Kazari to Youko Chapter 2.3
『 そう だ わ 、 あなた に 何 か お 礼 を 差し上げ なくちゃ いけない わ ね 。
何 が いい かしら 、 差し上げ られる もの を 探して くる から 、 ちょっと 待って て ね 』 スズキ さん が 立ち 上がり アソ を 残して 居間 を 出した 。
何 を くれる んだろう と 私 は 珍しく わくわく した 。
私 が びくびく する こと は 数 あれ ど 、 わくわく する こと なんて めったに ない こと など である 。
お 菓子 か 何 か だったら 食べながら 帰ろう 。
持って 帰ったら きっと 取り 上げ られる 。
アソ が 私 の 臭い を かいで いた 。
昨夜 は 結局 お 風呂 に 入って いない ので 臭かろう 。
私 は 部屋 の 中 を 見回した 。
テレビ が あった 。 ビデオ は ない 。 おばあちゃん だ から きっと 使えない のだろう 。
ビデオ は 操作 が 難しい らしい と 、 風 の 噂 に 聞いて いた 。
ちなみに 私 は テレビ も ビデオ も 暑かった こと が ない 。
居間 に は 大きな 本棚 が あり 壁 の 一 つ の 面 は それ で ふさが れて いた 。
中 に びっしり と 並んで いる 本 の 背 表紙 を 眺めて いる と 、 困った 顔 を した スズキ さん が 戻って きた 。
『 ごめんなさい 、 私 の 一番 大切な 宝物 を 上げよう と 思った のだ けど 、 どこ に 置いた か 忘れて しまった の 。
探して おく から 、 また 明日 来て いただけない かしら 。
今度 は 食事 を 用意 して おく わ 』
また 来る こと を 強く 確信 を もって 約束 して から その 日 は 帰る こと に した 。
外 は 真っ暗だった 。
スズキ さん は 玄関 まで 出て きて くれて 、 人 に 見送られる と いう の は こういう こと か と 新鮮だった 。
私 は 今 まで 一 度 と して 人 に 見送って もらった こと が なかった から だ 。
次の 日 、 学校 の 帰り に スズキ さん の 家 へ よって みた 。
チャイム を 鳴らす 前 から 何やら いい 匂い が した 。
スズキ さん は 私 が 来た こと を 喜んで くれて 私 は 来て よかった と 思った 。
昨日 の ように 居間 に 党されて 同じ 座布団 に 座った 。
アソ も 私 を 覚えて いた 。
まるで 昨日 の 続き の ようだった 。
『 ヨーコ さん ごめんなさい 。 実は 上げる つもりだった 私 の 宝物 が まだ 見つから ない の 。
探した んだ けど ねえ 、 本当に どこ へ しまった の かしら 。