いや 家族 と は 別に 暮らして い ます
上原 君 も 一 人 暮らし な の
( 和典 ) おう そう か
君 は ここ に は よく
遊び に 来る の か ?
初めて です
あ … そう
上原 君 バイト すごい 忙しくて ほとんど 家 に 帰れ ない んだ よ
朝 早くて 夜 も 遅い から
帰ったら 寝る って 感じ なんだ よ ね
詳しい な
あっ いや …
バイト 帰り が たまに 一緒な んだ よ
( 美紀子 ) そう いえば
菜緒 も ラーメン 屋 さん で バイト して ん の よ ね
見て みた いわ 菜緒 の バイト 姿
( 上原 ) フッ ( 和典 ) ん ?
( せき込み )
( 上原 ) いや あの 別に …
笑える ぐらい おいしい ラーメン な んだ よ ね !
( 和典 ) 君 は 朝 も 夜 も バイト して
学業 は 大丈夫な の か ?
( 菜緒 ) 上原 君 は 学年 トップ だ よ ( 和典 ) え ?
えー すごい !
菜緒 上原 君 に 家庭 教師 して もらったら ?
( 菜緒 ) えー ( 和典 ) あっ ち !
( 美紀子 ) や だ や だ や だ ( 和典 ) ダメだ そんな !
( せき込み )
( 菜緒 ) 大丈夫 ? お 父さん ( 和典 ) ああ すま ん すま ん
( 上原 ) あの じゃあ 僕 そろそろ バイト なんで
あっ そう だ よ ね
ちょっと 待ち なさい
( 和典 ) 君 ここ に 来た の は 初めて って 言った よ な ?
え ?
なぜ これ が ティッシュ だ と 分かった ?
どう 見て も これ は ぬいぐるみ だろう !
あ …
実は たまに 勉強 教えて もらったり
ご飯 食べたり して て …
すいません でした
( 和典 ) は ? ( 菜緒 ) え ?
ちょっと … 上原 君 ?
菜緒 さん と お付き合い して い ます
あっ な ~ んだ 菜緒 先 に 言って よ
だって つい 最近 の こと だ し …
びっくり した
( 和典 ) びっくり した の は こっち だ よ
何 だ よ それ なら そう と …
すいません ( 美紀子 ) 謝ら なく も いい の よ
菜緒 に 彼 氏 が できて うれしい わ
さっ 上原 君 バイト いって らっしゃい
( 上原 ) あの でも まだ 話 が …
お 父さん 今 混乱 して る から 行く わ よ
( 和典 ) 落ち着け
ピョン ピョン ピョン …
( 和典 ) 待ち なさい
説明 し なさい
すいません でした
私 たち 不動産 屋 さん に 二 重 契約 の 詐欺 に 遭って て
偶然 同じ 日 に ここ 引っ越して きた の
( 美紀子 ) 詐欺 って
そんな 大事な こと どうして 黙って た の ?
だって 余計な 心配 かけ たく なかった し
( 美紀子 ) 余計 って ( 和典 ) 理由 は どう あれ
親 に 内緒 で 高校 生 が 一緒に 住む など
俺 は 絶対 に 許さ ない ぞ
菜緒 は 田舎 に 連れて 帰る
後 の こと は それ から 考える
お 父さん
( 和典 ) だ から 俺 は 最初 っ から 一 人 暮らし なんか 反対だった んだ !
そんな 今さら …
そもそも お前 が 賛成 する から こんな こと に
何 よ 私 が 悪い って 言う の ?
お 父さん だって 家事 も 何にも でき なかったら
将来 苦労 する だろう から
一 人 暮らし の 経験 は 必要 だって 言って た じゃ ない
俺 は 一 人 暮らし と 言った んだ 同棲 じゃ ない !
( 美紀子 ) あら どうして 私 が 怒ら れて る の ?
母さん は 昔 から 菜緒 に 甘 すぎる !
あら お 父さん から それ 聞き たく ない わ ね
何 だ
( 美紀子 ) 自分 だって 昔 から 菜緒 に 甘かった じゃ ない
私 に 内緒 で お 小遣い あげたり
お 菓子 は 欲しい だけ 食べ させて
おかげ で 菜緒 は 昔 っ から もう 虫歯 だらけ
( 和典 ) 何の 話して んだ ! ( 菜緒 ) ちょっと やめて よ
( 上原 ) 僕 が 出て 行き ます
( 菜緒 ) え ? 上原 君
とりあえず 実家 に 戻り ます
申し訳 あり ませ ん でした
( 和典 ) どういう こと だ ?
だから さっき 話した とおり だ よ
何 だ その 口 の 利き 方 は ( 菜緒 ) だって お 父さん
私 が 何 言って も 信じて くん ない じゃ ん
何 言って んだ
父さん は 菜緒 を 信頼 して いた から こそ だ な !
それ を 何 だ あんな ヤサ 男 と 同棲 と は
同棲 じゃ なくて 同居 ( 和典 ) 同じ こと だ
違う よ
家賃 の 15万 払え ない から 仕方なく でしょ
仕方なく ?
お前 だまさ れて んだ よ さっさと 目 覚ませ !
上原 君 は そんな 人 じゃ ない
顔 の いい 奴 は 昔 から
根性 が 悪い って 相場 が 決まって んだ よ
何 それ それ って ただ の コンプレックス じゃ ん
( 和典 ) コ … 何 言って んだ
父さん これ でも 昔 は そこそこ イケ て たん だ ぞ !
( 美紀子 ) プッ ( 菜緒 ) そんな 話 どうでも いい
話 ずれて る し
とにかく 絶対 に 認め ん ぞ
それ でも ここ に 住み 続ける なら
親子 の 縁 を 切る !
( 美紀子 ) お 父さん
( 和典 ) それ でも 一緒に いたい んだったら
もう 勝手に しろ !
( 菜緒 ) お 父さん の バカ !
( 阿部 ) 上原 !
ゲ … おう 何 だ よ
俺 また フラ れ ちった よ ~ また …
( 阿部 ) ヤバ い じゃ ん
それ フラ れた 俺 より ヤバ い じゃ ん
( 上原 ) 相当な
( 阿部 ) キツ いよ なあ 彼女 の 親 なんて
フツーモード で 会って も 絶対 キツ い のに さ …
( 上原 ) や っぱ そういう もん ?
( 阿部 ) うーん 経験 ない ( 上原 ) フッ だ よ な
( 阿部 ) でも うち の 母親 なんて
俺 に 好きな 奴 できた って だけ で もう 大騒ぎ だ よ
( 上原 ) フッ …
( 阿部 ) あ … ごめん ( 上原 ) 何 だ よ
でも さ マジ で どう す ん の ?
バイト 先 の 2 階 が 空いて る から
とりあえず 引っ越し 先 の あて は ある
大丈夫な の か ?
まあ 吉川 は 相当 テンパ って た
( 阿部 ) いや 上原 だ よ ( 上原 ) え ?
( 阿部 ) 吉川 と 離れちゃ って
でも もし 吉川 が フリーに なったら
俺 もう 1 回 吉川 に 告 っちゃ お っか な
( 上原 ) う ~ ( 阿部 ) イッテ !
今 の マジ で 痛い って 上原
おい !
痛 え … 痛かった よ
( まり な ) うわ あ ついに で 親 は 何て ?
( 菜緒 ) お 父さん 大 激怒 それ に 田舎 連れて 帰る って
( まり な ) そ っか …
え ? 転校 する って こと ? そんな の イヤだ !
( 菜緒 ) 私 だって イヤだ よ
でも そう じゃ なきゃ 親子 の 縁 切る って
( まり な ) うわ あ 強烈 …
おばさん は ?
( 菜緒 ) お 母さん 何 か 冷静な の 逆に 怖い ぐらい
( まり な ) そうだ よ ねえ
娘 の 同居 知って 平気な 親 は い ない よ
( 菜緒 ) うーん もう どう しよう
( まり な ) ん ー とりあえず どっち か が 引っ越す と か ?
根本 的な 解決 に は なら ない けど
上原 君 は ? 今 は どうして ん の ?
とりあえず 実家
そ っか
( 菜緒 ) あ ~ あ
家 でも 会え なく なって 学校 も 休み だ し
寂しい ね
それ が ずっと 続く って こと でしょ
でも 菜緒 たち が 特別な んだ よ
私 だって 学校 が 休み だったら
みっ ちゃん と 会う の なんて 3 日 に 1 回 と か だし
今 まで が 贅沢 すぎた の か な
うん
( スマホ の 着信 音 )
大家 さん だ
出て み
もしもし ?
( 徹 平 ) 菜緒 ちゃん よく 頑張って くれて ます よ
もう すっかり うち の 看板 娘 です よ
そんな …
いつも うち で は 部屋 中 散らかし 放題 で
たまに 料理 を 手伝ったり して も
お 皿 は 割る わ 指 は 切る わ で
( 一星 ( いっせい )) 最初 は うち も かなり 割ら れ ました ね
でも 最近 じゃ 割る の も 1 日 1 枚 まで 減り ました よ
( 美紀子 ) えっ
うち の 嫁 に 欲しい ぐらい です よ
( 一星 ) 親父 ! ( 徹 平 ) いや
それ ぐらい いい 子 だって 話 で
本当 まっすぐ で 真面目で 働き もん で
あー それ を 聞いて 安心 し ました
( 一星 ) お 父さん 替え玉 いき ます か ?
かえだま ?
お代わり よ ここ に 麺 を 入れて もらう の よ ね ?
( 一星 ) はい
替え玉 … いただこう
替え玉 一 丁 ! ( 徹 平 ) へい !
( 美紀子 ) 菜緒 いい 顔 して る
( 一星 ) 吉川 の 友達 みんな うち の 常連 に なって くれて
ありがたい です ( 美紀子 ) ああ ~
( 菜緒 ) お 父さん ! ( 和典 ) 何 だ ?
( 菜緒 ) どうして 大家 さん に この 部屋 解約 する なんて
勝手な こと 言った の ?
ここ は 私 だけ の 家 じゃ ない んだ よ !
菜緒 が 出て 行く と 伝えた だけ だ
あいつ が ここ に 住む なら そう すれば いい
上原 君 に は いろいろ 事情 が ある の
( 和典 ) そんな こと 知ら ん
じゃあ 上原 君 が どう なって も いい って こと ?
うち に は 関係 の ない こと だ
ひどい
菜緒
お 父さん なんて 大嫌い !
( 美紀子 ) 菜緒 どこ に 行く つもり ? ( 菜緒 ) どこ でも いい でしょ
私 お 父さん と 一緒に 実家 帰る 気 ない から
( 美紀子 ) 菜緒 !
お 父さん !
( 和典 ) 知ら ん 勝手に しろ
( 美紀子 ) お 父さん
吉川
( 菜緒 ) 上原 君
何 して んだ よ
( 菜緒 ) 家出 して きた ( 上原 ) は ?
ちょっと … お前 何 考えて んだ よ
( 菜緒 ) だって お 父さん
マンション 解約 して 私 を 田舎 に 連れて 帰る って
そんな の 絶対 イヤ !
吉川
私 も お 兄さん の とこ 泊めて
お 父さん の 顔 なんて 見 たく ない
同居 続ける なら 親子 の 縁 切る と か 言って
そんな の こっち から 切って あげる よ
あんな 分からず屋 !
マンション まで 送る
( 菜緒 ) え ? ( 上原 ) 帰れ
上原 君 は 私 が 田舎 に 帰って も 平気な の ?
上原 君 は 寂しく ない んだ
私 に 会え なくて も いい んだ
何で 何にも 言って くん ない の ?
ずっと 一緒に いたい って 思って ん の は 私 だけ ?
吉川
俺 は 吉川 に 家出 なんか して ほしく ない
とにかく 帰って お 父さん に 謝れ
( 菜緒 ) や だ ( 上原 ) 吉川 !
親 と 縁 切る なんて 軽々しく 言う な よ
これ から の こと は 俺 も ちゃんと 考える から
な っ
( 明 ) いらっしゃい ませ
1 人 な んです けど … ( 明 ) どうぞ お 好きな 席 に
( なな こ ) ただいま ( 明 ) お かえり
あれ ? ねえ ねえ 久志 君 は ?
( 明 ) ん ? そうい や まだ だ な
( なな こ ) 何 だ
あっ いらっしゃい ませ
お 待た せ し ました どうぞ
あの … 久志 君 って 上原 久志 君
ええ あっ お 知り合い です か ?
あっ ええ …
もし かして ご 親戚 か 何 か で ?
あ … ええ … まあ …
そう です か どう も これ は これ は
初め まして 草薙 ( くさ なぎ ) と 申し ます
いや あ 彼 は ね よく 働いて くれて ます よ
彼 の こと は ね 僕 も 心配で
親 代わり み たい に 接して あげたら な って 思って る んです よ ね
親 代わり ?
( 明 ) ああ すいません 差し出がましい です よ ね
ご 親戚 の 方 が 近く に いる なんて 聞いて なかった もん です から
ああ …
( 明 ) すいません
ご 両親 を 幼い 時 に 亡くして
天 涯 孤独に なった って 聞いて から
何 か して やれる こと は ない か なって 思って んです けど ね
ああ もちろん お 兄 様 は いらっしゃい ます けど
ねえ もう ご 自分 の 家庭 が あり ます から
もう すぐ 海外 に 転勤 に なる と か ?
でも なかなか できる こと じゃ ないで す よ ね
自分 で 稼いで 生活 して おまけに 成績 優秀で
真面目で 頑張り 屋 で
行く ぞ
( スマホ の バイブ 音 )
店 から だ
上原 君 バイト 行って
大丈夫 私 ちゃん と 帰る から
大丈夫 ! ありがとう
や っぱ 無理 …
( 美紀子 ) 菜緒
お 母さん
お かえり 菜緒
家出 した んじゃ なかった の か ?
上原 君 が 帰れ って 言った から
でも 私 田舎 帰る つもりな いから
高校 も ちゃんと 卒業 し たい し
友達 も 離れ たく ない から
お 父さん
私 も 菜緒 を 無理やり 田舎 に 連れて 帰る こと に は 反対
お 母さん
黙って 同居 を して いた の は 許さ れる こと じゃ ない けど
上原 君 に も 菜緒 に も 事情 が あって の こと だ と 思う の
事情 ?
上原 君 ね 小さい 頃 に ご 両親 を 亡くさ れて
お 兄さん と 2 人 家族 なんで すって
どうして それ …
先 に 言って よ
本当に 困って
2 人 で 悩んで 始めた 同居 な んでしょ ?
お 父さん 私 から も お 願い
いきなり この うち を 出て 行か せる なんて いう
乱暴な こと は し ないで ほしい の
( 和典 ) ハァ …
もう 少し
時間 を かけて 解決 して も いい んじゃ ない か なって 思って
お 母さん
( 美紀子 ) 私 は 菜緒 を 信じよう と 思う
それ に お 父さん は
菜緒 に 彼 氏 が できた こと が 面白く ない だけ な んでしょ ?
菜緒 男 親 なんて ね
娘 が 連れて きた 男 に は ケチ を つける もん な の
それ が イケメン なら なおさら
何 だ よ 女 同士 すぐ グル に なって
母さん は うまく 丸め込んだ かも しれ ない けど な
俺 は そう は いか ない から な
別に 丸め込んで なんか ない もん
そう よ すぐに そう やって ひがんで
あー 気分 悪い
どこ 行く の ? もう ご飯 よ
( 和典 ) いら ん ! ( 菜緒 ) お 父さん
店長 ( 明 ) ん ?
すいません
今日 は これ で 上がら せて もらって も いい です か ?
お ー どうした ?
話さ なきゃ なら ない 人 が い まして
ああ ん … あー
( 戸 が 開く 音 )
いらっしゃい …
あ …
今 から お 話し に 伺おう と 思って い ました
“ 腹 が 減って は 戦 が でき ぬ ” か
はい
正直な 奴 だ な
すいません
( 菜緒 ) ん ?
また コロッケ ?
お 父さん の 機嫌 とる に は これ が 一 番 いい の
それ に 吉川 家 特製 コロッケ の 作り 方 覚え たい んでしょ
( 菜緒 ) うん ! ( 美紀子 ) うん !
( 菜緒 ) よい しょ お っ うわ っ あ ち っ !
や だ や だ ほら ふきん 使って はい
やけど する よ は ー い ( 菜緒 ) ありがとう
上原 君 の 苦労 は お 父さん が 一 番 よく 分かって る と 思う
私 は 大学 進学 を 親父 に 猛 反対 さ れて な
だが どうしても 東京 の 大学 に 行き たくて
田舎 飛び出した
学生 時代 は 学費 やら 何やら 全部 自分 で 稼いで た
昔 は それ が 普通だった
だけど まあ 今どき の 学生 に して は …
あっ 僕 は まだ
あっ そう か まだ 高校 生 だった な
一応
ほ い ( 菜緒 ) え ?
吉川 家 特製 コロッケ は
ここ で 少し 生 クリーム を 入れる
へえ ー フワフワ に なる 秘密 それ だった んだ
あ ~
ついに 話して しまった お 母さん の 企業 秘密
お 母さん ( 美紀子 ) ん ?
ごめん ね
詐欺 に 遭った こと
菜緒 は 余計な 心配 かけ たく ない って 言った けど
余計な 心配 し たい の よ 親 は
寂しい じゃ ない 菜緒 が 心配 かけて くれ ない と
お 母さん
菜緒 は 上原 君 と ここ で やっていき たい の よ ね ?
うん
分かった
1 つ だけ 約束 して
( 菜緒 ) え ?
もう これ から は ウソ つか ない って
お 母さん も これ から は ちゃんと 菜緒 の 話 を 聞く
一緒に 悩んで 考える
だから 大事な こと は ちゃんと 話して
うん
( 美紀子 ) うん
さあ じゃ これ を 形 に して くださ ~ い
( 菜緒 ) あっ は ~ い
( 上原 ) すいません でした
( 和典 ) 謝る ため に 俺 に 会い に ?
同居 を 認めて ください
ダメだ と 言ったら ?
いずれ に して も
女子 寮 が 空けば 同居 は 解消 です し
高校 を 卒業 したら お互い の 環境 も 変わり ます
でも …
たとえ 一緒に 暮らせ なくて も
吉川 と は …
ずっと 一緒に いたい と 思って ます
大事に し たい と 思って ます
大事に する と いう 意味 が 分かって ん の か
はい
心配 を お かけ する ような こと は 絶対 に し ませ ん
当たり前だ ろ
( 和典 ) ここ 替え玉 2 つ !
え … ( 一星 ) あい よ
替え玉 2 丁 ! ( 徹 平 ) あい よ 替え玉 2 丁 !
お代わり の 麺 を ここ に 入れて もらう んだ
替え玉 って 言う んだ よ ハハッ 知ら なかった の か
( 美紀子 ) これ かわいい な お 母さん これ 好き
( 菜緒 ) 私 も 好き
( ドア が 開く 音 )
( 菜緒 ) ん ?
( 菜緒 ) えっ ちょっと 上原 君 お 父さん ! 何で ?
一番星 で 偶然
( 美紀子 ) もう お 父さん ったら ごめんなさい ね
ちょっと お 父さん ! ( 和典 ) おう これ うまい ぞ
一番星 の 餃子 だ !
熱い うち 食え ! ( 美紀子 ) え ~ や だ
コロッケ 作って た のに
コロッケ ? なら 俺 コロッケ 食う !
( 菜緒 ) ちょ っ … 酔っ払い
( 美紀子 ・ 菜緒 ) ああ ~
( 上原 ) 吉川 布団 ( 菜緒 ) うん
( 上原 ) 大丈夫です か ? ( 和典 ) 大丈夫だ よ
俺 は さ この コロッケ を 食べて
母さん と 結婚 を 決めた んだ
( 美紀子 ) もう そんな 古い 話
( いびき )
ごめんなさい ね
いえ
じゃあ 帰り ます
あっ 上原 君 の お うち は ここ でしょ ?
( 菜緒 ) え ?
何 が あった の か 知ら ない けど
きっと 許して くれた んでしょ ? お 父さん 同居 の こと
( 菜緒 ) へ ?
はい
女子 寮 に 空き が 出る まで って 条件 で
本当 ?
( 上原 ) うん
お 母さん どうして ?
人前 で 酔ったり し ない 人 な の
だから すぐに 分かった
飲ま ず に い られ ない ような 決断 した んだ って
( いびき )
( 美紀子 ) 上原 君
菜緒 の こと よろしく お 願い し ます
はい
( ノック )
( 菜緒 ) ちょっと いい ?
上原 君 目覚まし時計 1 つ 借りて も いい ?
大丈夫 ?
( 上原 ) あー 疲れた
たぶん 3 年 くらい 寿命 縮まった わ
そう だ よ ね
疲れた よ ね
そりゃ そうだ
( 上原 ) でも よかった
( 菜緒 ) ん ?
( 上原 ) 吉川 の 両親 と 話せて
お 父さん に ラーメン も おごって もらえた し
よかった
うん
お かえり
上原 君
( 和典 ) あれ ぐらい で 酔い潰れる と は
俺 も 年 取った な
( 美紀子 ) 菜緒 が 大きく なる わけ よ ね
何にも でき ない 子 だった のに
ご飯 作って バイト して
あの 子 一生懸命 やって る
信じ ましょう 菜緒 を
東京 へ 出て きて よかった
寿命 が 3 年 縮んだ けど な
( 美紀子 ) でも 菜緒 が みんな に 愛さ れて る こと が 分かって
本当に よかった
( 和典 ) ああ
( 美紀子 ) 大丈夫 よ
( 美紀子 ) 大丈夫
( 和典 ) 寝る ぞ ( 美紀子 ) は いはい
( 上原 ) ん ー うまい な
おいしい
えっ ちょっと それ 私 の
名前 書いて ん の か よ
だって 上原 君 何 個 目 ?
2 個 目 ?
いや 絶対 ウソ でしょ
分かった よ じゃあ 半分 やる よ ほら
半分 じゃ なくて これ 私 のだ から
( 上原 ) ん ー
( 菜緒 ) ほら キャベツ 食べ な よ
( 上原 ) ちょ っ … おい ! おい ちょっと これ もらう ぞ
( 菜緒 ) あー !
お前 何 回 同じ とこ 拭いて んだ よ
( 菜緒 ) あ … ごめん ごめん
何 浮か れて んだ よ
だって ずっと 引っかかって たから
親 に 秘密に して る こと
でも これ から は
私 たち 正々堂々 だ なって
はい はい ごちそうさま
( 徹 平 ) 菜緒 ちゃん そろそろ 上がり だ よ
( 菜緒 ) は ー い
あっ ねえ いっちゃ ん ( 一星 ) ん ?
私 ここ で ちょっと 待って て も いい ?
上原 君 が バイト 帰り に 迎え に 来て くれる って 約束 だ から
( 一星 ) どうぞ
( 菜緒 ) ありがとう
( 戸 が 開く 音 )
( 一星 ) いらっしゃい
あっ 毎度 どうも
( ゆかり ) 一星 さん ( 一星 ) はい
私 やっぱり 諦め切れ ない
( 一星 ) いや あの …
前 も 言った けど 俺 …
好きです
私 と 付き合って ください !
悪い けど 俺 君 と は 付き合え ない んだ
どうして です か ?
一星 さん 今 フリーな んです よ ね ?
ラーメン 一筋 で 好きな 人 も い ない って
誰 が そんな こと ?
親父
( ゆかり ) どうせ 私 みたいな タイプ
一星 さん に は 釣り合い ませ ん もん ね
あ … いや そういう わけ じゃ なくて です ね
( 一星 ) どうし よっ か な …
( 菜緒 ) いや ち ょっ …
こいつ 俺 の 彼女
だから ごめん 君 と は 付き合え ない んだ
うわ っ
( 鍋 を 落とす 音 ) あ ち っ !
鍋 直接 触っちゃ った
♪~