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【朗読】声を便りに、声を頼りに, 萩原朔太郎、猫町(1)

萩原 朔 太郎 、猫 町(1)

猫 町

散文 詩 風 な 小説

萩原 朔 太郎

蠅 を 叩き つぶした ところ で 、 蠅 の 「 物 そのもの 」 は 死に は し ない 。 単に 蠅 の 現象 を つぶした ばかりだ 。 ―― ショウペンハウエル 。

旅 へ の 誘い が 、 次第に 私 の 空想 から 消えて 行った 。 昔 は ただ それ の 表 象 、 汽車 や 、 汽船 や 、 見知らぬ 他国 の 町 々 やを 、 イメージ する だけ でも 心 が 躍った 。 しかる に 過去 の 経験 は 、 旅 が 単なる 「 同一 空間 に おける 同一 事物 の 移動 」 に すぎ ない こと を 教えて くれた 。 何 処 へ 行って 見て も 、 同じ ような 人間 ばかり 住んで おり 、 同じ ような 村 や 町 や で 、 同じ ような 単調な 生活 を 繰り返して いる 。 田舎 の どこ の 小さな 町 でも 、 商人 は 店先 で 算盤 を 弾き ながら 、 終日 白っぽい 往来 を 見て 暮して いる し 、 官吏 は 役所 の 中 で 煙草 を 吸い 、 昼 飯 の 菜 の こと など 考え ながら 、 来る 日 も 来る 日 も 同じ ように 、 味気ない 単調な 日 を 暮し ながら 、 次第に 年老いて 行く 人生 を 眺めて いる 。 旅 へ の 誘い は 、 私 の 疲労 した 心 の 影 に 、 とある 空地 に 生えた 青 桐 みたいな 、 無限の 退屈 した 風景 を 映像 さ せ 、 どこ でも 同 一 性 の 法則 が 反 覆して いる 、 人間 生活 へ の 味気ない 嫌 厭 を 感じ させる ばかりに なった 。 私 は もはや 、 どんな 旅 に も 興味 と ロマンス を なくして しまった 。

久しい 以前 から 、 私 は 私 自身 の 独特な 方法 に よる 、 不思議な 旅行 ばかり を 続けて いた 。 その 私 の 旅行 と いう の は 、 人 が 時空 と 因果 の 外 に 飛翔 し 得る 唯一 の 瞬間 、 即 ち あの 夢 と 現実 と の 境界 線 を 巧みに 利用 し 、 主観 の 構成 する 自由な 世界 に 遊ぶ のである 。 と 言って しまえば 、 もはや この上 、 私 の 秘密に ついて 多く 語る 必要 は ないで あろう 。 ただ 私 の 場合 は 、 用具 や 設備 に 面倒な 手間 が かかり 、 かつ 日本 で 入手 の 困難な 阿 片 の 代り に 、 簡単な 注射 や 服用 で すむ モルヒネ 、 コカイン の 類 を 多く 用いた と いう こと だけ を 附記 して おこう 。 そうした 麻酔 に よる エクスタシイ の 夢 の 中 で 、 私 の 旅行 した 国々 の こと に ついて は 、 此所 に 詳しく 述べる 余裕 が ない 。 だがたいてい の 場合 、 私 は 蛙 ども の 群がって る 沼沢 地方 や 、 極地 に 近く 、 ペンギン 鳥 の いる 沿海 地方 など を 彷徊 した 。 それ ら の 夢 の 景色 の 中 で は 、 すべて の 色彩 が 鮮やかな 原色 を して 、 海 も 、 空 も 、 硝子 の ように 透明な 真 青 だった 。 醒 め て の 後 に も 、 私 は その ヴィジョン を 記憶 して おり 、 しばしば 現実 の 世界 の 中 で 、 異様 の 錯覚 を 起したり した 。

薬物 に よる こうした 旅行 は 、 だが 私 の 健康 を ひどく 害した 。 私 は 日々 に 憔悴 し 、 血色 が 悪く なり 、 皮膚 が 老衰 に 澱んで しまった 。 私 は 自分 の 養生 に 注意 し 始めた 。 そして 運動 の ため の 散歩 の 途中 で 、 或る 日 偶然 、 私 の 風変りな 旅行 癖 を 満足 さ せ 得る 、 一 つ の 新しい 方法 を 発見 した 。 私 は 医師 の 指定 して くれた 注意 に よって 、 毎日 家 から 四 、 五十 町 ( 三十 分 から 一 時間 位 ) の 附近 を 散歩 して いた 。 その 日 も やはり 何時も 通り に 、 ふだん の 散歩 区域 を 歩いて いた 。 私 の 通る 道筋 は 、 いつも 同じ ように 決まって いた 。 だが その 日 に 限って 、 ふと 知ら ない 横丁 を 通り抜けた 。 そして すっかり 道 を まちがえ 、 方角 を 解ら なく して しまった 。 元来 私 は 、 磁石 の 方角 を 直 覚 する 感 官 機能 に 、 何 か の 著 る しい 欠陥 を もった 人間 である 。 その ため 道 の おぼえ が 悪く 、 少し 慣れ ない 土地 へ 行く と 、 すぐ 迷 児 に なって しまった 。 その 上 私 に は 、 道 を 歩き ながら 瞑想 に 耽 る 癖 が あった 。 途中 で 知人 に 挨拶 されて も 、 少しも 知ら ず に いる 私 は 、 時々 自分 の 家 の すぐ 近所 で 迷 児 に なり 、 人 に 道 を きいて 笑われたり する 。 かつて 私 は 、 長く 住んで いた 家 の 廻り を 、 塀 に 添う て 何 十 回 も ぐるぐる と 廻り 歩いた こと が あった 。 方向 観念 の 錯誤 から 、 すぐ 目の前 に ある 門 の 入口 が 、 どうしても 見つから なかった のである 。 家人 は 私 が 、 まさしく 狐 に 化かさ れた のだ と 言った 。 狐 に 化かさ れる と いう 状態 は 、 つまり 心理 学 者 の いう 三半規管 の 疾病 である のだろう 。 なぜなら 学者 の 説 に よれば 、 方角 を 知覚 する 特殊の 機能 は 、 耳 の 中 に ある 三半規管 の 作用 だ と 言う こと だ から 。

余 事 は とにかく 、 私 は 道 に 迷って 困惑 し ながら 、 当 推量 で 見当 を つけ 、 家 の 方 へ 帰ろう と して 道 を 急いだ 。 そして 樹木 の 多い 郊外 の 屋敷 町 を 、 幾 度 か ぐるぐる 廻った あと で 、 ふと 或る 賑やかな 往来 へ 出た 。 それ は 全く 、 私 の 知ら ない 何 所 か の 美しい 町 であった 。 街路 は 清潔に 掃除 されて 、 鋪石 が しっとり と 露 に 濡れて いた 。 どの 商店 も 小綺麗に さっぱり して 、 磨いた 硝子 の 飾 窓 に は 、 様々の 珍しい 商品 が 並んで いた 。 珈琲 店 の 軒 に は 花 樹 が 茂り 、 町 に 日 蔭 の ある 情 趣 を 添えて いた 。 四つ辻 の 赤い ポスト も 美しく 、 煙草 屋 の 店 に いる 娘 さえ も 、 杏 の ように 明るくて 可憐であった 。 かつて 私 は 、 こんな 情 趣 の 深い 町 を 見た こと が なかった 。 一体 こんな 町 が 、 東京 の 何 所 に あった のだろう 。 私 は 地理 を 忘れて しまった 。 しかし 時間 の 計算 から 、 それ が 私 の 家 の 近所 である こと 、 徒歩 で 半 時間 位 しか 離れて いない いつも の 私 の 散歩 区域 、 もしくは その すぐ 近い 範囲 に ある こと だけ は 、 確実に 疑い なく 解って いた 。 しかも そんな 近い ところ に 、 今 まで 少しも 人 に 知れ ず に 、 どうして こんな 町 が あった のだろう ?

私 は 夢 を 見て いる ような 気 が した 。 それ が 現実 の 町 で は なくって 、 幻 燈 の 幕 に 映った 、 影絵 の 町 の ように 思わ れた 。 だが その 瞬間 に 、 私 の 記憶 と 常識 が 回復 した 。 気 が 付いて 見れば 、 それ は 私 の よく 知っている 、 近所 の 詰ら ない 、 あり ふれた 郊外 の 町 な のである 。 いつも の ように 、 四 ツ 辻 に ポスト が 立って 、 煙草 屋 に は 胃 病 の 娘 が 坐って いる 。 そして 店 々 の 飾 窓 に は 、 いつも の 流行 おくれ の 商品 が 、 埃っぽく 欠 伸 を して 並んで いる し 、 珈琲 店 の 軒 に は 、 田舎 らしく 造花 の アーチ が 飾られて いる 。 何もかも 、 すべて 私 が 知っている 通り の 、 いつも の 退屈な 町 に すぎ ない 。 一 瞬間 の 中 に 、 すっかり 印象 が 変って しまった 。 そして この 魔法 の ような 不思議 の 変化 は 、 単に 私 が 道 に 迷って 、 方位 を 錯覚 した こと に だけ 原因 して いる 。 いつも 町 の 南 は ずれ に ある ポスト が 、 反対の 入口 である 北 に 見えた 。 いつも は 左側 に ある 街路 の 町 家 が 、 逆に 右側 の 方 へ 移って しまった 。 そして ただ この 変化 が 、 すべて の 町 を 珍しく 新しい 物 に 見せた のだった 。

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萩原 朔 太郎 、猫 町(1) はぎはら|さく|たろう|ねこ|まち Sakutaro Hagiwara, Nekomachi (1) Sakutaro Hagiwara, Ciudad de Gatos (1). 荻原作太郎,猫町 (1) 荻原作太郎,貓町 (1)

猫 町 ねこ|まち Cidade dos gatos

散文 詩 風 な 小説 さんぶん|し|かぜ||しょうせつ prose|||| Prosa, poesia, romances.

萩原 朔 太郎 はぎはら|さく|たろう Hagiwara Sakutaro

蠅 を 叩き つぶした ところ で 、 蠅 の 「 物 そのもの 」 は 死に は し ない 。 はえ||たたき||||はえ||ぶつ|その もの||しに||| fly|||squashed|at the point||||object|||||| Even when you smash a fly, the essence of the fly itself does not die. O facto de se abater uma mosca não mata a mosca "em si". 単に 蠅 の 現象 を つぶした ばかりだ 。 たんに|はえ||げんしょう||| ||||||just did You have merely crushed the phenomenon of the fly. Limitámo-nos a esmagar o fenómeno das moscas. ―― ショウペンハウエル 。 Schopenhauer Schopenhauer –– Schopenhauer. -- Schopenhauer .

旅 へ の 誘い が 、 次第に 私 の 空想 から 消えて 行った 。 たび|||さそい||しだいに|わたくし||くうそう||きえて|おこなった |||invitation|||||||| The invitation to travel gradually faded from my imagination. O convite para viajar foi-se desvanecendo gradualmente da minha imaginação. 昔 は ただ それ の 表 象 、 汽車 や 、 汽船 や 、 見知らぬ 他国 の 町 々 やを 、 イメージ する だけ でも 心 が 躍った 。 むかし|||||ひょう|ぞう|きしゃ||きせん||みしらぬ|たこく||まち||やお|いめーじ||||こころ||おどった |||||||||steamship|||||||quotation particle|||||||leaped In the past, just imagining trains, steamships, and unfamiliar towns in other countries brought joy to my heart. Antigamente, era emocionante imaginar os símbolos, os comboios, os navios a vapor, as vilas e cidades em terras estranhas. しかる に 過去 の 経験 は 、 旅 が 単なる 「 同一 空間 に おける 同一 事物 の 移動 」 に すぎ ない こと を 教えて くれた 。 ||かこ||けいけん||たび||たんなる|どういつ|くうかん|||どういつ|じぶつ||いどう||||||おしえて| |||||||||the same|||||||||||||| However, past experiences taught me that travel is merely 'the movement of the same things in the same space.' No entanto, as experiências do passado ensinaram-nos que viajar não é mais do que "o movimento da mesma coisa no mesmo espaço". 何 処 へ 行って 見て も 、 同じ ような 人間 ばかり 住んで おり 、 同じ ような 村 や 町 や で 、 同じ ような 単調な 生活 を 繰り返して いる 。 なん|しょ||おこなって|みて||おなじ||にんげん||すんで||おなじ||むら||まち|||おなじ||たんちょうな|せいかつ||くりかえして| |||||||||||||||||||||monotonous|||| No matter where I go and see, there are only similar kinds of people living, in similar villages and towns, repeating the same monotonous life. Onde quer que vá, encontrará as mesmas pessoas a viver nas mesmas aldeias e cidades, repetindo o mesmo estilo de vida monótono. 田舎 の どこ の 小さな 町 でも 、 商人 は 店先 で 算盤 を 弾き ながら 、 終日 白っぽい 往来 を 見て 暮して いる し 、 官吏 は 役所 の 中 で 煙草 を 吸い 、 昼 飯 の 菜 の こと など 考え ながら 、 来る 日 も 来る 日 も 同じ ように 、 味気ない 単調な 日 を 暮し ながら 、 次第に 年老いて 行く 人生 を 眺めて いる 。 いなか||||ちいさな|まち||しょうにん||みせさき||そろばん||はじき||しゅうじつ|しろ っぽい|おうらい||みて|くらして|||かんり||やくしょ||なか||たばこ||すい|ひる|めし||な||||かんがえ||くる|ひ||くる|ひ||おなじ||あじけない|たんちょうな|ひ||くらし||しだいに|としおいて|いく|じんせい||ながめて| |||||||||||abacus|||||whitish|||||||government official||||||||||||vegetables||||||comes||||||||dull|||||||growing old||||| |||||||||||||||||||||||||||||Tabaco|||||||||||||||||||||||||||||||| In any small town in the countryside, merchants spend their days calculating on an abacus in front of their shops, watching the drab daily traffic, while officials smoke inside the government offices, thinking about what to have for lunch and living each day in the same bland monotony, gradually aging as they observe their lives. Em todas as pequenas cidades do interior, os comerciantes passam o dia inteiro a jogar ao tabuleiro de aritmética nas suas lojas e a ver passar o trânsito branco, enquanto os funcionários se sentam nos seus gabinetes a fumar cigarros e a pensar nos legumes para o almoço, dia após dia, vivendo a mesma vida monótona e aborrecida, vendo-a envelhecer cada vez mais. 旅 へ の 誘い は 、 私 の 疲労 した 心 の 影 に 、 とある 空地 に 生えた 青 桐 みたいな 、 無限の 退屈 した 風景 を 映像 さ せ 、 どこ でも 同 一 性 の 法則 が 反 覆して いる 、 人間 生活 へ の 味気ない 嫌 厭 を 感じ させる ばかりに なった 。 たび|||さそい||わたくし||ひろう||こころ||かげ|||あきち||はえた|あお|きり||むげんの|たいくつ||ふうけい||えいぞう|||||どう|ひと|せい||ほうそく||はん|くつがえして||にんげん|せいかつ|||あじけない|いや|いと||かんじ|さ せる|| ||||||||||||||vacant lot||||paulownia||||||||||||||||||reversed|overturned||||||||||||| The invitation to travel reflects an endless scene of boredom, like a green paulownia growing in a certain vacant lot, casting the shadow of my tired heart, making me feel the drab dislike for human life where the law of uniformity is ubiquitous. O convite para viajar apenas fez com que a minha mente cansada visualizasse paisagens aborrecidas sem fim, como a paulownia azul que crescia num certo terreno baldio, e fez-me sentir um desencanto insípido com a vida humana, onde as leis da mesmice são subvertidas por todo o lado. 私 は もはや 、 どんな 旅 に も 興味 と ロマンス を なくして しまった 。 わたくし||||たび|||きょうみ||ろまんす||| |||||||||romance||| I have long lost any interest or romance in any kind of travel. Perdi o interesse e o romance por qualquer tipo de viagem.

久しい 以前 から 、 私 は 私 自身 の 独特な 方法 に よる 、 不思議な 旅行 ばかり を 続けて いた 。 ひさしい|いぜん||わたくし||わたくし|じしん||どくとくな|ほうほう|||ふしぎな|りょこう|||つづけて| For a long time, I have been continuing my mysterious travels in my own unique way. Há já algum tempo que viajo à minha maneira inimitável e misteriosa. その 私 の 旅行 と いう の は 、 人 が 時空 と 因果 の 外 に 飛翔 し 得る 唯一 の 瞬間 、 即 ち あの 夢 と 現実 と の 境界 線 を 巧みに 利用 し 、 主観 の 構成 する 自由な 世界 に 遊ぶ のである 。 |わたくし||りょこう|||||じん||じくう||いんが||がい||ひしょう||える|ゆいいつ||しゅんかん|そく|||ゆめ||げんじつ|||きょうかい|せん||たくみに|りよう||しゅかん||こうせい||じゆうな|せかい||あそぶ| ||||||||||space-time||||||flight||||||that is|||||||||||skillfully|||subjectivity|||||||| These travels of mine take place at the only moment when a person can leap beyond space, time, and causality; that is, I skillfully utilize the boundary between dreams and reality to play in a world constructed by subjectivity. As minhas viagens são os únicos momentos em que se pode voar para fora do tempo, do espaço e da causalidade, em que se pode explorar habilmente essa fronteira entre o sonho e a realidade, e brincar no mundo livre da composição do próprio sujeito. と 言って しまえば 、 もはや この上 、 私 の 秘密に ついて 多く 語る 必要 は ないで あろう 。 |いって|||このうえ|わたくし||ひみつに||おおく|かたる|ひつよう||| |||||||secret|||speak about|||| That said, there is probably no longer any need to speak much about my secrets. Dito isto, já não é necessário dizer muito mais sobre os meus segredos. ただ 私 の 場合 は 、 用具 や 設備 に 面倒な 手間 が かかり 、 かつ 日本 で 入手 の 困難な 阿 片 の 代り に 、 簡単な 注射 や 服用 で すむ モルヒネ 、 コカイン の 類 を 多く 用いた と いう こと だけ を 附記 して おこう 。 |わたくし||ばあい||ようぐ||せつび||めんどうな|てま||||にっぽん||にゅうしゅ||こんなんな|おもね|かた||かわり||かんたんな|ちゅうしゃ||ふくよう|||もるひね|こかいん||るい||おおく|もちいた||||||ふき|| |||||tools|||||trouble||||||obtained||difficult|||||||||taking medication|||morphine|cocaine|||||used||||||note added|| ||||||||||||||||||||||||||||||morfina|Cocaína|||||||||||Anotación adicional|| However, in my case, I had to go through the trouble of dealing with equipment and supplies, and instead of the difficult-to-obtain opiates in Japan, I mainly used easily administered morphine and cocaine. Gostaria de acrescentar que, no meu caso, em vez de utilizar as ferramentas e o equipamento, que eram demorados e difíceis de obter no Japão, utilizei frequentemente morfina e cocaína, que podem ser facilmente injectadas ou administradas. そうした 麻酔 に よる エクスタシイ の 夢 の 中 で 、 私 の 旅行 した 国々 の こと に ついて は 、 此所 に 詳しく 述べる 余裕 が ない 。 |ますい|||||ゆめ||なか||わたくし||りょこう||くにぐに||||||これところ||くわしく|のべる|よゆう|| |anesthesia|||ecstasy||||||||||||||||this place||||||not ||||éxtasis|||||||||||||||||||||| In the dream of ecstasy brought by such anesthesia, I do not have the leisure to describe in detail the countries I traveled to. Não tenho tempo para entrar em pormenores sobre os países para onde viajei nestes sonhos de êxtase anestésico. だがたいてい の 場合 、 私 は 蛙 ども の 群がって る 沼沢 地方 や 、 極地 に 近く 、 ペンギン 鳥 の いる 沿海 地方 など を 彷徊 した 。 だが たいてい||ばあい|わたくし||かえる|||むらがって||ぬまさわ|ちほう||きょくち||ちかく|ぺんぎん|ちょう|||えんかい|ちほう|||ほうかい| but usually||||||||||swamp||||||||||coastal area||||wandering| pero generalmente||||||||||||||||||||||||| But in most cases, I wandered around marshy areas where frogs gathered, and coastal regions near the poles, where penguins can be found. Mas, na maior parte do tempo, vagueei pelos pântanos e brejos repletos de rãs, ou pelas zonas costeiras perto dos pólos com as suas aves pinguins. それ ら の 夢 の 景色 の 中 で は 、 すべて の 色彩 が 鮮やかな 原色 を して 、 海 も 、 空 も 、 硝子 の ように 透明な 真 青 だった 。 |||ゆめ||けしき||なか|||||しきさい||あざやかな|げんしょく|||うみ||から||がらす|||とうめいな|まこと|あお| ||||||||||||||vivid|primary color|||||||glass|||||| In the scenery of those dreams, all the colors were vivid primary colors, and the sea and sky were a deep blue, transparent like glass. Nestas paisagens de sonho, todas as cores eram cores primárias brilhantes, e o mar e o céu eram azuis claros como vidro. 醒 め て の 後 に も 、 私 は その ヴィジョン を 記憶 して おり 、 しばしば 現実 の 世界 の 中 で 、 異様 の 錯覚 を 起したり した 。 せい||||あと|||わたくし|||||きおく||||げんじつ||せかい||なか||いよう||さっかく||おこしたり| ||||||||||vision||||||||||||strange||||would occur| ||||||||||||||||||||||||||provocar ilusiones extrañas| Even after waking, I remembered that vision and often had bizarre illusions in the real world. Mesmo depois de ter acordado, ainda me lembrava das visões e tinha frequentemente ilusões bizarras no mundo real.

薬物 に よる こうした 旅行 は 、 だが 私 の 健康 を ひどく 害した 。 やくぶつ||||りょこう|||わたくし||けんこう|||がいした ||||||||||||harmed Traveling under the influence of drugs, however, severely harmed my health. No entanto, estas viagens de droga foram muito prejudiciais para a minha saúde. 私 は 日々 に 憔悴 し 、 血色 が 悪く なり 、 皮膚 が 老衰 に 澱んで しまった 。 わたくし||ひび||しょうすい||けっしょく||わるく||ひふ||ろうすい||よどんで| ||||worn out||complexion||||||||stagnated| ||||||||||||||se deterioró| I became worn out day by day, my complexion worsened, and my skin faded due to aging. Estava cada vez mais exausta todos os dias, a minha tez estava mais pálida e a minha pele envelhecia. 私 は 自分 の 養生 に 注意 し 始めた 。 わたくし||じぶん||ようじょう||ちゅうい||はじめた ||||health care|||| I began to pay attention to my health. Comecei a prestar atenção aos meus próprios cuidados de saúde. そして 運動 の ため の 散歩 の 途中 で 、 或る 日 偶然 、 私 の 風変りな 旅行 癖 を 満足 さ せ 得る 、 一 つ の 新しい 方法 を 発見 した 。 |うんどう||||さんぽ||とちゅう||ある|ひ|ぐうぜん|わたくし||ふうがわりな|りょこう|くせ||まんぞく|||える|ひと|||あたらしい|ほうほう||はっけん| And so, during a walk for exercise one day by chance, I discovered a new way to satisfy my quirky travel habits. Então, um dia, durante uma caminhada para fazer exercício, descobri uma nova forma de satisfazer os meus excêntricos hábitos de viagem. 私 は 医師 の 指定 して くれた 注意 に よって 、 毎日 家 から 四 、 五十 町 ( 三十 分 から 一 時間 位 ) の 附近 を 散歩 して いた 。 わたくし||いし||してい|||ちゅうい|||まいにち|いえ||よっ|ごじゅう|まち|さんじゅう|ぶん||ひと|じかん|くらい||ふきん||さんぽ|| |||||||||||||||||||||||vicinity|||| ||||||||||todos los días||||cincuenta||||||||||||| By the advice of my doctor, I was walking in the vicinity of four to fifty town blocks (about thirty minutes to one hour) every day from home. Passei a fazer caminhadas diárias nas imediações de 40-50 municípios (30 minutos a uma hora) da minha casa, seguindo as precauções prescritas pelo médico. その 日 も やはり 何時も 通り に 、 ふだん の 散歩 区域 を 歩いて いた 。 |ひ|||いつも|とおり||||さんぽ|くいき||あるいて| ||||always|||usually|||area||| That day as well, I was walking in my usual walking area just like always. Nesse dia, como de costume, estava a caminhar na minha zona normal de passeio. 私 の 通る 道筋 は 、 いつも 同じ ように 決まって いた 。 わたくし||とおる|みちすじ|||おなじ||きまって| |||route|||||| O meu caminho foi sempre o mesmo. だが その 日 に 限って 、 ふと 知ら ない 横丁 を 通り抜けた 。 ||ひ||かぎって||しら||よこちょう||とおりぬけた ||||||||||passed through But on that day, I happened to pass through a side street I didn’t know. Mas só nesse dia, de repente, dei por mim a passar por um beco desconhecido. そして すっかり 道 を まちがえ 、 方角 を 解ら なく して しまった 。 ||どう|||ほうがく||わから||| ||||made a mistake|||could not understand||| ||||equivocarse|||||| And I completely lost my way, unable to figure out the direction. Enganou-se no caminho e perdeu a orientação. 元来 私 は 、 磁石 の 方角 を 直 覚 する 感 官 機能 に 、 何 か の 著 る しい 欠陥 を もった 人間 である 。 がんらい|わたくし||じしゃく||ほうがく||なお|あきら||かん|かん|きのう||なん|||ちょ|||けっかん|||にんげん| ||||||(object marker)|||||||||||notable|||defect|||| Originally, I am a person with some significant defect in the sensory function that directly perceives the direction of a magnetic compass. Originalmente, sou uma pessoa com alguns defeitos significativos na função sensorial de intuir a direção de um íman. その ため 道 の おぼえ が 悪く 、 少し 慣れ ない 土地 へ 行く と 、 すぐ 迷 児 に なって しまった 。 ||どう||||わるく|すこし|なれ||とち||いく|||まよ|じ||| ||||memory|||||||||||lost|||| Because I have a bad sense of direction, when I go to a place I'm not used to, I quickly become lost. Por isso, tinha dificuldade em lembrar-se do caminho e, se fosse a sítios desconhecidos, depressa se tornava uma criança perdida. その 上 私 に は 、 道 を 歩き ながら 瞑想 に 耽 る 癖 が あった 。 |うえ|わたくし|||どう||あるき||めいそう||たん||くせ|| |||||||||meditation||be absorbed in|||| Additionally, I have a habit of getting lost in meditation while walking. Além disso, tinha o hábito de meditar enquanto caminhava pela estrada. 途中 で 知人 に 挨拶 されて も 、 少しも 知ら ず に いる 私 は 、 時々 自分 の 家 の すぐ 近所 で 迷 児 に なり 、 人 に 道 を きいて 笑われたり する 。 とちゅう||ちじん||あいさつ|さ れて||すこしも|しら||||わたくし||ときどき|じぶん||いえ|||きんじょ||まよ|じ|||じん||どう|||えみわれたり| |||||||not at all||||||||||||||||||||||||laughed at| |||||||||||||||||||||||||||||||se ríen| Even if greeted by acquaintances along the way, I often find myself lost even in my own neighborhood, sometimes getting laughed at for asking people for directions. Por vezes, torno-me uma criança perdida nas imediações da minha casa e as pessoas riem-se de mim quando peço indicações. かつて 私 は 、 長く 住んで いた 家 の 廻り を 、 塀 に 添う て 何 十 回 も ぐるぐる と 廻り 歩いた こと が あった 。 |わたくし||ながく|すんで||いえ||まわり||へい||そう||なん|じゅう|かい||||まわり|あるいた||| ||||||||around||fence||along|||||||||||| Once, I walked around the house where I had lived for a long time, circling it dozens of times along the fence. Costumava dar dezenas de voltas às paredes da minha casa há muito estabelecida. 方向 観念 の 錯誤 から 、 すぐ 目の前 に ある 門 の 入口 が 、 どうしても 見つから なかった のである 。 ほうこう|かんねん||さくご|||めのまえ|||もん||いりぐち|||みつから|| |concept||||||||||||||| Due to a misunderstanding of my sense of direction, I could not find the entrance to the gate right in front of me. Devido a um erro de orientação, não conseguiram encontrar a entrada do portão que estava mesmo à sua frente. 家人 は 私 が 、 まさしく 狐 に 化かさ れた のだ と 言った 。 かじん||わたくし|||きつね||ばかさ||||いった family member||||truly||||||| |||||||engañado por|||| The family members said that I had truly been tricked by a fox. O senhorio disse que eu tinha sido, de facto, possuído por uma raposa. 狐 に 化かさ れる と いう 状態 は 、 つまり 心理 学 者 の いう 三半規管 の 疾病 である のだろう 。 きつね||ばかさ||||じょうたい|||しんり|まな|もの|||さんはんきかん||しっぺい|| ||bewitched||||||||||||semicircular canal||disease|| A condição de ser raposa é provavelmente aquilo a que os psicólogos chamam uma doença do canal semicircular. なぜなら 学者 の 説 に よれば 、 方角 を 知覚 する 特殊の 機能 は 、 耳 の 中 に ある 三半規管 の 作用 だ と 言う こと だ から 。 |がくしゃ||せつ|||ほうがく||ちかく||とくしゅの|きのう||みみ||なか|||さんはんきかん||さよう|||いう||| ||||||||perception||special|||||||||||||||| This is because, according to scholars, the special function that perceives direction is said to be the action of the semicircular canals in the ear. Isto porque, segundo os estudiosos, a função especial da perceção da direção se deve à ação dos canais semicirculares dos ouvidos.

余 事 は とにかく 、 私 は 道 に 迷って 困惑 し ながら 、 当 推量 で 見当 を つけ 、 家 の 方 へ 帰ろう と して 道 を 急いだ 。 よ|こと|||わたくし||どう||まよって|こんわく|||とう|すいりょう||けんとう|||いえ||かた||かえろう|||どう||いそいだ |||||||||confused|||this|guess||||||||||||||hurried In any case, while I was lost and confused, I made a conjecture and hurriedly headed towards home. De qualquer modo, estava perdido e desorientado, mas adivinhei para onde ia e apressei-me a regressar a casa. そして 樹木 の 多い 郊外 の 屋敷 町 を 、 幾 度 か ぐるぐる 廻った あと で 、 ふと 或る 賑やかな 往来 へ 出た 。 |じゅもく||おおい|こうがい||やしき|まち||いく|たび|||まわった||||ある|にぎやかな|おうらい||でた |trees||||||||||||circled|||||||| |||||||barrio residencial||||||giró alrededor de|||||||| After wandering several times around a suburban mansion town with many trees, I suddenly found myself on a certain lively street. Depois de mais algumas voltas à zona residencial suburbana arborizada, encontrei-me subitamente numa zona de trânsito intenso. それ は 全く 、 私 の 知ら ない 何 所 か の 美しい 町 であった 。 ||まったく|わたくし||しら||なん|しょ|||うつくしい|まち| Era uma cidade muito bonita, onde nunca tinha estado antes. 街路 は 清潔に 掃除 されて 、 鋪石 が しっとり と 露 に 濡れて いた 。 がいろ||せいけつに|そうじ|さ れて|ほいし||||ろ||ぬれて| ||cleanly|||paving stones||||dew||| |||||adoquines||||||| As ruas estavam limpas e as pedras do pavimento estavam húmidas de orvalho. どの 商店 も 小綺麗に さっぱり して 、 磨いた 硝子 の 飾 窓 に は 、 様々の 珍しい 商品 が 並んで いた 。 |しょうてん||こぎれいに|||みがいた|がらす||かざ|まど|||さまざまの|めずらしい|しょうひん||ならんで| |||neatly||||||decorative||||various||||| |||Pulcro||||||||||||||| Every shop was neat and tidy, and in the polished glass display windows, various unusual products were lined up. Todas as lojas estavam limpas e arrumadas, com montras de vidro polido que exibiam uma vasta gama de produtos invulgares. 珈琲 店 の 軒 に は 花 樹 が 茂り 、 町 に 日 蔭 の ある 情 趣 を 添えて いた 。 こーひー|てん||のき|||か|き||しげり|まち||ひ|おん|||じょう|おもむき||そえて| |||||||||thrived|||||||sentiment|||| The coffee shop had flowering trees in front, adding a touch of charm to the town with its shade. As árvores floridas nos beirais dos cafés dão um toque de sombra à cidade. 四つ辻 の 赤い ポスト も 美しく 、 煙草 屋 の 店 に いる 娘 さえ も 、 杏 の ように 明るくて 可憐であった 。 よつつじ||あかい|ぽすと||うつくしく|たばこ|や||てん|||むすめ|||あんず|||あかるくて|かれんであった crossroads|||||||||||||||apricot||||charming ||rojo||||Tienda de tabaco|||||||||||||Encantadora The red post at the intersection was also beautiful, and even the girl in the tobacco shop was bright and lovely like an apricot. O poste vermelho no cruzamento era lindo, e até a rapariga da tabacaria era tão brilhante e bonita como um alperce. かつて 私 は 、 こんな 情 趣 の 深い 町 を 見た こと が なかった 。 |わたくし|||じょう|おもむき||ふかい|まち||みた||| ||||||||pueblo||||| Nunca tinha visto uma cidade tão pitoresca. 一体 こんな 町 が 、 東京 の 何 所 に あった のだろう 。 いったい||まち||とうきょう||なん|しょ||| I wonder where in Tokyo such a town could be. Em que sítio de Tóquio é que havia uma cidade assim? 私 は 地理 を 忘れて しまった 。 わたくし||ちり||わすれて| I have forgotten geography. Esqueci-me da minha geografia. しかし 時間 の 計算 から 、 それ が 私 の 家 の 近所 である こと 、 徒歩 で 半 時間 位 しか 離れて いない いつも の 私 の 散歩 区域 、 もしくは その すぐ 近い 範囲 に ある こと だけ は 、 確実に 疑い なく 解って いた 。 |じかん||けいさん||||わたくし||いえ||きんじょ|||とほ||はん|じかん|くらい||はなれて||||わたくし||さんぽ|くいき||||ちかい|はんい||||||かくじつに|うたがい||わかって| However, from the calculation of time, I was certain without a doubt that it was close to my house, within the usual walking area of about half an hour, or in the immediately nearby vicinity. No entanto, pelos cálculos de tempo, sabia sem dúvida que era no meu bairro, na minha zona habitual de passeio, que fica apenas a meia hora a pé, ou muito perto disso. しかも そんな 近い ところ に 、 今 まで 少しも 人 に 知れ ず に 、 どうして こんな 町 が あった のだろう ? ||ちかい|||いま||すこしも|じん||しれ|||||まち||| |||||||||||||¿Por qué?||||| Como é que uma cidade destas podia existir tão perto sem ser notada?

私 は 夢 を 見て いる ような 気 が した 。 わたくし||ゆめ||みて|||き|| Sentia-me como se estivesse a sonhar. それ が 現実 の 町 で は なくって 、 幻 燈 の 幕 に 映った 、 影絵 の 町 の ように 思わ れた 。 ||げんじつ||まち|||なく って|まぼろし|とも||まく||うつった|かげえ||まち|||おもわ| |||||||||lantern|||||shadow play|||||| It was not a real town, but rather a town that seemed to be projected on the screen of a lantern, like a shadow play. Não era uma cidade real, mas uma cidade sombria reflectida na cortina de uma luz fantasma. だが その 瞬間 に 、 私 の 記憶 と 常識 が 回復 した 。 ||しゅんかん||わたくし||きおく||じょうしき||かいふく| However, in that moment, my memory and common sense were restored. Mas, nesse momento, a minha memória e o meu bom senso voltaram. 気 が 付いて 見れば 、 それ は 私 の よく 知っている 、 近所 の 詰ら ない 、 あり ふれた 郊外 の 町 な のである 。 き||ついて|みれば|||わたくし|||しっている|きんじょ||なじら||||こうがい||まち|| ||||||||||||boring|||touched||||| ||||||||||||aburrido||||||||es porque When I realized it, it was a familiar, mundane, and ordinary suburban town that I knew very well. Encontrei-me numa típica cidade suburbana com uma vizinhança desordenada, que eu conhecia muito bem. いつも の ように 、 四 ツ 辻 に ポスト が 立って 、 煙草 屋 に は 胃 病 の 娘 が 坐って いる 。 |||よっ||つじ||ぽすと||たって|たばこ|や|||い|びょう||むすめ||すわって| |||||crossroads||||||||||||||| As usual, there is a post standing at the four-way intersection, and the daughter with a stomach ailment is sitting in the tobacco shop. Como de costume, há um posto em Yotsuji, e na tabacaria está sentada uma filha com problemas de estômago. そして 店 々 の 飾 窓 に は 、 いつも の 流行 おくれ の 商品 が 、 埃っぽく 欠 伸 を して 並んで いる し 、 珈琲 店 の 軒 に は 、 田舎 らしく 造花 の アーチ が 飾られて いる 。 |てん|||かざ|まど|||||りゅうこう|||しょうひん||ほこり っぽく|けつ|しん|||ならんで|||こーひー|てん||のき|||いなか||ぞうか||あーち||かざら れて| |||||||||||||||dusty||yawn||||||||||||||artificial flowers||||decorated| |||||||||||||||Polvorientos||||||||Café||||||||||||| And in the shop windows, there are always dusty, outdated products lined up, and on the coffee shop's eaves, an artificial flower arch is decorated in a rustic style. As montras das lojas estão repletas de produtos empoeirados e fora de moda e os beirais dos cafés estão decorados com arcos de flores artificiais em estilo campestre. 何もかも 、 すべて 私 が 知っている 通り の 、 いつも の 退屈な 町 に すぎ ない 。 なにもかも||わたくし||しっている|とおり||||たいくつな|まち||| everything|||||||||boring|||| |||||||siempre|||||| Everything is just the same boring town that I know so well. Tudo é tal e qual como eu o conheço, apenas mais uma cidade aborrecida. 一 瞬間 の 中 に 、 すっかり 印象 が 変って しまった 。 ひと|しゅんかん||なか|||いんしょう||かわって| ||||||||changed| |Un instante|||||||| In an instant, my impression completely changed. Num só momento, a impressão foi completamente transformada. そして この 魔法 の ような 不思議 の 変化 は 、 単に 私 が 道 に 迷って 、 方位 を 錯覚 した こと に だけ 原因 して いる 。 ||まほう|||ふしぎ||へんか||たんに|わたくし||どう||まよって|ほうい||さっかく|||||げんいん|| |||||||||||||||direction||||||||| E esta mudança mágica deve-se unicamente ao facto de me ter perdido e de ter tido uma ilusão de direção. いつも 町 の 南 は ずれ に ある ポスト が 、 反対の 入口 である 北 に 見えた 。 |まち||みなみ|||||ぽすと||はんたいの|いりぐち||きた||みえた ||||||||||||||locative particle| The post that is always on the south edge of the town was seen from the opposite entrance in the north. O posto, normalmente situado no extremo sul da cidade, era visível a norte, na entrada oposta. いつも は 左側 に ある 街路 の 町 家 が 、 逆に 右側 の 方 へ 移って しまった 。 ||ひだりがわ|||がいろ||まち|いえ||ぎゃくに|みぎがわ||かた||うつって| |||||||||||||||moved| The townhouses that are usually on the left side of the street have oddly moved to the right side. As casas da rua, normalmente à esquerda, passaram para a direita. そして ただ この 変化 が 、 すべて の 町 を 珍しく 新しい 物 に 見せた のだった 。 |||へんか||||まち||めずらしく|あたらしい|ぶつ||みせた| ||||||||||||||was And it was only this change that made the entire town look unusually new. E foi precisamente esta mudança que fez com que toda a cidade parecesse invulgarmente nova.