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ニセコイ:, Nisekoi: False Love 2nd Season Episode 12

Nisekoi : False Love 2nd Season Episode 12

( 千 棘 ( ち とげ )) 遅刻 遅刻 〜!

急が なきゃ ! 急が なきゃ !

いって きま 〜 す !

ハア ハア ハア ハア …

ああ あ ああ 〜!

♪〜

〜♪

( キーンコーン カーンコーン )

( 楽 ( らく )) フウ 〜 危 ねえ 危うく 遅刻 する ところ だった ぜ

ん ?

あれ ? 珍しい な 千 棘

ギリギリ と は いえ お前 の ほう が 先 に 着いて る なんて

( ぼそぼそ …)

千 棘 ?

え ? リボン を なくした ?

( 千 棘 ) 学校 に 着いた とき に 気付いて

( 鶫 ( つぐみ )) 焦って ら した ので 結び目 が 緩かった の かも しれ ませ ん ね

( 楽 ) じゃあ どの 辺 で なく した の かも 分か ん ねえ の か

( 千 棘 ) キュッ 私 やっぱり 捜して くる !

( 楽 ) 待て 待て ! 授業 始まる って の !

ちょっと 落ち着け って

放課後 ちゃん と 一緒に 捜して やっ から

でも あれ は …

分かって る よ

華 ( は な ) さん に もらった 大事な リボン だ もん な

きっと 見つけて やる から

それ も そう だ けど

あれ は あん …

( 楽 )“ あん ”?

( 千 棘 ) いや 何でも

( 鶫 ) ご 安心 ください お 嬢 私 も 手伝い ます から

( 小 咲 ( こさ き )) 私 たち も 手伝う よ

( 千 棘 ) う う … みんな 〜

( 小 咲 ) とりあえず まとめて あげる

( 千 棘 ) ありがとう

( るり ) こんな こと も あろう か と ヘアメークセット !

え 〜 どんな 感じ に し ましょう か ?

( 万里 花 ( まり か )) まったく リボン 1 つ で 情けない 人 です わ ね

あんな 布 きれ を 届けて くださる 人 が いる と は 思え ませ ん し

今頃 ゴミ と 一緒に 捨て られて る かも しれ ませ ん わ ね

橘 ( たちばな ) 万里 花 ! 貴 様 !

あ …

わ あ !

( 千 棘 ) う う … そう かな 〜?

やっぱり そう な の か な 〜?

ちょ ちょ … 桐 崎 ( きりさき ) さん いつも と 反応 違い 過ぎ です わ

そんな 号泣 なさら ないで ください まし

分かり ました 分かり ました よ !

私 も 手伝って さしあげ ます から

いいかげん 泣きやんで ください

( 楽 ) 大丈夫 か ? あいつ

( 小 咲 ) う 〜 ん どこ に ある んだ ろ ? 千 棘 ちゃん の リボン

( 鶫 ) 交番 に も それ らしい 物 は 届いて い ない ようでした し

大丈夫です か ? お 嬢

( 千 棘 ) うん

( 楽 ) ん …

元気 出せよ 千 棘 今日 も 一緒に 捜して やっ から

( 千 棘 ) うん

( 楽 ) う …

しょうが ねえ な お前 は まったく

じゃあ 今日 は オレ が 特別に

ラーメン を おごって やる !

お前 の 好きだった 期間 限定 ラーメン も

最近 復活 し ただ ろ ?

リボン を 見つけたら みんな で 食い に 行 こ …

( 千 棘 ) いい そんな 気分 じゃ ない

( 楽 ) な っ !

ラーメン を 拒否 だ と ?

ラ … ラーメン を だ ぞ ?

こんな こと は 今 まで 1 度 も …

クソ ! すっかり しおらしく な っち まって

調子 狂う 前 に これ じゃ 見ちゃ いら ん ねえ よ

しかし 何 だ な 気のせい かも しれ ない が

心なしか こいつ 美人 に なって ない か ?

あっ いや ふだん 忘れがちだ が こいつ は もともと 美人 な んだ っけ

何だか しおらし さ も 相まって いつも より 女らしく 見える 気 が

なあ 千 棘 ちょっと オレ と 腕相撲 して み ない か ?

え ? なんで よ ?

( 楽 ) いい から いい から

( 千 棘 ) う っ う う …

( 楽 ) いく ぞ ? よ 〜 い ど …

あっ !

( 万里 花 ) ああ 〜 楽 様 〜!

( 楽 ) 淡い 期待 を した オレ が バカだった

( 男子 ) 大丈夫 か ? 一条 ( いちじょう )

ホント バカ ね

( 楽 ) しかし もし このまま リボン が 見つから なかったら

どう なる んだ ?

もし かして こいつ ずっと このまま ?

( キーンコーン カーンコーン )

( 千 棘 ) う う う …

( 鶫 ) 見つかり ませ ん ね 〜 お 嬢 の リボン

( 小 咲 ) う 〜 ん あと は どこ を 捜せば …

( るり ) 捜す 範囲 を 広げる しか ない かも ね

( 楽 ) また どっぷり 落ち込んで

いよいよ 見ちゃ いら ん ねえ な

何とか 元気づけて やりて え けど リボン は 見つか ん ねえ し

( 店員 ) ありがとう ございました

( 楽 ) 橘 の 言う とおり あの リボン を 誰 か が 拾った と して も

届けて くれる か は 怪しい 気 が する

しかた ねえ ダマ す ようで 忍び ねえ けど

( 足音 )

( 楽 ) おい 千 棘 !

あった ! リボン あった ぞ !

あっ … え ?

ウソ ! ホントに ?

どこ に あった の ?

( 楽 ) え ? あ … その辺 の 路地 裏 に 飛ばさ れて て な

ほれ もう なくす んじゃ ねえ ぞ

( 千 棘 ) き ゃあ ああ 〜

よかった ホントに あり が …

とう

匂い が 違う

( 楽 ) ん ? へ ?

え … 匂い ? お前 そんな ん で 分かる の ?

( 千 棘 ) 新品 の 匂い が する

楽 ?

( 楽 ) う っ

す … すま ん ! ダマ して 悪かった !

その … 悪気 が あった わけじゃ …

う うん いい よ

私 の ため に して くれた こと な んでしょ ?

ありがとう

( 楽 ) えっ ええ 〜!

な … 何 だ それ は !

ここ は ふだん なら オレ を フルボッコ に して

地面 に 埋めて 罵声 を 浴びせ ながら 立ち去る ところ だ ろ 〜!

一体 誰 な んだ ? お前 は

ん ? でも どう 考えて も ひどい の は そっち の 千 棘 だ よ な

もし かして こいつ このまま の ほう が いい の かも

いやいや いい わけ ねえ だ ろ

危うく 優しい ウソ に ダマ さ れる ところ だった

ハア … しかたない また 一 から 捜して …

ん ?

あれ って

( 千 棘 ) どうした の ?

なあ 千 棘 お前 目 良かった ろ ?

( 楽 ) あそこ ( 千 棘 ) ん ?

( 楽 ) あの 電柱 に 引っ掛かって ん の って

( 千 棘 ) あった 〜!

あった あった あった 〜!

逃がさ ん !

た あ !

うわ ああ あ 〜

まあ 元気に なった の は 何より だ けど

ん ?

あっ ヤベッ !

( 千 棘 ) 見失っちゃ った でも 絶対 見つける !

見つけた !

今度 こそ 捕まえて …

あっ 待って ! そっち は …

( 踏切 の 警報 音 )

( 電車 が 近づく 音 )

( ビリッ !)

あ …

ああ ああ 〜!

そ … そんな

う っ う … う …

うわ ああ 〜 わ ああ あ 〜 ん

うわ ああ うわ ああ 〜 ん

( 楽 ) おいおい 何 泣いて んだ よ お前 は

楽 … だって リボン が

いや それ オレ が 買って きた ほう の リボン だ から

( 千 棘 ) は ?

( 楽 ) オレ の も さっき 風 で 飛ばさ れた んだ よ

間違った ほう を 追って た んだ よ お前

で お前 の ほう は オレ が さっき 拾って きた

ほれ

匂い で 分かる んだ ろ ? 確認 して みろ よ

( 千 棘 ) くん …

ふ ああ 〜 本物 だ 〜!

ふえ え 〜 ん

よかった ホントに よかった 〜!

( 楽 ) った く 次 から は …

う っ

( 千 棘 ) あり が と あり が と 〜!

( 楽 ) お … おお …

( 千 棘 ) はっ 何 抱きついて ん の よ バカ !

う う … もう 絶対 なくさ ない から ね

( 楽 ) やれやれ ようやく いつも の 千 棘 に 元どおり か

ちょっと だけ 残念な ような

何 よ ?

( 楽 ) いや や っぱ この ほう が しっくり くる な

( 千 棘 ) ちょっと 何 笑って ん の よ !

( 楽 ) 別に

( 千 棘 ) 何 よ 〜!

( 千 棘 ) ああ …

フウ …

( 千 棘 ) 告白 か あ

いやいや あり え ない あり え ない

でも もし … もし したら どう なる んだろう ?

あいつ の こと は まあ 好きだ

でも つきあい たい の か と 言わ れる と

正直 よく 分から ない

私 は どう し たい んだろう ?

どう なり たい んだろう ?

告白 と かすれば 何 か が 変わったり する のだろう か ?

して みよう か ? 試しに

ほんの 試しに

ホントに は し ない

ちょっと 言おう と して みる だけ

( 楽 ) ん ?

んだ よ ? 人 の 顔 ジーッ と 見て

( 千 棘 ) フッ

ムリ 〜! 絶対 に ムリ !

( 千 棘 ) 告白 する って 考えた だけ で 頭 が ハチ 切れ そうに なる

だって もし ダメだったら どう する の ?

その あと も ニセ の 恋人 続ける の よ

そんな の ムリ ! 絶対 死んじゃ う 〜!

でも もし ホントに 告白 したら こいつ は どんな 顔 する んだろう ?

喜ぶ かな ? 嫌がる かな ?

嫌がり そうだ な

だって こいつ 私 の こと

まるで 恋愛 対象 と して 見て ない だろう し

はっ ! 何 を 真面目に 考えて ん の ? 私

試しに … 試しに 考えて みて る だけ なんだ から ! アッハハ

ハア …

( 千 棘 ) 直接 が ムリ なら ラブ レター でも 書いて みよう か

それ なら ずっと ハードル 低そう だ し

えっ 何て 書く んだろう ?

“ 好きです つきあって ください ” かな ? やっぱり

くく く …

“ す ”…

ほ に ゃ 〜!

( 千 棘 ) ダメだ ! 書け ない

本気で 渡す わけじゃ ない と 分かって いて も

恥ずかしくて 耐え られ ない !

想像 以上 に ドキドキ しちゃ う

世 の カップル は みんな こんな 儀式 を クリア して

カップル に なった の ?

みんな ちょっと 勇者 すぎ ない ?

手紙 は やめ !

ひとまず 練習 でも して みよう

ゴホン

あ 〜

え 〜 っと

その … あの …

す … 好きです つきあって ください !

( 千 棘 ) フッ 言えた

ものすごく 恥ずかしかった けど 言えた

まあ 人形 相手 なら こんな もの …

何 を さ れて いる んです か ? お 嬢

ふ が 〜! 違う !

あっ 今 の は 練習 … じゃ なくて ただ ドラマ の マネ を

て ゆうか 鶫 ノック して よ ノック !

ノック は した のです が …

失礼 し ました

ハア … ハア … ハア …

( 千 棘 ) う う … や っぱ 告白 って 大変だ

ちょっと 練習 した だけ で これ な のに 本番 なんて …

みんな は 一体 どう やって る んだろう ?

( 千 棘 ) ねえ パパ ( 千 棘 の 父 ) ん ?

( 千 棘 ) パパ と ママ は どっち から 告白 した の ?

( 千 棘 の 父 ) うん ? そう だ ねえ

まっ 早い話が 僕 から な んだ けど ね

そう いえば 千 棘 に は 華 と の 出会い は 話して なかった かな

僕 と 華 が 出会った の は

たまたま 仕事 で 日本 に 来て いた とき の こと で ね

( 銃声 )

( 千 棘 の 父 ) ある 日 敵対 して いた 組織 と

廃 工場 で 銃撃 戦 を 繰り広げて いた とき の こと

う 〜 ん 押さ れて いる ね

( ギャング ) どう し ます ? ボス

( ギャング ) ん ? な っ 何 だ ? あの 女 どこ の 人間 だ ?

( ギャング ) イカレ てん の か ? 蜂 の 巣 に なん ぞ

ん ?

( 女性 ) フ 〜

( 千 棘 の 父 ) その 女性 は 銃撃 の ただ中 に 立つ と こう 言い放った

( 女性 ) こちら の ピザ を ご 注文 くださった の は

どちら 側 の 人 ?

( ギャング たち ) え ? は ?

え ? もし かして それ が ママ ?

そう だ よ 当時 の 華 は 苦学 生 で ね

バイト を 17 個 掛け持ち して 暮らして た そうだ よ

( 千 棘 ) 17? 意味 が 分から ん

( 千 棘 の 父 ) その とき の 華 は とても 美しく

さながら 戦場 に 舞い降りた 天使 の ようで ね

僕 は 思わず 彼女 に 見入って しまった んだ

( 千 棘 ) それ で その あと パパ は どうした の ?

うん プロポーズ した

結婚 して ください

なんで ?

( 千 棘 の 母 ) とう !

( 千 棘 の 父 ) 直後 思いっ切り 蹴ら れた けど ね

( 千 棘 ) ママ も すごい な

( 千 棘 の 父 ) 要するに 僕 の ひと 目 惚 ( ぼ ) れ だった わけだ けど

大変だった の は それ から で ね ハハハ

僕 から アプローチ を 続けた んだ けど フラ れ っぱなし で

ひどい とき は フラ れる とき に 骨 まで 折ら れて

( 千 棘 ) ダメだ 特殊 すぎて 参考 に なん ない

ただ それ でも 告白 せ ず に は い られ なかった

その くらい 彼女 は 魅力 的に 見えた

運命 の 相手 は きっと この 人 だって ね

( 千 棘 ) パパ は そんなに も ママ の こと が 好きだった んだ

私 も パパ みたいに 頑張れる だろう か ?

フリ で さえ 告白 なんて でき そう も ない のに

私 は ちゃんと こいつ の こと を “ 好きだ ” って 言える ?

ん ? おい 千 棘 ! 前 前 !

は ?

( ガンッ ) ( 千 棘 ) アイタッ

( 楽 ) 子供

( 千 棘 ) う っさ いわ ね ほっといて よ もう !

ボーッ と して て 看板 で 頭 打つ と か どん だけ 注意 力 ねえ んだ よ

う っ さ い なあ

( 楽 ) 何 か 悩み 事か ?

( 千 棘 ) え ?

( 楽 ) ここん とこ ずっと 何 か 考え込んで る だ ろ ?

オレ で 役 に 立て そうな こと なら 聞いて やら ねえ でも ねえ けど ?

( 千 棘 ) 気 に かけて くれて た んだ

ちょっと うれしい な

う うん 大丈夫

( 楽 ) そう

( 千 棘 ) あ … 今 ちょっと だけ いい 雰囲気 かも

いやいや だ から って 告白 ?

ムリ !

だって 好き なら そう する べき !

すれば 何 か 変わる かも ?

本当に 好き ?

せっかく の チャンス だし !

分から ない けど でも …

( 楽 ) そう いや さあ

お前 が 日本 に 来て 恋人 の フリ 始めて から

もう 1 年 以上 たつ んだ よ な

スゲ え な 慣れた

こんな 異常 事態 に 慣れて る 自分 が 恐ろしい

( 千 棘 ) 何 よ ? 現状 に 何 か ご 不満 ?

いや そういう 話 じゃ なくて 単純に スゲ え な 〜 と

いろいろ あった よ な お前 に 殴ら れたり

殴ら れたり 殴ら れたり …

ちょっと 全部 あんた が 悪い んじゃ ない

( 楽 ) ほとんど は 不可抗力 だったろう が

つうか お前 こそ この 状況 あんなに 嫌がって たくせ に

そりゃ 観念 も する わ よ 私 大人 な ので !

( 楽 ) どこ に 大人 が いる って ?

( 千 棘 ) 目 の 前 の レディー が 見え ない ?

( 楽 ) 見え ねえ

( 千 棘 ) ムッ 殴る わ よ

( 楽 ) 今 の オレ 悪く ないだ ろ

( 千 棘 ) て ゆうか まだ 卒業 まで 半分 以上 ある んだ けど ね

まっ 先 の こと は 考えた って しかた ねえ や

気長に いこう ぜ 何とか なんだ ろ

( 千 棘 ) 気長に か

そう ね 別に 今 すぐ し なきゃ いけない わけじゃ なし

( 楽 ) ん ? 何の 話 だ ?

こっち の 話

( 千 棘 ) そうだ 私 は もっと こいつ と い たい んだ

今 は それ が 私 の 気持ち

そろそろ 行 こっか

おう

( 千 棘 ) もし このまま こいつ の こと を 好きで い 続けたら

いつか パパ みたいに 告白 し たく なる とき が 来る のだろう

そんな とき が 来た なら …

ねえ 楽

( 楽 ) ん ?

う うん 何でもない

( 楽 ) 何 な んだ ? さっき から

( 千 棘 ) あっ 何でもない こと は なかった

今日 は ラーメン を おごって あげ ましょう か ?

この 私 が あんた ごとき に

( 楽 ) え ? どう した んだ よ お前 熱 で も ある の か ?

( 千 棘 ) な っ ! なんで そういう 発想 に なる の よ !

( 楽 ) だって ふだん そんな こと あり え ない …

( 千 棘 ) ええ い う っ さ い !

( バキッ !) ( 楽 ) ああ っ !

( ズルル …)

♪〜

〜♪


Nisekoi : False Love 2nd Season Episode 12 Nisekoi: False Love 2nd Season Episode 12

( 千 棘 ( ち とげ )) 遅刻 遅刻 〜! せん|とげ|||ちこく|ちこく

急が なきゃ ! 急が なきゃ ! いそが||いそが|

いって きま 〜 す !

ハア ハア ハア ハア …

ああ あ ああ 〜!

♪〜

〜♪

( キーンコーン カーンコーン )

( 楽 ( らく )) フウ 〜 危 ねえ 危うく 遅刻 する ところ だった ぜ がく|||き||あやうく|ちこく||||

ん ?

あれ ? 珍しい な 千 棘 |めずらしい||せん|とげ

ギリギリ と は いえ お前 の ほう が 先 に 着いて る なんて ぎりぎり||||おまえ||||さき||ついて||

( ぼそぼそ …)

千 棘 ? せん|とげ

え ? リボン を なくした ? |りぼん||

( 千 棘 ) 学校 に 着いた とき に 気付いて せん|とげ|がっこう||ついた|||きづいて

( 鶫 ( つぐみ )) 焦って ら した ので 結び目 が 緩かった の かも しれ ませ ん ね つぐみ||あせって||||むすびめ||ゆるかった||||||

( 楽 ) じゃあ どの 辺 で なく した の かも 分か ん ねえ の か がく|||ほとり||||||わか||||

( 千 棘 ) キュッ 私 やっぱり 捜して くる ! せん|とげ||わたくし||さがして|

( 楽 ) 待て 待て ! 授業 始まる って の ! がく|まて|まて|じゅぎょう|はじまる||

ちょっと 落ち着け って |おちつけ|

放課後 ちゃん と 一緒に 捜して やっ から ほうかご|||いっしょに|さがして||

でも あれ は …

分かって る よ わかって||

華 ( は な ) さん に もらった 大事な リボン だ もん な はな||||||だいじな|りぼん|||

きっと 見つけて やる から |みつけて||

それ も そう だ けど

あれ は あん …

( 楽 )“ あん ”? がく|

( 千 棘 ) いや 何でも せん|とげ||なんでも

( 鶫 ) ご 安心 ください お 嬢 私 も 手伝い ます から つぐみ||あんしん|||じょう|わたくし||てつだい||

( 小 咲 ( こさ き )) 私 たち も 手伝う よ しょう|さ|こ さ||わたくし|||てつだう|

( 千 棘 ) う う … みんな 〜 せん|とげ|||

( 小 咲 ) とりあえず まとめて あげる しょう|さ|||

( 千 棘 ) ありがとう せん|とげ|

( るり ) こんな こと も あろう か と ヘアメークセット !

え 〜 どんな 感じ に し ましょう か ? ||かんじ||||

( 万里 花 ( まり か )) まったく リボン 1 つ で 情けない 人 です わ ね まり|か||||りぼん|||なさけない|じん|||

あんな 布 きれ を 届けて くださる 人 が いる と は 思え ませ ん し |ぬの|||とどけて||じん|||||おもえ|||

今頃 ゴミ と 一緒に 捨て られて る かも しれ ませ ん わ ね いまごろ|ごみ||いっしょに|すて||||||||

橘 ( たちばな ) 万里 花 ! 貴 様 ! たちばな||まり|か|とうと|さま

あ …

わ あ !

( 千 棘 ) う う … そう かな 〜? せん|とげ||||

やっぱり そう な の か な 〜?

ちょ ちょ … 桐 崎 ( きりさき ) さん いつも と 反応 違い 過ぎ です わ ||きり|さき|||||はんのう|ちがい|すぎ||

そんな 号泣 なさら ないで ください まし |ごうきゅう||||

分かり ました 分かり ました よ ! わかり||わかり||

私 も 手伝って さしあげ ます から わたくし||てつだって|||

いいかげん 泣きやんで ください |なきやんで|

( 楽 ) 大丈夫 か ? あいつ がく|だいじょうぶ||

( 小 咲 ) う 〜 ん どこ に ある んだ ろ ? 千 棘 ちゃん の リボン しょう|さ||||||||せん|とげ|||りぼん

( 鶫 ) 交番 に も それ らしい 物 は 届いて い ない ようでした し つぐみ|こうばん|||||ぶつ||とどいて||||

大丈夫です か ? お 嬢 だいじょうぶ です|||じょう

( 千 棘 ) うん せん|とげ|

( 楽 ) ん … がく|

元気 出せよ 千 棘 今日 も 一緒に 捜して やっ から げんき|だせよ|せん|とげ|きょう||いっしょに|さがして||

( 千 棘 ) うん せん|とげ|

( 楽 ) う … がく|

しょうが ねえ な お前 は まったく |||おまえ||

じゃあ 今日 は オレ が 特別に |きょう||おれ||とくべつに

ラーメン を おごって やる ! らーめん|||

お前 の 好きだった 期間 限定 ラーメン も おまえ||すきだった|きかん|げんてい|らーめん|

最近 復活 し ただ ろ ? さいきん|ふっかつ|||

リボン を 見つけたら みんな で 食い に 行 こ … りぼん||みつけたら|||くい||ぎょう|

( 千 棘 ) いい そんな 気分 じゃ ない せん|とげ|||きぶん||

( 楽 ) な っ ! がく||

ラーメン を 拒否 だ と ? らーめん||きょひ||

ラ … ラーメン を だ ぞ ? |らーめん|||

こんな こと は 今 まで 1 度 も … |||いま||たび|

クソ ! すっかり しおらしく な っち まって くそ|||||

調子 狂う 前 に これ じゃ 見ちゃ いら ん ねえ よ ちょうし|くるう|ぜん||||みちゃ||||

しかし 何 だ な 気のせい かも しれ ない が |なん|||きのせい||||

心なしか こいつ 美人 に なって ない か ? こころなしか||びじん||||

あっ いや ふだん 忘れがちだ が こいつ は もともと 美人 な んだ っけ |||わすれがちだ|||||びじん|||

何だか しおらし さ も 相まって いつも より 女らしく 見える 気 が なんだか||||あいまって|||おんならしく|みえる|き|

なあ 千 棘 ちょっと オレ と 腕相撲 して み ない か ? |せん|とげ||おれ||うでずもう||||

え ? なんで よ ?

( 楽 ) いい から いい から がく||||

( 千 棘 ) う っ う う … せん|とげ||||

( 楽 ) いく ぞ ? よ 〜 い ど … がく|||||

あっ !

( 万里 花 ) ああ 〜 楽 様 〜! まり|か||がく|さま

( 楽 ) 淡い 期待 を した オレ が バカだった がく|あわい|きたい|||おれ||ばかだった

( 男子 ) 大丈夫 か ? 一条 ( いちじょう ) だんし|だいじょうぶ||ひと じょう|

ホント バカ ね ほんと|ばか|

( 楽 ) しかし もし このまま リボン が 見つから なかったら がく||||りぼん||みつから|

どう なる んだ ?

もし かして こいつ ずっと このまま ?

( キーンコーン カーンコーン )

( 千 棘 ) う う う … せん|とげ|||

( 鶫 ) 見つかり ませ ん ね 〜 お 嬢 の リボン つぐみ|みつかり|||||じょう||りぼん

( 小 咲 ) う 〜 ん あと は どこ を 捜せば … しょう|さ|||||||さがせば

( るり ) 捜す 範囲 を 広げる しか ない かも ね |さがす|はんい||ひろげる||||

( 楽 ) また どっぷり 落ち込んで がく|||おちこんで

いよいよ 見ちゃ いら ん ねえ な |みちゃ||||

何とか 元気づけて やりて え けど リボン は 見つか ん ねえ し なんとか|げんきづけて||||りぼん||みつか|||

( 店員 ) ありがとう ございました てんいん||

( 楽 ) 橘 の 言う とおり あの リボン を 誰 か が 拾った と して も がく|たちばな||いう|||りぼん||だれ|||ひろった|||

届けて くれる か は 怪しい 気 が する とどけて||||あやしい|き||

しかた ねえ ダマ す ようで 忍び ねえ けど |||||しのび||

( 足音 ) あしおと

( 楽 ) おい 千 棘 ! がく||せん|とげ

あった ! リボン あった ぞ ! |りぼん||

あっ … え ?

ウソ ! ホントに ? うそ|ほんとに

どこ に あった の ?

( 楽 ) え ? あ … その辺 の 路地 裏 に 飛ばさ れて て な がく|||そのへん||ろじ|うら||とばさ|||

ほれ もう なくす んじゃ ねえ ぞ

( 千 棘 ) き ゃあ ああ 〜 せん|とげ|||

よかった   ホントに あり が … |ほんとに||

とう

匂い が 違う におい||ちがう

( 楽 ) ん ? へ ? がく||

え … 匂い ? お前 そんな ん で 分かる の ? |におい|おまえ||||わかる|

( 千 棘 ) 新品 の 匂い が する せん|とげ|しんぴん||におい||

楽 ? がく

( 楽 ) う っ がく||

す … すま ん ! ダマ して 悪かった ! |||||わるかった

その … 悪気 が あった わけじゃ … |わるぎ|||

う うん いい よ

私 の ため に して くれた こと な んでしょ ? わたくし||||||||

ありがとう

( 楽 ) えっ ええ 〜! がく||

な … 何 だ それ は ! |なん|||

ここ は ふだん なら オレ を フルボッコ に して ||||おれ||||

地面 に 埋めて 罵声 を 浴びせ ながら 立ち去る ところ だ ろ 〜! じめん||うずめて|ばせい||あびせ||たちさる|||

一体 誰 な んだ ? お前 は いったい|だれ|||おまえ|

ん ? でも どう 考えて も ひどい の は そっち の 千 棘 だ よ な |||かんがえて|||||||せん|とげ|||

もし かして こいつ このまま の ほう が いい の かも

いやいや いい わけ ねえ だ ろ

危うく 優しい ウソ に ダマ さ れる ところ だった あやうく|やさしい|うそ||||||

ハア … しかたない また 一 から 捜して … |||ひと||さがして

ん ?

あれ って

( 千 棘 ) どうした の ? せん|とげ||

なあ 千 棘 お前 目 良かった ろ ? |せん|とげ|おまえ|め|よかった|

( 楽 ) あそこ ( 千 棘 ) ん ? がく||せん|とげ|

( 楽 ) あの 電柱 に 引っ掛かって ん の って がく||でんちゅう||ひっかかって|||

( 千 棘 ) あった 〜! せん|とげ|

あった あった あった 〜!

逃がさ ん ! にがさ|

た あ !

うわ ああ あ 〜

まあ 元気に なった の は 何より だ けど |げんきに||||なにより||

ん ?

あっ ヤベッ !

( 千 棘 ) 見失っちゃ った でも 絶対 見つける ! せん|とげ|みうしなっちゃ|||ぜったい|みつける

見つけた ! みつけた

今度 こそ 捕まえて … こんど||つかまえて

あっ 待って ! そっち は … |まって||

( 踏切 の 警報 音 ) ふみきり||けいほう|おと

( 電車 が 近づく 音 ) でんしゃ||ちかづく|おと

( ビリッ !)

あ …

ああ ああ 〜!

そ … そんな

う っ う … う …

うわ ああ 〜 わ ああ あ 〜 ん

うわ ああ うわ ああ 〜 ん

( 楽 ) おいおい 何 泣いて んだ よ お前 は がく||なん|ないて|||おまえ|

楽 … だって リボン が がく||りぼん|

いや それ オレ が 買って きた ほう の リボン だ から ||おれ||かって||||りぼん||

( 千 棘 ) は ? せん|とげ|

( 楽 ) オレ の も さっき 風 で 飛ばさ れた んだ よ がく|おれ||||かぜ||とばさ|||

間違った ほう を 追って た んだ よ お前 まちがった|||おって||||おまえ

で お前 の ほう は オレ が さっき 拾って きた |おまえ||||おれ|||ひろって|

ほれ

匂い で 分かる んだ ろ ? 確認 して みろ よ におい||わかる|||かくにん|||

( 千 棘 ) くん … せん|とげ|

ふ ああ 〜 本物 だ 〜! ||ほんもの|

ふえ え 〜 ん

よかった   ホントに よかった 〜! |ほんとに|

( 楽 ) った く 次 から は … がく|||つぎ||

う っ

( 千 棘 ) あり が と   あり が と 〜! せん|とげ||||||

( 楽 ) お … おお … がく||

( 千 棘 ) はっ 何 抱きついて ん の よ バカ ! せん|とげ||なん|だきついて||||ばか

う う … もう 絶対 なくさ ない から ね |||ぜったい|なく さ|||

( 楽 ) やれやれ ようやく いつも の 千 棘 に 元どおり か がく|||||せん|とげ||もとどおり|

ちょっと だけ 残念な ような ||ざんねんな|

何 よ ? なん|

( 楽 ) いや や っぱ この ほう が しっくり くる な がく|||||||||

( 千 棘 ) ちょっと 何 笑って ん の よ ! せん|とげ||なん|わらって|||

( 楽 ) 別に がく|べつに

( 千 棘 ) 何 よ 〜! せん|とげ|なん|

( 千 棘 ) ああ … せん|とげ|

フウ …

( 千 棘 ) 告白 か あ せん|とげ|こくはく||

いやいや あり え ない あり え ない

でも もし … もし したら どう なる んだろう ?

あいつ の こと は まあ 好きだ |||||すきだ

でも つきあい たい の か と 言わ れる と ||||||いわ||

正直 よく 分から ない しょうじき||わから|

私 は どう し たい んだろう ? わたくし|||||

どう なり たい んだろう ?

告白 と かすれば 何 か が 変わったり する のだろう か ? こくはく|||なん|||かわったり|||

して みよう か ? 試しに |||ためしに

ほんの 試しに |ためしに

ホントに は し ない ほんとに|||

ちょっと 言おう と して みる だけ |いおう||||

( 楽 ) ん ? がく|

んだ よ ? 人 の 顔 ジーッ と 見て ||じん||かお|||みて

( 千 棘 ) フッ せん|とげ|

ムリ 〜! 絶対 に ムリ ! むり|ぜったい||むり

( 千 棘 ) 告白 する って 考えた だけ で 頭 が ハチ 切れ そうに なる せん|とげ|こくはく|||かんがえた|||あたま||はち|きれ|そう に|

だって もし ダメだったら どう する の ? ||だめだったら|||

その あと も ニセ の 恋人 続ける の よ |||にせ||こいびと|つづける||

そんな の ムリ ! 絶対 死んじゃ う 〜! ||むり|ぜったい|しんじゃ|

でも もし ホントに 告白 したら こいつ は どんな 顔 する んだろう ? ||ほんとに|こくはく|||||かお||

喜ぶ かな ? 嫌がる かな ? よろこぶ||いやがる|

嫌がり そうだ な いやがり|そう だ|

だって こいつ 私 の こと ||わたくし||

まるで 恋愛 対象 と して 見て ない だろう し |れんあい|たいしょう|||みて|||

はっ ! 何 を 真面目に 考えて ん の ? 私 |なん||まじめに|かんがえて|||わたくし

試しに … 試しに 考えて みて る だけ なんだ から ! アッハハ ためしに|ためしに|かんがえて||||||

ハア …

( 千 棘 ) 直接 が ムリ なら ラブ レター でも 書いて みよう か せん|とげ|ちょくせつ||むり||らぶ|れたー||かいて||

それ なら ずっと ハードル 低そう だ し |||はーどる|ていそう||

えっ 何て 書く んだろう ? |なんて|かく|

“ 好きです つきあって ください ” かな ? やっぱり すき です||||

くく く …

“ す ”…

ほ に ゃ 〜!

( 千 棘 ) ダメだ ! 書け ない せん|とげ|だめだ|かけ|

本気で 渡す わけじゃ ない と 分かって いて も ほんきで|わたす||||わかって||

恥ずかしくて 耐え られ ない ! はずかしくて|たえ||

想像 以上 に ドキドキ しちゃ う そうぞう|いじょう||どきどき||

世 の カップル は みんな こんな 儀式 を クリア して よ||かっぷる||||ぎしき||くりあ|

カップル に なった の ? かっぷる|||

みんな ちょっと 勇者 すぎ ない ? ||ゆうしゃ||

手紙 は やめ ! てがみ||

ひとまず 練習 でも して みよう |れんしゅう|||

ゴホン

あ 〜

え 〜 っと

その … あの …

す … 好きです つきあって ください ! |すき です||

( 千 棘 ) フッ 言えた せん|とげ||いえた

ものすごく 恥ずかしかった けど 言えた |はずかしかった||いえた

まあ 人形 相手 なら こんな もの … |にんぎょう|あいて|||

何 を さ れて いる んです か ? お 嬢 なん|||||ん です|||じょう

ふ が 〜! 違う ! ||ちがう

あっ 今 の は 練習 … じゃ なくて ただ ドラマ の マネ を |いま|||れんしゅう||||どらま||まね|

て ゆうか 鶫 ノック して よ ノック ! ||つぐみ||||

ノック は した のです が … |||の です|

失礼 し ました しつれい||

ハア … ハア … ハア …

( 千 棘 ) う う … や っぱ 告白 って 大変だ せん|とげ|||||こくはく||たいへんだ

ちょっと 練習 した だけ で これ な のに 本番 なんて … |れんしゅう|||||||ほんばん|

みんな は 一体 どう やって る んだろう ? ||いったい||||

( 千 棘 ) ねえ パパ ( 千 棘 の 父 ) ん ? せん|とげ||ぱぱ|せん|とげ||ちち|

( 千 棘 ) パパ と ママ は どっち から 告白 した の ? せん|とげ|ぱぱ||まま||||こくはく||

( 千 棘 の 父 ) うん ? そう だ ねえ せん|とげ||ちち||||

まっ 早い話が 僕 から な んだ けど ね |はやいはなしが|ぼく|||||

そう いえば 千 棘 に は 華 と の 出会い は 話して なかった かな ||せん|とげ|||はな|||であい||はなして||

僕 と 華 が 出会った の は ぼく||はな||であった||

たまたま 仕事 で 日本 に 来て いた とき の こと で ね |しごと||にっぽん||きて||||||

( 銃声 ) じゅうせい

( 千 棘 の 父 ) ある 日 敵対 して いた 組織 と せん|とげ||ちち||ひ|てきたい|||そしき|

廃 工場 で 銃撃 戦 を 繰り広げて いた とき の こと はい|こうじょう||じゅうげき|いくさ||くりひろげて||||

う 〜 ん 押さ れて いる ね ||おさ|||

( ギャング ) どう し ます ? ボス ぎゃんぐ||||ぼす

( ギャング ) ん ? な っ 何 だ ? あの 女 どこ の 人間 だ ? ぎゃんぐ||||なん|||おんな|||にんげん|

( ギャング ) イカレ てん の か ? 蜂 の 巣 に なん ぞ ぎゃんぐ|||||はち||す|||

ん ?

( 女性 ) フ 〜 じょせい|

( 千 棘 の 父 ) その 女性 は 銃撃 の ただ中 に 立つ と こう 言い放った せん|とげ||ちち||じょせい||じゅうげき||ただなか||たつ|||いいはなった

( 女性 ) こちら の ピザ を ご 注文 くださった の は じょせい|||ぴざ|||ちゅうもん|||

どちら 側 の 人 ? |がわ||じん

( ギャング たち ) え ? は ? ぎゃんぐ|||

え ? もし かして それ が ママ ? |||||まま

そう だ よ   当時 の 華 は 苦学 生 で ね |||とうじ||はな||くがく|せい||

バイト を 17 個 掛け持ち して 暮らして た そうだ よ ばいと||こ|かけもち||くらして||そう だ|

( 千 棘 ) 17? 意味 が 分から ん せん|とげ|いみ||わから|

( 千 棘 の 父 ) その とき の 華 は とても 美しく せん|とげ||ちち||||はな|||うつくしく

さながら 戦場 に 舞い降りた 天使 の ようで ね |せんじょう||まいおりた|てんし|||

僕 は 思わず 彼女 に 見入って しまった んだ ぼく||おもわず|かのじょ||みいって||

( 千 棘 ) それ で その あと パパ は どうした の ? せん|とげ|||||ぱぱ|||

うん プロポーズ した |ぷろぽーず|

結婚 して ください けっこん||

なんで ?

( 千 棘 の 母 ) とう ! せん|とげ||はは|

( 千 棘 の 父 ) 直後 思いっ切り 蹴ら れた けど ね せん|とげ||ちち|ちょくご|おもいっきり|けら|||

( 千 棘 ) ママ も すごい な せん|とげ|まま|||

( 千 棘 の 父 ) 要するに 僕 の ひと 目 惚 ( ぼ ) れ だった わけだ けど せん|とげ||ちち|ようするに|ぼく|||め|ぼけ|||||

大変だった の は それ から で ね ハハハ たいへんだった|||||||

僕 から アプローチ を 続けた んだ けど フラ れ っぱなし で ぼく||あぷろーち||つづけた||||||

ひどい とき は フラ れる とき に 骨 まで 折ら れて |||||||こつ||おら|

( 千 棘 ) ダメだ 特殊 すぎて 参考 に なん ない せん|とげ|だめだ|とくしゅ||さんこう|||

ただ それ でも 告白 せ ず に は い られ なかった |||こくはく|||||||

その くらい 彼女 は 魅力 的に 見えた ||かのじょ||みりょく|てきに|みえた

運命 の 相手 は きっと この 人 だって ね うんめい||あいて||||じん||

( 千 棘 ) パパ は そんなに も ママ の こと が 好きだった んだ せん|とげ|ぱぱ||||まま||||すきだった|

私 も パパ みたいに 頑張れる だろう か ? わたくし||ぱぱ||がんばれる||

フリ で さえ 告白 なんて でき そう も ない のに |||こくはく||||||

私 は ちゃんと こいつ の こと を “ 好きだ ” って 言える ? わたくし|||||||すきだ||いえる

ん ? おい 千 棘 ! 前 前 ! ||せん|とげ|ぜん|ぜん

は ?

( ガンッ ) ( 千 棘 ) アイタッ |せん|とげ|

( 楽 ) 子供 がく|こども

( 千 棘 ) う っさ いわ ね ほっといて よ もう ! せん|とげ|||||||

ボーッ と して て 看板 で 頭 打つ と か どん だけ 注意 力 ねえ んだ よ ぼーっ||||かんばん||あたま|うつ|||||ちゅうい|ちから|||

う っ さ い なあ

( 楽 ) 何 か 悩み 事か ? がく|なん||なやみ|ことか

( 千 棘 ) え ? せん|とげ|

( 楽 ) ここん とこ ずっと 何 か 考え込んで る だ ろ ? がく||||なん||かんがえこんで|||

オレ で 役 に 立て そうな こと なら 聞いて やら ねえ でも ねえ けど ? おれ||やく||たて|そう な|||きいて|||||

( 千 棘 ) 気 に かけて くれて た んだ せん|とげ|き|||||

ちょっと うれしい な

う うん 大丈夫 ||だいじょうぶ

( 楽 ) そう がく|

( 千 棘 ) あ … 今 ちょっと だけ いい 雰囲気 かも せん|とげ||いま||||ふんいき|

いやいや だ から って 告白 ? ||||こくはく

ムリ ! むり

だって 好き なら そう する べき ! |すき||||

すれば 何 か 変わる かも ? |なん||かわる|

本当に 好き ? ほんとうに|すき

せっかく の チャンス だし ! ||ちゃんす|

分から ない けど でも … わから|||

( 楽 ) そう いや さあ がく|||

お前 が 日本 に 来て 恋人 の フリ 始めて から おまえ||にっぽん||きて|こいびと|||はじめて|

もう 1 年 以上 たつ んだ よ な |とし|いじょう||||

スゲ え な   慣れた |||なれた

こんな 異常 事態 に 慣れて る 自分 が 恐ろしい |いじょう|じたい||なれて||じぶん||おそろしい

( 千 棘 ) 何 よ ? 現状 に 何 か ご 不満 ? せん|とげ|なん||げんじょう||なん|||ふまん

いや そういう 話 じゃ なくて 単純に スゲ え な 〜 と ||はなし|||たんじゅんに||||

いろいろ あった よ な お前 に 殴ら れたり ||||おまえ||なぐら|

殴ら れたり 殴ら れたり … なぐら||なぐら|

ちょっと 全部 あんた が 悪い んじゃ ない |ぜんぶ|||わるい||

( 楽 ) ほとんど は 不可抗力 だったろう が がく|||ふかこうりょく||

つうか お前 こそ この 状況 あんなに 嫌がって たくせ に |おまえ|||じょうきょう||いやがって||

そりゃ 観念 も する わ よ 私 大人 な ので ! |かんねん|||||わたくし|おとな||

( 楽 ) どこ に 大人 が いる って ? がく|||おとな|||

( 千 棘 ) 目 の 前 の レディー が 見え ない ? せん|とげ|め||ぜん||れでぃー||みえ|

( 楽 ) 見え ねえ がく|みえ|

( 千 棘 ) ムッ 殴る わ よ せん|とげ||なぐる||

( 楽 ) 今 の オレ 悪く ないだ ろ がく|いま||おれ|わるく||

( 千 棘 ) て ゆうか まだ 卒業 まで 半分 以上 ある んだ けど ね せん|とげ||||そつぎょう||はんぶん|いじょう||||

まっ 先 の こと は 考えた って しかた ねえ や |さき||||かんがえた||||

気長に いこう ぜ   何とか なんだ ろ きながに|||なんとか||

( 千 棘 ) 気長に か せん|とげ|きながに|

そう ね 別に 今 すぐ し なきゃ いけない わけじゃ なし ||べつに|いま||||||

( 楽 ) ん ? 何の 話 だ ? がく||なんの|はなし|

こっち の 話 ||はなし

( 千 棘 ) そうだ 私 は もっと こいつ と い たい んだ せん|とげ|そう だ|わたくし|||||||

今 は それ が 私 の 気持ち いま||||わたくし||きもち

そろそろ 行 こっか |ぎょう|

おう

( 千 棘 ) もし このまま こいつ の こと を 好きで い 続けたら せん|とげ|||||||すきで||つづけたら

いつか パパ みたいに 告白 し たく なる とき が 来る のだろう |ぱぱ||こくはく||||||くる|

そんな とき が 来た なら … |||きた|

ねえ 楽 |がく

( 楽 ) ん ? がく|

う うん 何でもない ||なんでもない

( 楽 ) 何 な んだ ? さっき から がく|なん||||

( 千 棘 ) あっ 何でもない こと は なかった せん|とげ||なんでもない|||

今日 は ラーメン を おごって あげ ましょう か ? きょう||らーめん|||||

この 私 が あんた ごとき に |わたくし||||

( 楽 ) え ? どう した んだ よ お前 熱 で も ある の か ? がく||||||おまえ|ねつ|||||

( 千 棘 ) な っ ! なんで そういう 発想 に なる の よ ! せん|とげ|||||はっそう||||

( 楽 ) だって ふだん そんな こと あり え ない … がく|||||||

( 千 棘 ) ええ い う っ さ い ! せん|とげ||||||

( バキッ !) ( 楽 ) ああ っ ! |がく||

( ズルル …)

♪〜

〜♪