勇者 ヨシヒコ と 魔 王 の 城 #02
待て ! さ ぁ 持って る 食料 全部 いただこう か 。
( ダンジョー ) そう 簡単に とれる かな ?
( メレブ ) やめ と こう お っ さん 。 相手 強い よ 。
それ に 見て み 。 あの 目 。
仏 が 言って た 魔 王 に 心 を 操ら れた 人間 だ 。
( ムラサキ ) 人間 の 目 じゃ ない よ …。
( ヨシヒコ ) 確実に 負け ます ね 。
食料 を 渡して 許して もらい ましょう 。
甘い 。 渡して も 渡さ なくて も 殺す つもりだ ヤツ ら は 。
来い !
( 刀 の ぶつかり合う 音 )
う ぅ ~! ダンジョー さん !
大丈夫 か よ お っ さん ! お っ さん 死んじゃ うって !
ダメだ ! コイツ ら 殺し の 職人 だ 。
しかも 5 人 がかり じゃ どう しよう も ない 。
すま ん な 。
俺 たち も 腹 が 減って る もん で な !
( ダンジョー ) やめろ ヨシヒコ ! お前 の 敵 う 相手 じゃ ない 。
それ は やって み なくて は わかり ませ ん 。
( メレブ ) 許して もらおう 。 め っちゃ 土下座 して 。 な っ ?
嫌です 。
ヨシヒコ …。
いい だろう 。 かかれ !
やれ ! やめて !
( カラス の 鳴き声 )
さて …。 どうした ?
いや あの … 5 時 な んで 。 えっ ? えっ ?
5 時 な んで … お 疲れ さ まで した 。
ちょ … 待て 待て ! 何 ? 何 ? その お 疲れ さ まで したって の は 。
いや 一応 9 時 ~5 時 って こと な んで 。
契約 は ね 。
でも さ こういう 状況 だ から さ ちょっと 残業 して いこう よ 。
基本 僕ら 残業 なし 派閥 なんで 。
そんな もん で 派閥 作る な よ 。
いやいや いや … とどめ じゃ ん ? だって もう !
なんか もめて る みたいです けど 大丈夫 っす か ?
大丈夫です 。 ちょっと 静かに して もらえ ます か 。
はい すみません 。 すみません 。 次 バイト ある んで →
帰ら せて もらって い いす か ? なんで 次 入れて んだ よ 。
俺 ら これ から 友達 と 飲み に 行く んで 。
飲み 会 なら さ 少し 遅れて も いい じゃ ん 。
ダメ っす よ 。 飲み 会 は むしろ ダメ っす よ !
え ぇ ~!?
お前 は ? あ … 僕 は 野暮 用 です 。
野暮 用 なら さ 少し 残って いけば いい じゃ ん 。
いや めちゃくちゃ 大切な 野暮 用 な んで 。
なんだろう ? 大切な 野暮 用 って なんだろう ?
あの 大丈夫です か ? 大丈夫です !
しかし 皆さん 困って る ようです し 。
大丈夫 っつ って んじゃ ん !
だって そんな こと 言った って →
社員 に して くれる わけじゃ ない っす よ ね 。
それ は さ 僕 が 判断 する こと じゃ ない よ ね 。
すみません マジ で 次 や ば いんで お 疲れ っす 。
お 疲れ っす 。 みんな … みんな さ あの …。
とどめ 刺して いこう よ 。 嘘 でしょ !?
嘘 だって 言って 。
1 対 4 なら なんとか なり そうだ な 。
や っぱ バイト は ダメだ な 。
言って おく が 俺 自身 は →
さほど 強く ない 。
ならば しばらく 眠って もらい ます よ 。
うわ ぁ ~!!
魔法 を 倒せ って 言って も →
その 肝心の 魔 王 は どこ に いる の か ね ?
そう 簡単に わかったら 冒険 の 意味 が ない 。
に して も キリ ない でしょ これ 。
ねぇ そろそろ 屋根 の ある ところ で 寝 たい んです けど 。
贅沢 言う な 。 そんな もん 村 で も ない かぎり …。
あっ 村 だ 。 あら ま 。
やった 髪 洗える !
どういう こと だ ? 何者 か に 襲わ れた あと か 。
その わりに は きれいだ な 。
村 の 方 ! どなた か 村 の 方 !
いない の かな ?
どなた か いらっしゃい ませ ん か 村 の 方 。
バツ ! バツ バツ !
バーツ !
1 1! 1 1 セーフ 。
1 セーフ 1。
( メレブ ) あっ 来た 。 うわ ぁ …。
あっ 怒って る 怒って る 怒って る よ これ 。
バカな の ? お前 静かに しろ って 言って んだ よ 。
そういう こと です か 。 なぜ 静かに … 1 1。
今 儀式 の 最中 だ 。 儀式 ?
よろず の 神々 アマテラスオオカミ 。
あれ は ?
1 年 に 一 度 裏山 の 洞窟 に 住む 山 神様 に →
お な ご を 1 人 生 贄 と して 差し出さ なきゃ なら ん 。
今年 も その 時期 だ 。 生 贄 ?
山 神 と いう こと は 神様 です よ ね ?
どうして 神 が 生 贄 を 求める のです か ?
その昔 村 が 魔物 に 襲わ れた とき →
村 の お なご が 山 神 の もと へ 助け を 願い に 出向き →
魔物 を 鎮めた 。
その 年 から 毎年 村 の お な ご が 山 神 の もと へ 出向く のだ 。
お なご 超 悲惨じゃ ん 。
バカげた 話 だ 。
何 か おかしな カラ クリ が あり そうだ な 。
が しかし 我々 に は 関係 の ない こと 。
さっ ! うまい 食 材 でも 見つけよう ぜ 。
そんな の おかしい 。
誰 と 話せば いい ? え ?
誰 と 話せば やめ させ られる んです か ?
ヨシヒコ 放っておけ 。 ダメです 。 絶対 に ダメです 。
そこ まで 言う なら →
そ なた たち が 出向いて 話 を つけて きたら いい 。
山 神 と ? ヤダ 怖い 。
ちょうど 山賊 を 恐れ →
生 贄 を 連れて 出る の を 拒否 る ヤツ が 続出 だった んじゃ 。
生 贄 の 娘 を 狙って 山賊 たち が 襲って くる と いう 訳 か 。
山 神 に たどり着く の も 命がけ だ な 。
私 が 山賊 たち を 退け 山 神 に 話 を つけ ます 。
そこ で 山 神 が もう 生 贄 は いら ない と いう こと であれば →
この 儀式 は これ きり に する と 約束 して ください 。
そう 簡単に 村 の 決まり を さ 。 いい よ 別に 。
おっと 柔軟 ゆるかった 。 えっ そんな こだわり ない んだ 。
行く んだったら 生 贄 を 連れて いか なければ なら ん 。
生 贄 を 連れ なく ば 祠 は 開か ん 。
いい か ? 山 神様 の 祠 に 着く まで は けして 駕籠 から 出 ん ように な 。
清めた 体 が 汚れる から の 。 ( オシナ ) はい お ばば 様 。
少し 辛抱 して ください 。
あなた 目当て に やってきた 山賊 は 私 たち が 退治 し ます 。
よろしく お 願い いたし ます 。 あなた 様 お 名前 は ?
ヨシヒコ です 。 ダンジョー だ 。
ムラサキ 本当 は 行き たく ない です 。
余計な こと を 言う な 。 メレブ 魔法使い だ 。
私 は オシナ と 申し ます 。
村 の ため に 山 神様 の もと に お 連れ ください 。
私 は その 山 神 を 説得 し →
あなた を この 村 へ 連れ帰る つもりです 。
そんな … なんと お 礼 を 申せば よい やら 。
行き ましょう 。
はい 。
台 台 台 ! 台 が …。
一 度 一 度 置き ましょう 。
おい なんだ よ あれ 。
( ダンジョー ) 魔 王 が 操り し 魔物 たち だ 。
噂 に は 聞いて た けど ホントに いんだ な 。
倒し ましょう 。 いや 待って 待って 行く な 。
どうして です か ? 俺 村 で 魔物 の 噂 聞いて →
かなり 勉強 した けど あれ かなり 強い よ 。
強く と も 戦わ ねば 。 いやいや いや !
あれ は かなり もっと レベル 上がって から →
出会う べき 戦う べき 相手 です はい 。
順路 を 間違える と たまに こういう こと に なり ます はい 。
そう だ な 。 なんか 強そうだ から 避けて いこう 。 ね ね ?
勇者 なら 勝て ます よ 。 いやいや 甘い から !
すぐ 全滅 して 目覚めたら 教会 だ ぜ 。
そして メチャクチャ お 金 取ら れ っぜ 。 お お前 何 言って んだ ?
でも あの 岩 みたいな ヤツ だったら 倒せ そうだ けど な 。
バカ 。 ちょっと もう 一 度 言わ せて バカ 。
アイツ そこそこ 強い から 。 力 ためて くる タイプ だ から 。
今 様子 を 見て いる だけ だ から 。 わかり ました 。
今回 は オシナ さん を 無事に 生きた まま 帰す こと が 務め 。
遠回り し ましょう 。 うん それ が いい それ が いい 。
大丈夫 。 あと で 嫌で も 戦う こと に なる から 。
うわ っ 気づか れた 。 ちょっと 逃げて 逃げて 逃げて !
( サウダ ) 我が 名 は サウダ 。 生 贄 の 娘 を いただき に 参上 した 。
勇者 ヨシヒコ だ 。 オシナ さん は 誰 に も 渡さ ない 。
ならば 斬り 捨てる まで 。
1 人 で と は いい 度胸 だ 。
俺 が 相手 に なる 。 お前 ら など 俺 1 人 で 十分だ 。
やっぱり やめ なさい サウダ ちゃん !
ちょ っ ちょっと 待た れ い 。
どうも 初め まして 。 サウダ の 母 です 。
すみません この 子 →
どうしても 山賊 に なる 山賊 に なる って きか ない もん で 。
ホント は 気 の いい 子 な んです よ 。 ちょっと やめて って 母さん 。
余計な こと 言う なって 。 だって そう じゃ ない 。
何度 も 野良犬 拾って きて 飼って くれ 飼って くれ って 。
帰れよ 。 もう ここ は 俺 1 人 で 大丈夫だ から 。
1 人 で なんにも でき ない から 来て あげて る の よ 。
今朝 だって 「 お 母さん 靴下 どこ ?」。
敵 の 前 で 恥ずかしい だ ろ 。 そういう こと 言う な よ !
すみません ね 皆さん 。
この 子 どうしても 皆さん を 殺して →
その 中 の 娘 さん が 欲しい らしい んです 。
ホントに いい 子 なんで ね 。
もし よろしかったら 殺さ れて いただける と →
母親 と して は 嬉しい かぎり な んです 。
お 母さん の 気持 は わかる んです が →
我々 も 殺さ れ たく ない 気持 も あり まして 。
です よ ね わかり ます 。 母さん いいかげんに しろ って 。
そんな こと 言わ なくて も 俺 コイツ ら 殺せる から 。
殺せる かな ?
皆さん どう 思い ます ? どう でしょう か ね 。
戦う と なれば こちら も 4 人 がかり で すし 。
サウダ 君 相当 強く ない と →
う ~ ん … こちら が 勝って しまう か な と いう 。
バカな こと を 言う な !
俺 は 先生 の もと で 3 年 も 剣 術 の 修業 を した んだ 。
10 人 がかり で来 られて も 倒 せる くらい の 力 は 持って いる 。
もう 言い出したら きか ない 子 なんだ から 。
あの … 皆さん 。
息子 の 大事な 初陣 な もの です から →
どうか これ で 穏便に 殺さ れて は いただけ ませ ん か ?
なんで 殺す 人間 に 米 を ?
母さん そんな 贈り物 と か し なくて も 勝てる から ね 。
わかった わ 。 思う存分 戦って ちょうだい 。
ワハハッ かかって こい 雑魚 ども !
危ない もう 。
痛い 痛い 怖い 。 あぁ ~ 怖い 怖い 。
痛い 痛い 怖い わ ね 怖い 。
あぁ ~ 痛い 痛い 。 危ない 危ない 。
あの … お 母さん ! やり づらい で すね やっぱり 。
そう です よ ね すみません 。 黙って る ように し ます 。
と いう か やっぱり お 母さん の 前 で 息子 さん →
斬れ ないで す よ ね 。 です よ ね 。
さ ぁ どう し ましょう 。 だから 母さん は 帰れ って !
母さん だって 帰れ ない でしょう よ !
山 の 事故 で お 父さん 死んじゃ って →
家族 もう お前 しか い ない んだ から 。
そんな こと 言って この 前 変な 男 連れ込んで ただ ろ !
あれ は いつも キノコ くれる おじさん でしょう が 。
惚れて んだ ろ ? 知って んだ ぞ アイツ に 。
は ? そんな こと ない 。 キノコ だけ の 関係 です 。
嘘 つけ ! この 前 →
竹藪 で 抱き合って る とこ 見た んだ 。
あれ は 竹藪 から たまたま ヘビ が 出て きて →
キャッ って なって 偶然 こう …。
その あと 1 分間 ぐらい 抱き合って た だろう !
ヘビ が 出て きて キャッ って なって →
1 分 も 抱き合う ヤツ が どこ に いる んだ よ !
お 母さん だって 恋した いわ よ 。 女 な んだ から !
アイツ が 父親 に なる なんて 俺 絶対 イヤだ から な !
あの すみません 。
すみません お 恥ずかしい ところ を お 見せ し まして 。
もう あれ です から 先 を お 急ぎ ください 。
すみません そう さ せて もらい ます 。
キノコ の おじさん … いい 人 だ と 思う よ 。
お前 知ら ねえ だ ろ !
ああ … 思って いた より →
山賊 は はるかに 多い な 。
( ムラサキ ) 倒して も 倒して も 出て くんじゃ ん 。
こっち も もう 持た ない よ 。
山 神 の 祠 まで あと 少し 。 最後 の 力 を 振り絞り ましょう 。
つか お前 何 して んだ よ ?
こっち が 戦って る とき に 。 俺 は 呪文 唱えて んだ よ 。
いい よ ハナブー は もう !
戦って る 相手 の 鼻 が 上 向いた って →
戦い に 影響 ない から ね 。
バカ か ムラサキ 。
俺 は 山賊 と の 戦い を 積んで いく なか で いつしか →
戦闘 の 呪文 を 覚えた よ 。
本当です か メレブ さん 。 本当だ よ 。
それ は ありがたい な 。 どんな 呪文 だ ? 見せろ 。
いい か 見て ろ 。
何も 起こら ない ぞ 。
ムラサキ 今 何 か 思った ろ ?
急に どら や き が 食べ たく なった 。
だ ろ ? よし !
どういう こと だ ?
この 呪文 に かかった 者 は 急に 甘い もの が 食べ たく なる 。
俺 は この 呪文 を →
スイーツ と 名づけた よ 。
いや スイーツ は いい んだ けど どう で も いい 呪文 だ よ ね 。
言ったら ハナブー より どう で も いい よ ね 。
バカ か ムラサキ 。 ムラサキ バカ か 。
戦って る 最中 に 相手 が 急に 甘い もの 食べ たく なって みろ 。
うわ っ 甘い もん 食べて ぇ 。 そう 思って る うち に 斬れば いい 。
んな アホ な 話 ある か よ !
すごい です メレブ さん 。
お前 なんでも 感心 する な 。
娘 を いただく ぞ ! そう は させる か !
スイーツ ! 早く 娘 を 渡さ ない と …。
いかん … 大 福 が 食べ たくて 仕方 が ない 。
大 福 … 大 福 …。
ハッ ! ぬ お ~!
おお ~ ちょっと どう よ これ 。
メレブ さん これ で 無敵です よ 。
うん まあ 無敵で は ない 。
メレブ さん 私 に スイーツ を かけて ください 。
よかろう 。 スイーツ 。
あぁ ~ 甘い もの が 食べ たい !
甘い もの が 食べ たい ! あぁ ~!
寝る 。
あっ ストップ ストップ ! たん ま ! ちょっと 下ろす 限界 限界 痛い !
あぁ もう 限界 だ よ 。 さっき 足 くじいた よ 。
そもそも さ ぁ 魔 王 退治 の 旅 な のに 生 贄 運んで る の おかしく ね ?
しっ ! お前 聞こえる だ ろ 。
すま ん … ぶっちゃ け あと 3 人 山賊 が 来たら 俺 は 力尽きる 。
すみません 皆さん 。
構い ませ ん よ 。 私 が 言い出した こと です 。
私 ここ から は 自分 の 足 で 歩き ます 。
いけ ませ ん 。 外 に 出たら けがれる って …。
構い ませ ん 。
すま ん 本当に すま ん 。 つい 弱音 を 吐いて しまった 。
だが 俺 たち は まだ 戦える 。 俺 たち に 任せろ 。
皆さん …。 困って いる 人 を 命 を かけて 助ける の が 勇者 の 務め 。
私 は あなた を 命 を かけて 守り お 助け いたし ます 。
ヨシヒコ 様 …。
お人好しに も ほど が あんだ ろ 。
俺 も 命 を かけて 。
同じく 。
みんな …。
皆さん に は なんと お 礼 を 申したら よい か …。
ただ せめて 山 神 の 祠 まで 私 も 歩か せて ください 。
いけ ませ ん オシナ さん 。 出て は いけない !
汚れる など 迷信 に 過ぎ ませ ぬ 。 私 歩き ま する !
はい …。
あの …。 どう なさ い ました ?
ああ … なんでもない です 。
さ ぁさ ぁ 。
どう さ れた んです か ? さあ まいり ましょう !
ちょっと 待って ください 。
みんな どうした ん です か 急に 。
命 を かけて 守る って さっき 言った じゃ ないで す か !
確かに オシナ さん は ブス だ !
それ は もう まぎれ も ない ブス です よ !
でも ブス だって 関係ない !
ブス だって 人間 だ ! 私 は 命 を かけて 守り ます 。
うん わかった 。 それ 以上 言う な 。 いい や 言い ます よ 。
みんな に 気合い を 入れる ため に も 。
うん それ は いい よ 。 気合い 入って る …。
なんで すか ? 私 は 間違った こと を 言って ます か ?
うん うん 全然 間違って ない 。
って いう か あの … 怖い くらい 間違って ない んだ 。
オニ 間違って ない 。 間違って ない ゆえ に →
ちょっと 黙ろう 。
なん な んです か ? メレブ さん も ダンジョー さん も 。
オシナ さん が ブス だ から 命 を かける の に バカバカしく なった んでしょう !
そんな こと 言って ねえ だ ろ !
バカバカしく なんか なって ねえ よ ! ねぇ ダンジョー さん ?
なった ん かい ! バカバカしく なった ん かい !
なる わけ ないだ ろ ! オシナ さん は ブス だ !
ただ ブス な 生 贄 だって いる んです !
生 贄 が きれいだ と いう の は 我々 の 勝手な 思い込み だ 。
ブス だって 人間 ! ブス だって 守る ! それ が 勇者 だ !
オシナ さん が ブス な の は ブス だ と 思う から …。
何度 も ブスブス 言って んじゃ ねえ よ !
オシナ さん あなた …。
きれいです よ …。
なんで 笑って る んです か ?
さあ 行き ましょう 。
オシナ さん 。
たとえ あなた が ブス でも 私 は 戦う 。
はい 。
さあ 行こう 。
( ダンジョー ) なんか すっかり 山賊 まで 現れ なく なった な 。
まるで オシナ さん が ブス だ から 現れ なく なった みたいな 言い 方 →
やめて ください 。 誰 も そんな こと 言って ないだ ろ 。
オシナ さん 。 ブス だって こと 気 に し ないで ください 。
はい 。
自分 が いちばん 傷つけて る の わから ない か な 。
早く 着か ない か な 山 神 の 祠 。
あっ あの 坂 を のぼった ところ に 祠 が あり ます 。
ああ さっさと 山 神 に 話 つけて 帰ろう 。
お 気 を つけ ください 。 うん ?
祠 の 入り口 に は 祠 へ の 侵入 を 阻む 化け物 が いる んです 。
化け物 ? それ は オシナ さん で は なく です か ?
いや … 私 で は なくて …。
人間 を いとも 簡単に 殺して しまう 獰猛な 化け物 が いる んです 。
え ~ っ ? あれ です 。
あの 木 の 幹 に 抱きついて いる …。
( ダンジョー ) おお あれ か 。
あれ は はるか 遠き 国 に 住む コアラ と いう 動物 で な 。
人 に なついて 抱っこ したり する と ムチャクチャ かわいい んだ 。
確かに 超 かわいい よ ね 。
確かに ものすごく 抱っこ し たい 。
たぶん オシナ さん の 勘違い でしょう 。
どれ どれ …。
いけ ませ ん ! いとも 簡単に 殺さ れる と …。
あ ~ っ !!
クソッ … キラーコアラ め !
抱っこ さ れる な 。 抱っこ さ れたら 負け だ !
う っ … うわ ~ っ !
キャーッ ! キャーッ ! キャーッ !! キャーッ !!
う っ … イタタタタタタ …。
( ダンジョー ) やっと 寝た か …。
行き ましょう 山 神 の もと へ 。
山 神 よ ! 生け贄 を 連れて まいった !
話 が し たい !
ほら や っぱ い ない んだ って 。
山 神 !
い ない の か ?
いる わけ ねえ って 。 もう 帰ろう !
山 神 !
山 神 !
なんだ よ いる よ 。
いた よ 本当に !
なぜ 今 まで 返事 を し なかった ?
面倒だった から です 。
面倒だ と !?
遠路 はるばる 生け贄 を 運んだ んだ ぞ !
はい ! ご苦労さまです 。 それでは お 帰り ください 。
なに なに ? その フワッ と した 気 の ない 感じ は 。
う ~ ん だって ブス なんだ もん 。
山 神 よ !
ブス だ と 生け贄 を 受け取ら ぬ と 申す か ?
いやいや いや 。 そういう と 語弊 が ある けども ね 。
まあ そういう こと です 。
と … いう こと です 。
よかった です ね 。
これ は 喜んで いい のでしょう か ?
いい でしょう … ねぇ …。
それ よか 話す こと ある だ ろ 。
あっ ! そっち メイン でしょ 。
山 神 よ ! 私 は あなた と 話 が し たい のだ 。
あの 村 から もう 生け贄 を 取る の は やめろ !
はい やめ ます 。
年々 レベル 落ちて ました けど ここ まで くる のであれば →
はい 。 もう いり ませ ん 。
本当に オシナ さん を 連れて 帰って も いい んだ な ?
逆に 連れて 帰って もらわ ない と 困り ます 。
少し 複雑です が →
皆さん の おかげ です 。
本当に ブス で よかった 。
ヨシヒコ 人助け も いい が →
これ から は 人 を 見て 引き受けて くれ ん か ?
コイツ に そんな こと 言って も ムダ です よ 。
さ ~ て 一 件 落着 した ところ で … 父 の 仇 !
あの … 引っ込む やつ も そこそこ 痛い んで !
恒例 の 行事 みたいに 刺す の は やめて ください !
( 仏 ) ヨシヒコー !
仏 だ 。 たぶん また 仏だ 。
どこ ? 仏 どこ です か ?
あそこ だ 。 あそこ に 見える だ ろ 。 やはり 私 に は 見え ない 。
おい ちょっと よ ぉ なぁ ! なぁ って !
もう … 主人公 に 見え ない って や っぱ これ 問題 ある ぜ これ 。
怒って る よ また 。 ふてくされる から これ つけろ 。
( 仏 ) ホント よ ぉ …。 あ 見えた 。
もう さ 次回 から は 裸眼 で 見えよう ぜ 。 仏 だし …。
努力 し ます 。 うん 。 努力 し ます は いい が →
ヨシヒコ よ 。 今週 は 私 が 命じた 魔 王 退治 と は →
なんら 関係 の ない 働き を した な 。
すみません 。 困って る 人 を 見る と つい …。
それ は それ で あれ じゃ ない ? あの … いい んだ と 思う よ 。
ただし ヨシヒコ よ ! え ぇ !? あまり 寄り道 が 過ぎる と →
魔 王 の 手 は どんどん 広がる 一方 だ ぞ 。
心得て おり ます 。 次 は 東 に 向かえ ~! ヨシヒコ よ 。
え ? 東 と いう の は ?
何 ? どういう こと ? 東 は 東 でしょう よ 。
東 と かさ ぁ ざ っく り 言わ れて も なぁ …。
お前 ざ っく り って さ お前 さ …。
仏 に 向かって ざ っく り と か 言う な バカ 野郎 !
( 仏 ) バカ 野郎 ! もう 少し 詳しい 情報 が ある と →
助かり ます 。 何 ? 情報 ?
いやいや そんな の 仏 の お告げ に あれ だ よ お前 …。
情報 なんか ねえ よ 。
ま ぁ いい よ ! お前 ら さ とにかく さ 東 に 向かえ よ !
そ したら なんか ある から さ 。 なんか って 何 ?
うる せ ぇ !
お前 みたいな ヤツ は バカ !
( 仏 ) お前 … 嫌いだ よ ! ハハハ …。
( 仏 ) ハハハ じゃ ねえ よ バカ 野郎 ! 笑って んじゃ ねえ !
お前 に 話して んじゃ ない んです ぅ 。 ヨシヒコ に 話して んです ぅ !
あ ~ ムカツク や っぱ 。 仏 なぁ 。
スーッ と 消え ます ぅ !
魔 王 が 東 に 住まう と いう こと か 。
アイツ の 情報 ちょいと 疑わしい よ ね 。
とにかく 行って み ましょう 。
兄 様 … ヒサ は 心配です 。