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JIN-仁- 完结编, JIN-仁- 完结编 #04 (2)

JIN - 仁 - 完结 编 #04 (2)

これ で まことに 我が家 中 も 安泰じゃ

わらわ も 心安く 尼寺 へ 入れる と いう こと じゃ

( 家老 ) 申し訳 ござ ら ぬ 再度 説得 して まいり ます ゆえ

恐れ ながら

私 に お 話 を さ せて いただけ ませ ぬ か ?

咲 さ ん 女子 同士 なら

できる 話 も ある や も しれ ませ ぬ

奥 方 様 医者 の 弟子 が お 話 を し たい そうで →

いかが いたし ましょう か ?

話 と は 何 じゃ ?

奥 方 様 お ぐし が …

どうか これ を

( 恵 姫 ) 天子 様 の 菊 の ご 紋 に 徳川 の 葵

南方 先生 は 町 医者 ながら

和 宮様 より 礼 を 受け られる ほど の 名医

なにとぞ ご 信頼 を いただければ

( 障子 が 開く )

治療 を お 受け くださる そうです でも …

いい んです か ? 先生 お 早く

はい

失礼 し ます

あの 奥 方 様 布 を …

早う せい

はい

表面 は 滑らか が 硬く

触る と 凹凸 が ある しこり は 浅い

では ワルチン 腫瘍 で は なく 多 形 性 腺腫 で ございます か ?

奥 方 様 大丈夫で ございます 手術 で 取り除け ます よ

そち は 女子 である のに なぜ そのような 知識 を 持って おる ?

女子 です が この 名医 の 弟子 で ございます ので

あ ッ すいません

スプーンネイル

失礼 し ます

奥 方 様

一 つ だけ まずい こと が あり ます 何 じゃ ?

こぶ の 状態 次第 で は

手術 中 血 を 大量に 失う 可能 性 が ある んです

奥 方 様 は 貧血 …

もともと 血 が 少ない お 体 な ので

出血 した 場合

持ちこたえ られる か どう か が …

何 か 手 は ない の か ?

輸血 と いう 手 は ございます

ゆ … ゆけつ ?

奥 方 様 の お 体 に 別の 人間 の 血 を 入れる 治療 です

血 ?

血 を ? お 命 の ため で ございます

もちろん さほど 出血 が ない 場合 は いたし ませ ぬ し

承知 した

背 に 腹 は 代え られ ぬ

しかし

一 つ だけ 願い が ある

願い です か ?

南方 殿 しかし それ は 何 ゆえ に 皆 を ?

奥 方 様 の たって の お 願い で ございます

梅干し に 含ま れる クエン 酸 を 溶かした 液体 を 加え ます

この 試験 管 を 遠心 分離 機 と いう この 機械 に かけ

これ を とにかく 回し ます

すると 血 は 血球 なる もの と 血清 なる もの に 分かれ ます

それぞれ の 血球 と 相手 側 の 血清 を 混ぜ合わせ ます と

血液 の 適合 が 分かり 結果 的に 血液 の 型 なる もの が 判明 し ます

型 なる もの ?

血液型 に は A 型 B 型 AB 型 O 型 なる もの が ございます

おおまかに は 同じ 型 同士 の 人 から しか

輸血 は 受け られ ませ ぬ が

O 型 は ほか の 全て の 型 に 輸血 でき ます

しかし O 型 は O 型 の 者 から しか 輸血 を 受け られ ませ ぬ

少し 割り を 食う 型 で ございます ね

この 南方 先生 の 血液型 は A 型 で ございます

これ で 両方 固まれば 奥 方 様 は B 型

両方 固まら なければ A 型

奥 方 様 の 血球 の 方 のみ 固まれば AB 型

先生 の 血球 のみ 固まれば O 型 と いう こと に なり ます

間違って おり ます か ?

素晴らしい 説明 に 聞き入って ました

南方 殿 の 血球 を 入れた 方 だけ 固まった ようじゃ が

では 奥 方 様 は O 型 と いう こと です

( ため息 )

そな たら の する こと は

何やら 魔術 の ようじゃ

して 南方 殿

家老 の 方 は ?

明日 皆様 を 集めて いただける そうです

皆 分かって くれる であろう か ?

奥 方 様 は お家 の ため に お 命 を かけ られる んです から

しかし 血 を 抜か れる と いう の は

皆 に とって は さぞかし 恐ろしい こと であろう

( 捕り 方 達 ) 坂本 坂本 !

幕府 の 取り締まり も 厳しく なって ます ね

まっ こと … わしゃ まっ と ええ 男 じゃ

つき まして は 血縁 の ある 皆様 に 血液 の 型 の 検査 を 受けて いただき

奥 方 様 と 血液 の 型 が 適合 する 方 に は

万一 の 際 の 血液 の ご 提供 を お 願い し たい と 思って おり ます

( 親族 A ) 汚らわしい 血 を 混ぜる など おぞましい !

( B ) そのような 治療 は 耳 に した こと が ない 藩 医 殿 !

≪( 藩 医 A ) 南方 先生 独自 の 方法 か と

あくまでも 万一 に 備えて です

何事 も なければ 血 を いただく こと は …

( C ) 万一 の とき と は 貴 殿 が 失敗 した とき の こと で は ?

失敗 で は なく こぶ の 元 の 位置 に よって

出血 して しまう こと が … 黙 らっしゃい !

お ぬし は 黙って こぶ を 取り除けば それ で よい のだ ッ

奥 方 様

こぶ を 取った あかつき に は

わらわ は 殿 と やり 直し

子 を もうけ たい と 思う て おる

この 血 は その 子 に も 継が れる であろう

ならば それ は 一 滴 残ら ず 我が 一族 の もの であって ほしい

それ は 皆 も 同じ か と 思い

南方 殿 に お 願い した 次第 であった が

無念じゃ

幸い わら わに は

この 者 の 血 を 混ぜて も かまわ ぬ そう じゃ

女子 ながら に 才 たけ 肝 も 太い

そな たら の 血 を 混ぜる より

我が 子 に は 幸い や も しれ ぬ

≪( 孝 ) 先生 血 を 調べる お 部屋 は ?

( 孝 ) この 老 骨 で お 役 に 立つ なら

血 でも 骨 でも →

お 取り ください

≪( 孝 ) 奥 方 様

子 を もうける は 女子 の 戦

どうか 助太刀 さ せて ください ませ

お ばば 様

少し チクッ と し ます

麻酔 導入 終わり ました

脈 は ? 異常 あり ませ ん

左 耳 下 腺腫 摘出 手術 始め ます

メス は い

腫瘍 に 流入 して いる 栄養 血管 を 結 紮 止血

はい

耳 下 腺下 縁 と 後 縁 の 剥離 を 進め ます

はい

腫瘍 の 境界 は 明瞭 他 組織 へ の 浸 潤 も なく 良性

腫瘍 を 周囲 の 耳 下 腺浅 葉 組織 の 一部 と ともに

ひと かたまり に して 摘出 し ます 何 を やっ とる んだ ? いったい

≪( 藩 医 B ) 分から ぬ が 途方 も ない と いう こと だけ は …

腫瘍 摘出

先生 出血 が

火箸 を お 願い し ます は い

もしや 奥 方 様 が ? 輸血 か !?

手術 は 大 成功 で ございます !

咲 さ ん

ありがとう ございます 完璧な 助手 でした

これ も 蘭 方 と 本道 を つなげる 懸け橋 と なる と よい です ね

懸け橋 か

《 薩摩 と 長 州 を 結びつける つもり ぜ よ 》

どう して る か な 龍 馬 さん

待ち 待ち っち や !

このまま 故郷 に 帰る た あ

どう いた こと じゃ ? 桂 さん

ここ に 来て 十 日 薩摩 は 肝心の 盟約 に 関して は

まったく 切り出して こ ぬ 長 州 から は ?

長 州 は 今 賊軍 の 汚名 を 着せ られ 窮地 に 追い込ま れて いる

薩摩 から 手 を 差し伸べる の なら 僕 は 全て を 捨てて すがろう

だが 僕 から 薩摩 に 「 助けて くれ 」 と すがる こと は でき ない

そんな こと 言う ちょ る 場合 で は ない ろう !

盟約 を 結ば に ゃ

薩摩 は 次の 長 州 征伐 に 出兵 する ち う

ほ いたら 長 州 は 確実に 滅ぶ ぜ よ

長 州 から は 言え ん !

長 州 長 州 ち

わしゃ 土佐 じゃ !

土佐 の あなた が なぜ 長 州 の ため に ここ まで ?

わしゃ 久 坂 の 最期 の 声 を 聞いた が じゃ

こん 国 は 一 つ に なら ん と いかん が じゃ !

長 州 が 哀れじゃ ち 思わ ん が かえ ?

あいつ ら は 旅支度 を 解く に 解け ず に 待 っち ょる ぜ よ

寝 ちゅう が かえ !

( 大久保 ) おい 達 は 失礼 が なか よう もてなし ちょう

いつまで たって も 長 州 が 切り出して こん だけ の 話 じゃ

あいつ ら は お まん ら に メッタメタ に やられた 身 じゃ

言い 出せる わけ が ない ろう

≪( 大久保 ) じゃ っど ん こっち から わざわざ 頭 を 下げ

盟約 を 結んで もろう 義理 は 何一つ なか

長 州 から すがって くっ と が 筋 っ ちゅうもん じゃ

腹 を 見せ ん が かえ 西郷 !

≪( 藩士 ) 何 を す っと か

この 腹 に は

南方 仁 に 助け られた 傷 が ある ろう

死に そうに な っ ちょ った とき →

みんな が 腹 を 切る 手術 に 反対 し

おんし は いっぺん は 手術 はいらん ちゅう て

はねつけ ん と なら ん かった

ほう じゃ ろう

そん とき

南方 仁 は 何 を した ?

ああ ッ ?

「 お 願い だ から お まん を 助け させて くれ 」 ち

土下座 を した が じゃ ろう !

ほう じゃき みんな の 前 で その 手 に すがる こと が でき たち

そう 言う たで は ない が や ない かえ

その おんし が

どう いて 長 州 の 気持ち を くんで や れんが じゃ !

やった ぜ よ

やった ぜ よ 先生 !

南方 殿

藩 医 達 に 医術 を 教えて くださった そうじゃ な

ああ はい

その者 達 が ペニシリン 薬 なる もの を

我が家 中でも 作り たい と 言い出して おる

わらわ から 製薬 所 を 作る べく 殿 に 口添え を して おく

ありがとう ございます

咲 殿

はい

意地 を 張る と ろくな こと は ない

のう ?

咲 さ ん

あの 一 番 最初 奥 方 様 を どう やって 説得 した んです か ?

上 様 と 和 宮様 の ご 威光 を お 借り し ました

咲 さ ん ますます 肝 が すわって き ました ね

《 恐れ ながら もう 一 つ お 話 を さ せて いただいて 》

《 よろしい でしょう か ?》

《 実は 私 に も 》

《 お 慕い して いる お方 が ございました 》

《 もう 決して 一緒に なる こと は でき ませ ぬ が 》

《 それ は そ なた の 家 の 事情 か ?》

《 私 が 》

《 意地 を 張って しまった から で ございます 》

《 意地 ?》

《 人 と して 張ら ねば なら ぬ 意地 で ございました 》

《 悔い は ございませ ぬ 》

《 けれど 》

《 時折 ふと 》

《 思い浮かべて しまう ので ございます 》

《 その方 と 》

《 その方 に よく 似た 子 と 》

《 一緒に 暮らす 姿 を 》

《 奥 方 様 》

《 意地 を 張って は ろくな こと が ございませ ぬ 》

( 子供 達 ) わ ~ い 待て ~

よ ~ し もっか い いく べ ( 子供 達 ) うん

あ ッ いけ ね 川 に 入 っち まう べ

キャーッ

奥 方 様 お 子 さん 生まれ ます か ね ?

一応 オギノ 式 なる もの に ついて は

こっそり ご 説明 して おき ました が

いつの間に ?

あ ッ やはり ここ に

何で すか ? それ お 初 ちゃん に 折り紙 を と

こちら に 紛れ込んで いた ようで

では 私 は これ で

咲 さ ん

私 に 気兼ね し ないで ください ね

医者 に なる こと と 女性 と して の 幸せ は

両立 でき ない もの で は ない し

これという 縁 が あれば 私 の こと は 気 に せ ず 結婚 を

私 の 幸せ は 仁 友 堂 を 未来 へ 残す こと と 申し上げた はず

でも

咲 さ ん すごく 子供 好きじゃ ない です か

それ に 咲 さん だって 武家 の 娘 さん じゃ ないで す か

橘 家 の 血 を 継ぐ 子 を 産む んだ って

そういうふうに 育て られて きた んだろう し

きっと そこ に 夢 … よく

よく そのような こと おっしゃい ます ね

いや 私 は 本当に 咲 さん の 幸せ を …

私 の 幸せ を 勝手に お 決め に なら ないで ください ませ

あの とき

結婚 は 別の 人 と し たい って 咲 さ ん 言った じゃ ないで す か

先生 に だけ は

おっしゃって ほしく ない ので ございます

あの …

じゃあ 何で あの とき

私 は 断ら れた んです か ?

私 が いつか

い なく なる から です か ?

私 とて …

≪( 文 左 衛 門 ) お初 しっかり しろ ッ お初 お初 お初 !

すいません 通して ください

ハサミ あり ます か ッ ?

≪( 男 ) 折り紙 を 追いかけて 落 っこ っち まったん だ べ

折り紙 ? 先生 お初 は !?

腹腔 内出血 を 起こして ます

先生 …

咲 様

すま ねえ なあ

おら 空 飛ぶ イカ


JIN - 仁 - 完结 编 #04 (2) |しとし|かん结|

これ で   まことに 我が家 中 も 安泰じゃ |||わがや|なか||あんたいじゃ

わらわ も 心安く 尼寺 へ 入れる と いう こと じゃ ||こころやすく|あまでら||いれる||||

( 家老 ) 申し訳 ござ ら ぬ 再度   説得 して まいり ます ゆえ かろう|もうし わけ||||さいど|せっとく||||

恐れ ながら おそれ|

私 に   お 話 を さ せて いただけ ませ ぬ か ? わたくし|||はなし|||||||

咲 さ ん 女子 同士 なら さ|||じょし|どうし|

できる 話 も   ある や も しれ ませ ぬ |はなし|||||||

奥 方 様   医者 の 弟子 が お 話 を し たい そうで → おく|かた|さま|いしゃ||でし|||はなし||||そう で

いかが いたし ましょう か ?

話 と は 何 じゃ ? はなし|||なん|

奥 方 様   お ぐし が … おく|かた|さま|||

どうか   これ を

( 恵 姫 ) 天子 様 の 菊 の ご 紋 に 徳川 の 葵 けい|ひめ|てんし|さま||きく|||もん||とくがわ||あおい

南方 先生 は   町 医者 ながら なんぽう|せんせい||まち|いしゃ|

和 宮様 より 礼 を 受け られる ほど の 名医 わ|みやさま||れい||うけ||||めいい

なにとぞ   ご 信頼 を いただければ ||しんらい||

( 障子 が 開く ) しょうじ||あく

治療 を   お 受け くださる そうです でも … ちりょう|||うけ||そう です|

いい んです か ? 先生   お 早く |ん です||せんせい||はやく

はい

失礼 し ます しつれい||

あの   奥 方 様   布 を … |おく|かた|さま|ぬの|

早う せい はやう|

はい

表面 は 滑らか   が   硬く ひょうめん||なめらか||かたく

触る と 凹凸 が ある   しこり は 浅い さわる||おうとつ|||||あさい

では   ワルチン 腫瘍 で は なく 多 形 性 腺腫 で ございます か ? ||しゅよう||||おお|かた|せい|せんしゅ|||

奥 方 様   大丈夫で ございます 手術 で   取り除け ます よ おく|かた|さま|だいじょうぶで||しゅじゅつ||とりのけ||

そち は   女子 である のに   なぜ そのような 知識 を 持って おる ? ||じょし|||||ちしき||もって|

女子 です が この 名医 の 弟子 で ございます ので じょし||||めいい||でし|||

あ ッ   すいません

スプーンネイル

失礼 し ます しつれい||

奥 方 様 おく|かた|さま

一 つ だけ   まずい こと が あり ます 何 じゃ ? ひと||||||||なん|

こぶ の 状態 次第 で は ||じょうたい|しだい||

手術 中   血 を 大量に 失う 可能 性 が ある んです しゅじゅつ|なか|ち||たいりょうに|うしなう|かのう|せい|||ん です

奥 方 様 は 貧血 … おく|かた|さま||ひんけつ

もともと   血 が 少ない お 体 な ので |ち||すくない||からだ||

出血 した 場合 しゅっけつ||ばあい

持ちこたえ られる か どう か が … もちこたえ|||||

何 か 手 は   ない の か ? なん||て||||

輸血 と いう 手 は   ございます ゆけつ|||て||

ゆ …  ゆけつ ?

奥 方 様 の お 体 に 別の 人間 の 血 を 入れる 治療 です おく|かた|さま|||からだ||べつの|にんげん||ち||いれる|ちりょう|

血 ?

血 を ? お 命 の ため で ございます ち|||いのち||||

もちろん   さほど 出血 が ない 場合 は いたし ませ ぬ し ||しゅっけつ|||ばあい|||||

承知 した しょうち|

背 に 腹 は 代え られ ぬ せ||はら||かえ||

しかし

一 つ だけ 願い が ある ひと|||ねがい||

願い   です か ? ねがい||

南方 殿   しかし それ は 何 ゆえ に 皆 を ? なんぽう|しんがり||||なん|||みな|

奥 方 様 の たって の   お 願い で ございます おく|かた|さま|||||ねがい||

梅干し に 含ま れる クエン 酸 を 溶かした 液体 を 加え ます うめぼし||ふくま|||さん||とかした|えきたい||くわえ|

この 試験 管 を   遠心 分離 機 と いう この 機械 に かけ |しけん|かん||えんしん|ぶんり|き||||きかい||

これ を   とにかく 回し ます |||まわし|

すると 血 は   血球 なる もの と 血清 なる もの に 分かれ ます |ち||けっきゅう||||けっせい||||わかれ|

それぞれ の 血球 と   相手 側 の 血清 を 混ぜ合わせ ます と ||けっきゅう||あいて|がわ||けっせい||まぜあわせ||

血液 の 適合 が 分かり   結果 的に 血液 の 型 なる もの が 判明 し ます けつえき||てきごう||わかり|けっか|てきに|けつえき||かた||||はんめい||

型 なる もの ? かた||

血液型 に は   A 型   B 型   AB 型 O 型 なる もの が ございます けつえきがた||||かた||かた||かた||かた||||

おおまかに は 同じ 型 同士 の 人 から しか ||おなじ|かた|どうし||じん||

輸血 は 受け られ ませ ぬ が ゆけつ||うけ||||

O 型 は ほか の 全て の 型 に 輸血 でき ます |かた||||すべて||かた||ゆけつ||

しかし   O 型 は   O 型 の 者 から しか 輸血 を 受け られ ませ ぬ ||かた|||かた||もの|||ゆけつ||うけ|||

少し   割り を 食う 型 で ございます ね すこし|わり||くう|かた|||

この 南方 先生 の 血液型 は A 型 で ございます |なんぽう|せんせい||けつえきがた|||かた||

これ で 両方 固まれば   奥 方 様 は B 型 ||りょうほう|かたまれば|おく|かた|さま|||かた

両方 固まら なければ   A 型 りょうほう|かたまら|||かた

奥 方 様 の 血球 の 方 のみ 固まれば AB 型 おく|かた|さま||けっきゅう||かた||かたまれば||かた

先生 の 血球 のみ 固まれば O 型 と いう こと に なり ます せんせい||けっきゅう||かたまれば||かた||||||

間違って おり ます か ? まちがって|||

素晴らしい 説明 に 聞き入って ました すばらしい|せつめい||ききいって|

南方 殿 の 血球 を 入れた 方 だけ 固まった ようじゃ が なんぽう|しんがり||けっきゅう||いれた|かた||かたまった||

では   奥 方 様 は O 型 と いう こと です |おく|かた|さま|||かた||||

( ため息 ) ためいき

そな たら の する こと は

何やら 魔術 の ようじゃ なにやら|まじゅつ||

して   南方 殿 |なんぽう|しんがり

家老 の 方 は ? かろう||かた|

明日   皆様 を 集めて いただける そうです あした|みなさま||あつめて||そう です

皆   分かって くれる であろう か ? みな|わかって|||

奥 方 様 は   お家 の ため に お 命 を かけ られる んです から おく|かた|さま||おいえ|||||いのち||||ん です|

しかし   血 を 抜か れる と いう の は |ち||ぬか|||||

皆 に とって は さぞかし 恐ろしい こと であろう みな|||||おそろしい||

( 捕り 方 達 ) 坂本   坂本 ! とり|かた|さとる|さかもと|さかもと

幕府 の 取り締まり も 厳しく なって ます ね ばくふ||とりしまり||きびしく|||

まっ こと … わしゃ   まっ と   ええ 男 じゃ ||||||おとこ|

つき まして は   血縁 の ある 皆様 に 血液 の 型 の 検査 を 受けて いただき |||けつえん|||みなさま||けつえき||かた||けんさ||うけて|

奥 方 様 と 血液 の 型 が 適合 する 方 に は おく|かた|さま||けつえき||かた||てきごう||かた||

万一 の 際 の   血液 の ご 提供 を お 願い し たい と 思って おり ます まんいち||さい||けつえき|||ていきょう|||ねがい||||おもって||

( 親族 A ) 汚らわしい 血 を 混ぜる など   おぞましい ! しんぞく||けがらわしい|ち||まぜる||

( B ) そのような 治療 は 耳 に した こと が ない   藩 医 殿 ! ||ちりょう||みみ||||||はん|い|しんがり

≪( 藩 医 A ) 南方 先生 独自 の 方法 か と はん|い||なんぽう|せんせい|どくじ||ほうほう||

あくまでも   万一 に 備えて です |まんいち||そなえて|

何事 も なければ 血 を いただく こと は … なにごと|||ち||||

( C ) 万一 の とき と は 貴 殿 が 失敗 した とき の こと で は ? |まんいち|||||とうと|しんがり||しっぱい||||||

失敗 で は なく こぶ の 元 の 位置 に よって しっぱい||||||もと||いち||

出血 して しまう こと が … 黙 らっしゃい ! しゅっけつ|||||もく|

お ぬし は 黙って   こぶ を 取り除けば それ で よい のだ ッ |||だまって|||とりのぞけば|||||

奥 方 様 おく|かた|さま

こぶ を 取った   あかつき に は ||とった|||

わらわ は 殿 と   やり 直し ||しんがり|||なおし

子 を もうけ たい と 思う て おる こ|||||おもう||

この 血 は   その 子 に も 継が れる であろう |ち|||こ|||つが||

ならば   それ は 一 滴 残ら ず 我が 一族 の もの であって ほしい |||ひと|しずく|のこら||わが|いちぞく||||

それ は 皆 も 同じ か と 思い ||みな||おなじ|||おもい

南方 殿 に お 願い した 次第 であった が なんぽう|しんがり|||ねがい||しだい||

無念じゃ むねんじゃ

幸い   わら わに は さいわい|||

この 者 の 血 を 混ぜて も かまわ ぬ そう じゃ |もの||ち||まぜて|||||

女子 ながら に   才 たけ   肝 も 太い じょし|||さい||かん||ふとい

そな たら の 血 を 混ぜる より |||ち||まぜる|

我が 子 に は   幸い や も しれ ぬ わが|こ|||さいわい||||

≪( 孝 ) 先生   血 を 調べる お 部屋 は ? こう|せんせい|ち||しらべる||へや|

( 孝 ) この 老 骨 で   お 役 に 立つ なら こう||ろう|こつ|||やく||たつ|

血 でも 骨 でも → ち||こつ|

お 取り ください |とり|

≪( 孝 ) 奥 方 様 こう|おく|かた|さま

子 を もうける は   女子 の 戦 こ||||じょし||いくさ

どうか   助太刀 さ せて ください ませ |すけだち||||

お ばば 様 ||さま

少し   チクッ と し ます すこし||||

麻酔 導入   終わり ました ますい|どうにゅう|おわり|

脈 は ? 異常 あり ませ ん みゃく||いじょう|||

左 耳 下 腺腫   摘出 手術   始め ます ひだり|みみ|した|せんしゅ|てきしゅつ|しゅじゅつ|はじめ|

メス は い めす||

腫瘍 に 流入 して いる   栄養 血管 を 結 紮   止血 しゅよう||りゅうにゅう|||えいよう|けっかん||けつ|さつ|しけつ

はい

耳 下 腺下 縁 と 後 縁 の 剥離 を 進め ます みみ|した|せんした|えん||あと|えん||はくり||すすめ|

はい

腫瘍 の 境界 は 明瞭 他 組織 へ の 浸 潤 も なく 良性 しゅよう||きょうかい||めいりょう|た|そしき|||ひた|じゅん|||りょうせい

腫瘍 を 周囲 の 耳 下 腺浅 葉 組織 の 一部 と ともに しゅよう||しゅうい||みみ|した|せんせん|は|そしき||いちぶ||

ひと かたまり に して 摘出 し ます 何 を やっ とる んだ ?  いったい ||||てきしゅつ|||なん|||||

≪( 藩 医 B ) 分から ぬ が 途方 も ない と いう こと だけ は … はん|い||わから|||とほう|||||||

腫瘍 摘出 しゅよう|てきしゅつ

先生   出血 が せんせい|しゅっけつ|

火箸 を お 願い し ます は い ひばし|||ねがい||||

もしや   奥 方 様 が ? 輸血 か !? |おく|かた|さま||ゆけつ|

手術 は 大 成功 で ございます ! しゅじゅつ||だい|せいこう||

咲 さ ん さ||

ありがとう ございます 完璧な 助手 でした ||かんぺきな|じょしゅ|

これ も   蘭 方 と 本道 を つなげる 懸け橋 と なる と よい です ね ||らん|かた||ほんどう|||かけはし||||||

懸け橋 か かけはし|

《 薩摩 と 長 州 を 結びつける つもり ぜ よ 》 さつま||ちょう|しゅう||むすびつける|||

どう して る か な   龍 馬 さん |||||りゅう|うま|

待ち   待ち っち や ! まち|まち||

このまま   故郷 に 帰る た あ |こきょう||かえる||

どう いた こと じゃ ?  桂 さん ||||かつら|

ここ に 来て 十 日 薩摩 は 肝心の 盟約 に 関して は ||きて|じゅう|ひ|さつま||かんじんの|めいやく||かんして|

まったく 切り出して こ ぬ 長 州 から は ? |きりだして|||ちょう|しゅう||

長 州 は 今   賊軍 の 汚名 を 着せ られ 窮地 に 追い込ま れて いる ちょう|しゅう||いま|ぞくぐん||おめい||ちゃくせ||きゅうち||おいこま||

薩摩 から 手 を 差し伸べる の なら 僕 は 全て を 捨てて   すがろう さつま||て||さしのべる|||ぼく||すべて||すてて|

だが   僕 から 薩摩 に 「 助けて くれ 」 と すがる こと は   でき ない |ぼく||さつま||たすけて|||||||

そんな こと 言う ちょ る 場合 で は ない ろう ! ||いう|||ばあい||||

盟約 を 結ば に ゃ めいやく||むすば||

薩摩 は   次の 長 州 征伐 に 出兵 する ち う さつま||つぎの|ちょう|しゅう|せいばつ||しゅっぺい|||

ほ いたら   長 州 は 確実に 滅ぶ ぜ よ ||ちょう|しゅう||かくじつに|ほろぶ||

長 州 から は 言え ん ! ちょう|しゅう|||いえ|

長 州   長 州 ち ちょう|しゅう|ちょう|しゅう|

わしゃ   土佐 じゃ ! |とさ|

土佐 の あなた が   なぜ 長 州 の ため に   ここ まで ? とさ|||||ちょう|しゅう|||||

わしゃ   久 坂 の 最期 の 声 を 聞いた が じゃ |ひさ|さか||さいご||こえ||きいた||

こん 国 は 一 つ に なら ん と   いかん が じゃ ! |くに||ひと||||||||

長 州 が 哀れじゃ ち 思わ ん が かえ ? ちょう|しゅう||あわれじゃ||おもわ|||

あいつ ら は   旅支度 を 解く に 解け ず に 待 っち ょる ぜ よ |||たびじたく||とく||とけ|||ま||||

寝 ちゅう が かえ ! ね|||

( 大久保 ) おい 達 は   失礼 が なか よう もてなし ちょう おおくぼ||さとる||しつれい|||||

いつまで たって も   長 州 が 切り出して こん だけ の 話 じゃ |||ちょう|しゅう||きりだして||||はなし|

あいつ ら は   お まん ら に メッタメタ に   やられた 身 じゃ ||||||||||み|

言い 出せる わけ が ない ろう いい|だせる||||

≪( 大久保 ) じゃ っど ん こっち から   わざわざ 頭 を 下げ おおくぼ|||||||あたま||さげ

盟約 を 結んで もろう 義理 は 何一つ   なか めいやく||むすんで||ぎり||なにひとつ|

長 州 から   すがって くっ と が 筋 っ ちゅうもん じゃ ちょう|しゅう||||||すじ|||

腹 を 見せ ん が かえ   西郷 ! はら||みせ||||さいごう

≪( 藩士 ) 何 を す っと か はんし|なん||||

この 腹 に は |はら||

南方 仁 に 助け られた 傷 が ある ろう なんぽう|しとし||たすけ||きず|||

死に そうに   な っ ちょ った とき → しに|そう に|||||

みんな が 腹 を 切る 手術 に 反対 し ||はら||きる|しゅじゅつ||はんたい|

おんし は   いっぺん は 手術 はいらん   ちゅう て ||||しゅじゅつ|||

はねつけ ん と   なら ん かった

ほう じゃ ろう

そん とき

南方 仁 は 何 を した ? なんぽう|しとし||なん||

ああ ッ ?

「 お 願い だ から お まん を 助け させて くれ 」 ち |ねがい||||||たすけ|さ せて||

土下座 を した が じゃ ろう ! どげざ|||||

ほう じゃき   みんな の 前 で その 手 に   すがる こと が でき たち ||||ぜん|||て||||||

そう 言う たで は ない が や ない かえ |いう|||||||

その   おんし が

どう いて 長 州 の 気持ち を くんで や れんが じゃ ! ||ちょう|しゅう||きもち|||||

やった ぜ よ

やった ぜ よ   先生 ! |||せんせい

南方 殿 なんぽう|しんがり

藩 医 達 に   医術 を 教えて くださった そうじゃ な はん|い|さとる||いじゅつ||おしえて||そう じゃ|

ああ   はい

その者 達 が ペニシリン 薬 なる もの を そのもの|さとる|||くすり|||

我が家 中でも 作り たい   と 言い出して おる わがや|なかでも|つくり|||いいだして|

わらわ から   製薬 所 を 作る べく 殿 に 口添え を して おく ||せいやく|しょ||つくる||しんがり||くちぞえ|||

ありがとう ございます

咲 殿 さ|しんがり

はい

意地 を 張る と   ろくな こと は ない いじ||はる|||||

のう ?

咲 さ ん さ||

あの   一 番 最初   奥 方 様 を どう やって 説得 した んです か ? |ひと|ばん|さいしょ|おく|かた|さま||||せっとく||ん です|

上 様 と 和 宮様 の   ご 威光 を お 借り し ました うえ|さま||わ|みやさま|||いこう|||かり||

咲 さ ん   ますます 肝 が すわって き ました ね さ||||かん|||||

《 恐れ ながら   もう 一 つ お 話 を さ せて いただいて 》 おそれ|||ひと|||はなし||||

《 よろしい でしょう か ?》

《 実は   私 に も 》 じつは|わたくし||

《 お 慕い して いる お方 が ございました 》 |したい|||おかた||

《 もう   決して 一緒に なる こと は でき ませ ぬ が 》 |けっして|いっしょに|||||||

《 それ は   そ なた の 家 の 事情 か ?》 |||||いえ||じじょう|

《 私 が 》 わたくし|

《 意地 を 張って しまった から で ございます 》 いじ||はって||||

《 意地 ?》 いじ

《 人 と して   張ら ねば なら ぬ 意地 で ございました 》 じん|||はら||||いじ||

《 悔い は   ございませ ぬ 》 くい|||

《 けれど 》

《 時折   ふと 》 ときおり|

《 思い浮かべて しまう ので ございます 》 おもいうかべて|||

《 その方 と 》 そのほう|

《 その方 に   よく 似た 子 と 》 そのほう|||にた|こ|

《 一緒に 暮らす 姿 を 》 いっしょに|くらす|すがた|

《 奥 方 様 》 おく|かた|さま

《 意地 を 張って は ろくな こと が   ございませ ぬ 》 いじ||はって||||||

( 子供 達 ) わ ~ い   待て ~ こども|さとる|||まて

よ ~ し   もっか い   いく べ ( 子供 達 ) うん ||||||こども|さとる|

あ ッ   いけ ね   川 に 入 っち まう べ ||||かわ||はい|||

キャーッ

奥 方 様   お 子 さん 生まれ ます か ね ? おく|かた|さま||こ||うまれ|||

一応   オギノ 式 なる もの に ついて は いちおう||しき|||||

こっそり   ご 説明 して おき ました が ||せつめい||||

いつの間に ? いつのまに

あ ッ   やはり   ここ に

何で すか ?  それ お 初 ちゃん に   折り紙 を   と なんで||||はつ|||おりがみ||

こちら に 紛れ込んで いた ようで ||まぎれこんで||

では 私 は   これ で |わたくし|||

咲 さ ん さ||

私 に 気兼ね し ないで ください ね わたくし||きがね||||

医者 に なる こと と 女性 と して の 幸せ は いしゃ|||||じょせい||||しあわせ|

両立 でき ない もの で は ない し りょうりつ|||||||

これという 縁 が あれば 私 の こと は 気 に せ ず   結婚 を |えん|||わたくし||||き||||けっこん|

私 の 幸せ は   仁 友 堂 を 未来 へ 残す こと と 申し上げた はず わたくし||しあわせ||しとし|とも|どう||みらい||のこす|||もうしあげた|

でも

咲 さ ん   すごく 子供   好きじゃ ない です か さ||||こども|すきじゃ|||

それ に   咲 さん だって 武家 の 娘 さん じゃ ないで す か ||さ|||ぶけ||むすめ|||||

橘 家 の 血 を 継ぐ 子 を 産む んだ   って たちばな|いえ||ち||つぐ|こ||うむ||

そういうふうに 育て られて きた んだろう し |そだて||||

きっと   そこ に 夢 … よく |||ゆめ|

よく   そのような こと おっしゃい ます ね

いや   私 は 本当に 咲 さん の 幸せ を … |わたくし||ほんとうに|さ|||しあわせ|

私 の 幸せ を   勝手に お 決め に なら ないで ください ませ わたくし||しあわせ||かってに||きめ|||||

あの とき

結婚 は 別の 人 と し たい   って 咲 さ ん   言った じゃ ないで す か けっこん||べつの|じん|||||さ|||いった||||

先生 に だけ は せんせい|||

おっしゃって ほしく ない ので ございます

あの …

じゃあ   何で   あの とき |なんで||

私 は 断ら れた んです か ? わたくし||ことわら||ん です|

私 が   いつか わたくし||

い なく なる から です か ?

私 とて … わたくし|

≪( 文 左 衛 門 ) お初   しっかり しろ ッ お初   お初   お初 ! ぶん|ひだり|まもる|もん|おはつ||||おはつ|おはつ|おはつ

すいません   通して ください |とおして|

ハサミ あり ます か ッ ? はさみ||||

≪( 男 ) 折り紙 を 追いかけて 落 っこ っち まったん だ べ おとこ|おりがみ||おいかけて|おと|||||

折り紙 ? 先生   お初 は !? おりがみ|せんせい|おはつ|

腹腔 内出血 を 起こして ます ふっこう|ないしゅっけつ||おこして|

先生 … せんせい

咲 様 さ|さま

すま ねえ なあ

おら   空 飛ぶ イカ |から|とぶ|いか