天狗 | テング の 羽 うちわ
てんぐ|||はね|
|tengu|||fan
Tengu | Tengu-Federn Fans
Tengu | Tengu feather Fans
Tengu | Tengu feathers Fans
Tengu | Fani piór Tengu
Tengu | Penas de tengu Fãs
Tengu | Tengu feathers Fans
Tengu | Tengus fjädrar Fläktar
天狗 | 长鼻羽毛扇
天狗 | 長鼻羽毛扇
むかし むかし 、ある ところ に 、ふく 八 と いう 、とんち の 上手な 男 が いました。
||||||やっ|||||じょうずな|おとこ||
|a long time ago||||||quotation particle|called||||||
Once upon a time, there was a man named Fukuhachi who was good at playing tricks.
ある 日 の 事 、ふく 八 は テング が 住んで いる と いう 、テング 山 へ 行きました。
|ひ||こと||やっ||||すんで|||||やま||いきました
One day, Fukuhachi went to Mt. Tengu, where tengu are said to live.
そして 、大きな サイコロ を ころがして は、
|おおきな||||
||dice|||
Then, by rolling the big dice,
「うわっ、見える 見える 、江戸 が 見える ぞ。
|みえる|みえる|えど||みえる|
"Wow, I can see, I can see, I can see Edo.
京 が 見える ぞ」
けい||みえる|
I can see Kyoto.
と 、おもしろ そうに 大声 で 言いました。
||そう に|おおごえ||いいました
he said loudly, looking interested.
それ を 聞いた テング が 、ふく 八 に 言いました。
||きいた||||やっ||いいました
Hearing that, Tengu told Fuku.
「おい 、ふく 八 、おれ に も それ を 貸せ!
||やっ||||||かせ
"Hey, Fuhachi, give me that one too!
」
「いやだ」
「おれ は 、テング だ ぞ」
I am Teng.
「いや だ っと 言って いる だろう。
|||いって||
I'm saying, "I don't want to!
こんな おもしろい 物 を 、そう 簡単に 貸せる もの か」
||ぶつ|||かんたんに|かし せる||
||||||lend||
How can you lend such an interesting thing so easily?"
「・・・お前 は 、テング が こわく ない の か?
おまえ|||||||
||||scared|||
"...You're not afraid of Teng?
」
「テング なんか 、こわく ない よ。
I'm not afraid of tengu.
それ より 、この サイコロ は おもしろい な。
But I find these dice more interesting.
ころがし さえ すれば 、どこ でも 見える のだから。
|||||みえる|
||||||that's why
You can see it anywhere, if you only roll it.
・・・うわっ、今度 は 大阪 が 見える ぞ」
|こんど||おおさか||みえる|
...Wow, now I can see Osaka.
ふく 八 は 、サイコロ に 一生けんめい です。
|やっ||||いっしょうけんめい|
|||||diligently|
Fukuhachi is determined to roll the dice.
「おい 、ふく 八。
||やっ
"Hey, Fukuhachi.
お前 に は 、こわい 物 が ない の か?
おまえ||||ぶつ||||
Don't you have anything to be afraid of?
」
「ある よ。
Yes, there is.
おれ の こわい 物 は 、ぼたもち だ」
|||ぶつ|||
|||||rice cake|
My fear is a sticky rice cake."
「へえ 、あんな おいしい 物 を?
|||ぶつ|
"Oh, you eat that good stuff?
」
「ああ 、名前 を 聞いた だけ でも 、ゾゾッ と する。
|なまえ||きいた|||||
||||||tingle||
"Ah, just hearing the name gives me chills.
テング さん 、あんた は 何 が こわい?
||||なん||
」
「おれ は 、トゲ の ある カラタチ (→中国 原産 の ミカン 科 の 落葉 低木 )だ」
||とげ||||ちゅうごく|げんさん||みかん|か||らくよう|ていぼく|
||||||||||||deciduous||
I'm a spiny karatachi (a deciduous shrub in the mandarin family native to China).
「しめた っ!
I've got it!
」
「?
?
?
・・・なに が 、しめた じゃ?
What did you find?
」
」
「いや 、何でもない。
|なんでもない
No, it's nothing.
それ より 今度 は 、奈良 の 大仏 が 見える ぞ」
||こんど||なら||だいぶつ||みえる|
Better yet, this time you can see the Great Buddha of Nara."
ふく 八 は 、おどりあがって 喜びました。
|やっ|||よろこびました
|||danced|
Fukuhachi was so happy that he was jumping up and down.
その 様子 を 見て いた テング は 、その サイコロ が ほしくて たまりません。
|ようす||みて||||||||
||||||||||wanting|
Teng, who was watching the scene, was eager to get his hands on the dice.
「なあ 、お前 の サイコロ と テング の うちわ を 交換 し ない か?
|おまえ||||||||こうかん|||
Hey, how about trading your dice for Teng's fan?
この テング の うちわ で あおぐ と 、鼻 が 高く なったり 低く なったり 出来る ぞ」
|||||||はな||たかく||ひくく||できる|
|||||fan|||||||||
If you raise your nose with this fan, you can make it go up or down.
「うそ つけ 、そんな 事 が 出来る もの か」
|||こと||できる||
Bullshit. How is that possible?
「なら 、見て ろ よ」
|みて||
Then watch me.
テング は 、ふく 八 の 鼻 を あおぎ ながら 言いました。
|||やっ||はな||||いいました
|||||||blew||
Tengu stirred up Fukuhachi's nose and said, "I'm sorry, but I can't help it.
「ふく 八 の 鼻 、高く なれ 、高く なれ」
|やっ||はな|たかく||たかく|
"The nose of Fuhachi, be tall, be tall."
すると ふく 八 の 鼻 は グングン のびて 、向こう の 山 へ つき そうに なりました。
||やっ||はな||ぐんぐん||むこう||やま|||そう に|
|||||||grew|||||||
Then, the snout of the sextuplets grew so long that it almost reached the mountain on the other side.
「わ あ 、早く 元 に 戻して くれ」
||はやく|もと||もどして|
Oh, my God, please put it back.
「それ じゃあ 、この うちわ と サイコロ と 取り替える か?
|||||||とりかえる|
|||||||to exchange|
"Well then, shall I replace this fan with a dice?
」
「しかたがない 、取り替える から 、はやく 鼻 を ちぢめて くれ」
|とりかえる|||はな|||
||||||pinch|
"It can't be helped, I'll replace it, but you'll have to shrink your nose quickly."
こうして ふく 八 は テング の うちわ を 手 に 入れる と 、逃げる よう に 帰って いきました。
||やっ||||||て||いれる||にげる|||かえって|
Fukuhachi thus obtained Tengu's fan and fled home.
サイコロ を 手 に 入れた テング は 、うれし そうに 言いました。
||て||いれた||||そう に|いいました
When Tengu got the dice, he said happily
「まずは 、京の都 を 見物 しよう か な」
|きょう の と||けんぶつ|||
|capital|||||
First, let's go see the capital of Kyoto.
テング は サイコロ を ころがしました が 、何も 見えません。
||||||なにも|みえません
|||||||could see
Teng rolls the dice, but sees nothing.
「おや?
おかしい な 、もう 一 度」
|||ひと|たび
テング は 何度 も サイコロ を ころがしました が 、いくら やって も だめ です。
||なんど||||||||||
Teng tried rolling the dice again and again, but no matter how many times he tried, he could not get it right.
テング は ようやく 、ふく 八 に だまされた 事 に 気 が ついた のです。
||||やっ|||こと||き|||
||||||fooled||||||
Teng finally realized that he had been deceived by Fukuhachi.
「よくも だました な!
dared||
How dare you trick me?
この 仕返し を して やる ぞ!
|しかえし||||
I'm going to get even with you!
」
テング は ふく 八 が 苦手 だ と 言って いた ぼたもち を たくさん 用意 する と 、ふく 八 の 家 ヘ 出かけました。
|||やっ||にがて|||いって|||||ようい||||やっ||いえ||でかけました
Tengu prepared lots of Botamochi, which Fukuhachi said he didn't like, and went to Fukuhachi's house.
すると ふく 八 の 家 の 回り に は 、テング の 苦手な カラタチ が たくさん 立てて あります。
||やっ||いえ||まわり|||||にがてな||||たてて|
The house of Fukuhachi is surrounded by a lot of karatachi, which are not good for tengu.
「ぬ ぬっ、これ で は 家 に 近寄れ ん」
|||||いえ||ちかよれ|
|||||||approach|
"No, I can't go near the house now."
テング は 仕方なく 、外 から ふく 八 の 家 の 中 へ ぼたもち を 投げ入れる と、
||しかたなく|がい|||やっ||いえ||なか||||なげいれる|
||||||||||||||threw in|
Tengu had no choice but to throw Botamochi from outside into Fukuhachi's house,
「そら 、こわがる が よい」
|to be afraid||
と 、言って 、帰って いきました。
|いって|かえって|
すると ふく 八 は、
||やっ|
Then, Fukuhachi said,
「これ は うま そうだ。
|||そう だ
This looks juicy.
いただき ま ー す」
||-|
Bon appétit.
と 、ぼたもち を たらふく 食べました。
||||たべました
|||heartily|
I ate a lot of botamochi (rice cakes).
それ から のち 、ふく 八 は テング の うちわ を 使って 、鼻 が 低くて 困って いる 人 の 鼻 を 高く して やり 、鼻 が 高くて 困って いる 人 の 鼻 を 低く して やって 、みんな から とても 喜ばれた と いう こと です。
||||やっ||||||つかって|はな||ひくくて|こまって||じん||はな||たかく|||はな||たかくて|こまって||じん||はな||ひくく||||||よろこばれた||||
|||||||||||||low|||||||||||||||||||||||||||||
Later, Fukuhachi used a tengu fan to make the noses of those with short noses and those with high noses taller, much to everyone's delight.
おしまい