episode 10「 明日 も グッドモーニング ・ コール 」
( ベル の 音 )
( 菜緒 ( なお )) ハァ …
( 上原 ( うえ はら )) イテッ
( 上原 ) あっ
いただき ます
別れよ っか
え ?
別れよう 上原 君
おはよう 上原 君
( 上原 ) おう
じゃあ ね
( 阿部 ( あ べ )) 別れた ?
( 上原 ) ああ
それ って つまり 吉川 ( よし かわ ) 夏目 ( なつ め ) の ヤツ に ?
さあ
さあ って お前 …
元 は と いえば お前 が 吉川 に 距離 置こう なんて 言う から だ ろ
変わって くんだ よ
( 阿部 ) は ?
環境 と か 付き合い 方 と か
周り が 変われば 人 の 気持ち なんか 変わって くんだ よ
( 阿部 ) 吉川 が 変わる わけ ねえ だ ろ
あいつ は な 24 時間 100% 上原 ラブ な の
女 って の は わざと 爆弾 落として ―
男 の 気持ち を 揺さぶる こと が あんだ よ
多分
なあ 上原
うる せ え !
( 上原 ) 悪い
( 太田 ( おお た )) えっ すごい これ 菜緒 ちゃん の 手作り ?
( 菜緒 ) 節約 の ため に も これ から は お 弁当 作ろう と 思って さ
( まり な ) い っつ も 寝坊 する くせ に どういう 風 の 吹き 回し ?
( 太田 ) って か 菜緒 ちゃん 服 の 趣味 変わった ?
( まり な ) あっ しか も 大人っぽい ネイル して る し
( 菜緒 ) フフフ …
さては
菜緒 ちゃん 上原 君 と 距離 置く 問題 解決 した んだ
もう 本当 人騒がせな んだ から
( まり な ・ 太田 ) ねえ
別れた よ
( まり な ・ 太田 ) え ?
別れた って どういう こと ?
私 ずーっと 思って た こと が あって
だから 1 回 リセット する こと に した の
え ? ちょ … はしょり すぎ はしょり すぎ
ちゃんと 説明 して
私 同居 って いう 恵まれた 環境 が なかったら
上原 君 と 付き合って もらえて なかった かも しれ ない じゃ ん ?
( まり な ) 菜緒 いつまで そんな こと 言って ん の ?
そう いつまでも 一緒な の
私 ずっと 分かって た
1 人 で 不安に なって 空回り して
ゆり りん の 時 と 何も 変わって ない なって
結局 自分 の 問題 な んだ よ ね
( 太田 ) 菜緒 ちゃん に 自信 が ない から ?
( 菜緒 ) うん
上原 君 に 距離 置こう って 言わ れた 時 も
もう フラ れちゃ うんじゃ ない か って ―
どう しよう も なく 不安に なっちゃ って
そ したら 昨日 上原 君 と 久々に 話す 機会 が あって さ
気まずかった んだ
う うん
かっこよかった 上原 君
( 太田 ) え ?
何 か 紗栄 子 ( さえ こ ) さん と 難しい 研究 成功 した と か で
す っ ごい 大人 に 見えて
何 か 遠く に 行っちゃ った 気 が して さ
で 思った の
やっぱり 私 は 上原 君 に は ふさわしく ない んだ なって
( まり な ) 菜緒 …
だから
これ から は 彼 氏 じゃ なくて 単なる ご 近所 さん
菜緒 ちゃん 本当に それ で いい の ?
うん
で …
一 から 好きに なって もらう んだ
( まり な ・ 太田 ) は ?
フフフッ
あっ
私 自分 に 自信 持てる ように 頑張る
で 幸運 と か 環境 と か 抜きで
上原 君 に 一 から 好きに なって もらう
( 太田 ) ちょ ちょ … ちょっと 私 ついて け ない んだ けど
( まり な ) うん 私 も 予測 不能 すぎて
うん … おいしい
♪~
~♪
( 菜緒 ) 一緒に 成長 しよう ね
あっ あっ あっ
どう し よう どうし …
( 菜緒 ) ブリリアン ブリ … ブリリアント
ト … トレ トレジャー
( 男性 ) どこ 見て んだ バカ 野郎
( 菜緒 ) トレ … トレ …
( 自転車 の ベル の 音 )
あっ
( イヤホン : 女性 ) brilliant
brilliant
treasure
treasure
( 夏目 ) 自分 に 自信 ねえ
うん
それ が ない かぎり 結局 うまく いか ない 気 が して
夏目 君
やっぱり 私 夏目 君 の 気持ち に は 応え られ ない
ごめんなさい
俺 は 今 の まま の 菜緒 ちゃん が 好きだ よ
言った でしょ
好きな 人 より
好きに なって くれる 人 と 一緒に いた ほう が 楽だ よって
そんな 顔 し ない
俺 が そういう 気持ち だって 知 っと いて ほしい だけ
夏目 君
私 ずっと 気 に なって た こと が ある んだ けど
上原 君 と 最近 全然 話して ない よ ね
菜緒 ちゃん が 心配 する こと じゃ ない よ
所詮 お互い 一 匹 オオカミ だ し
元 に 戻った だけ
紗栄 子 さん
( 紗栄 子 ) あっ 告白 の 件 だ けど あの 私 返事 求めて ない から
( 上原 ) でも … ( 紗栄 子 ) この 私 を 振る と か
そういう の やめて よね フフフ …
( カップ が 割れる 音 )
( 紗栄 子 ) ごめん ごめん …
やっちゃ …
えっ と いや 大体 さ 分かって る よ あの …
上原 君 は 吉川 さん の こと で 頭 いっぱい な んでしょ
大学 でも 家 でも 顔 を 合わせる ようじゃ ねえ
忘れ たくて も 忘れ られ ない だろう し
あー や だ や だ 恋愛 に 振り回さ れる 男 なんて
( ドア が 開く 音 )
( ドア が 閉まる 音 )
( 菜緒 ) あっ あと … あと ちょっと
( せき込み )
あと あとち ょっ …
ゴール
ハァ ハァ ハァ …
( 千 崎 ( せ ん ざ き )) あれ ? 菜緒 ちゃん じゃ ない ?
ああ 千 崎 さん 桃山 ( もも やま ) さん
( まみ ) お 久しぶり
( 菜緒 ) お 久しぶりです
2 人 と も ここ ら 辺 に 住んで る んです か ?
( 千 崎 ) うん すぐ そこ で
( 菜緒 ) あっ もし かして …
同棲 ( どう せい )?
( まみ ) いや 1 年 前 の 吉川 さん と 上原 君 に 影響 さ れて
え ?
私 2 人 に 憧れて た んだ
す っ ごく ステキな カップル だ なって
( 千 崎 ) 上原 元気 ?
あっ
あの …
今 は …
えっ …
いろいろ あって リセット しよう って 感じ で
ハハッ …
あっ じゃあ 私 戻ら なきゃ いけない んで
失礼 し ます
ハァ ハァ …
( 足音 )
あっ あっ あっ …
や っぱ 上原 君 だ
こんな 格好 見 られちゃ ったら
好きに なって もらう 計画 台なしじゃ ん
( 鍵 を 閉める 音 )
( 菜緒 ) ん ?
あれ ?
あれ …
ど っか 落 っこ と しちゃ った
あっ
あれ ?
あれ ?
ちょっと ちょ っ …
ちょっと 開いて よ
ちょ … ちょっと 何で 開か ない の
( 菜緒 ) 開いて 開いて って ば ( 上原 ) 何 やって んだ よ
( 菜緒 ) ごめん ね 迷惑 かけちゃ って
( 上原 ) 別に
上原 君 模様替え した んだ ね
( 上原 ) おう
って か お前 な ―
こんな 夜中 に ジョギング なんて する な よ
変な ヤツ が いたら どう すんだ よ
大体 お前 は い っつ も …
いや …
何でもない
( 菜緒 ) 前 に も こういう こと あった よ ね
私 が ゴキコロ たいちゃ って 部屋 に 入れ なく なった 時
半分 私 のでしょ
( 上原 ) 返せよ
私 い っつ も 上原 君 に 迷惑 かけちゃ って る ね
( 上原 ) 吉川
鍵 出て きた と して も 絶対 作り替えろ よ
他の 誰 か が 拾って スペア 作って る かも しれ ない し
うん そう だ よ ね
( 上原 ) それ と ―
寝坊 する 癖 何とか しろ よ
え ?
( 上原 ) い っつ も ギリギリ に 起きて バタバタ して
そんな ん だ から 忘れ物 ばっ か する んだ よ
いや …
今 は して ない もん
( 上原 ) 時間 なくて も 出かける 前 は ―
火の元 と 戸締まり は ちゃんと 確認 しろ よ
あと 服 直し ながら 歩く の も 人 と して どう な んだ よ
上原 君 こそ
( 上原 ) は ?
( 菜緒 ) バカ みたいに ご飯 食べる 癖 あれ 直した ほう が いい と 思う よ
あと 夜中 に 食べる ピザ
あれ も 絶対 やめた ほう が いい と 思う
ああ
( 菜緒 ) それ と たまに ベッド じゃ ない 所 で 寝る の ―
風邪 ひくから やめた ほう が いい と 思う
冬 は こたつ に 入って そのまま 寝て た の 誰 だ よ
( 菜緒 ) 朝 まで ゲーム して た の は 誰 です か
ヤケ 食い して 救急 車 で 運ば れた こと も あった よ な
( 菜緒 ) それ は 上原 君 の せい じゃ ん
上原 君 が ウザ いと か 言う から
お前 が 邪魔 ばっ か する から 悪い …
しょうがない じゃ ん 上原 君 の こと が 好きな んだ から
いや …
そういう 時 も あった よ ね
吉川
吉川 俺 さ …
( 菜緒 ) 大丈夫
私 上原 君 に 迷惑 かけ ない ように する から
これ から は 私 ちゃん と する から
そ っか
うん
だから 安心 して 上原 君
( 上原 ) ああ
( 上原 ) もう 寝る ぞ
うん
( 菜緒 ) おはよう 上原 君
あっ あの 菜緒 ちゃん 菜緒 ちゃん 今 …
菜緒 ちゃん 大丈夫 ?
何 か ひどい 顔 だ よ
やっぱり 無理な の か な
え ?
上原 君 に 一 から 好きに なって もらう の
菜緒 ちゃん …
自分 に 自信 持つ って どう したら いい の ?
菜緒 ちゃん !
菜緒 ちゃん に 必要な の は 自信 じゃ ない と 思う よ
だって まだ 好きな んでしょ 上原 君 の こと
自信 より その 気持ち の ほう が よっぽど 大事だ よ
上原 君 さっき 来て たよ ドア の 前 まで
え ?
菜緒 ちゃん
向こう も 同じ こと 考えて る って 思わ ない ?
同じ こと ?
( 太田 ) うん
夏目 君 と の キス の こと が あって
菜緒 ちゃん の 気持ち が
離れちゃ うんじゃ ない か って 勘違い して
とにかく
菜緒 ちゃん の こと が 好きだ から こそ 何 か 考え が ある の かも
( 菜緒 ) やっぱり 信じて ない んだ 私 の こと
信じ たい から だ よ
( 上原 ) 吉川 俺 さ …
( 菜緒 ) 大丈夫
私 上原 君 に ちゃんと 話して くる
( 太田 ) うん
お 疲れ さ まで す
( 紗栄 子 の 洟 ( は な ) を すする 音 )
( 上原 ) 紗栄 子 さん ?
通った
論文
( 上原 ) あの 改定 論文 が 認め られた んです ね
( 紗栄 子 ) それ と ―
さっき 審査 を 担当 して る 研究 者 から 連絡 が 入って
新 プロジェクト の メンバー に 私 を 迎えた いって
すごい じゃ ないで す か
上原 君 の おかげ だ よ
積み上げて きた もの
捨てる なんて 許し ませ ん !
上原 君 が ああ 言って くれた から
私 諦め ず に 済んだ
お 祝い 何 が いい です か ?
すいません
どうしても 吉川 さん じゃ ない と ダメ ?
まあ …
あいつ は もう 俺 じゃ ダメ みたいです けど
そ っか
吉川 さん と は 別れちゃ った んだ
って こと は
彼女 の 心 は もう 夏目 君 に ある って こと だ よ ね
( 上原 ) でも
だ と して も 俺 は
じゃあ これ から も ずっと 彼女 の こと 思い 続ける の ?
すぐ そば に いたら 忘れ たくて も 忘れ られ ない じゃ ない
お 姉さん の 時 みたいに
ごめん
( 上原 ) 俺 ―
もう あの 部屋 出よう と 思う んです
その ほう が あいつ 気 が 楽だろう し
紗栄 子 さん が 言う ように
あいつ の そば に いたら
俺 今 まで と 同じだ から
紗栄 子 さん
向こう 行って も 頑張って ください
俺 …
ずっと 応援 して ます
( 夏目 ) 菜緒 ちゃん ?
夏目 君
私 授業 遅れ そうだ から じゃ あね
何 が あった の ?
何でもない よ
菜緒 ちゃん
俺 あいつ の こと 好きな まん まで いい よ
俺 の こと 利用 して 忘れれば いい
でき ない よ
( 夏目 ) どうして ?
だって 夏目 君 に 失礼だ もん
( 夏目 ) 俺 が いい って 言って ん のに ?
それ でも
私 は
上原 君 が 好きな の
上原 君 は
たまたま 私 と 同居 して
たまたま 私 の こと を 好きに なった の かも しれ ない けど
でも
私 は 上原 君 じゃ ない と ダメな の
( 夏目 ) 俺 も 同じだ よ どうしても 菜緒 ちゃん じゃ ない と …
( 菜緒 ) ごめん
ごめん
もったいな
あー もったいな
こんな いい 男 拒否 る なんて
もう いい よ 行って
つま ん ねえ から 俺 授業 サボって デート でも しよ っと
誰 に しよう か な
( 夏目 ) 振り向く な よ
こっち 見 ん なって
( ドア が 開く 音 )
( ドア が 閉まる 音 )
( 夏目 ) へえ
い なく なっちゃ うんだ
お前 って 本当 潔い な
( 上原 ) 何 し に 来た んだ よ
その 言いぐさ は ね えんじゃ ねえ の
この 間 まで すげ え って 慕って た くせ に
本当 は 聞き たい んだ ろ
俺 と 菜緒 ちゃん が どう なって ん の か
菜緒 ちゃん ね 言って たよ
たまたま 同居 して なかったら お前 と 付き合って なかった って
お前 は どう 思う ?
俺 は どこ で どう 会って も
吉川 の こと 好きに なって た よ
ふ ー ん
もう いい だ ろ
最後に いい こと 教えて やる
俺 と 菜緒 ちゃん これ から 東和 公園 で 待ち合わせ して ん の
旅行 行く 約束 した んだ
今 は まだ 菜緒 ちゃん 頭 の 中 に お前 が ある みたい
でも まあ 所詮 男 と 女
一緒に いれば …
( 夏目 ) 何 だ 殴れ んじゃ ん
でも もう 遅 ( おせ ) えよ
( ドア の 開閉 音 )
( メール の 送信 音 )
( メール の 着信 音 )
( 紗栄 子 ) これ 今朝 送ら れて きた の
掲載 ページ の ゲラ
すげ え
真っ先 に 上原 君 に 見せ たくて
紗栄 子 さん おめでとう ございます
ウソ
え ?
本当 は ね 最後 の 悪あがき し に 来た の
みっともない よ ね いい 年 して 往生 際 悪くて
紗栄 子 さん
でも かっこ つけて 逃げて る より は マシ
おめでとう なんて 今 の あんた に 祝って ほしく ない わ
大体 諦める な と か チャンス を 逃す な と か ?
私 に は さんざん 偉 そうな こ と 言って
自分 の こと は 全然 ダメじゃ ん
こんな 男 好きに なった なんて 私 の 人生 最大 の 汚点 だ わ
吉川 さん の ため に も
自分 が この 部屋 を 出た ほう が いい って ?
笑わ せ ないで
怖かった んでしょ
吉川 さん が 自分 から 離れて く の が
夏目 君 と いる ほう が 幸せに なれる かも って 言い訳 して
ただ 逃げた だけ 自分 が 傷つき たく なくて
あんた は ね
結局 自分 が 傷つく こと が 何より も 嫌いな の
自分 が 一 番 かわいい の 違う ?
積み上げて きた もの を 捨てる なんて 絶対 に 許さ ない !
あんた が 私 に そう 言った んだ よ
いつまでも 逃げて んじゃ ない わ よ !
ありがとう ございました
私 に だって 人 の 役 に 立てる こと ある し
( 菜緒 ) 私 たち さ
もし 一緒に 住んで なかったら …
( 菜緒 ) 上原 君 言った よ ね
俺 の 気持ち 勝手に 決める なって
何で 上原 君 は 私 の 気持ち 勝手に 決める の ?
( 携帯 電話 の 着信 音 )
( 菜緒 ) もしもし 夏目 君 ?
どこ に いる の ?
( 夏目 ) ごめん 菜緒 ちゃん ハート の オブジェ 見える ?
( 菜緒 ) うん
( 夏目 ) その 奥 の 道 を まっすぐ 来て
( 携帯 電話 の 着信 音 )
どこ いる の ? 夏目 君
( 夏目 ) そこ から 風車 見える でしょ
その先 の 噴水 の 前 に 俺 が いる
うん
夏目 君 ?
( 夏目 ) 菜緒 ちゃん
最後 の 頼み 聞いて くれて ありがとう
俺 から の プレゼント だ よ
( 菜緒 ) 上原 君
どうして ?
行か せ ない
夏目 の とこ に は 行か せ ない
いや 私 は
夏目 君 に 愛 梨 ( あい り ) ちゃん が 作った ポシェット 渡 し たい って 言わ れて
あいつ …
上原 君
どうして ?
( 上原 ) 吉川
俺 前 に 言った よ な
“ もっと 俺 の こと を 信用 しろ ” って
( 菜緒 ) うん
信用 して ない の は 俺 の ほう だった
もし …
違う 出会い 方 を して たら
お前 は 俺 の こと 好きに なら なかった んじゃ ない か って
あいつ は
夏目 は
俺 に ない もの たくさん 持って る し
あの ね 私 は …
でも もう そういうふうに 考える の やめる
もう 逃げる の は やめる
お前 が 他の 誰 を 好きだ と して も 関係ない
俺 は 吉川 と 一緒に い たい んだ
( 上原 ) 今さら ごめん
( 上原 ) でも … ( 菜緒 ) バカ !
バカだ よ
ごめん
私 と 上原 君
え ?
私 …
上原 君 の こと が 好きだ よ
私 …
上原 君 に いっぱい 迷惑 かけちゃ うし
勝手に 牛乳 プリン 食べちゃ うし
鍵 落としちゃ うし
でも
上原 君 の こと が 好きな の
( 上原 ) 牛乳 プリン 取り合ったり
腹 壊したり
こたつ で うたた寝 したり
そういう 小さい こと 全部 含めて
今 の 俺 ら な んだ よ
( 紗栄 子 ) 何 ? やっと フラ れた ?
はい
( 夏目 ) 俺 たち ―
もう 少し 出会う の が 早ければ 好きに なって もらえ ました か ね
( 紗栄 子 ) そんな の 分かって る くせ に
私 たち お互い ―
一 度 も 見て もらった こと ない じゃ ん
です ね
( 紗栄 子 ) もう 次 よ 次
そんな 顔 して 言わ れて も 全然 説得 力ない んです けど
うるさい なあ
フラ れた 者 同士 付き合っちゃ い ます ?
チャラ 男 なんて お 断り
お 願い 聞いて くれる ?
( 上原 ) ん ?
私 上原 君 と 一緒に 帰り たい
上原 君 と コンビニ 行って
牛乳 プリン 買って
上原 君 と 一緒に 帰り たい
うん
( 光 石 ( み ついし )) 自分 ちから 自分 ち に 引っ越し って 何 だ よ
エアー 引っ越し かよ
( 上原 ) 悪い わざわざ 来て もらって
( 光 石 ) 本当だ よ
俺 7 時 の 飛行機 に 乗 ん なきゃ いけない のに さ
まり な と の イチャイチャ 時間 が さ
( 阿部 ) でも まり な に 手伝え って 言わ れた んだ ろ ?
( 光 石 ) そう な んだ よ 冷たい よ な
俺 は さ あの 何 つう の …
( 阿部 ) まあ いい じゃ ん いつも どおり って 感じ で さ
( 光 石 ) そう っす か
それ より 俺 は 親友 の 幸せ が うれしい よ
( 上原 ) 阿部 ( 阿部 ) ん ?
この 本 もう 読んだ から お前 に やる よ
えっ 演劇 の 本 じゃ ん いい の か ?
( 上原 ) 親友 だし ?
( 光 石 ) イッタ …
上原 !
( チャイム )
( 夏目 ) これ
差し入れ
上原
あの さ
( 上原 ) あり が と な
お前 は や っぱ 自分 の こと 後回し な んだ な
いや 言 っと く けど お前 の ため じゃ ない から
あっ それ に ほら 俺 女の子 は いくら でも いる けど
男 友達 は めったに でき ない し
上原
いい から
バーカ
( 夏目 ) は ? ( 上原 ) 何 だ その とぼけた 顔 は
うる せ えよ
2 人 と も 何 して ん の ? みんな 待って る よ
( 阿部 ) 上原 行く ぞ
( 美紀子 ) は ー い お 待た せ
吉川 家 特製 コロッケ よ
( 菜緒 ) ありがとう お 母さん
( 美紀子 ) みんな 大学生 に なって も ―
菜緒 と 仲よく して くれて あり が と ね
( 上原 ) いただき ます
( 菜緒 ) ちょっと ちょっと まだ 乾杯 して ない じゃ ん
( 上原 ) 何 に だ よ
そう いや これ 何の パーティー だ っけ
もちろん 私 と 上原 君 の ラブ ラブ 記念 パーティー ?
( 阿部 ) それ より も 俺 と 上原 の 親友 記念 パーティー だ よ な
( まり な ) って か みっ ちゃん 北海道 帰っちゃ った し
( 菜緒 ) しょうがない じゃ ん 明日 試験 なんだ から
( 阿部 ) 俺 は 試験 でも 絶対 参加 する けど な
親友 だし 親友 記念 パーティー だ し
じゃあ 私 の 論文 掲載 と 旅立ち を 兼ねて
( 七瀬 ( なな せ ))1 ミリ も 興味 ないし
相変わらず かわいく ない
あんた ね 誰 の おかげ で 両 思い に なれた と 思って ん の ?
( 七 瀬 ) 最終 的に は 自分 の おかげ です
は ? 調子 乗って んじゃ ない わ よ
( 大地 ( だいち )) まあまあ
( 夏目 ) 凛 ( りん ) ちゃん 変わった ね
あんな 自信 ない 子 だった のに
夏目 お前 七瀬 の こと 名前 で 呼ぶ の やめろ
大地
あら 大 ちゃん 彼女 さん ?
( 大地 ) はい ( 美紀子 ) あら
( 太田 ) あー あ いい な 私 も 彼 氏 欲しい な
( 阿部 ) 本当 やって らん ねえ よ な
( 上原 ) 阿部 ジュース 早く
( 阿部 ) は ー い
( 上原 ) 準備 できて ん の か よ
( 阿部 ) できて る よ 持って くね
( 太田 ) うん ( 紗栄 子 ) 喉 渇いた
( 阿部 ) どけ 夏目 上原 の 隣 は 俺 様 だ
( 上原 ) 何で お前 向こう 行けよ
( 阿部 ) 危ない 危ない …
何だか んだ 言って あ べ っち って いい ヤツ だ よ ね
ちょっと あんた 早く 酒 持ってきて よ
イヤです よ また 絡ま れる んだ から
( 紗栄 子 ) 何 …
( せきばらい )
( 菜緒 ) えー 皆さん グラス は 回り ました でしょう か
この度 は みんな に ご 心配 お かけ し ました が
私 吉川 菜緒 と 上原 久志 ( ひさし ) は
これ まで 以上 に ラブ ラブ な カップル を 目指し
フフフフ … フフッ
( 夏目 ・ 上原 ) 乾杯
( 一同 ) 乾杯
乾杯 !
( 七 瀬 ) 大地 から 揚げ 取って
ちょっと 何 イチャ ついちゃ って
( 七 瀬 ) 別に いい じゃ ないで す か
( 紗栄 子 ) 私 の おかげ だ よ 知って る ? 聞いた ?
( 夏目 ) 凛 ちゃん も 箸
夏目 この コロッケ が うまい ぞ
じゃあ ね
みんな 気 を つけて ね
( まり な ) ごちそうさま でした
( 阿部 ) また な 上原
( まり な ) はい いい よ 行く よ
またな
おう
何 か あっという間 だった ね
ああ
静かに なっちゃ った
だ な
( 菜緒 ) ちょっと … ちょっと 上原 君 待って よ
( 上原 ) 電車 間に合わ なかったら お前 の せい だ から な
いい じゃ ん せっかく の 旅行 なんだ から
ちょっと ぐらい 機嫌 直して よ
( 上原 ) お前 が 寝坊 する から だ ろ
( 菜緒 ) ちょっと 待って って ば 上原 君
( 菜緒 ) ちょっと 待って よ …
( 菜緒 ) 私 と 上原 君 は ―
同じ マンション の 隣 同士 に 住む ラブラブカップル
( 上原 ) ヤッベ マジ 乗り遅れる よ
( 菜緒 ) ケンカ したり 周り に 迷惑 かけたり ―
いろんな こと が ある けど
ほら 行く ぞ
( 菜緒 ) 何はともあれ ―
これ から も ずっと ラブッラブ な ―
ラブッラブ な カップル な のです !
♪~
~♪