Clannad Episode 14
岡崎 さん
よう 、 おはよう
差し入れ
すま ん
あんた 、 もし かして 徹夜 ?
まさか 夜 に は 帰って る さ
あの 、 今日 は 私 たち も 学校 休 ん で 、 お 手伝い し よ う か と …
気持ち だけ もら っと く
E 組 と D 組 の 委員 長 が そろって サボったら 、 まずい だ ろ
こと み ぃ ちゃんと 寝 てる ー ?
ちゃんと 食べ てる ー ?
あさって の 誕生日 、 私 たち も 楽しみ に し てる から ね ー ッ
ホント に 、 大丈夫 な の か な … ; タイトル
じゃ 、 また 明日 ね
お 二 人 と も 、 あまり 無理 し ない で ください ね
わかって る
お 休み なさい
明日 中 に 、 作業 は 終わり そう です か ?
余裕 だ
実は 、 今夜 、 徹夜 する つもり な ん だ
あっ 、 それ なら ――
ダメ だっ
まだ 、 何も 言って ない です …
自分 も 付き合う って 言う ん だ ろ
ダメ だ
お前 が 熱 でも 出し たら 、 オッサン ぶち 切れ て 、 俺 の こと 出入り 禁止 に し かね ない から な
でも 、 岡崎 さん 、 夕べ も 遅く まで 働 い て た ん じゃ …
これ くらい 、 バスケ 部 の 特訓 に 比べりゃ どう って こと ない さ
分かり まし た
手伝い が 必要 な 時 は 、 いつ でも 言って ください
は ぁ 、 さすが に 疲れ た …
ことみ 、 みんな 心配 し てる ん だ ぞ
ちゃんと わかって る よ な
「 観測 できる 時空 だけ が 宇宙 で は ない 」
「 世界 が この 形 を 得る 過程 で 剥がれ 落ち 、 微細 に 封じ込め られ た 次元 、 『 隠さ れ た 世界 』 が 存在 する 」
隠さ れ た 世界 、 か …
どうやら 間に合った か …
構わ ない よ な 、 もう 読 ん で も
おととい は 兎 、 昨日 は 鹿
そう か 、 この 本 の 文章 だった の か
「 おととい は 兎 を 見 た の 」
「 きのう は 鹿 」
「 今日 は あなた 」
どこ だ ろ 、 ここ …
あなた は 、 だ あれ ?
どうして ここ に いる の ?
遊 ん で たら 迷い こ ん じゃ った
きみ は 、 だれ ?
ことみ
ひらがな みっ つ で 、 ことみ
呼ぶ とき は 、 ことみ ちゃん
あら あら っ かわいい お 客 さん ね
それ が 、 ことみ と の 出会い だった
いただき ま しょ う
… いただき ます
これ は ハナビシソウ 、 これ は サンシキスミレ …
へ ぇ ~
ことみ ちゃん 、 こんなに お 天気 が いい ん だ から 、 お 外 で 遊 ん でき だ ら ?
ここ 、 お 外 な の
お 外 は ね 、 あの 生け垣 の 向こう の こと
とっても とって も 広く て 、 ことみ ちゃん の 知ら ない もの が たくさん ある の よ
こわい から 、 や な の
おととい は 兎 を 見 た の
きのう は 鹿 、 今日 は あなた
ことみ は 、 あまり 外 に 出かけ た がら ない 子 だった
ほか の 友達 が 来 て いる の も 、 見 た こと が なかった
ねえ 、 今度 の お 誕生 会 、 僕 の 友達 も 呼 ん で き ちゃ だめ かな ?
え ?
みんな で ことみ ちゃん の お 誕生日 を お 祝い し たい ん だ
きっと 楽しい よ
うん …
え ー 、 知ら ない 子 の お 誕生 会 ?
女の子 の 誕生 会 に 行く なんて 、 恥ずかしく ねぇ ?
彼女 に 合わせる 顔 が なく て 、 俺 は 、 とうとう 庭 に 入れ なかった
やっと 決心 が つい た の は 、 真 夜中 に なって から だった
誕生 会 を す っぽ かし た こと を 、 謝ら なけ れ ば いけない と 思った
… あれ ?
ことみ ちゃん !
燃やし ちゃ った …
お 父さん と お 母さん の 論文 、 燃やし ちゃ った …
これ は 違う よ
君 は 泣か なく て いい ん だ
これ は 、 君 の ため の もの だ から …
その後 、 ことみ に 会う こと は なかった
俺 は 何度 か 行って み た が 、 ことみ の 姿 を 見る こと は でき なかった
ことみ と の 出会い も 、
あの 庭 で 過ごし た 時間 も 、
何もかも 夢 だった よう な 気 が し て …
そして いつしか 俺 は 、 何もかも 、 忘れ て しまった
あなた は 、 だ あれ ?
どうして ここ に いる の ?
目 が 覚め た ?
まだ 、 夢 を 見 てる の かも しれ ない
ずっと 、 憶 え て い た の
お 庭 に 迷い 込 ん で き た 、 男の子
私 、 その 男の子 の こと 、 とっても とって も 好き だった の
私 の 、 たった 一 人 の お 友達 だった から
だから …
ずっと 待って た の
ことみ …
おととい は 兎 を 見 た の
きのう は 鹿
今日 は 、 あなた …
あなた は 、 朋也 くん
迎え に 来 たっ
みんな お前 を 待って る ぞ っ
お 空 、 とっても きれい
ああ
来 まし たっ
お は よ 、 ことみ
おはよう です
おはよう ございます
おはよう 、 ことみ
みんな 、 おはよう な の
あ 、 私 を 待って て くれ た の ?
と ー ぜん
今日 は おまえ の 誕生日 だ ろ ?
あっ … そ っか
それ で ね 、 プレゼント な ん だ けど …
はい
ヴァイオリン プレゼント 券 ?
ことみ ちゃん が 好き な あの ヴァイオリン です
プレゼント する つもり だった ん です けど 、 壊れ て しまって
修理 は できる そう な ん です けど 、 今日 に は 間に合わ なかった ん です
直って き たら 、 改めて プレゼント する から 、 それ まで 待って て
ありがとう …
一ノ瀬 さん っ ?
よかった 、 学校 に 出 て くる 気 に なった の ね
先生 、 おはよう ございます
おはよう
あの ね 、 今日 、 あなた の 後見人 さん が 来 られる らしい の
渡し たい もの が ある から って
えっ …
心配 する な
あの 人 は 、 そんなに 悪い 人 じゃ ない
お前 も 分かって る ん だ ろ
演劇 部 の 部室 に 来 て もら お う
それ なら 、 リラックス できる でしょ う
わたし 達 も 一緒 に い ます
会って み ま しょ う 、 ことみ ちゃん
… うん
ことみ くん …
すいません 、 わざわざ 来 て いた だい て
い や ぁ 、 よかった よ 、 今日 会え て
はっ … お 父さん の 、 かばん … ; B
夕べ 遅く 研究 所 に 届 い た ん だ よ
私 が 中 を 開け て 、 一ノ瀬 博士 の もの だ と 確認 し た
どうして も 今日 、 君 に 渡さ なけ れ ば と 思った ん だ よ …
論文 が 、 入って る の ?
開け て ごらん
ことみ っ 、 俺 たち が ついて る
そう よ ファイト 、 ことみ っ
うん
… どういう 意味 な の っ ?
俺 に 訊 く な よ
えっ と … もし あなた が この す ー つけ ー す を …
スーツ ケース を 見つけ たら 、 どうか 娘 に 届け て ください
最後 の サイン は 、 一ノ瀬 鴻 太郎 と 一ノ瀬 水 恵 の 略
つまり 、 ことみ くん の ご 両親 の もの だ
共同 研究 の 論文 に は 、 いつも 手書き で こう サイン し て た の
その 鞄 は 、 一ノ瀬 夫妻 の もの だ
きっと 長い 時間 を かけ て 、 どこ か の 岸辺 に うち あげ られ た ん だ ろ う
誰 か が この 鞄 を 見つけ て 鍵 を あけ 、 手紙 に 気づ い た
そして 他の 誰 か に 託し た ん だ
そう やって 、 様々 な 国 の 人 から 人 へ 、 この 鞄 は 渡さ れ て き た …
ぬいぐるみ に も 鞄 に も 、 複数 の 人間 が 手入れ を し て くれ た 形跡 が ある
君 が 焼 い て しまった 封筒 に 、 何 が 入って い た か 、
君 は きっと 、 知ら なかった ろ う ね
お 父さん と お 母さん の 論文 …
論文 の 控え な ん か 、 最初 から 存在 し なかった ん だ
え … ! ?
お 父さん は 、 出発 の ぎりぎり まで 、 手直し を 続け て い た から 、
控え を 取る 暇 が なかった ん だ ろ う
それ じゃ 、 あの 封筒 に は …
あれ に は 、 君 に あげる クマ の ぬいぐるみ の カタログ が 、 入って いた ん だ よ
えっ
今日 まで の 君 なら 、 言って も 信じ て くれ なかった だ ろ う
でも 、 今 なら 信じ て もらえ る と 思う
今 でも 覚え て いる よ
「 娘 が 初めて 、 自分 から 欲しい 物 を 言って くれ た 」
そう 、 うれし そう に 話す 、 君 の お 父さん の 顔 を
でも この 鞄 に は 論文 が 入って い た はず でしょ ? お 父さん と お 母さん の 論文 っ
読 ん で ごらん
「 ことみ へ 」
「 世界 は 美しい 」
「 悲しみ と 涙 に 満ち て さえ 」
これ 、 お 父さん の 字 …
母さん …
お 父さん と お 母さん は 、 中 に 入って い た 荷物 も 、 論文 も 捨て て 、 かわり に この ぬいぐるみ と 手紙 を いれ た ん だ ろ う
君 の ご 両親 は 、 世界 の 成り立ち を 、 できる 限り 美しく 純粋 に 、 そして 簡潔 に 表現 しよ う と して い た
しかし 、 その 手紙 ほど 美しい 言葉 に 、 私 は かつて 触れ た こと が ない
君 の お 父さん と お 母さん は … N 最後 まで 、 君 の 幸せ だけ を … 祈って 、 いたん だ よ
お 父さん 、 お 母さん …
私 ね 、 ずっと 待って た の
お 家 の 中 で 、 ずっと ひと り で 泣 い て ばかり い た の
そう したら ね …
朋也 くん が 、 迎え に 来 て くれ た の
私 、 今 、 とっても しあわせ な の
とっても とって も しあわせ で …
だから … だ から ねっ …
お 父さん 、 お 母さん …
お かえり な さ いっ
その 鞄 は 、 世界中 を 旅 し て き た ん だ ろ う
砂漠 の 町 も 、 氷 の 島 も …
険しい 山 も 、 緑 の 大地 も …
たくさん の 人 の 手 から 手 へ 、
大切 に 託さ れ て き た …
「 この 鞄 を 見つけ たら 、 どうか 娘 に 届け て ください 。 」 ( 日本 語 )
「 If you find this suitcase , please take it to our daughter . 」 ( 英語 )
「 Als U deze koffer vlndt , breng ze dan nar onze dochter . 」 ( オランダ 語 )
「 Se trovi auesta borsa prego di portarla alla nostra figlia . 」 ( イタリア 語 )
「 Kalau anda menemukan las ini , mohon mengembalikan kepada pulti kami . 」 ( インドネシア 語 )
「 Se encontrar esta mala , por favor envie - a para nossa filha . 」 ( ポルトガル 語 )
「 Если вы находите этот чемодан , то пожалуйста примите его к нашей дочи 」 ( ロシア 語 )
「 ことみ へ 」
「 世界 は 美しい 」
「 悲しみ と 涙 に 満ち て さえ 」
「 瞳 を 開き なさい 」
「 やり たい 事 を し なさい 」
「 なり たい 者 に なり なさい 」
「 友達 を 見つけ なさい 」
「 焦ら ず に ゆっくり と 大人 に なり なさい 」
「 おみやげ も の 屋 さん で 見つけ たく ま さん です 」
「 たくさん たくさん 探し た けど 、 この 子 が いちばん 大きかった の 」
「 時間 が なく て 、 空港 から 送れ なかった から 」
「 かわいい ことみ 」
「 お たん じ ょ う び おめでとう 」
… うん
みんな 、 こんにちは
こんにちは
春原 や 、 宮沢 も 呼 ん でる ん だ
今 、 買出し に 行って くれ て る
わたし の お 父さん と お 母さん も 、 来 て くれる そう です よ
みんな が 揃ったら 、 贈呈 式 を 始め ま しょ う
うん 私 も お 菓子 作った から
どうせ また 作り すぎ た ん だ ろ ?
うん
今日 だけ は いくら あって も 大丈夫 よ
コンサート の 時 み たい に 、 大勢 招集 かけ とい た から
えっ
って おまえ それ 、 すごい 数 に なる だ ろ ?
ここ に 入り きれ る の か ?
だいじょうぶ な の
私 の お 庭 は 、 広い から ; 次回 予告
バスケットボール
どっち か って いう と 、 岡崎 の 管轄 だ ね
何 か 意味 あん の ?
わかった 本当の こと を 言 お う
はい ?
すみません …
泣く つもり じゃ ない のに …
春原 …
くっ
それ で 、 どう する の ? 渚
まさか 、 ここ で 引く つもり じゃ ない でしょ う ね ?