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屍鬼, Shiki Episode 9

( 沙 子 ) そう かもし れ ない 。 ( 夏野 ) 清水 は 起き上がった 。

( 辰巳 ) 君 は 生き延びる ため に 人 の 血液 を 必要 と する ん だ 。

( 敏夫 ) 節子 さん は 入院 さ せよ う と 思って いる 。

( 静 信 ) 《 もし 敏夫 の 言った こと が 本当 だ と し たら … 》

( 静 ) 「 ここ は 結城 さん の お宅 で 間違い ない かえ ? 」

( 敏夫 ) すま ん な 付き合わ せ て 。

( 敏夫 ) 仕事 どう だ ? ( 静 信 ) うん ?

( 敏夫 ) 書 い てる ん だ ろ ? 小説 。 ( 静 信 ) ああ 。

『 屍 鬼 』 と 言う 。 荒野 を 彷徨 する 男 の 話 。 →

「 彼 は その 丘 で 異端 者 だった 」 →

「 彼 の 手 に かかる と 全て は 正常 に 動か ない 」 →

「 水 を くも う と して 井戸 車 を 回転 さ せる の だ が →

彼 が 触れ れ ば それ は 土 と なった 」

( 静 信 ) 「 情け深い 人格 者 の 弟 」 →

「 その 慈愛 は 彼 に かかわる 全て の 人々 を 笑顔 に し た 」 →

「 では そんな 弟 を … 」

( 静 信 ) 「 何故 に 殺傷 せ しめ たる や 」

愛し ‥ 愛し 合う の さ もっと

激しい 渇き に 狂い そう

目 を 閉じ て 罪深き くちづけ

お前 の 匂い 狂わせる

真 夜中 に 目覚め て 狂気 愛 飲み干す

おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い ぞ "

君 は 惑い 揺らめく

やがて 永遠 に なる " こっち の 闇 は 甘い ぞ "

僕 は 深く 突き刺す

おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い よ "

君 は 惑い 揺らめく

連中 病院 まで 来る と 思う か ? →

まだ 信じ た わけ じゃ ない って 顔 だ な 。

信じろ と いう 方 が 無理 だ ろ う 。

まあ いい 。 必ず 襲い に 来る さ 。 ( 静 信 ) 何で そう 言い 切れる ん だ ?

いい か ? これ まで の 症例 から 考える と →

連中 は 犠牲 者 を 一気に 殺す わけ じゃ ない 。 →

恵 ちゃん は 8 月 12 日 に 貧血 で 倒れ →

徐々に 悪く なって 1 5 日 に 死亡 し て いる 。

その 間 4 日 。 つまり 4 回 血 を 吸わ れ た と →

考え て いい だ ろ う 。 ( 静 信 ) 4 回 ! ?

( 敏夫 ) 一般 に 循環 血液 量 の 50 % 以上 が 失わ れる と →

心 停止 に 至る と さ れ て いる 。 →

全 血液 量 を 4 リットル と 考える と 2 リットル だ 。

連中 も 2 リットル は 吸 血 でき ない ん だ ろ う よ 。

おなか いっぱい って な 。

おそらく こいつ に 2 杯 程度 の お 食事 と いう わけ だ 。 →

仮に 1 回 の 吸 血 量 が その 程度 だ と する なら →

2 度 目 の 襲撃 で ショック 症状 を 起こし →

4 度 目 で 心 停止 に 至る って こと だ な 。 →

まあ 実際 に は それ ほど 単純 じゃ ない だ ろ う が 。

( 静 信 ) でも そんな こと さ れ たら 寝 て て も 起きる だ ろ ? →

なぜ 犠牲 者 は 何も 言わ ない ? ( 敏夫 ) 言わ ない と いう より →

言わ せ ない 何 か が ある ん だ ろ う 。 ( 静 信 ) 何 か ?

ある 種 の 昆虫 が そう で ある よう に →

血 を 吸う とき 麻薬 の よう な 物質 を 注入 する の かも しれ ない 。 →

それ で 連中 は 犠牲 者 を 操る こと が できる と し たら … 。

( 敏夫 ) 悪く ない 。

容体 は 安定 し て いる 。 少なくとも 悪化 は し て い ない 。

( 清美 ) あら 律 ちゃん 。 おはよう 。

( 律子 ) おはよう ございます 。 節子 さん の 朝食 です か ?

( 清美 ) うん 。 手 を 付ける 気 に なれ なかった みたい だ けど 。 →

でも バイタル サイン は 安定 し てる わ 。 →

入院 さ せ た の が 良かった の かしら 。

( 律子 ) やす よ さ ん 。 本当 に わたし たち →

夜 に 詰め て ない で い い ん でしょ う か ?

( やす よ ) いい ん じゃ ない ? 先生 が 必要 ない って 言う ん だ し 。

( 律子 ) そう … です よ ね 。

( 敏夫 ) 往診 が 午前 に 2 件 と 午後 に … 。

( やす よ ) 先生 。 ( 敏夫 ) うん ? あぁ 午後 に 1 件 だ 。

( 武藤 ) 先生 。 節子 さん は どう です か ?

「 どう 」 って … 悪く ない 。 以上 。 今日 も よろしく 頼む 。

( やす よ ) 節子 さん 具体 的 な 治療 方針 決まった ん です か ?

( 敏夫 ) うん ? →

別に そういう わけ じゃ ない が 。 どう し た ?

「 どう し た 」 って みんな 心配 し てる ん です よ 。

先生 1 人 で 当直 する なんて 無 茶 でしょ う 。 →

何で わたしら に 手伝わ せ ない ん です か 。

そう だ よ な 。 ( やす よ ) で どう なん です ?

分かり まし た 。 ( 敏夫 ) すま ん 。 →

方針 が 決まったら 手伝って もらう から 。

( やす よ ) 本当 です か ? ( 敏夫 ) 本当 に 。

( やす よ ) は ぁ … 。

( 敏夫 ) やす よ さ ん 。 ありがとう 。

( 恭子 ) 本当 に お 疲れ の よう じゃ ない 。

( 敏夫 ) 恭子 ! どう し た ん だ お前 。 ( 恭子 ) お 母 さま に 呼ば れ た の よ 。 →

「 帰って こい 」 って あなた が 言って る って 。

( 敏夫 ) 俺 が ! ? ( 恭子 ) ええ 。 →

「 俺 は 仕事 が 忙しく て 疲労 困憊 し て いる 」

「 嫁 なら こういう とき くらい うち に いろ ! 」

「 店 を 閉め て 帰って こい ! 」

まあ すぐに 嘘 だって 分かった けど 。

戻って いい ぞ 。 別に い なく て いい 。 →

い て も 構って やれ ん 。

いる わ よ 。 しばらく 閉める って 店 に 張り紙 し ちゃ った もの 。

( 敏夫 ) まあ 適当 に おふくろ の 機嫌 を 見 て 帰って いい から な 。

言わ れ なく て も そう する わ 。

( 孝江 ) いいえ 。 帰る こと は なり ませ ん 。

( 恭子 ) あら 。 ( 孝江 ) 恭子 さん 。 →

あなた は 仮に も 尾崎 の 嫁 。 →

夫 が 仕事 で 疲れ て いる のに 帰 ろ う なんて →

恥 を 知り なさい ! ( 恭子 ) 失言 で し た わ 。

まさか お 母 さま が 隠れ て 盗み聞き を し てる なんて →

思わ なかった もの です から 。

( 孝江 ) 敏夫 ! あなた どうして そんなに 忙しい の ? →

村 で 何 が 起こって いる ん です ? 次々 と 人 が 亡くなって →

まさか 伝染 病 じゃ ない でしょ う ね ?

( 恭子 ) え えっ ! ( 孝江 ) どう なん です ?

( 敏夫 ) そうだ な 。 伝染 病 の よう に も 見える な 。

やっぱり ! いい ? 以後 その 患者 が 出 たら →

救急 車 を 呼 ん で ほか の 病院 へ 運ば せ なさい 。 →

あなた が 危険 な こと を する 必要 は あり ませ ん ! いい わ ね ! !

( 敏夫 ) 《 いい わけな い だ ろ 》

敏夫 ! あなた は 伝統 ある 尾崎 の 一 人 息子 な の よ 。

あなた に 何 か あったら 病院 は どう なる の ? →

誰 か さん が ろくに 家 に 寄りつか ない せい で →

跡継ぎ も い ない ん だ から ! ( 恭子 ) ちょっと … !

いざ と なったら 親戚 から 出来 の いい の を 養子 に すりゃ いい 。

そう で なきゃ おふくろ が 再婚 する って の は どう だ ?

( 恭子 ) ブフフ ! ( 敏夫 ) 往診 行って くる 。

こんなに 脚 を 出し て ! ! ( 恭子 ) 痛 っ ! 何 す ん の よ クソ ババア !

( 孝江 ) 黙 らっしゃい ! ! もっと 上品 に し なさい !

( 恭子 ) 盗み聞き する ババア に 言わ れ たく ない わ !

( 孝江 ) 何 です って ! ! ( 敏夫 ) は ぁ … 。

( 緑 ) わ あ いい におい ! →

あっ ! ( 律子 ) つまみ食い は 駄目 よ 緑 !

( 緑 ) も う ~ ケチ !

先生 が ね 泊まり込み な の 。 工務 店 の 節子 さん が 入院 し て て ね 。

で 差し入れ 。

節子 さん も 悪い の ? あの うち どう かし てる よ 次々 と 。

( 律子 ) うん … 。

( 緑 ) でも お 姉ちゃん も マメ だ ね 。 →

若 奥さん が やれ ば いい こと じゃ ない ? →

帰って き てる ん でしょ ? 今日 あの 人 の 車 見 た もん 。

( 律子 ) 恭子 さん は そういう こと する 人 じゃ ない し 。

( 緑 ) じゃあ 大奥 さん は ?

若 御 院 が 先生 の 泊まり込み に 協力 し てる の 。

( 緑 ) ああ 。 大奥 さん 寺 が 嫌い だ もん ね 。 →

尾崎 より 偉い から 。 ( 律子 ) そういう こと 。 →

じゃ 行って くる ね 。

太郎 。 あなた も 散歩 に 行く ?

もう ! いい わ よ 1 人 で 行く から 。

寒 っ !

連中 に は どの 程度 の 能力 が ある ん だ ろ う な 。 →

コウモリ に 化け た り 壁 抜け も できる もん か な 。

映画 なんか じゃ 撃退 する の に は 十字架 を 使う よ な 。

十字架 に ニンニク 。 鏡 に 映ら ない 。 日 の 光 に 弱い 。

僕たち の 吸 血 鬼 像 は フィクション と して 創作 さ れ た もの だ よ 。

( 敏夫 ) だ が この 村 に は →

血 を 吸って 人 を 殺し てる 連中 が いる 。 そう だ ろ ?

あっ !

( 律子 ) ハッ ! !

そんな … 。

( 敏夫 ) 連中 を 1 匹 でも 捕まえ られ れ ば →

話 は 早い ん だ が な 。 解剖 なり 何なり し て 。

( 静 信 ) 解剖 ! ? ちょっと 待って くれ !

もし 仮に 本当 に 吸 血 鬼 が い た と して →

血 を 吸う だけ で そのほか は 生前 と 何ら 変わら ない と し たら … 。

( 窓 ガラス を 引っかく 音 )

( 敏夫 ) うん ?

( 窓 ガラス を 引っかく 音 )

( 節子 ) ここ よ 。

( 敏夫 ) 静 信 … 。 ここ 2 階 だ よ な 。 ( 静 信 ) ああ 。

( 窓 ガラス を 引っかく 音 ) ( 敏夫 ) この 窓 の 外 は … 。

( 静 信 ) 足場 に なる もの は ない 。

( 窓 ガラス を 引っかく 音 ) ( 敏夫 ) じゃ あれ は … 。

( 敏夫 ) くっ !

あっ 。 あぁ … 。

ここ に いる わ !

( 敏夫 ) 奈緒 さん … !

何という … 。

ここ は 俺 の 病院 だ ! !

勝手 に 侵入 する こと は 許さ ない ! ! さっさと 消えろ ! !

( 律子 ) 節子 さん 。 おはよう ございます 。 今日 は →

わたし が ご飯 を 作り まし た 。 ( 節子 ) まあ おはよう 。

あり が と ね 律 ちゃん 。

( 律子 ) 昨日 より ずいぶん お 楽 な よう です ね →

顔色 も いい です し 。

( 敏夫 ) 《 入院 し て 3 日 目 》 →

《 節子 さん の 意識 は 鮮明 に なり 不 具合 も 改善 さ れ て いる 》 →

《 回復 する 最初 の 例 に なる かも しれ ない 》

ゆうべ は ぐっすり 眠れ た の よ 。 ( 律子 ) そうです か 。

でも 夜中 に 目 を 覚まし まし た よ ね ?

( 節子 ) まあ 。 ( 敏夫 ) 寝言 に し て は ずいぶん →

はっきり と しゃべって た よ 。 誰 か いる の か と 思った 。

嫌 だ わ 。 寝言 なんて 恥ずかしい 。 そう いえ ば 夢 を 見 た かしら 。

( 敏夫 ) 夢 ? ( 節子 ) 奈緒 ちゃん が 帰って くる 夢 。

( 節子 ) じきに 奈緒 ちゃん の 四十九 日 だ から 。 →

気 に なって た せい かしら 。 →

思い出し て き た わ 。 おととい だった かしら 。 →

その 前 の 日 だった かしら 。

そのころ も ずいぶん はっきり し た 夢 を … 。

本当 に 夢 だった の かしら 。

あれ は … 。 →

あれ は 本当 だった ん じゃ ない かしら 。

怖い わ … 。 ( 敏夫 ) 落ち着 い て 。

( 節子 ) 奈緒 ちゃん が 帰って き て くれ たら →

どんなに うれしい だ ろ う 。 進 が 幹 康 が … 。

節子 さん ! !

俺 が 必ず あんた を 助ける から !

生き てる ? →

あん パン 食べる ? ほれ 。

( 恭子 ) 暇 ねぇ 。 →

過労 死 寸前 の 男 と 鬼 姑 しか い ない 嫁ぎ 先 なんて 最悪 。

( 扉 の 開閉 音 ) ( 恭子 ) あぁ ? →

あん パン 食べる ?

( 徳次郎 ) 敏夫 君 。 若 御 院 。 →

俺 は そろそろ 帰る と する よ 。 ( 敏夫 ) はい 。

( 徳次郎 ) 節子 が 良く なって 安心 し た よ 。

( 節子 ) 待って あなた 。 ( 徳次郎 ) うん ? 何 だ ?

う うん また あした ね 。

( 徳次郎 ) ああ 。 ぐっすり 眠って 早く 元気 に なって くれよ 。 →

俺 たち は もう お互い しか い ない ん だ から 。

( 静 信 ) やっと 寝 た よう だ ね 。

( 敏夫 ) 連中 が かけ た 催眠 術 が 切れ てき て いる ん だ ろ う 。 →

ずいぶん 混乱 し て た 。

奈緒 さん 今日 も 来る と 思う か ? ( 敏夫 ) 来る と 考え て みよ う 。

… と は いって も な 連中 の 弱点 でも 分かれ ば いい ん だ が 。

( 静 信 ) そう いえ ば 吸 血 鬼 の 伝説 に こんな の が あった 。 →

吸 血 鬼 は 招待 さ れ ない と 家 に 入れ ない 。 →

つまり 「 うち に 遊び に 来 て ください 」 と か →

招待 さ れ ない と 家 に 入れ ない ん だ 。 →

招待 し て しまう と その 家 は 吸 血 鬼 に 「 開か れ た 家 」 に なる 。

( 敏夫 ) 昨日 奈緒 さん が 入って こ なかった の は … 。

( 静 信 ) うん 。 それ なら 安心 な ん だ けど ね 。 →

停電 ! ? … じゃ ない な 。 →

村 の 明かり は 消え て ない 。 ( 敏夫 ) 来 た か !

彼ら は 夜目 が 利く の かも しれ ない 。 →

暗闇 は 不利 だ 。 確か 1 階 に 昔 の 発電 機 が あった よ な ? →

つけ て くる 。 ( 敏夫 ) 待て 静 信 。 俺 が 行く 。

( 静 信 ) 大丈夫 だ よ 。 ( 敏夫 ) 場所 は 分かる の か ?

小さい ころ よく 病院 を 探検 し た だ ろ 。

( 奈緒 ) お 母さん 。

( 奈緒 ) 聞こえる ? お 母さん 。 外 に 出 て き て 。

節子 さん !

行か なきゃ ! 奈緒 ちゃん が 呼 ん でる 。

く ぅ … ! あっ 駄目 だ ! !

( 静 信 ) あ あっ !

恵 ちゃん ! !

( 静 信 ) あ あっ ! あっ … 。

なぜ 入って 僕 を 襲わ ない ?

行ったら 殺さ れる ん だ ぞ ! しっかり しろ ! !

君 たち は 入れ ない ん だ 。 ( 恵 ) フフッ 。

節子 さん ! 目 を 覚ます ん だ ! !

入れる わ よ 。 招待 さ れ れ ば ね 。

( 敏夫 ) う ぐ っ … 。

( 物音 )

う っ 。 う ぅ … 。

やっ ! 初め まして 尾崎 の 先生 !

お前 … 何で … 。

あっ 。 節子 さん !

僕 は 辰巳 と 申し ます 。

( 敏夫 ) う っ … ! ! ( 辰巳 ) アッハハ 。

( 静 信 ) 敏夫 ! 何 か あった の か ! ? ( 敏夫 ) う ぐ っ !

( 辰巳 ) おっと 。 ( 静 信 ) 敏夫 ! ?

殺し は し ませ ん よ 。

先生 に は まだ 手 を 出す な って 言わ れ て まし て ね 。

さっ 行き ま しょ 。

せ … 節子 さん !

お 母さん !

奈緒 ちゃん 。

( 静 信 ) あ あっ ! ( 敏夫 ) 節子 さん … 。

( 静 信 ) 起き上がり たち は →

今日 で 一気に 片 を 付ける つもり だった ん だ 。

僕たち が 節子 さん を かくまって いる と 知って →

面倒 な ことに なら ない よう に 。

助ける って 約束 し た のに … 。 チクショー … 。

う お おお お おお おお ! !

( 高 俊 ) あれ ? ( 奈緒 ) えっ ?

( 高 俊 ) 恵 ちゃん は ? ( 奈緒 ) 本当 だ 。 い ない わ 。

( 康幸 ) もう 先 に 帰った ん じゃ ない か ?

( 辰巳 ) 恵 君 は いい 。

( 辰巳 ) どこ へ 行った か 分かって いる から 。

大きな 夢 目指し 歩 い て い た

迷い 迷って 終わり の ない 旅

あの 時 は 雪 混じり の 雨 で

涙 か どう か わから なかった

さよなら もう 二 度 と 会え ない

私 が 、 選 ん だ 未来 へ また 一 歩 踏み出す よ

大きな 壁 を 超え て

好き だった のに どうして ?

「 最期 だ 」 なんて 言った の ?

今 で は ちゃんと わかる

だから ねぇ " walk " 強く . . .


( 沙 子 ) そう かもし れ ない 。 ( 夏野 ) 清水 は 起き上がった 。

( 辰巳 ) 君 は 生き延びる ため に 人 の 血液 を 必要 と する ん だ 。

( 敏夫 ) 節子 さん は 入院 さ せよ う と 思って いる 。

( 静 信 ) 《 もし 敏夫 の 言った こと が 本当 だ と し たら … 》

( 静 ) 「 ここ は 結城 さん の お宅 で 間違い ない かえ ? 」

( 敏夫 ) すま ん な 付き合わ せ て 。

( 敏夫 ) 仕事 どう だ ? ( 静 信 ) うん ?

( 敏夫 ) 書 い てる ん だ ろ ? 小説 。 ( 静 信 ) ああ 。

『 屍 鬼 』 と 言う 。 荒野 を 彷徨 する 男 の 話 。 →

「 彼 は その 丘 で 異端 者 だった 」 →

「 彼 の 手 に かかる と 全て は 正常 に 動か ない 」 →

「 水 を くも う と して 井戸 車 を 回転 さ せる の だ が →

彼 が 触れ れ ば それ は 土 と なった 」

( 静 信 ) 「 情け深い 人格 者 の 弟 」 →

「 その 慈愛 は 彼 に かかわる 全て の 人々 を 笑顔 に し た 」 →

「 では そんな 弟 を … 」

( 静 信 ) 「 何故 に 殺傷 せ しめ たる や 」

愛し ‥ 愛し 合う の さ もっと

激しい 渇き に 狂い そう

目 を 閉じ て 罪深き くちづけ

お前 の 匂い 狂わせる

真 夜中 に 目覚め て 狂気 愛 飲み干す

おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い ぞ "

君 は 惑い 揺らめく

やがて 永遠 に なる " こっち の 闇 は 甘い ぞ "

僕 は 深く 突き刺す

おい で この 腕 の 中 " あっ ち の 闇 は 苦い よ "

君 は 惑い 揺らめく

連中 病院 まで 来る と 思う か ? →

まだ 信じ た わけ じゃ ない って 顔 だ な 。

信じろ と いう 方 が 無理 だ ろ う 。

まあ いい 。 必ず 襲い に 来る さ 。 ( 静 信 ) 何で そう 言い 切れる ん だ ?

いい か ? これ まで の 症例 から 考える と →

連中 は 犠牲 者 を 一気に 殺す わけ じゃ ない 。 →

恵 ちゃん は 8 月 12 日 に 貧血 で 倒れ →

徐々に 悪く なって 1 5 日 に 死亡 し て いる 。

その 間 4 日 。 つまり 4 回 血 を 吸わ れ た と →

考え て いい だ ろ う 。 ( 静 信 ) 4 回 ! ?

( 敏夫 ) 一般 に 循環 血液 量 の 50 % 以上 が 失わ れる と →

心 停止 に 至る と さ れ て いる 。 →

全 血液 量 を 4 リットル と 考える と 2 リットル だ 。

連中 も 2 リットル は 吸 血 でき ない ん だ ろ う よ 。

おなか いっぱい って な 。

おそらく こいつ に 2 杯 程度 の お 食事 と いう わけ だ 。 →

仮に 1 回 の 吸 血 量 が その 程度 だ と する なら →

2 度 目 の 襲撃 で ショック 症状 を 起こし →

4 度 目 で 心 停止 に 至る って こと だ な 。 →

まあ 実際 に は それ ほど 単純 じゃ ない だ ろ う が 。

( 静 信 ) でも そんな こと さ れ たら 寝 て て も 起きる だ ろ ? →

なぜ 犠牲 者 は 何も 言わ ない ? ( 敏夫 ) 言わ ない と いう より →

言わ せ ない 何 か が ある ん だ ろ う 。 ( 静 信 ) 何 か ?

ある 種 の 昆虫 が そう で ある よう に →

血 を 吸う とき 麻薬 の よう な 物質 を 注入 する の かも しれ ない 。 →

それ で 連中 は 犠牲 者 を 操る こと が できる と し たら … 。

( 敏夫 ) 悪く ない 。

容体 は 安定 し て いる 。 少なくとも 悪化 は し て い ない 。

( 清美 ) あら 律 ちゃん 。 おはよう 。

( 律子 ) おはよう ございます 。 節子 さん の 朝食 です か ?

( 清美 ) うん 。 手 を 付ける 気 に なれ なかった みたい だ けど 。 →

でも バイタル サイン は 安定 し てる わ 。 →

入院 さ せ た の が 良かった の かしら 。

( 律子 ) やす よ さ ん 。 本当 に わたし たち →

夜 に 詰め て ない で い い ん でしょ う か ?

( やす よ ) いい ん じゃ ない ? 先生 が 必要 ない って 言う ん だ し 。

( 律子 ) そう … です よ ね 。

( 敏夫 ) 往診 が 午前 に 2 件 と 午後 に … 。

( やす よ ) 先生 。 ( 敏夫 ) うん ? あぁ 午後 に 1 件 だ 。

( 武藤 ) 先生 。 節子 さん は どう です か ?

「 どう 」 って … 悪く ない 。 以上 。 今日 も よろしく 頼む 。

( やす よ ) 節子 さん 具体 的 な 治療 方針 決まった ん です か ?

( 敏夫 ) うん ? →

別に そういう わけ じゃ ない が 。 どう し た ?

「 どう し た 」 って みんな 心配 し てる ん です よ 。

先生 1 人 で 当直 する なんて 無 茶 でしょ う 。 →

何で わたしら に 手伝わ せ ない ん です か 。

そう だ よ な 。 ( やす よ ) で どう なん です ?

分かり まし た 。 ( 敏夫 ) すま ん 。 →

方針 が 決まったら 手伝って もらう から 。

( やす よ ) 本当 です か ? ( 敏夫 ) 本当 に 。

( やす よ ) は ぁ … 。

( 敏夫 ) やす よ さ ん 。 ありがとう 。

( 恭子 ) 本当 に お 疲れ の よう じゃ ない 。

( 敏夫 ) 恭子 ! どう し た ん だ お前 。 ( 恭子 ) お 母 さま に 呼ば れ た の よ 。 →

「 帰って こい 」 って あなた が 言って る って 。

( 敏夫 ) 俺 が ! ? ( 恭子 ) ええ 。 →

「 俺 は 仕事 が 忙しく て 疲労 困憊 し て いる 」

「 嫁 なら こういう とき くらい うち に いろ ! 」

「 店 を 閉め て 帰って こい ! 」

まあ すぐに 嘘 だって 分かった けど 。

戻って いい ぞ 。 別に い なく て いい 。 →

い て も 構って やれ ん 。

いる わ よ 。 しばらく 閉める って 店 に 張り紙 し ちゃ った もの 。

( 敏夫 ) まあ 適当 に おふくろ の 機嫌 を 見 て 帰って いい から な 。

言わ れ なく て も そう する わ 。

( 孝江 ) いいえ 。 帰る こと は なり ませ ん 。

( 恭子 ) あら 。 ( 孝江 ) 恭子 さん 。 →

あなた は 仮に も 尾崎 の 嫁 。 →

夫 が 仕事 で 疲れ て いる のに 帰 ろ う なんて →

恥 を 知り なさい ! ( 恭子 ) 失言 で し た わ 。

まさか お 母 さま が 隠れ て 盗み聞き を し てる なんて →

思わ なかった もの です から 。

( 孝江 ) 敏夫 ! あなた どうして そんなに 忙しい の ? →

村 で 何 が 起こって いる ん です ? 次々 と 人 が 亡くなって →

まさか 伝染 病 じゃ ない でしょ う ね ?

( 恭子 ) え えっ ! ( 孝江 ) どう なん です ?

( 敏夫 ) そうだ な 。 伝染 病 の よう に も 見える な 。

やっぱり ! いい ? 以後 その 患者 が 出 たら →

救急 車 を 呼 ん で ほか の 病院 へ 運ば せ なさい 。 →

あなた が 危険 な こと を する 必要 は あり ませ ん ! いい わ ね ! !

( 敏夫 ) 《 いい わけな い だ ろ 》

敏夫 ! あなた は 伝統 ある 尾崎 の 一 人 息子 な の よ 。

あなた に 何 か あったら 病院 は どう なる の ? →

誰 か さん が ろくに 家 に 寄りつか ない せい で →

跡継ぎ も い ない ん だ から ! ( 恭子 ) ちょっと … !

いざ と なったら 親戚 から 出来 の いい の を 養子 に すりゃ いい 。

そう で なきゃ おふくろ が 再婚 する って の は どう だ ?

( 恭子 ) ブフフ ! ( 敏夫 ) 往診 行って くる 。

こんなに 脚 を 出し て ! ! ( 恭子 ) 痛 っ ! 何 す ん の よ クソ ババア !

( 孝江 ) 黙 らっしゃい ! ! もっと 上品 に し なさい !

( 恭子 ) 盗み聞き する ババア に 言わ れ たく ない わ !

( 孝江 ) 何 です って ! ! ( 敏夫 ) は ぁ … 。

( 緑 ) わ あ いい におい ! →

あっ ! ( 律子 ) つまみ食い は 駄目 よ 緑 !

( 緑 ) も う ~ ケチ !

先生 が ね 泊まり込み な の 。 工務 店 の 節子 さん が 入院 し て て ね 。

で 差し入れ 。

節子 さん も 悪い の ? あの うち どう かし てる よ 次々 と 。

( 律子 ) うん … 。

( 緑 ) でも お 姉ちゃん も マメ だ ね 。 →

若 奥さん が やれ ば いい こと じゃ ない ? →

帰って き てる ん でしょ ? 今日 あの 人 の 車 見 た もん 。

( 律子 ) 恭子 さん は そういう こと する 人 じゃ ない し 。

( 緑 ) じゃあ 大奥 さん は ?

若 御 院 が 先生 の 泊まり込み に 協力 し てる の 。

( 緑 ) ああ 。 大奥 さん 寺 が 嫌い だ もん ね 。 →

尾崎 より 偉い から 。 ( 律子 ) そういう こと 。 →

じゃ 行って くる ね 。

太郎 。 あなた も 散歩 に 行く ?

もう ! いい わ よ 1 人 で 行く から 。

寒 っ !

連中 に は どの 程度 の 能力 が ある ん だ ろ う な 。 →

コウモリ に 化け た り 壁 抜け も できる もん か な 。

映画 なんか じゃ 撃退 する の に は 十字架 を 使う よ な 。

十字架 に ニンニク 。 鏡 に 映ら ない 。 日 の 光 に 弱い 。

僕たち の 吸 血 鬼 像 は フィクション と して 創作 さ れ た もの だ よ 。

( 敏夫 ) だ が この 村 に は →

血 を 吸って 人 を 殺し てる 連中 が いる 。 そう だ ろ ?

あっ !

( 律子 ) ハッ ! !

そんな … 。

( 敏夫 ) 連中 を 1 匹 でも 捕まえ られ れ ば →

話 は 早い ん だ が な 。 解剖 なり 何なり し て 。

( 静 信 ) 解剖 ! ? ちょっと 待って くれ !

もし 仮に 本当 に 吸 血 鬼 が い た と して →

血 を 吸う だけ で そのほか は 生前 と 何ら 変わら ない と し たら … 。

( 窓 ガラス を 引っかく 音 )

( 敏夫 ) うん ?

( 窓 ガラス を 引っかく 音 )

( 節子 ) ここ よ 。

( 敏夫 ) 静 信 … 。 ここ 2 階 だ よ な 。 ( 静 信 ) ああ 。

( 窓 ガラス を 引っかく 音 ) ( 敏夫 ) この 窓 の 外 は … 。

( 静 信 ) 足場 に なる もの は ない 。

( 窓 ガラス を 引っかく 音 ) ( 敏夫 ) じゃ あれ は … 。

( 敏夫 ) くっ !

あっ 。 あぁ … 。

ここ に いる わ !

( 敏夫 ) 奈緒 さん … !

何という … 。

ここ は 俺 の 病院 だ ! !

勝手 に 侵入 する こと は 許さ ない ! ! さっさと 消えろ ! !

( 律子 ) 節子 さん 。 おはよう ございます 。 今日 は →

わたし が ご飯 を 作り まし た 。 ( 節子 ) まあ おはよう 。

あり が と ね 律 ちゃん 。

( 律子 ) 昨日 より ずいぶん お 楽 な よう です ね →

顔色 も いい です し 。

( 敏夫 ) 《 入院 し て 3 日 目 》 →

《 節子 さん の 意識 は 鮮明 に なり 不 具合 も 改善 さ れ て いる 》 →

《 回復 する 最初 の 例 に なる かも しれ ない 》

ゆうべ は ぐっすり 眠れ た の よ 。 ( 律子 ) そうです か 。

でも 夜中 に 目 を 覚まし まし た よ ね ?

( 節子 ) まあ 。 ( 敏夫 ) 寝言 に し て は ずいぶん →

はっきり と しゃべって た よ 。 誰 か いる の か と 思った 。

嫌 だ わ 。 寝言 なんて 恥ずかしい 。 そう いえ ば 夢 を 見 た かしら 。

( 敏夫 ) 夢 ? ( 節子 ) 奈緒 ちゃん が 帰って くる 夢 。

( 節子 ) じきに 奈緒 ちゃん の 四十九 日 だ から 。 →

気 に なって た せい かしら 。 →

思い出し て き た わ 。 おととい だった かしら 。 →

その 前 の 日 だった かしら 。

そのころ も ずいぶん はっきり し た 夢 を … 。

本当 に 夢 だった の かしら 。

あれ は … 。 →

あれ は 本当 だった ん じゃ ない かしら 。

怖い わ … 。 ( 敏夫 ) 落ち着 い て 。

( 節子 ) 奈緒 ちゃん が 帰って き て くれ たら →

どんなに うれしい だ ろ う 。 進 が 幹 康 が … 。

節子 さん ! !

俺 が 必ず あんた を 助ける から !

生き てる ? →

あん パン 食べる ? ほれ 。

( 恭子 ) 暇 ねぇ 。 →

過労 死 寸前 の 男 と 鬼 姑 しか い ない 嫁ぎ 先 なんて 最悪 。

( 扉 の 開閉 音 ) ( 恭子 ) あぁ ? →

あん パン 食べる ?

( 徳次郎 ) 敏夫 君 。 若 御 院 。 →

俺 は そろそろ 帰る と する よ 。 ( 敏夫 ) はい 。

( 徳次郎 ) 節子 が 良く なって 安心 し た よ 。

( 節子 ) 待って あなた 。 ( 徳次郎 ) うん ? 何 だ ?

う うん また あした ね 。

( 徳次郎 ) ああ 。 ぐっすり 眠って 早く 元気 に なって くれよ 。 →

俺 たち は もう お互い しか い ない ん だ から 。

( 静 信 ) やっと 寝 た よう だ ね 。

( 敏夫 ) 連中 が かけ た 催眠 術 が 切れ てき て いる ん だ ろ う 。 →

ずいぶん 混乱 し て た 。

奈緒 さん 今日 も 来る と 思う か ? ( 敏夫 ) 来る と 考え て みよ う 。

… と は いって も な 連中 の 弱点 でも 分かれ ば いい ん だ が 。

( 静 信 ) そう いえ ば 吸 血 鬼 の 伝説 に こんな の が あった 。 →

吸 血 鬼 は 招待 さ れ ない と 家 に 入れ ない 。 →

つまり 「 うち に 遊び に 来 て ください 」 と か →

招待 さ れ ない と 家 に 入れ ない ん だ 。 →

招待 し て しまう と その 家 は 吸 血 鬼 に 「 開か れ た 家 」 に なる 。

( 敏夫 ) 昨日 奈緒 さん が 入って こ なかった の は … 。

( 静 信 ) うん 。 それ なら 安心 な ん だ けど ね 。 →

停電 ! ? … じゃ ない な 。 →

村 の 明かり は 消え て ない 。 ( 敏夫 ) 来 た か !

彼ら は 夜目 が 利く の かも しれ ない 。 →

暗闇 は 不利 だ 。 確か 1 階 に 昔 の 発電 機 が あった よ な ? →

つけ て くる 。 ( 敏夫 ) 待て 静 信 。 俺 が 行く 。

( 静 信 ) 大丈夫 だ よ 。 ( 敏夫 ) 場所 は 分かる の か ?

小さい ころ よく 病院 を 探検 し た だ ろ 。

( 奈緒 ) お 母さん 。

( 奈緒 ) 聞こえる ? お 母さん 。 外 に 出 て き て 。

節子 さん !

行か なきゃ ! 奈緒 ちゃん が 呼 ん でる 。

く ぅ … ! あっ 駄目 だ ! !

( 静 信 ) あ あっ !

恵 ちゃん ! !

( 静 信 ) あ あっ ! あっ … 。

なぜ 入って 僕 を 襲わ ない ?

行ったら 殺さ れる ん だ ぞ ! しっかり しろ ! !

君 たち は 入れ ない ん だ 。 ( 恵 ) フフッ 。

節子 さん ! 目 を 覚ます ん だ ! !

入れる わ よ 。 招待 さ れ れ ば ね 。

( 敏夫 ) う ぐ っ … 。

( 物音 )

う っ 。 う ぅ … 。

やっ ! 初め まして 尾崎 の 先生 !

お前 … 何で … 。

あっ 。 節子 さん !

僕 は 辰巳 と 申し ます 。

( 敏夫 ) う っ … ! ! ( 辰巳 ) アッハハ 。

( 静 信 ) 敏夫 ! 何 か あった の か ! ? ( 敏夫 ) う ぐ っ !

( 辰巳 ) おっと 。 ( 静 信 ) 敏夫 ! ?

殺し は し ませ ん よ 。

先生 に は まだ 手 を 出す な って 言わ れ て まし て ね 。

さっ 行き ま しょ 。

せ … 節子 さん !

お 母さん !

奈緒 ちゃん 。

( 静 信 ) あ あっ ! ( 敏夫 ) 節子 さん … 。

( 静 信 ) 起き上がり たち は →

今日 で 一気に 片 を 付ける つもり だった ん だ 。

僕たち が 節子 さん を かくまって いる と 知って →

面倒 な ことに なら ない よう に 。

助ける って 約束 し た のに … 。 チクショー … 。

う お おお お おお おお ! !

( 高 俊 ) あれ ? ( 奈緒 ) えっ ?

( 高 俊 ) 恵 ちゃん は ? ( 奈緒 ) 本当 だ 。 い ない わ 。

( 康幸 ) もう 先 に 帰った ん じゃ ない か ?

( 辰巳 ) 恵 君 は いい 。

( 辰巳 ) どこ へ 行った か 分かって いる から 。

大きな 夢 目指し 歩 い て い た

迷い 迷って 終わり の ない 旅

あの 時 は 雪 混じり の 雨 で

涙 か どう か わから なかった

さよなら もう 二 度 と 会え ない

私 が 、 選 ん だ 未来 へ また 一 歩 踏み出す よ

大きな 壁 を 超え て

好き だった のに どうして ?

「 最期 だ 」 なんて 言った の ?

今 で は ちゃんと わかる

だから ねぇ " walk " 強く . . .