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ぐらんぶる, Grand Blue Episode 2

Grand Blue Episode 2

( 伊 織 ( いおり ) ) う う … う っ …

( 千 紗 ( ちさ ) ) ただいま

( 3 人 ) お かえり !

う お っ …

( 登志夫 ( と しお ) ) どう し た 伊 織

( 寿 ( こと ぶき ) ) 二日酔い か ?

( 時田 ( と き た ) ) 吐く なら トイレ だ

( 伊 織 ) その 格好 の せい です よ

( 3 人 ) ん ? ハッハッハ …

( 寿 ) ああ この 格好 か あ

( 時田 ) この あと 潜る から 準備 し て た もん で な

( 登志夫 ) 下 に は ちゃんと 水着 つけ てる から

なん だ そう だった ん です か

( 奈々 華 ( な なか ) ) 3 人 と も ちょっと いい ?

( 3 人 ) ん ?

( 伊 織 ) ウソつき ~ !

♪ ~

~ ♪

( 奈々 華 ) 今日 の お 客 さん な ん だ けど …

あっ お かえり なさい

あ … 奈々 華 さん は 服 着 てる ん です ね

( 奈々 華 ) ん ? ( 登志夫 ) どう し た ?

( 奈々 華 ) お 客 さん 急用 で 延期 し て ほしい って

そりゃ 残念 だ な

って こと は 今日 は 中止 か

( 寿 ) しかたがない たま に は 服 でも 着る か

( 伊 織 ) 普通 は 常に 着 て いる もん です けど ね

( 登志夫 ) はい それ じゃあ

( 一同 ) いただき ます !

さ ~ て 飲み 会 まで 空 い ち まった なあ

ああ そう だ なあ

( 寿 ・ 時田 ) 伊 織 夜 まで どう する ?

なぜ そこ で 俺 に 振る ん です か

( 寿 ) じゃあ 別 の 用事 が ある の か

今日 は 飲み 会 に 参加 し ない って 言って る ん です

お前 は なんの サークル に 入った つもり だ !

えっ ダイビング じゃ ない の ?

伊 織 君 !

え … はい

( 奈々 華 ) 伊 織 君 が うち に 来 て 3 日 目 だ けど 知って る ?

えっ と … なん でしょ う か ?

( 奈々 華 ) 自分 の 部屋 が どこ に ある の か を

( 伊 織 ) 言わ れ て み れ ば … ( 奈々 華 ) でしょ ?

( 奈々 華 ) 大学生 に なって はしゃぐ 気持ち も 分かる けど

3 日 連続 で 夜 遊び なんて ダメ

( 伊 織 ) そう です ね 奈々 華 さん の 言う とおり です

と いう こと で 今晩 は 不 参加 です

まあ しかたがない

伊 織 は 不 参加 か

いや あ ほんと すいません ね

( 時田 ) な に いい さ

( 寿 ) どうせ 人数 は 足りる だ ろ う

今日 の 飲み 会 は 青海 ( お うみ ) 女子 大 と の 交流 会 だ し な

( ドア が 閉まる 音 )

( 伊 織 ) 女子 大 … だ と ?

飲み 会 まで どう する ?

そう だ なあ …

( 2 人 ) ん ?

( 伊 織 ) ここ まで し て も 許し て もら え ませ ん か !

( 時田 ) おい 伊 織 何 が あった ?

俺 思い出し まし た

自分 が なんの サークル に 入った の か を

( 寿 ) ダイビング だ ろ ? ( 伊 織 ) いいえ !

そんな もの に 入った 覚え は あり ませ ん !

すばらしい 手のひら 返し だ な

手首 が ねじ 切 れ ん ばかり だ

( 伊 織 ) お 願い し ます 奈々 華 さん !

えっ と ね とりあえず 顔 を 上げ て 服 を 着よ う

大体 どう し て 服 脱ぐ の よ

表裏 の ない 誠意 を 示す ため !

遊び たい の は 分かる けど …

ですが 大将 !

( 奈々 華 ) ダメ です ! ( 伊 織 ) そこ を なんとか !

( 奈々 華 ) ダメ な もの は ダメ ! ( 千 紗 ) ハァ …

( 伊 織 ) どう し たら 許可 が 下りる と 思い ます ?

( 時田 ) あそこ まで 言わ れ たら 諦めろ よ

( 伊 織 ) イヤ です ! 俺 は 諦め ませ ん

一体 何 が お前 を そこ まで 突き動かし てる ん だ ?

恥ずかし ながら 性欲 です

( 寿 ) 本当 に 恥ずかしい な

( 伊 織 ) そんな こと より 奈々 華 さん を どう 説得 する か です

( 時田 ・ 寿 ) うーん …

ん ? とりあえず 荷 ほど き を 済ませる

けど それ だけ じゃ …

不足 か ?

( 寿 ) なら お前 が 自立 し た 1 人 の 男 だ と ―

アピール できる 部屋 を 作れ ば いい

ん な こ と 言わ れ て も …

( 時田 ) しかたがない

かわいい 後輩 の ため に 一 肌 脱ぐ と する か

伊 織 が 立派 な 大人 の 男 だ と

一目 で 分かる よう な 部屋 作り を し て やる !

( 奈々 華 ) えっ ? もう 荷 ほど き が 終わった の ?

( 伊 織 ) はい 俺 だって もう ちゃん と 自立 し た 大人 です から

へ っ ! ? 違う ん です 奈々 華 さん これ は …

あっ … い … 伊 織 君 も ―

男の子 だ もん ね ( 伊 織 ) いや あの ちょっと …

あ … えっ …

( 時田 ) どう だった ? 伊 織 ( 寿 ) バッチリ だ ろ ?

この ド 畜生 ども が ~ !

( 時田 ) 失敗 だった の か ?

( 伊 織 ) むしろ どう し て これ で 成功 する と 思える ん です !

エロ 本 を 見つけ た 母親 は よく

“ 大人 に なった わ ね ” と いう 反応 を する だ ろ う

意味 が 全然 違う でしょ !

じゃ どう し て ほしい ん だ ?

普通 で いい です よ !

初めて 1 人 暮らし を する 大学生 が 作る 普通 の 部屋 で !

なん だ それ で よかった の か ?

それ なら そう と 先 に 言 えよ

ハァ … 頼った 俺 が バカ で し た

あと は 自分 で やり ます から これ 持って 帰って ください

( 時田 ) ん ? 片づけ て いい の か ?

( 伊 織 ) 当たり 前 じゃ ない です か !

いや 寿 と な

入学 祝い に 気 に 入った もの を 1 本 贈呈 し よ う か と

( 伊 織 ) ほう …

伊 織 これ 捨てる やつ だ けど よかったら …

( 女性 ) オー イエス ! オー イエス ! イエス !

( 伊 織 ) なかなか いい です ね 78 点

( 時田 ) うーん 自信 の 1 本 だった ん だ が な

( 女性 ) セッシボーン ! セッシボーン !

おかげ で ひどい 誤解 を 受け まし た よ

( 時田 ) 誤解 で も なかった と 思う が な

( 寿 ) 普通 は あの 場 で “ お前 も 一緒に 見る か ” と は ―

言わ ない だ ろ う ?

もう 帰って ください お 祝い の 1 本 を 置 い て !

待て 伊 織

このまま で は 俺 たち の 沽券 ( こけ ん ) に 関わる

いえ もう 結構 …

( 時田 ) もう 1 本 どう だ !

先輩 方 を 信じ ま しょ う

( 寿 ) 任せ て おけ

新入 生 らしい 完璧 な 部屋 を 作って みせよ う

頼み ます よ

お っ 伊 織

さっき 千 紗 が やけに 怒って た が 何 か あった か ?

俺 だけ が 先輩 に 引っ越し 祝い を もらって た の が よく なかった よう で

それ で 怒る と は あいつ も まだ まだ 子ども だ な

( 伊 織 ) よかったら 一緒に と 誘って み た ん です けど ね

( 奈々 華 ) あっ 伊 織 君

ん ? 奈々 華 さん 説明 を さ せ て ください

大丈夫 気 に し て ない から

それ に さっき お 友達 に 電話 で 聞い たら

伊 織 君 くらい の 男の子 なら 普通 だ って

( 伊 織 ) それ 俺 の 不名誉 が 拡散 さ れ て ませ ん ?

あれ は 先輩 方 の ジョーク な ん です よ

( 奈々 華 ) そう な ん だ

はい 今 は バッチリ 普通 の 部屋 に …

( 耕平 ( こうへい ) ) 店長 セロテープ ありがとう ござい まし た

( 登志夫 ) おう ( 伊 織 ) ん ?

( 耕平 の 鼻歌 )

おう

どう だ ? 俺 プロデュース の 快適 部屋 は

( 伊 織 ) なぜ お前 が ここ に いる ん だ !

( 伊 織 ) なぜ お前 が ここ に いる ん だ !

( 耕平 ) ノー !

貴 様 ! よく も この 俺 自慢 の 1 人 暮らし スターター セット を !

黙れ ! 人 の 部屋 を 勝手 に 自分 色 に 染め 上げ や が って !

( 耕平 ) クッ … 人 が 丹精 込め て コピー し て き た ポスター を

末代 まで 呪って やる

コピー 破った だけ で 呪わ れる 俺 の 子孫 が ふびん すぎる だ ろ

どう だ 今回 は 完璧 だ ろ う ?

新入 生 らしい 部屋 だったら 新入 生 が 作る の が 一 番 だ から な

全然 話 に なり ませ ん !

じゃあ どんな 部屋 なら よかった と いう ん だ !

これ と は 正反対 の 部屋 だ よ !

( 耕平 ) う っ … なん だ そう な の か

そう なら そう と 先 に 言え

言わ なきゃ 分から ん もん かね

分かった 今 すぐ そう いう 部屋 に し て やる

いや もう 自分 で やる から 帰って くれ

俺 を お 兄ちゃん と 慕う 女子 中学生 たち を 目前 に 帰 れる か !

( 伊 織 ) お前 どんな 餌 で 呼び出さ れ た ん だ よ !

( 登志夫 ) お ー い 伊 織 ちょっと いい か !

( 伊 織 ) ああ … ( 寿 ) 行って こい

居候 なら 手伝い は 大事 だ ぞ

部屋 なら 要望 どおり に し て おい て やる さ

う っ … 不安 だ が しかたない !

( 寿 ) なあ 耕平 本当 に これ で 大丈夫 な の か ?

( 耕平 ) ええ 俺 と 正反対 なら これ で 間違い あり ませ ん

ん ? どう し た 北原 伊 織

( 伊 織 ) う う …

( 耕平 ) 貴 様 よせ さ て は 俺 に 乱暴 す …

う っ … う わ ああ …

さっき より ひどく なって る じゃ ない です か !

( 寿 ) この DVD は なん だ ? ( 時田 ) 再生 し て みる か

人 の 話 を 聞い て ください !

( ノック ) ( 奈々 華 ) 伊 織 君 ?

ヒイイ …

あ あっ … どう かし まし た か ? 奈々 華 さん

手伝 お う と 思って

ああ … 今 は 結構 です

さっき の こと なら 大丈夫 だ よ

( 男性 ) 俺 は お前 が 男 でも かまわ ない

( 男性 ) そう か 実は 俺 も お前 の こと が …

( 寿 ・ 時田 ) おお … おお …

あの 奈々 華 さん 今 の は です ね …

えっ あっ と … ごめん ね 伊 織 君

私 ちょっと お 友達 に 電話 し て こ ない と

( 男性 ) タク … ( 男性 ) ユースケ …

絶対 に 最高 の 部屋 を 作って 合 コン へ 行く ぞ オラァ !

( 時田 ・ 寿 ) お … おう

なんとか し て 奈々 華 さん の 気 に 入る 部屋 を ―

作る 必要 が あり ます !

何 か 考え が ある の か ?

いい か ! 奈々 華 さん は 妹 の 千 紗 を 溺愛 し て いる

( 耕平 ) そう な の か ?

( 伊 織 ) つまり 奈々 華 さん が 気 に 入る 部屋 と は …

( 時田 ) なあ これ は さすが に 違う と 思う ぞ

むだ 口 を たたか ない で 手 を 動かし て !

これ もう 完全 に ストーカー の 部屋 じゃ ねえ か

先輩 そろそろ 飲み 会 の 時間 で は ?

あ … 言い 忘れ て た

連絡 が あって 向こう の 都合 で 延期 に し て ほしい と …

は ? 延期 ?

延期

今日 じゃ ない ?

今日 じゃ ない

ちょっと 待って ください

と いう こと は 俺 たち の やって いる こと は …

伊 織 お 茶 …

よかった な 伊 織

念願 の 自立 し た 生活 が できる 部屋 じゃ ない か

こんな 結末 …

望 ん で ね え ~ !

( 時計 の アラーム )

( 時田 ) それ じゃあ 俺 と 寿 は 新入 生 の 面倒 を …

ハッ ! なんで 俺 の 部屋 に 集まる ん です か !

今 まで あそこ は 俺 たち の 部室 だった から な

いまさら お前 の 一存 で 場 所 を 変える こと は でき ん

俺 の 部屋 は 俺 の 一存 で 自由 に し たい ところ です けど ね

おはよう ございます

おう

おはよう 伊 織 君 フフッ …

お …

今日 は 服 を 着 てる ん だ ねえ 偉い 偉い !

( 伊 織 ) 大変 不本意 な 褒め られ 方 です

サークル 活動 か

ええ 新入 生 と 軽く 何 か やろ う と

( 奈々 華 ) 新入 生 って 何 人 入った の ?

今 の ところ 3 人 っす

( 時田 ) 新入 生 諸君 今日 は よく 集まって くれ た

( 伊 織 ) 3 人 って この メンツ か よ

って か なんで 耕平 は 真面目 に 参加 し てん だ ?

先輩 から 緊急 招集 が 届 い た から な

( カヤ ) カヤ で ー す

ん な もん ウソ に 決まって る だ ろ

( 耕平 ) リアリー ? ( 時田 ) うむ ウソ だ

( 伊 織 ) おいおい いくら なんでも こんな ウソ に だまさ れる な よ

う う …

( 伊 織 ) えっ マジ 泣き ? その 年 で ?

カヤ ちゃん 最近 忙しい みたい だ から

当分 来 れ ない だ ろ う

その 言い 方 だ と 前 は よく 来 て た よう な …

( 奈々 華 ) ええ 来 て た わ よ ( 耕平 ) リアリー ?

うん リアリー

芸能 人 も よく 来る ぞ

クッ … そう 言って また だます 気 に 違いない

ウフフフ … ウソ なんて 言わ ない わ よ

( 耕平 ) 証拠 が なけ れ ば 信じ られ ませ ん

彼女 の ウエット スーツ なら 向こう に ある ぞ

( 耕平 ) ふむ … ウエット スーツ です か

では テー スティング よろしい か ?

すげ え … ちゅうちょ の ない 変態 宣言 だ

( 耕平 ) 俺 やる 気 が 出 て き まし た ダイビング の こと 教え て ください !

( 時田 ) うむ 任せ と け !

私 も 参加 し ない と いけ ませ ん か ?

( 4 人 ) ん ?

経験 者 の 千 紗 ちゃん は 必要 ない か

( 千 紗 ) それ なら 私 は 不 参加 で

( 登志夫 ) 千 紗 も 参加 し なさい

初心 者 の 挙動 を 勉強 する の も 大事 だ ぞ

ええ …

俺 は 見学 で いい です か ?

なん だ 体調 不良 か ?

( 伊 織 ) いえ …

ああ … あの こと か

俺 泳 げ ない ん です よ だ から …

そんな こと は 気 に する な

気 に し ます って

泳 げ ない ダイバー だって いる ん だ ぞ

いや でも …

やって みる 前 から そこ まで 否定 する な

もったいない ぞ

そこ まで 言う なら …

( 時田 ) と いう わけ で ―

今日 は レクリエーション も 兼ね た 水泳 の 練習 を 行う

えっ ! さっき 泳 げ なく て も いい って 言った のに

泳ぎ の 技術 自体 は さして 重要 じゃ ない

水 に 慣れ て おく の が 重要 な ん だ

( 耕平 ・ 伊 織 ) おお …

( 時田 ) ん じゃ さっさと 水着 に なる ぞ !

私 も 着替える ん です か ?

そりゃ そう だ ろ

ハァ …

( 時田 ) 要するに だ

泳 げ ない やつ は 水 に 恐怖 心 を 抱 い て いる

ダイビング で は それ は マズ い こと な ん だ

( 伊 織 ) 話 が 頭 に 入ら ない んで 下 を はい て もら え ませ ん か

水 に 恐怖 心 が ある と ―

トラブル に 対し て パニック に 陥り やすい

( 寿 ) する と 効率 の いい 呼吸 を 保 て ず ―

エアー の 消費 量 が 多く なる ん だ

これ は 安全 に も 関わる から ちゃんと 練習 し て もらう ぞ

驚 い た ダイビング に は 真面目 な ん です ね

分かったら さっさと 着替えろ

えっ … ああ …

( 寿 ) よし 始める か

伊 織 お 前 は 基本 中 の 基本

水中 で 目 を 開ける 練習 から だ

あ … 水中 で 目 を …

( 寿 ) ここ は 足 が つく 安心 し て やって みろ

分かり まし た

( 伊 織 ) 大丈夫 目 を 開ける なんて 簡単 じゃ ない か

プハッ ! ハァ … ハァ …

ダメ か …

( 伊 織 ) すいません

なら こいつ を 使って みる か

( 時田 ) お前 も 装備 を 使った 練習 に 入る か ?

はい

それ なら 恐怖 感 は だいぶ 薄れる だ ろ ?

はい …

( 伊 織 ) 聞き 慣れ ない 音 が する

呼吸 が でき ない し 動き づらい

でも 目 は 圧迫 さ れ て ない 水 が 入る 気配 も ない

これ なら 目 を 開ける こと も …

どう だ ? 水中 の 景色 は いい もん だ ろ う

俺 もう 一生 水 の 中 ダメ かも しれ ませ ん

( 耕平 ) いきなり 何 す ん です か !

装備 が 外れ て も パニック に なら ない 練習 だ

外す なら ゴーグル でしょ う が !

よし じゃあ こう しよ う

ん ?

お前 風呂 は 平気 だ ろ ?

はい むしろ 好き な くらい です けど …

う う …

( 千 紗 ) ダイビング なら ともかく プール で 水着 なんて …

ハァ … ん ?

あ ?

( 寿 ) どう だ ? 伊 織

うーん なん と も … あっ

いや 待て 違う ん だ !

これ は 訓練 な ん だ です よ ね 先輩

しかし お前 も 脱ぐ の が 好き だ よ な

( 伊 織 ) 先輩 !

変態

う っ …

俺 に は 露出 の 趣味 は ない ! 分かって くれる よ な 千 紗

( 千 紗 ) それ で 何 を やって る ん です か ?

伊 織 を 水 に 慣れ させる 特訓 中 だ

( 伊 織 ) なぜ 俺 の 話 を 聞い て くれ ない ん だ !

とりあえず 私 は 向こう で 見学 し て ます から

俺 は 変態 じゃ ない のに …

さあ 伊 織 続ける ぞ

水 の 中 を 楽しむ ため に 頑張 ろ う ぜ

水 の 中 …

いえ … 正直 もう 水 の 中 なんて 興味 が う せ た と いう か

( 足音 )

( 奈々 華 ) どう ? 伊 織 君 水 の 中 は 楽し め そう ?

いいえ 全く …

私 と ちょっと お出かけ し て み ない ?

えっ ! ?

( 伊 織 ) おお ~

( 奈々 華 ) フフッ 夜 の 水族 館 って すてき でしょ ?

( 伊 織 ) なんか 神秘 的 な 感じ です ね

でも 閉館 時間 過ぎ てる のに どう し て 入れ て もら え た ん です ?

千 紗 ちゃん が たま に お 手伝い し に 来る よしみ で ね

手伝い ?

ああ いう の

へえ … 千 紗 こう いう の やって ん だ

イメージ 全然 違う な

あら 伊 織 君 って ば 意外 と 見る 目 ない の ね

千 紗 ちゃん す っ ごい 人気 な ん だ から

M 趣味 の 人 って 結構 多い です から

( 奈々 華 ) そう いう こと じゃ ない ん だ けど …

千 紗 ちゃん は いい 子 よ

ちょっと 素直 じゃ なく て 不器用 だ けど

かわいい し 優しい し 柔らかい し いい 匂い が する

俺 の 知ら ない こと ばかり です よ

俺 も 魚 の 勉強 し て みよ う かな

気 に 入った の ?

いえ そう し たら 水 の 中 が 楽しく なる か と

ああ そう いう こと うーん …

伊 織 君 は 難しく 考え すぎ だ と 思う よ

( 伊 織 ) そう でしょ う か ?

( 奈々 華 ) そんな の 私 も 千 紗 ちゃん も ―

考え た こ と ない もの

( 伊 織 ) そりゃ 2 人 は 泳ぎ も 得意 だ し 魚 も …

違う よ 誰 だって 最初 は 泳げ ない し

魚 に も 詳しく ない もの

だから まず は 単純 に 感じ取って ほしい な

感じ取る … 何 を ?

( 奈々 華 ) なんにも 難しい こと なんて 考え ない で

頭 を 空っぽ に し て

こう いう 水 の 中 の 世界 を

ああ …

すごい でしょ う ?

( 伊 織 ) これ が 水 の 中 の 世界 …

う うん これ は まだ 水 の 中 に 近い 世界

えっ …

世界 に は ここ より もっと すごい 景色 を ―

全身 で 感じ られる 場所 が ある ん だ から

ここ より もっと …

( 奈々 華 ) 実は ね ―

ここ に 伊 織 君 を 連れ て いく よう 言いだし た の は 千 紗 ちゃん な の

( 伊 織 ) え ? 千 紗 が ? どう し て ?

ダイビング を 好き に なって もらい たい から じゃ ない ?

なんで そんな こと を

それ は 知って もらい たい から

伊 織 君 が 苦手 な 水 の 中 に は ―

こんなに も きれい な 世界 が ある ん だ って

時田 君 や 寿 君 も そう

だから あんな に 一生懸命 ダイビング を 勧める の

( 伊 織 ) そう か …

誰 だって 自分 が 好き な もの は ほか の 人 に 否定 さ れ たく ない

感動 を 共有 し たい

そう いう 仲間 は 1 人 でも 多い ほう が いい

自分 も 楽しい し 相手 も 楽しい

私 も 伊 織 君 に

水 は 怖い もの だ けど それ だけ じゃ ない って

分かって ほしい な

( 伊 織 ) そう です ね

少し 興味 が 湧 い て き まし た

そ っか それ は 私 も うれしい な

( ドア が 開く 音 )

( 伊 織 ) 千 紗

何 ?

( 伊 織 ) はい これ お土産

私 が どれ だけ あの 水族 館 に 通って き た と 思って ん の ?

まあ 感謝 の 気持ち だ よ

感謝 ?

俺 を あそこ に 連れ て いく よう

奈々 華 さん に 頼 ん で くれ た ん だ ろ う ?

ダイビング バカ に さ れ た まま な の も しゃく だ から

そ っか とにかく やる よ

ん …

( 伊 織 ) じゃ

( 千 紗 ) ちょっと 待って ( 伊 織 ) ん ?

( 千 紗 ) で どう だった の ?

( 伊 織 ) 何 が ?

( 千 紗 ) 水 の 中

ああ そう だ な … 苦手 意識 は 変わら ない けど

次 は もっと 近く で 見 て み た いか な

( 千 紗 ) あっ そ

だから それ プレゼント ありがとう な 千 紗

あっ ちょっと

それ なら もっと かわいい もの よこし なさい よ

バカ

( 耕平 ) ほれ 北原 マイク

( 伊 織 ) 俺 も かよ

よっ しゃ いく ぜ !

( 寿 ) おお ~ 歌え 歌え !

( 時田 ) ノリ ノリ だ な

♪ ~

~ ♪

( 一同 ) すいません で し た !

またしても 飲みすぎ た …

水 … ウプッ

何 す ん です か … えっ ?

( 伊 織 ) ヒイイ …

( 梓 ( あずさ ) ) もう ちょ い 寝よ う よ


Grand Blue Episode 2 Grand Blue Episode 2

( 伊 織 ( いおり ) ) う う … う っ … い|お|||||

( 千 紗 ( ちさ ) ) ただいま せん|さ||

( 3 人 ) お かえり ! じん||

う お っ …

( 登志夫 ( と しお ) ) どう し た 伊 織 としお||||||い|お

( 寿 ( こと ぶき ) ) 二日酔い か ? ひさ|||ふつかよい|

( 時田 ( と き た ) ) 吐く なら トイレ だ ときた||||はく||といれ|

( 伊 織 ) その 格好 の せい です よ い|お||かっこう||||

( 3 人 ) ん ? ハッハッハ … じん||

( 寿 ) ああ この 格好 か あ ひさ|||かっこう||

( 時田 ) この あと 潜る から 準備 し て た もん で な ときた|||くぐる||じゅんび||||||

( 登志夫 ) 下 に は ちゃんと 水着 つけ てる から としお|した||||みずぎ|||

なん だ そう だった ん です か

( 奈々 華 ( な なか ) ) 3 人 と も ちょっと いい ? なな|はな|||じん||||

( 3 人 ) ん ? じん|

( 伊 織 ) ウソつき ~ ! い|お|うそつき

♪ ~

~ ♪

( 奈々 華 ) 今日 の お 客 さん な ん だ けど … なな|はな|きょう|||きゃく|||||

あっ お かえり なさい

あ … 奈々 華 さん は 服 着 てる ん です ね |なな|はな|||ふく|ちゃく||||

( 奈々 華 ) ん ? ( 登志夫 ) どう し た ? なな|はな||としお|||

( 奈々 華 ) お 客 さん 急用 で 延期 し て ほしい って なな|はな||きゃく||きゅうよう||えんき||||

そりゃ 残念 だ な |ざんねん||

って こと は 今日 は 中止 か |||きょう||ちゅうし|

( 寿 ) しかたがない たま に は 服 でも 着る か ひさ|しかたが ない||||ふく||きる|

( 伊 織 ) 普通 は 常に 着 て いる もん です けど ね い|お|ふつう||とわに|ちゃく||||||

( 登志夫 ) はい それ じゃあ としお|||

( 一同 ) いただき ます ! いちどう||

さ ~ て 飲み 会 まで 空 い ち まった なあ ||のみ|かい||から||||

ああ そう だ なあ

( 寿 ・ 時田 ) 伊 織 夜 まで どう する ? ひさ|ときた|い|お|よ|||

なぜ そこ で 俺 に 振る ん です か |||おれ||ふる|||

( 寿 ) じゃあ 別 の 用事 が ある の か ひさ||べつ||ようじ||||

今日 は 飲み 会 に 参加 し ない って 言って る ん です きょう||のみ|かい||さんか||||いって|||

お前 は なんの サークル に 入った つもり だ ! おまえ|||さーくる||はいった||

えっ ダイビング じゃ ない の ? |だいびんぐ|||

伊 織 君 ! い|お|きみ

え … はい

( 奈々 華 ) 伊 織 君 が うち に 来 て 3 日 目 だ けど 知って る ? なな|はな|い|お|きみ||||らい||ひ|め|||しって|

えっ と … なん でしょ う か ?

( 奈々 華 ) 自分 の 部屋 が どこ に ある の か を なな|はな|じぶん||へや|||||||

( 伊 織 ) 言わ れ て み れ ば … ( 奈々 華 ) でしょ ? い|お|いわ||||||なな|はな|

( 奈々 華 ) 大学生 に なって はしゃぐ 気持ち も 分かる けど なな|はな|だいがくせい||||きもち||わかる|

3 日 連続 で 夜 遊び なんて ダメ ひ|れんぞく||よ|あそび||だめ

( 伊 織 ) そう です ね 奈々 華 さん の 言う とおり です い|お||||なな|はな|||いう||

と いう こと で 今晩 は 不 参加 です ||||こんばん||ふ|さんか|

まあ しかたがない |しかたが ない

伊 織 は 不 参加 か い|お||ふ|さんか|

いや あ ほんと すいません ね

( 時田 ) な に いい さ ときた||||

( 寿 ) どうせ 人数 は 足りる だ ろ う ひさ||にんずう||たりる|||

今日 の 飲み 会 は 青海 ( お うみ ) 女子 大 と の 交流 会 だ し な きょう||のみ|かい||あおみ|||じょし|だい|||こうりゅう|かい|||

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( 伊 織 ) 女子 大 … だ と ? い|お|じょし|だい||

飲み 会 まで どう する ? のみ|かい|||

そう だ なあ …

( 2 人 ) ん ? じん|

( 伊 織 ) ここ まで し て も 許し て もら え ませ ん か ! い|お||||||ゆるし||||||

( 時田 ) おい 伊 織 何 が あった ? ときた||い|お|なん||

俺 思い出し まし た おれ|おもいだし||

自分 が なんの サークル に 入った の か を じぶん|||さーくる||はいった|||

( 寿 ) ダイビング だ ろ ? ( 伊 織 ) いいえ ! ひさ|だいびんぐ|||い|お|

そんな もの に 入った 覚え は あり ませ ん ! |||はいった|おぼえ||||

すばらしい 手のひら 返し だ な |てのひら|かえし||

手首 が ねじ 切 れ ん ばかり だ てくび|||せつ||||

( 伊 織 ) お 願い し ます 奈々 華 さん ! い|お||ねがい|||なな|はな|

えっ と ね とりあえず 顔 を 上げ て 服 を 着よ う ||||かお||あげ||ふく||きよ|

大体 どう し て 服 脱ぐ の よ だいたい||||ふく|ぬぐ||

表裏 の ない 誠意 を 示す ため ! ひょうり|||せいい||しめす|

遊び たい の は 分かる けど … あそび||||わかる|

ですが 大将 ! |たいしょう

( 奈々 華 ) ダメ です ! ( 伊 織 ) そこ を なんとか ! なな|はな|だめ||い|お|||

( 奈々 華 ) ダメ な もの は ダメ ! ( 千 紗 ) ハァ … なな|はな|だめ||||だめ|せん|さ|

( 伊 織 ) どう し たら 許可 が 下りる と 思い ます ? い|お||||きょか||おりる||おもい|

( 時田 ) あそこ まで 言わ れ たら 諦めろ よ ときた|||いわ|||あきらめろ|

( 伊 織 ) イヤ です ! 俺 は 諦め ませ ん い|お|いや||おれ||あきらめ||

一体 何 が お前 を そこ まで 突き動かし てる ん だ ? いったい|なん||おまえ||||つきうごかし|||

恥ずかし ながら 性欲 です はずかし||せいよく|

( 寿 ) 本当 に 恥ずかしい な ひさ|ほんとう||はずかしい|

( 伊 織 ) そんな こと より 奈々 華 さん を どう 説得 する か です い|お||||なな|はな||||せっとく|||

( 時田 ・ 寿 ) うーん … ときた|ひさ|

ん ? とりあえず 荷 ほど き を 済ませる ||に||||すませる

けど それ だけ じゃ …

不足 か ? ふそく|

( 寿 ) なら お前 が 自立 し た 1 人 の 男 だ と ― ひさ||おまえ||じりつ|||じん||おとこ||

アピール できる 部屋 を 作れ ば いい あぴーる||へや||つくれ||

ん な こ と 言わ れ て も … ||||いわ|||

( 時田 ) しかたがない ときた|しかたが ない

かわいい 後輩 の ため に 一 肌 脱ぐ と する か |こうはい||||ひと|はだ|ぬぐ|||

伊 織 が 立派 な 大人 の 男 だ と い|お||りっぱ||おとな||おとこ||

一目 で 分かる よう な 部屋 作り を し て やる ! いちもく||わかる|||へや|つくり||||

( 奈々 華 ) えっ ? もう 荷 ほど き が 終わった の ? なな|はな|||に||||おわった|

( 伊 織 ) はい 俺 だって もう ちゃん と 自立 し た 大人 です から い|お||おれ|||||じりつ|||おとな||

へ っ ! ? 違う ん です 奈々 華 さん これ は … ||ちがう|||なな|はな|||

あっ … い … 伊 織 君 も ― ||い|お|きみ|

男の子 だ もん ね ( 伊 織 ) いや あの ちょっと … おとこのこ||||い|お|||

あ … えっ …

( 時田 ) どう だった ? 伊 織 ( 寿 ) バッチリ だ ろ ? ときた|||い|お|ひさ|||

この ド 畜生 ども が ~ ! ||ちくしょう||

( 時田 ) 失敗 だった の か ? ときた|しっぱい|||

( 伊 織 ) むしろ どう し て これ で 成功 する と 思える ん です ! い|お|||||||せいこう|||おもえる||

エロ 本 を 見つけ た 母親 は よく |ほん||みつけ||ははおや||

“ 大人 に なった わ ね ” と いう 反応 を する だ ろ う おとな|||||||はんのう|||||

意味 が 全然 違う でしょ ! いみ||ぜんぜん|ちがう|

じゃ どう し て ほしい ん だ ?

普通 で いい です よ ! ふつう||||

初めて 1 人 暮らし を する 大学生 が 作る 普通 の 部屋 で ! はじめて|じん|くらし|||だいがくせい||つくる|ふつう||へや|

なん だ それ で よかった の か ?

それ なら そう と 先 に 言 えよ ||||さき||げん|

ハァ … 頼った 俺 が バカ で し た |たよった|おれ||ばか|||

あと は 自分 で やり ます から これ 持って 帰って ください ||じぶん||||||もって|かえって|

( 時田 ) ん ? 片づけ て いい の か ? ときた||かたづけ||||

( 伊 織 ) 当たり 前 じゃ ない です か ! い|お|あたり|ぜん||||

いや 寿 と な |ひさ||

入学 祝い に 気 に 入った もの を 1 本 贈呈 し よ う か と にゅうがく|いわい||き||はいった|||ほん|ぞうてい|||||

( 伊 織 ) ほう … い|お|

伊 織 これ 捨てる やつ だ けど よかったら … い|お||すてる||||

( 女性 ) オー イエス ! オー イエス ! イエス ! じょせい|おー|いえす|おー|いえす|いえす

( 伊 織 ) なかなか いい です ね 78 点 い|お|||||てん

( 時田 ) うーん 自信 の 1 本 だった ん だ が な ときた||じしん||ほん|||||

( 女性 ) セッシボーン ! セッシボーン ! じょせい||

おかげ で ひどい 誤解 を 受け まし た よ |||ごかい||うけ|||

( 時田 ) 誤解 で も なかった と 思う が な ときた|ごかい|||||おもう||

( 寿 ) 普通 は あの 場 で “ お前 も 一緒に 見る か ” と は ― ひさ|ふつう|||じょう||おまえ||いっしょに|みる|||

言わ ない だ ろ う ? いわ||||

もう 帰って ください お 祝い の 1 本 を 置 い て ! |かえって|||いわい||ほん||お||

待て 伊 織 まて|い|お

このまま で は 俺 たち の 沽券 ( こけ ん ) に 関わる |||おれ|||こけん||||かかわる

いえ もう 結構 … ||けっこう

( 時田 ) もう 1 本 どう だ ! ときた||ほん||

先輩 方 を 信じ ま しょ う せんぱい|かた||しんじ|||

( 寿 ) 任せ て おけ ひさ|まかせ||

新入 生 らしい 完璧 な 部屋 を 作って みせよ う しんにゅう|せい||かんぺき||へや||つくって||

頼み ます よ たのみ||

お っ 伊 織 ||い|お

さっき 千 紗 が やけに 怒って た が 何 か あった か ? |せん|さ|||いかって|||なん|||

俺 だけ が 先輩 に 引っ越し 祝い を もらって た の が よく なかった よう で おれ|||せんぱい||ひっこし|いわい|||||||||

それ で 怒る と は あいつ も まだ まだ 子ども だ な ||いかる|||||||こども||

( 伊 織 ) よかったら 一緒に と 誘って み た ん です けど ね い|お||いっしょに||さそって||||||

( 奈々 華 ) あっ 伊 織 君 なな|はな||い|お|きみ

ん ? 奈々 華 さん 説明 を さ せ て ください |なな|はな||せつめい|||||

大丈夫 気 に し て ない から だいじょうぶ|き|||||

それ に さっき お 友達 に 電話 で 聞い たら ||||ともだち||でんわ||ききい|

伊 織 君 くらい の 男の子 なら 普通 だ って い|お|きみ|||おとこのこ||ふつう||

( 伊 織 ) それ 俺 の 不名誉 が 拡散 さ れ て ませ ん ? い|お||おれ||ふめいよ||かくさん|||||

あれ は 先輩 方 の ジョーク な ん です よ ||せんぱい|かた||じょーく||||

( 奈々 華 ) そう な ん だ なな|はな||||

はい 今 は バッチリ 普通 の 部屋 に … |いま|||ふつう||へや|

( 耕平 ( こうへい ) ) 店長 セロテープ ありがとう ござい まし た こうへい||てんちょう|||||

( 登志夫 ) おう ( 伊 織 ) ん ? としお||い|お|

( 耕平 の 鼻歌 ) こうへい||はなうた

おう

どう だ ? 俺 プロデュース の 快適 部屋 は ||おれ|ぷろでゅーす||かいてき|へや|

( 伊 織 ) なぜ お前 が ここ に いる ん だ ! い|お||おまえ||||||

( 伊 織 ) なぜ お前 が ここ に いる ん だ ! い|お||おまえ||||||

( 耕平 ) ノー ! こうへい|のー

貴 様 ! よく も この 俺 自慢 の 1 人 暮らし スターター セット を ! とうと|さま||||おれ|じまん||じん|くらし||せっと|

黙れ ! 人 の 部屋 を 勝手 に 自分 色 に 染め 上げ や が って ! だまれ|じん||へや||かって||じぶん|いろ||しめ|あげ|||

( 耕平 ) クッ … 人 が 丹精 込め て コピー し て き た ポスター を こうへい||じん||たんせい|こめ||こぴー|||||ぽすたー|

末代 まで 呪って やる まつだい||のろって|

コピー 破った だけ で 呪わ れる 俺 の 子孫 が ふびん すぎる だ ろ こぴー|やぶった|||のろわ||おれ||しそん|||||

どう だ 今回 は 完璧 だ ろ う ? ||こんかい||かんぺき|||

新入 生 らしい 部屋 だったら 新入 生 が 作る の が 一 番 だ から な しんにゅう|せい||へや||しんにゅう|せい||つくる|||ひと|ばん|||

全然 話 に なり ませ ん ! ぜんぜん|はなし||||

じゃあ どんな 部屋 なら よかった と いう ん だ ! ||へや||||||

これ と は 正反対 の 部屋 だ よ ! |||せいはんたい||へや||

( 耕平 ) う っ … なん だ そう な の か こうへい||||||||

そう なら そう と 先 に 言え ||||さき||いえ

言わ なきゃ 分から ん もん かね いわ||わから|||

分かった 今 すぐ そう いう 部屋 に し て やる わかった|いま||||へや||||

いや もう 自分 で やる から 帰って くれ ||じぶん||||かえって|

俺 を お 兄ちゃん と 慕う 女子 中学生 たち を 目前 に 帰 れる か ! おれ|||にいちゃん||したう|じょし|ちゅうがくせい|||もくぜん||かえ||

( 伊 織 ) お前 どんな 餌 で 呼び出さ れ た ん だ よ ! い|お|おまえ||えさ||よびださ|||||

( 登志夫 ) お ー い 伊 織 ちょっと いい か ! としお||-||い|お|||

( 伊 織 ) ああ … ( 寿 ) 行って こい い|お||ひさ|おこなって|

居候 なら 手伝い は 大事 だ ぞ いそうろう||てつだい||だいじ||

部屋 なら 要望 どおり に し て おい て やる さ へや||ようぼう||||||||

う っ … 不安 だ が しかたない ! ||ふあん|||

( 寿 ) なあ 耕平 本当 に これ で 大丈夫 な の か ? ひさ||こうへい|ほんとう||||だいじょうぶ|||

( 耕平 ) ええ 俺 と 正反対 なら これ で 間違い あり ませ ん こうへい||おれ||せいはんたい||||まちがい|||

ん ? どう し た 北原 伊 織 ||||きたはら|い|お

( 伊 織 ) う う … い|お||

( 耕平 ) 貴 様 よせ さ て は 俺 に 乱暴 す … こうへい|とうと|さま|||||おれ||らんぼう|

う っ … う わ ああ …

さっき より ひどく なって る じゃ ない です か !

( 寿 ) この DVD は なん だ ? ( 時田 ) 再生 し て みる か ひさ||||||ときた|さいせい||||

人 の 話 を 聞い て ください ! じん||はなし||ききい||

( ノック ) ( 奈々 華 ) 伊 織 君 ? |なな|はな|い|お|きみ

ヒイイ …

あ あっ … どう かし まし た か ? 奈々 華 さん |||||||なな|はな|

手伝 お う と 思って てつだ||||おもって

ああ … 今 は 結構 です |いま||けっこう|

さっき の こと なら 大丈夫 だ よ ||||だいじょうぶ||

( 男性 ) 俺 は お前 が 男 でも かまわ ない だんせい|おれ||おまえ||おとこ|||

( 男性 ) そう か 実は 俺 も お前 の こと が … だんせい|||じつは|おれ||おまえ|||

( 寿 ・ 時田 ) おお … おお … ひさ|ときた||

あの 奈々 華 さん 今 の は です ね … |なな|はな||いま||||

えっ あっ と … ごめん ね 伊 織 君 |||||い|お|きみ

私 ちょっと お 友達 に 電話 し て こ ない と わたくし|||ともだち||でんわ|||||

( 男性 ) タク … ( 男性 ) ユースケ … だんせい||だんせい|

絶対 に 最高 の 部屋 を 作って 合 コン へ 行く ぞ オラァ ! ぜったい||さいこう||へや||つくって|ごう|||いく||

( 時田 ・ 寿 ) お … おう ときた|ひさ||

なんとか し て 奈々 華 さん の 気 に 入る 部屋 を ― |||なな|はな|||き||はいる|へや|

作る 必要 が あり ます ! つくる|ひつよう|||

何 か 考え が ある の か ? なん||かんがえ||||

いい か ! 奈々 華 さん は 妹 の 千 紗 を 溺愛 し て いる ||なな|はな|||いもうと||せん|さ||できあい|||

( 耕平 ) そう な の か ? こうへい||||

( 伊 織 ) つまり 奈々 華 さん が 気 に 入る 部屋 と は … い|お||なな|はな|||き||はいる|へや||

( 時田 ) なあ これ は さすが に 違う と 思う ぞ ときた||||||ちがう||おもう|

むだ 口 を たたか ない で 手 を 動かし て ! |くち||たた か|||て||うごかし|

これ もう 完全 に ストーカー の 部屋 じゃ ねえ か ||かんぜん||||へや|||

先輩 そろそろ 飲み 会 の 時間 で は ? せんぱい||のみ|かい||じかん||

あ … 言い 忘れ て た |いい|わすれ||

連絡 が あって 向こう の 都合 で 延期 に し て ほしい と … れんらく|||むこう||つごう||えんき|||||

は ? 延期 ? |えんき

延期 えんき

今日 じゃ ない ? きょう||

今日 じゃ ない きょう||

ちょっと 待って ください |まって|

と いう こと は 俺 たち の やって いる こと は … ||||おれ||||||

伊 織 お 茶 … い|お||ちゃ

よかった な 伊 織 ||い|お

念願 の 自立 し た 生活 が できる 部屋 じゃ ない か ねんがん||じりつ|||せいかつ|||へや|||

こんな 結末 … |けつまつ

望 ん で ね え ~ ! のぞみ||||

( 時計 の アラーム ) とけい||

( 時田 ) それ じゃあ 俺 と 寿 は 新入 生 の 面倒 を … ときた|||おれ||ひさ||しんにゅう|せい||めんどう|

ハッ ! なんで 俺 の 部屋 に 集まる ん です か ! ||おれ||へや||あつまる|||

今 まで あそこ は 俺 たち の 部室 だった から な いま||||おれ|||ぶしつ|||

いまさら お前 の 一存 で 場 所 を 変える こと は でき ん |おまえ||いちぞん||じょう|しょ||かえる||||

俺 の 部屋 は 俺 の 一存 で 自由 に し たい ところ です けど ね おれ||へや||おれ||いちぞん||じゆう|||||||

おはよう ございます

おう

おはよう 伊 織 君 フフッ … |い|お|きみ|

お …

今日 は 服 を 着 てる ん だ ねえ 偉い 偉い ! きょう||ふく||ちゃく|||||えらい|えらい

( 伊 織 ) 大変 不本意 な 褒め られ 方 です い|お|たいへん|ふほんい||ほめ||かた|

サークル 活動 か さーくる|かつどう|

ええ 新入 生 と 軽く 何 か やろ う と |しんにゅう|せい||かるく|なん||||

( 奈々 華 ) 新入 生 って 何 人 入った の ? なな|はな|しんにゅう|せい||なん|じん|はいった|

今 の ところ 3 人 っす いま|||じん|

( 時田 ) 新入 生 諸君 今日 は よく 集まって くれ た ときた|しんにゅう|せい|しょくん|きょう|||あつまって||

( 伊 織 ) 3 人 って この メンツ か よ い|お|じん|||めんつ||

って か なんで 耕平 は 真面目 に 参加 し てん だ ? |||こうへい||まじめ||さんか|||

先輩 から 緊急 招集 が 届 い た から な せんぱい||きんきゅう|しょうしゅう||とどけ||||

( カヤ ) カヤ で ー す かや|かや||-|

ん な もん ウソ に 決まって る だ ろ |||うそ||きまって|||

( 耕平 ) リアリー ? ( 時田 ) うむ ウソ だ こうへい||ときた||うそ|

( 伊 織 ) おいおい いくら なんでも こんな ウソ に だまさ れる な よ い|お|||||うそ|||||

う う …

( 伊 織 ) えっ マジ 泣き ? その 年 で ? い|お|||なき||とし|

カヤ ちゃん 最近 忙しい みたい だ から かや||さいきん|いそがしい|||

当分 来 れ ない だ ろ う とうぶん|らい|||||

その 言い 方 だ と 前 は よく 来 て た よう な … |いい|かた|||ぜん|||らい||||

( 奈々 華 ) ええ 来 て た わ よ ( 耕平 ) リアリー ? なな|はな||らい|||||こうへい|

うん リアリー

芸能 人 も よく 来る ぞ げいのう|じん|||くる|

クッ … そう 言って また だます 気 に 違いない ||いって|||き||ちがいない

ウフフフ … ウソ なんて 言わ ない わ よ |うそ||いわ|||

( 耕平 ) 証拠 が なけ れ ば 信じ られ ませ ん こうへい|しょうこ|||||しんじ|||

彼女 の ウエット スーツ なら 向こう に ある ぞ かのじょ|||すーつ||むこう|||

( 耕平 ) ふむ … ウエット スーツ です か こうへい|||すーつ||

では テー スティング よろしい か ?

すげ え … ちゅうちょ の ない 変態 宣言 だ |||||へんたい|せんげん|

( 耕平 ) 俺 やる 気 が 出 て き まし た ダイビング の こと 教え て ください ! こうへい|おれ||き||だ|||||だいびんぐ|||おしえ||

( 時田 ) うむ 任せ と け ! ときた||まかせ||

私 も 参加 し ない と いけ ませ ん か ? わたくし||さんか|||||||

( 4 人 ) ん ? じん|

経験 者 の 千 紗 ちゃん は 必要 ない か けいけん|もの||せん|さ|||ひつよう||

( 千 紗 ) それ なら 私 は 不 参加 で せん|さ|||わたくし||ふ|さんか|

( 登志夫 ) 千 紗 も 参加 し なさい としお|せん|さ||さんか||

初心 者 の 挙動 を 勉強 する の も 大事 だ ぞ しょしん|もの||きょどう||べんきょう||||だいじ||

ええ …

俺 は 見学 で いい です か ? おれ||けんがく||||

なん だ 体調 不良 か ? ||たいちょう|ふりょう|

( 伊 織 ) いえ … い|お|

ああ … あの こと か

俺 泳 げ ない ん です よ だ から … おれ|えい|||||||

そんな こと は 気 に する な |||き|||

気 に し ます って き||||

泳 げ ない ダイバー だって いる ん だ ぞ えい|||だいばー|||||

いや でも …

やって みる 前 から そこ まで 否定 する な ||ぜん||||ひてい||

もったいない ぞ

そこ まで 言う なら … ||いう|

( 時田 ) と いう わけ で ― ときた||||

今日 は レクリエーション も 兼ね た 水泳 の 練習 を 行う きょう||れくりえーしょん||かね||すいえい||れんしゅう||おこなう

えっ ! さっき 泳 げ なく て も いい って 言った のに ||えい|||||||いった|

泳ぎ の 技術 自体 は さして 重要 じゃ ない およぎ||ぎじゅつ|じたい|||じゅうよう||

水 に 慣れ て おく の が 重要 な ん だ すい||なれ|||||じゅうよう|||

( 耕平 ・ 伊 織 ) おお … こうへい|い|お|

( 時田 ) ん じゃ さっさと 水着 に なる ぞ ! ときた||||みずぎ|||

私 も 着替える ん です か ? わたくし||きがえる|||

そりゃ そう だ ろ

ハァ …

( 時田 ) 要するに だ ときた|ようするに|

泳 げ ない やつ は 水 に 恐怖 心 を 抱 い て いる えい|||||すい||きょうふ|こころ||いだ|||

ダイビング で は それ は マズ い こと な ん だ だいびんぐ||||||||||

( 伊 織 ) 話 が 頭 に 入ら ない んで 下 を はい て もら え ませ ん か い|お|はなし||あたま||はいら|||した||||||||

水 に 恐怖 心 が ある と ― すい||きょうふ|こころ|||

トラブル に 対し て パニック に 陥り やすい とらぶる||たいし||ぱにっく||おちいり|

( 寿 ) する と 効率 の いい 呼吸 を 保 て ず ― ひさ|||こうりつ|||こきゅう||たもつ||

エアー の 消費 量 が 多く なる ん だ ||しょうひ|りょう||おおく|||

これ は 安全 に も 関わる から ちゃんと 練習 し て もらう ぞ ||あんぜん|||かかわる|||れんしゅう||||

驚 い た ダイビング に は 真面目 な ん です ね おどろ|||だいびんぐ|||まじめ||||

分かったら さっさと 着替えろ わかったら||きがえろ

えっ … ああ …

( 寿 ) よし 始める か ひさ||はじめる|

伊 織 お 前 は 基本 中 の 基本 い|お||ぜん||きほん|なか||きほん

水中 で 目 を 開ける 練習 から だ すいちゅう||め||あける|れんしゅう||

あ … 水中 で 目 を … |すいちゅう||め|

( 寿 ) ここ は 足 が つく 安心 し て やって みろ ひさ|||あし|||あんしん||||

分かり まし た わかり||

( 伊 織 ) 大丈夫 目 を 開ける なんて 簡単 じゃ ない か い|お|だいじょうぶ|め||あける||かんたん|||

プハッ ! ハァ … ハァ …

ダメ か … だめ|

( 伊 織 ) すいません い|お|

なら こいつ を 使って みる か |||つかって||

( 時田 ) お前 も 装備 を 使った 練習 に 入る か ? ときた|おまえ||そうび||つかった|れんしゅう||はいる|

はい

それ なら 恐怖 感 は だいぶ 薄れる だ ろ ? ||きょうふ|かん|||うすれる||

はい …

( 伊 織 ) 聞き 慣れ ない 音 が する い|お|きき|なれ||おと||

呼吸 が でき ない し 動き づらい こきゅう|||||うごき|

でも 目 は 圧迫 さ れ て ない 水 が 入る 気配 も ない |め||あっぱく|||||すい||はいる|けはい||

これ なら 目 を 開ける こと も … ||め||あける||

どう だ ? 水中 の 景色 は いい もん だ ろ う ||すいちゅう||けしき||||||

俺 もう 一生 水 の 中 ダメ かも しれ ませ ん おれ||いっしょう|すい||なか|だめ||||

( 耕平 ) いきなり 何 す ん です か ! こうへい||なん||||

装備 が 外れ て も パニック に なら ない 練習 だ そうび||はずれ|||ぱにっく||||れんしゅう|

外す なら ゴーグル でしょ う が ! はずす||ごーぐる|||

よし じゃあ こう しよ う

ん ?

お前 風呂 は 平気 だ ろ ? おまえ|ふろ||へいき||

はい むしろ 好き な くらい です けど … ||すき||||

う う …

( 千 紗 ) ダイビング なら ともかく プール で 水着 なんて … せん|さ|だいびんぐ|||ぷーる||みずぎ|

ハァ … ん ?

あ ?

( 寿 ) どう だ ? 伊 織 ひさ|||い|お

うーん なん と も … あっ

いや 待て 違う ん だ ! |まて|ちがう||

これ は 訓練 な ん だ です よ ね 先輩 ||くんれん|||||||せんぱい

しかし お前 も 脱ぐ の が 好き だ よ な |おまえ||ぬぐ|||すき|||

( 伊 織 ) 先輩 ! い|お|せんぱい

変態 へんたい

う っ …

俺 に は 露出 の 趣味 は ない ! 分かって くれる よ な 千 紗 おれ|||ろしゅつ||しゅみ|||わかって||||せん|さ

( 千 紗 ) それ で 何 を やって る ん です か ? せん|さ|||なん||||||

伊 織 を 水 に 慣れ させる 特訓 中 だ い|お||すい||なれ||とっくん|なか|

( 伊 織 ) なぜ 俺 の 話 を 聞い て くれ ない ん だ ! い|お||おれ||はなし||ききい|||||

とりあえず 私 は 向こう で 見学 し て ます から |わたくし||むこう||けんがく||||

俺 は 変態 じゃ ない のに … おれ||へんたい|||

さあ 伊 織 続ける ぞ |い|お|つづける|

水 の 中 を 楽しむ ため に 頑張 ろ う ぜ すい||なか||たのしむ|||がんば|||

水 の 中 … すい||なか

いえ … 正直 もう 水 の 中 なんて 興味 が う せ た と いう か |しょうじき||すい||なか||きょうみ|||||||

( 足音 ) あしおと

( 奈々 華 ) どう ? 伊 織 君 水 の 中 は 楽し め そう ? なな|はな||い|お|きみ|すい||なか||たのし||

いいえ 全く … |まったく

私 と ちょっと お出かけ し て み ない ? わたくし|||おでかけ||||

えっ ! ?

( 伊 織 ) おお ~ い|お|

( 奈々 華 ) フフッ 夜 の 水族 館 って すてき でしょ ? なな|はな||よ||すいぞく|かん|||

( 伊 織 ) なんか 神秘 的 な 感じ です ね い|お||しんぴ|てき||かんじ||

でも 閉館 時間 過ぎ てる のに どう し て 入れ て もら え た ん です ? |へいかん|じかん|すぎ||||||いれ||||||

千 紗 ちゃん が たま に お 手伝い し に 来る よしみ で ね せん|さ||||||てつだい|||くる|||

手伝い ? てつだい

ああ いう の

へえ … 千 紗 こう いう の やって ん だ |せん|さ||||||

イメージ 全然 違う な いめーじ|ぜんぜん|ちがう|

あら 伊 織 君 って ば 意外 と 見る 目 ない の ね |い|お|きみ|||いがい||みる|め|||

千 紗 ちゃん す っ ごい 人気 な ん だ から せん|さ|||||にんき||||

M 趣味 の 人 って 結構 多い です から |しゅみ||じん||けっこう|おおい||

( 奈々 華 ) そう いう こと じゃ ない ん だ けど … なな|はな||||||||

千 紗 ちゃん は いい 子 よ せん|さ||||こ|

ちょっと 素直 じゃ なく て 不器用 だ けど |すなお||||ぶきよう||

かわいい し 優しい し 柔らかい し いい 匂い が する ||やさしい||やわらかい|||におい||

俺 の 知ら ない こと ばかり です よ おれ||しら|||||

俺 も 魚 の 勉強 し て みよ う かな おれ||ぎょ||べんきょう|||||

気 に 入った の ? き||はいった|

いえ そう し たら 水 の 中 が 楽しく なる か と ||||すい||なか||たのしく|||

ああ そう いう こと うーん …

伊 織 君 は 難しく 考え すぎ だ と 思う よ い|お|きみ||むずかしく|かんがえ||||おもう|

( 伊 織 ) そう でしょ う か ? い|お||||

( 奈々 華 ) そんな の 私 も 千 紗 ちゃん も ― なな|はな|||わたくし||せん|さ||

考え た こ と ない もの かんがえ|||||

( 伊 織 ) そりゃ 2 人 は 泳ぎ も 得意 だ し 魚 も … い|お||じん||およぎ||とくい|||ぎょ|

違う よ 誰 だって 最初 は 泳げ ない し ちがう||だれ||さいしょ||およげ||

魚 に も 詳しく ない もの ぎょ|||くわしく||

だから まず は 単純 に 感じ取って ほしい な |||たんじゅん||かんじとって||

感じ取る … 何 を ? かんじとる|なん|

( 奈々 華 ) なんにも 難しい こと なんて 考え ない で なな|はな||むずかしい|||かんがえ||

頭 を 空っぽ に し て あたま||からっぽ|||

こう いう 水 の 中 の 世界 を ||すい||なか||せかい|

ああ …

すごい でしょ う ?

( 伊 織 ) これ が 水 の 中 の 世界 … い|お|||すい||なか||せかい

う うん これ は まだ 水 の 中 に 近い 世界 |||||すい||なか||ちかい|せかい

えっ …

世界 に は ここ より もっと すごい 景色 を ― せかい|||||||けしき|

全身 で 感じ られる 場所 が ある ん だ から ぜんしん||かんじ||ばしょ|||||

ここ より もっと …

( 奈々 華 ) 実は ね ― なな|はな|じつは|

ここ に 伊 織 君 を 連れ て いく よう 言いだし た の は 千 紗 ちゃん な の ||い|お|きみ||つれ||||いいだし||||せん|さ|||

( 伊 織 ) え ? 千 紗 が ? どう し て ? い|お||せん|さ||||

ダイビング を 好き に なって もらい たい から じゃ ない ? だいびんぐ||すき|||||||

なんで そんな こと を

それ は 知って もらい たい から ||しって|||

伊 織 君 が 苦手 な 水 の 中 に は ― い|お|きみ||にがて||すい||なか||

こんなに も きれい な 世界 が ある ん だ って ||||せかい|||||

時田 君 や 寿 君 も そう ときた|きみ||ひさ|きみ||

だから あんな に 一生懸命 ダイビング を 勧める の |||いっしょうけんめい|だいびんぐ||すすめる|

( 伊 織 ) そう か … い|お||

誰 だって 自分 が 好き な もの は ほか の 人 に 否定 さ れ たく ない だれ||じぶん||すき||||||じん||ひてい||||

感動 を 共有 し たい かんどう||きょうゆう||

そう いう 仲間 は 1 人 でも 多い ほう が いい ||なかま||じん||おおい|||

自分 も 楽しい し 相手 も 楽しい じぶん||たのしい||あいて||たのしい

私 も 伊 織 君 に わたくし||い|お|きみ|

水 は 怖い もの だ けど それ だけ じゃ ない って すい||こわい||||||||

分かって ほしい な わかって||

( 伊 織 ) そう です ね い|お|||

少し 興味 が 湧 い て き まし た すこし|きょうみ||わ|||||

そ っか それ は 私 も うれしい な ||||わたくし|||

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 伊 織 ) 千 紗 い|お|せん|さ

何 ? なん

( 伊 織 ) はい これ お土産 い|お|||おみやげ

私 が どれ だけ あの 水族 館 に 通って き た と 思って ん の ? わたくし|||||すいぞく|かん||かよって||||おもって||

まあ 感謝 の 気持ち だ よ |かんしゃ||きもち||

感謝 ? かんしゃ

俺 を あそこ に 連れ て いく よう おれ||||つれ|||

奈々 華 さん に 頼 ん で くれ た ん だ ろ う ? なな|はな|||たの||||||||

ダイビング バカ に さ れ た まま な の も しゃく だ から だいびんぐ|ばか|||||||||||

そ っか とにかく やる よ

ん …

( 伊 織 ) じゃ い|お|

( 千 紗 ) ちょっと 待って ( 伊 織 ) ん ? せん|さ||まって|い|お|

( 千 紗 ) で どう だった の ? せん|さ||||

( 伊 織 ) 何 が ? い|お|なん|

( 千 紗 ) 水 の 中 せん|さ|すい||なか

ああ そう だ な … 苦手 意識 は 変わら ない けど ||||にがて|いしき||かわら||

次 は もっと 近く で 見 て み た いか な つぎ|||ちかく||み|||||

( 千 紗 ) あっ そ せん|さ||

だから それ プレゼント ありがとう な 千 紗 ||ぷれぜんと|||せん|さ

あっ ちょっと

それ なら もっと かわいい もの よこし なさい よ

バカ ばか

( 耕平 ) ほれ 北原 マイク こうへい||きたはら|まいく

( 伊 織 ) 俺 も かよ い|お|おれ||

よっ しゃ いく ぜ !

( 寿 ) おお ~ 歌え 歌え ! ひさ||うたえ|うたえ

( 時田 ) ノリ ノリ だ な ときた|のり|のり||

♪ ~

~ ♪

( 一同 ) すいません で し た ! いちどう||||

またしても 飲みすぎ た … |のみすぎ|

水 … ウプッ すい|

何 す ん です か … えっ ? なん|||||

( 伊 織 ) ヒイイ … い|お|

( 梓 ( あずさ ) ) もう ちょ い 寝よ う よ あずさ|||||ねよ||