( 沙 羽 ) 今朝 ポスト に 入って た の 。
( 沙 羽 ) どう しよ う 家 に い て も 怖く て … 。
お 父さん も お 母 さん も 用事 が あって 出かけ ちゃ った し … 。
どう する も こう する も →
警察 に 言う しか ない だ ろ こんな の !
う っ うん … だ ね 。
( 正文 ) 待って 沙 羽 ちゃん 。
( 正文 ) 警察 は 実際 に 危害 を 加え られ ない うち は →
動か ない もん だ よ 。 お前 … 。
じゃあ どう しろ って … 。 僕 たち で 自衛 する しか ない 。
自衛 って ? ( 正文 ) とりあえず →
沙 羽 ちゃん は 必ず 友達 と 一緒に 帰る こと 。
それ から その 男 の 情報 が 少し でも 欲しい な 。
捕まえ られ れ ば いちばん いい ん だ けど →
それ は 危険 だ し な … 。
あっ そう だ 駅前 の 裏通り に さ 防犯 グッズ の 店 が でき た ん だ 。
そこ で 護身 用 の 道具 を 買 お う 。
それ いい かも ! スパン ガン と か … 。
スタンガン な 。 兄ちゃん つい て き て くれる ?
ああ すぐ 行 こ う !
《 俺 が 沙 羽 を 守る 》
( 正文 ) けど スタンガン って 確か 相手 の 動き を 一瞬 止める だけ で →
気絶 さ せる ほど の 威力 は ない はず だ よ 。
えっ … 。 そもそも そんな もの を →
持って た と し て も いざ とい う とき に →
沙 羽 ちゃん ほんと に 使える ?
あっ … 。 けど なにも ない より は … 。
うん 。 ストーカー 相手 なら むしろ 大きな 音 を 出す →
防犯 ブザー みたい な もの の ほう が いい ん じゃ ない か な ?
マスコット 人形 み たい に なって る の も ある し →
カバン に つけ とけ ば 安心 でしょ ?
( 沙 羽 ) そう かも !
すごい わ スイッチ ! ナイス アドバンス ! アドバイス ね 。
( 沙 羽 ) は ~ なんか 元気 出 て き た わ 。
《 駄目 だ … 俺 じゃ 沙 羽 を 守 れ ない 》
よし 早く 行 こ う 兄ちゃん 。
いや … 。
俺 今日 用事 あった ん だ よ な 。 スイッチ ついていって やって くれ 。
えっ … 。 ( 沙 羽 ) なに よ それ !
さっき は つい て き て くれる って … 。
だから スイッチ と 行け ば いい だ ろ 。
どう し た ん だ よ ? 兄ちゃん … 。
沙 羽 ちゃん 困って る ん だ から さ … 。
そう だ … 。 兄ちゃん ?
《 なん なん だ ? 俺 は … 》
あの さ … 。 うるさい な 。
スイッチ お前 の ほう が 頼り に なる ん だ から … 。
《 やめろ 小さい 》
お前 の ほう が 適任 だって 言って ん だ 。
《 よせ … 》
早く 行って こい よ 。
わかった 。 行 こ う 沙 羽 ちゃん 。
兄ちゃん … 。 その 呼び 方 やめ て くれ !
俺 は お前 の 兄ちゃん じゃ ない ん だ 。
見損なった よ いつも 頼り に し てる のに 。
そんな 兄ちゃん 好き じゃ ない よ 。
《 同感 だ よ 》
あら 2 人 と も 出かける の ? お 昼 は ?
ごめん 帰って き て から 食べる よ 。 ちょっと 急ぎ の 用事 で さ 。
急ぎ の 用 ?
沙 羽 ちゃん は どっち の お 嫁 さん に なり たい ?
う ~ ん … 兄ちゃん !
沙 羽 : すごい じゃ ん スイッチ !
お 嫁 に は スイッチ に もらって もら お う かな
なん だ 忘れ て いった の か 沙 羽 の 奴 … 。
あっ ? あれ は 沙 羽 の 友達 の … 。
( 雪 乃 ) 近く に 来 た から 寄って み た の 。
でも 沙 羽 ちゃん ケータイ に も 出 ない し … 。
沙 羽 なら 買い物 に 出かけ てる よ 。
なに か 用 だった ? ( 雪 乃 ) ええ 用 と いう か … 。
ん っ ? あの … 聞い てる かしら ?
ストーカー 男 の こと … 。
そい つ が どう かし た の か ! ?
ええ ちょっと 情報 仕入れ た から 伝えよ う と 思って 。
情報 ? どんな ?
あの 男 三 上 真治 って いって →
中学 の 頃 ナイフ で 同級 生 を 傷つけ た こと が ある らしい の 。
結局 周り の 人 の は からい も あって →
大きな ニュース に は なら なかった らしい けど … 。
ナイフ で 人 を 刺し た ?
ねぇ あんな 男 と わざわざ 関わり あい に なる こと ない わ 。
しばらく ほっとけ ば きっと あきらめる だ ろ う し … 。
沙 羽 !
( 沙 羽 ) ねぇ こっち かな ? 兄ちゃん の 言って た お 店 。
なかなか 見つから ない ね 。
( 正文 ) ナイフ ! ? ああ 相当 や ばい 奴 らしい 。
わかった 気 を つける よ ありがとう 。
それ と スイッチ さっき の こと だ けど … 。
( 沙 羽 ) スイッチ ! あれ あれ あの 角 の お 店 じゃ ない ! ?
( 正文 ) あ ! ほんと だ 。
あ ~ えっ と 兄ちゃん 何 ?
何でもない じゃあ な 。
兄ちゃん 。
弟 に 連絡 が と れ た 。
一応 忠告 は でき た よ 。
よかった 。
あら ? 沙 羽 ちゃん 弟 さん と 一緒に ?
ん ? ああ … 。
駅前 の 裏通り に ね 。
2 人 で 仲よく 買い物 。
ごめんなさい 私 勝手 に 勘違い し て て … 。
沙 羽 ちゃん は あなた と お付き合い し てる わけ じゃ ない の ね ?
え … は は はっ 。
いやいや そんな ん じゃ ない よ 。
て 言う か … 。
あの 2 人 が 付き合って ん だ 。
そう 。
あ ~ なんで こんな 目 に あう ん だ ろ う 。
誰 か に 恨ま れる よう な こと し た かな 私 。
世 の 中 いろんな 奴 が いる から ね 。
それ で なくて も 沙 羽 ちゃん は モテ る ん だ から さ 。
お ~ 言う ね 。
ねぇ 沙 羽 ちゃん 覚え てる ?
あの 写真 の 花火 大会 の 日 。
え ? ほら あの とき 僕ら →
2 人 で 迷子 に なっちゃ っ て … 。
どう しよ う … 。
沙 羽 ちゃん 。 こら お前 ら ! !
駄目 だ ろ 勝手 に ど っか 行っちゃ 。
あ ~ 。 兄ちゃん 。
( 歓声 )
来 て くれ た の ?
ま ~ な 当たり 前 だ ろ ?
お前 ら の 兄ちゃん だ し 。
うん
兄ちゃん は あの ころ と 変わって ない よ 。
今 も 僕ら の 兄ちゃん だ よ 。
だから … 気 に し ない で さっき の こと 。
うん 。
俺 や っぱ 心配 だ から ちょっと 2 人 の とこ 行って くる よ 。
ええ 。
え ?
どう かし た ?
あいつ まさか 。
駄目 。
待て 三 上 。
~ 《 こいつ 休日 に 家 まで 来 や がった … 》 逃がす か よ ストーカー が 。
~ 《 まさか ナイフ を … 》 三 上 真治 だ な 。
あそこ で 何 を し て い た ? 言え 。
ど どう し て 俺 の 名前 を … 。
そんな こと 関係ない 。 ナイフ も 持って る ん だ ろ う ?
え … 。 こっち に 渡し て もら お う か 。
な なに … 。 しら ばっ くれる な 。
あ … 。
ない … 。
君 は 何 か 勘違い し て いる … 。
僕 は ストーカー なんか じゃ ない 。
嘘 を つけ 。 沙 羽 を 付け狙って た じゃ ない か 。
それ は … 。
確か に 後 を つけ て た の は 事実 だ 。
でも 僕 は 彼女 に 告白 しよ う と し た だけ さ 。
付き合って ください って 。 は あ ?
けど 学校 の 帰り は いつも あいつ と 一緒 で なかなか … 。
言い逃れ する な 。 お前 は 中学生 の 時 →
同級 生 を 刺し た って 。
じょ 冗談 じゃ ない 。
ねぇ その 話 も しか して 雪 乃 に 聞い た の ?
なに ? 知って る の か ?
ああ 知って る も 何 も 僕 は 彼女 と 付き合って た ん だ よ 。
~ 《 何 だ ? 》 中学 の 卒業 式 の 日 に 雪 乃 から 告白 さ れ て … 。
《 どう いう こと だ ? 》
もっとも すぐ 別れ た ん だ けど ね 。
彼女 普段 は おとなしく て いい 子 な ん だ けど →
感情 の 起伏 が 激しい と いう か … 。
《 こいつ 何 を 言って る ? 》
別れる とき も 大変 だった よ 。
わめい て 泣 い て 聞い て くれ なく て … 。
だけど 僕 は 彼女 から 逃げ たい 気持 も あって か →
新入 生 の 中 で 評判 の いい 沙 羽 ちゃん に →
ひそか に 一目 惚れ し て … 。
三 上 : 彼女 に 告白 し たい ん だ 。
わかった わ じゃあ 別れ て あげる
( 三 上 ) だ けど その 日 から →
いつも 雪 乃 が 沙 羽 ちゃん の そば に … 。
僕 の 告白 を 邪魔 し て 大方 ストーカー 扱い し て た ん だ ろ ?
ちょ ちょっと 待って くれ 。
じゃあ さっき 彼女 が 言って た ナイフ の 話 って の は 。
それ は 中学 2 年 の とき 雪 乃 自身 が 起こし た 事件 だ よ 。
彼女 は とにかく 思い込み が 激しい から →
もし かして 僕 の こと で 沙 羽 ちゃん に →
恨み を 抱 い てる かも しれ ない … 。
じゃあ あの 女 が 家 に 来 た の は … 。
あ 偶然 ね 。
ほんと 偶然 。
僕 は その こと も 伝え たく て … 。
く そ っ 。
《 逃げろ 沙 羽 スイッチ 》
あ 雨 … 。
どう し た の ? 雪 乃 ちゃん 。
彼 氏 と 仲よく デート か … 。
すてき な 休日 です こと 。
え ? 何 ?
私 は あんた の おかげ で フラ れ た って いう のに … 。
友達 だ から … 知ら れ たく ない から … 。
せっかく 気づか れ ない よう に 済ま そう と し た のに … 。
全部 バレ ちゃ った 。
終わり だ わ … もう 私 に は 何も ない 。
何 も … 何 も … 。
沙 羽 ちゃん !
( 悲鳴 )
沙 羽 ! スイッチ !
え ?
( 倒れる 音 )
い … や … 。
( ざわめき )
( 沙 羽 の 悲鳴 )
( サイレン )
ああ … ああ … 。
スイッチ !
( サイレン )
和義 … 正文 が … 。
正文 が 死 ん じゃ った よ ぉ … 。
和義 … 。
平井 雪 乃 の 事情 聴取 を 行い まし た 。
当初 は 沙 羽 さん を 傷つける つもり だった らしい の です が →
人 を 傷つける に は その 人 の 大切 な もの を →
傷つける ほう が いい と か なんとか … 。
つまり … 。
つまり 正文 さん を 沙 羽 さん の 恋人 だ と →
勘違い を し て い た よう で … 。
《 何 を … 何 を 言って いる 》
本人 も 殺す つもり まで は なかった と →
供述 し て いる の です が その … 。
いまだ 取り乱し て おり 要領 を 得 ず … 。
て いう か あの 2 人 が つきあって ん だ 。
そう …
和義 ! 和義 ! ( 和義 の 叫び声 )
《 俺 だ … なん だ 俺 の せい か … 。
俺 が 言った くだらない ひと言 の せい で →
スイッチ は … 正文 は 死 ん だ の か 》
和義 ちゃん 。 ( 読経 )
この たび は … 。 おばさん 。
沙 羽 は ? ごめん ね 。
誰 より 来 なきゃ いけ ない と いう のに … 。
あの 子 まだ 立ち直 れ なく て … 。
兄ちゃん 見 て 見 て !
《 弟 に は 才能 が あり 世 の 中 に 必要 と さ れ →
将来 は 名 を 成す はず の 人間 だった 。
俺 と 違って … 》
正文 : スイッチ って あだ名 結構 気 に 入って ん だ
《 スイッチ が い ない ? もう この世 に 存在 し ない ?
そんな バカ な … 俺 が 言った ひと言 の せい で … 》
《 なぜ 俺 が 生き て いる ? 》
短く ? へ ぇ 珍しい ね 笛吹 君 。
いつも この くらい な の に 心境 の 変化 と か ?
ええ 。 って いう か もう 自分 を ぶ っ 殺し たく て 。
え 何 ? あっ いらっしゃい ませ 。
ただいま 。 ( ドア の 開く 音 )
ハッ ! 和義 あんた どう いう … 。
メガネ は レンズ を 取り替え て 伊達 メガネ に し た ん だ 。
似合う かい ? どう いう こと よ !
そんな こと し た って 正文 が 帰って くる わけない でしょ !
やめ て よ もう … あんた が 正文 の 代わり に なる って いう の ! ?
おかしい わ よ 和義 !
《 別に … 別に スイッチ に な ろ う と し た わけ じゃ ない 。
ただ スイッチ を 失って は いけ ない と →
少し でも 彼 の 姿 を この世 に とどめ て おき たい と →
そう 思った だけ な ん だ 。
何 か おかしい かい ? 》
バカ みたい 。
スイッチ に なる の ? 兄ちゃん が 。
どう なる の ? それ で 。 さ ぁ 。
自分 で 罰 を 負った ん でしょ ? 兄ちゃん は そう いう 人 よ !
何 よ ! 自分 を 責め ない で 私 を 責め れ ば いい じゃ ない !
じゃあ な 沙 羽 。
うん … ごめん ね 。
ごめん … 本当 に 。
私 は 兄ちゃん み たい に 強く ない から 。
《 強い だって ? 俺 が ? 》
元気 で な 。 そっち も 。
《 俺 たち は もう 二 度 と 会う こと は ない だ ろ う と →
わかって い た 》
好き だった … 。
私 も … !
《 また 失って 1 人 に なった … 》
イメチェン って やつ か ? 笛吹 って 目 よかった よ な 。
弟 さん 亡くなった ん だって ね 。
あぁ … それ 聞い た 。 さっき 話しかけ たら →
「 俺 の こと は スイッチ って 呼 ん で くれ 」 って 。
それ 弟 さん の あだ名 らしい よ 。
うん 。 私 知って る けど 今 見た目 超 似 てる し … 。
なん だ よ それ 怖 え よ なんか … 。
私 お 葬式 行った ん だ けど さ 笛吹 君 全然 涙 と か →
流し て なく て 様子 も ちょっと 変 だった なぁ 。
仲 よかった らしい し や っぱ ショック だ よ ね 。
《 朝 が 来 て 学校 に 行き 夜 が 来 たら 眠った 。
そして 朝 が 来 たら 学校 に 行き 夜 が 来 たら 眠った 》
ごちそうさま 。 行って き ます 。
どう かし た ? いや 大丈夫 だ よ … 。
行って き ます 。
あっ おはよう ! チーッス !
昨日 よく 眠 れ た ? マジ 眠 れ た 。
~ 《 何 を やって いる ん だ 俺 は … 》 ~ 帰 ろ う … 。 ~ そんな 兄ちゃん 好き じゃ ない よ 違う ん だ スイッチ … ごめん な 俺 が 悪かった … 。
なぁ スイッチ パソコン 見てくれ よ 。 テスト の 結果 どう だった ?
《 こんな こと に なる なんて … もっと しゃべり たい よ スイッチ … 。
話し たい こと が たくさん ある ん だ … 》
~ 《 窓 から 入って くる 風 が 不快 で 俺 は 窓 を 閉め た 》 って いう か あの 2 人 が つきあって ん だ
《 俺 は … しゃべる こと を やめ た 》
沙 羽 : 兄ちゃん また いつか 3 人 で 行 こ う ね 花火 大会 。
あぁ いつか な
いつか … か … 。
スイッチ … 。
和義 夕飯 ここ 置 い とく わ ね 。
あ ~ あ ~ 僕 は スイッチ 。 聞こえる か な 。
《 あぁ 聞こえる よ 》
あ い う え お これ で いい か ?
《 あぁ それ で いい 》
俺 は 誰 だ ?
《 その 窓 が こじ開け られ 救い の 手 が 差し伸べ られる の は →
もう 少し 先 の 話 だ 》
( 百 香 ) 土 に 埋まって 星 見る かい ?
( ボッスン / ヒメコ / 振 蔵 ) お ぉ ~ ! !
( 震 平 ) マ マジ ! ? マジ 『 リバティ 真剣 』 の 声 だ !
( ヒメコ ) マジ 多い で 弟 。 ( 震 平 ) まさか 兄 上 が →
マジ マジ ねえさん の ダチ だった なんて ! ( 振 蔵 ) いかに も 。 何 を 隠そう →
こちら の 百 香 殿 は 拙者 の 一 番 弟子 。
( 百 香 ) あぁ ? 誰 が 弟子 だ って ? ( 振 蔵 ) え ぇ っ ! ? いや … 。
( ヒメコ ) ま ぁ ま ぁ ここ は 振 蔵 に 。 ( ボッスン ) 花 持た せ て やれ よ 。
ねえさん が そう 言う なら … 。 おい ! 俺 は 無視 か よ ! !
うるさい よ ボス 男 。
ねえさん ! あ あの … お 目 に かかれ て 光栄 っす !
どう か 俺 を 舎 弟 に し て ください ! 一生 ついていき ます ! !
おい ! な に 1 人 で ニヤ け てん だ よ ?
お め え も 来い よ そんな とこ に ポツンと し て ねえ で 。
ム … 余計 な お 世話 だ 。
( 百 香 ) あっ スイッチ ! なんとか し て くれよ この 小僧 !
情報 通 の この 俺 が 教え て やろ う か ?
彼女 の スリー サイズ および 恥ずかしい 秘密 を 。
オ … オスッ !
こら スイッチ ! そら あか ん て 。 いや 知り て え な 俺 も 。
拙者 も ! お前 ら … !
お前 ら 調子 の って たら 全員 い て こ ます ぞ !