episode 04「 クリスマス ・ イブ まで カウント ダウン 」
( まり な ) 爪 切り 買えば いい じゃ ん
( 光 石 ) 持って る よ 爪 切り
( まり な ) 違う 自分 専用 の 高い 爪 切り
( 光 石 ) いい やつ だ から だって
いい やつで 切った ほう が …
( まり な ) どうした の ? 菜緒 ( なお ) ボーッ と して
( 光 石 ) 全然 弁当 食って ない じゃ ん
て か お 弁当 作り 始めた と 思ったら もう 飽きちゃ った の ?
( 菜緒 ) 今日 寝坊 しちゃ って ( まり な ) ふ ~ ん
あ … ごめん 何の 話 だ っけ ?
だから これ 見て って
“ 今年 の クリスマス は 人生 最大 の モテ 期 です ”
“ 中でも イブ を 一緒に 過ごす 相手 と は 生涯 を 共に する 可能 性 大 !”
へえ ~
よかった じゃ ん まり な
私 じゃ なくて 菜緒 だ よ 菜緒
( 菜緒 ) え ?
ねえ 上原 ( うえ はら ) 君 と は ちょっと は 進展 した の ?
イブ まで あと 2 週間 だ よ ?
この 占い 当た ん ない よ
( まり な ) まさか あんた 今年 の イブ も
“ 大 ちゃん ち で ホーム パーティー ” と か 言わ ない よ ね
( 光 石 ) ホームパーティー って 家族 ぐるみ で ?
そう な の
7 歳 の 時 から 懲り ず に ずーっと やって ん の
家族 で ケーキ 囲んで ?
サンタ の 帽子 かぶって ジングルベル 歌って ?
プレゼント 交換 して ? ( 光 石 ) うわ あり え ね ー
( まり な ) でしょ ?
今年 は 親 が い ない んだ から 大 ちゃん を 卒業 する チャンス !
そして あの 上原 久志 ( ひさし ) を 射止める の !
( 菜緒 ) だ から 私 上原 君 の こと 何とも 思って ないし …
( 光 石 ) あっ 噂 を すれば ( まり な ) 上原 君 !?
( 大地 ) 菜緒
大 ちゃん
そっち か ~ い
( 菜緒 ) どうした の ? ( 大地 ) これ
菜緒 が 見逃した って 言って た ドラマ
( 菜緒 ) え ! 覚えて て くれた の ?
もう イライラ する
まあ 上原 君 の 件 は あいつ が 認め ない 以上
始まら ない だ ろ
( 女子 生徒 たち の 騒ぎ 声 )
( 女子 生徒 ) 上原 君 こっち 向いて
( 女子 生徒 ) かっこいい
おはよう
また 徹夜 で バイト か
あっ
( 上原 ) 吉川 ( よし かわ )
はい な … 何 でしょう ?
鼻 毛 出てん ぞ
へ ? え !
( 上原 ) ああ ~ 背中 痛い
これ から 顔 洗う ところ だ し
( 上原 ) もう 昼 過ぎて ん ぞ ( 菜緒 ) いい じゃ ん
休み な んだ から
だらしない 奴 だ な
( 菜緒 ) 上原 君 今日 出かけ ない の ?
さっき スタンド の バイト から 帰って きた ばっ か
喫茶 店 の ほう は 今日 定休日 だ し
へ ? … って こと は
今日 上原 君 と 2 人 っきり ?
あっ
ないない ! どう って こと ないし
( 菜緒 ) 何 … 何 して ん の !
( 上原 ) 何 って シャワー 浴び んだ よ
( 菜緒 ) 今 私 使って ん の !
( 上原 ) じゃ ちょっと の 間 目 つぶって ろ よ
( 菜緒 ) ちょ っ … やめ … やめ ー !
( チャイム )
( 菜緒 ) は ー い
あっ 百合 … ( 百合 ) ちょっと ごめん ね
お邪魔 しま ー す !
百合 ! 何 だ よ その 荷物
( 百合 ) ごめん ! ちょっと の 間 荷物 置か せて
すぐ そこ で バーゲン やって て ついつい 買い すぎちゃ った
ジャーン !
どう ? これ
年 末 の パーティー に 向けて 買っちゃ った !
ゆり りん かわいい
や ~ だ 菜緒 ちゃん 大好き ー !
そう だ 菜緒 ちゃん 今度 私 の 服 あげる ね
えっ いい の ?
って か 無駄に 買い すぎ なんだ よ
いい じゃ ない 自分 で 稼いだ お 金 だ し
私 の 勝手でしょ
人 ん ち 荷物 置き場 に し といて 何 だ よ その 態度 は
ちゃんと お土産 買って きた わ よ
子供 じゃ ある まい し そんな もん で 釣られる わけ …
これ は
たい焼き 御 三 家 の 1 つ めで 鯛 家 の
並ぶ の 大変だった な ~
おお っ !
( 百合 ) その 前 に “ ごめんなさい ” は ?
( 上原 ) 悪かった よ ( 百合 ) 聞こえ な ー い
悪かった ! ( 百合 ) 聞こえ ませ ん
( 上原 ) 悪かった って !
( 百合 )“ 百 合 さん ありがとう ございました ”
( 上原 ) ありがとう ございました
“ 百 合 さん お 疲れ さま ” ( 上原 ) もう いい よ 冷めちゃ う から
( 百合 ) はい !
あっ 菜緒 ちゃん も どう ?
う うん ちょっと 飲み物 買って くる
( ため息 )
( 男性 ) あっ ぶ ね ー !
あっ !
大丈夫です か ?
ごめんなさい ( 一星 ( いっせい )) イッテ …
ああ …
あ …
うわ あー !
( 菜緒 )120万!? ( 一星 ) そう
この 丼 は うち の お 得意 様 が
有名な 陶芸 家 に 特別に 作ら せた 特注 品 な んだ
3 皿 で しめて 120万! どう 落とし 前 つけて くれ んだ よ
そんな …
( 一星 ) とりあえず 高校 生 の あんた じゃ 話 に なん ない
親 と 直接 話さ せて もらう から 連絡 先
それ は ダメです ( 一星 ) は ?
今 は 訳 が あって 両親 と は 離れて 暮らして いる んです
ハッ …
この こと バレ たら 田舎 連れて かれる !
( 一星 ) 知ら ね ー よ そんな こと お前
大体 お前 な 高校 生 だ から って
あん ま 甘え ん な よ
て め ぇ の 事情 押し付け られて も こっち は 困る んだ よ
じゃあ ここ で 働いて 弁償 さ せて もらえ ませ ん か ?
は あ ?
ここ で バイト さ せて ください !
( 一星 ) お前 …
( 菜緒 )120万 円 分 働き ます !
( 菜緒 )“ 上原 君 へ ”
“ 用事 思い出した ので 帰り 遅く なり ます ”
送信
あんな こと 言っちゃ った けど できる の か な ~
に して も ダサ い
最強に ダサ い
汚して い いって 言った けど 中学 の ジャージ じゃ ん
ますます ゆり りんと 差 が 広がって く
ああ っ !
( 丼 が 割れる 音 )
( 一星 ) て め ぇ 何 して んだ コノヤロー !
( 丼 が 割れる 音 )
( 一星 ) 何 皿 割れば 気 が 済む んだ よ ! ( 菜緒 ) すいません !
( 菜緒 ) 体 が 痛い …
まさか あんなに 大変だ と は
ただいま
( 上原 ) 随分 遅かった な
( 菜緒 ) うん ちょっと ね あれ ゆり りん は ?
( 上原 ) とっくに 帰った よ
う … う っ ! う っ …
( 上原 ) ラーメン 欲しい なら 一 袋 89 円 な
( 菜緒 ) 結構です
( 菜緒 ) どうした の ? この ツリー
( 上原 ) ああ 百合 が 置いて った
新居 祝い だ と さ
( 菜緒 ) へ えー
( 上原 ) 邪魔だ から いら ね ー って 言った んだ けど
( まり な )“ 中でも イブ を 一緒に 過ごす 相手 と は ”
“ 生涯 を 共に する 可能 性 大 !”
上原 君 って さ 24 日 バイト だ よ ね
ああ 一晩 中 バイト だ けど
( 菜緒 ) だ よ ね ( 上原 ) ん ?
それ が どうかした の か よ
いや
イブ の 日 に バイト って 何 か 寂しい な ~ って 思って
( 上原 ) アホ くさ
そんな こと に こだわる 奴 の ほう が 寂しい んだ よ
別に こだわって なんか ない し
じゃ 何で 聞く んだ よ
( 菜緒 ) あー もう いい よ !
変な 奴
もう … ああ !
( グギッ ) あ …
いい … 痛い
( 光 石 ) 弁償 する ため に ラーメン 屋 で バイト ?
バイト 漬け じゃ 上原 君 と
ますます 進展 し ない じゃ ん
イブ まで … あと 10 日 だ よ !
何度 も 言って る けど
私 上原 君 の こと 何とも 思って ない から
( まり な ) ま ~ た そんな ( 菜緒 ) 本当 だって ば
だって いちいち イヤミ っぽい し 引く ほど 大 食い だ し
何 か 一緒に いる と 見下さ れて る 感 すごい んだ よ ね
何 か 自分 が みじめ って いう か さ
むしろ バイト で 顔合わせ なくて 済む から
その ほう が いい かも
( スマホ の バイブ 音 )
( 菜緒 ) え ?
“ クリスマス を 一緒に 過ごし ませ ん か ”
( まり な ) えー !? 誰 誰 …? ( 菜緒 ) まり な !
“ 放課後 に 屋上 で 待って ます 阿部 順 ”
( 光 石 ) 阿部 順 … B 組 の ?
な ~ んだ あ べ っち か ( 菜緒 ) え ?
( まり な ) ついに 菜緒 に も きた か ~
( 菜緒 ) まり な この 人 知って ん の ?
( まり な ) うん
あっ !
いい こと 思いついた
ちょっと いい から みっ ちゃん みっ ちゃん …
いい から ん っ ! 来 ないで
( まり な ) 菜緒 の ため だ から
上原 君 に …
( 阿部 ) 吉川 さん
あの …
好きです ! ずっと 見て ました !
僕 と 一緒に イブ を 過ごし ませ ん か ?
いや 僕 吉川 さん の こと 見て る と
( 阿部 ・ 菜緒 ) 守って あげ たい って 思う んです よ ね
( 阿部 ) え ?
さっき 友達 から 聞き ました
いつも そう やって 告白 して る って
( 光 石 ) 告白 大王 ? ( まり な ) そう
( まり な ) あ べ っち は 一部 の 女子 の 間 じゃ 有名な の
ほれ っぽい うえ に 好きに なった 子 に
ことごとく メール 送って 告白 して は フラ れて る 奴
( 光 石 ) そんな モテ ない 奴 な の か ?
( まり な ) うーん
まあ 見た目 は まあまあな んだ けど
彼 氏 に する なら 問題 アリ だ から ね
そんな 奴 菜緒 だって もちろん 無理だ ろ
( まり な ) でも 利用 価値 は ある ( 光 石 ) ん ?
( まり な ) あっ 上原 君 !
ちょ っ … ちょっと 上原 君 !
あ … ちょっと いい ?
( 阿部 ) お 願い し ます !
信じて くん ない かも しん ない けど
俺 吉川 さん の こと いい なって 思った の は 確かだ から
ごめんなさい
まさか あの 上原 と 付き合って る って 噂 本当 ?
え ? あ …
ん ~ まあ …
世の中 不公平だ よ な
あいつ は イケメン で 頭 も 良くて 運動 も できて
努力 し なくて も 女 が 寄って きて さ
悩み なんて 無縁だろう し
上原 君 は 苦しい 思い たくさん して いる よ
そう な の か ?
うん
それ に バイト 掛け持ち して 生活 費 稼いで
それなのに 自分 が 特別 苦労 して る なんて
全然 思って ない の
わがままに 見えて 実は 人 の こと す っご い 考えて て
( 阿部 ) そ っか
や っぱ 上原 が うらやましい よ
え ?
俺 の こと そんなふうに 言って くれる 人
この世 に いね ー し
いる ! 絶対 いる よ !
あ べ っち じゃ なきゃ ダメ って 人
必ず 現れる
でも それ は 私 じゃ ない から
ごめんなさい
見て 菜緒 生まれて 初めて 告白 さ れた の
でも ああ やって 断る しか ない の
え ?
だって この 学校 で は
上原 君 と 付き合って る こと に なって る から
もし オーケー して 二 股 かけ てる なんて 噂 立ったら
上原 君 の ファン に ひどい 目 に 遭わ さ れる でしょ ?
イブ の 予定 入れよう に も 彼 氏 持ち って こと で
友達 に も 相手 に さ れ ない し
ただ で さえ 家族 と 離れて て 寂しい のに
ねえ みっ ちゃん
( 光 石 ) ああ …
実は 俺 ら も イブ は 用事 が あって
一緒に いて やれ ない んだ
( 阿部 ) 何 か 吉川 と 話せて よかった
俺 ちゃん と 恋愛 できる ように 頑張って みる
( 菜緒 ) うん ( 阿部 ) じゃあ
( まり な ) あ ~ あ
二度と ない チャンス を 潰しちゃ った
だから 上原 君 に は 少 ~ し だけ 菜緒 に
優しく して あげて ほしい な ~ な ~ ん て
( なな こ ) そりゃ あ 女 に とって イブ は 特別 よ
( 上原 ) そう な の か ? ( なな こ ) 女 なんて
おしゃれ ときめき 恋 その 繰り返し
イブ は その 集大成 だ もん
ひとりぼっち で 過ごす イブ なんて
神様 に 女 と して 失格 って 言わ れて る ような もん よ
( 上原 ) お前 本当に 中 3 か よ
だから
ひとりぼっち は この 時期 み ー んな ラスト スパート ね
ラストスパート ?
つまり 相手 を 求めて コンパ 三 昧
( 上原 ) は あ ? ( なな こ ) 男 だって そう でしょ ?
今 の 時期 に なる と 私 も アプローチ が すごく って
もし かして
もし かして
( なな こ ) でも すぐ 近く に
( なな こ ) でも すぐ 近く に
気 に なる 人 が いる し …
気 に なる 人 が いる し …
あいつ それ で 最近 帰り が 遅い の か ?
あいつ それ で 最近 帰り が 遅い の か ?
バイト しばらく は 夜 だけ 入って
24 日 から 冬 休み それ 以降 は 終日 働ける と して
( 菜緒 ) あ ~
120万 なんて いつ 返せ んだ か
あ … そうだ
お 母さん
いやいや … 自分 で 何とか し なきゃ
時給 900 円
1 日 8 時間 働ける と して
え … これ だけ ?
ああ ~
ああ …
どう しよう
無理だ よ どう しよう
ああ … もう や だ
( 客 ) ごちそうさま ( 菜緒 ) ありがとう ございました !
は ー い みそ ラーメン お 待た せ し ました
いや あ 菜緒 ちゃん の 笑顔 見る と 癒 や さ れる よ
えー そんな こと ないで す
すい ませ ー ん 水 ください
は ー い ただいま !
( 一星 ) 何だか んだ 板 に ついてきた な
( 徹 平 ) 菜緒 ちゃん 少し は 休憩 したら ?
( 菜緒 ) でも …
何 か 動いて ない と 申し訳なくて
だって 3 日間 で お 皿 7 枚 と
ラーメン 5 杯 無駄に しちゃ った し
そんな の 全然 大した こと ない から
いや 大した こと ある ぞ 親父
( 菜緒 ) いらっしゃい ませ ~ ( まり な ) 菜緒
( 菜緒 ) まり な みっ ちゃん 来て くれた んだ ね !
( 光 石 ) 菜緒 何 か こう
すごい 格好だ な
でも 不思議な ほど なじんで る
( 菜緒 ) うん …
悔しい けど 私 も そう 思う んだ よ ね
実は もう 1 人 スペシャルゲスト が 来て ます
え !
( 光 石 ) って いう か さっき そこ で 偶然 会った だけ だ ろ
( まり な ) うるさい
おう
大 ちゃん !
いただき ま ー す !
( まり な ) わ あ ~
ごちそうさま
おいしかった
お 姉さん いい 食べ っぷり だ ね
なに なに いい 男 じゃ ん !
( 菜緒 ) あれ が ド S の 一星 さん ( まり な ) ふ ~ ん
( 一星 )“ いっちゃ ん ” で いい よ
お 客 さん みんな そう 呼ぶ し
いっちゃ ん ごちそうさま ~
それにしても 菜緒 が バイト なんて な
小 6 まで サンタクロース 信じて た のに
え ? マジ で ?
( 大地 ) 毎年 うち の 親父 が 菜緒 の ため に サンタ の 格好 して さ
俺 まで 喜ぶ フリ す ん の 大変だった よ
( 光 石 ) お前 どん だけ 人 に 気 使わ せて んだ よ
( 菜緒 ) ごめん
それほど 菜緒 の リアクション が うれしかった んだ よ
プレゼント も いちいち 大喜びだった し
そう そう 子供 の 頃 から 大 ちゃん が 選んで くれる
プレゼント す っご い 楽しみに して た んだ
お 菓子 は 中身 より も おまけ
ゲーム なら 内容 より も 絵柄
い っつ も 私 の ツボ 押さえて て くれて さ
吉川 ! いつまで 油 売って んだ
早く しろ ( 菜緒 ) すいません
みんな ゆっくり して て ね
( 大地 ) なあ ( 菜緒 ) ん ?
( 大地 ) 今年 の イブ も 何も なかったら 一緒に 過ごす か ?
いや … ラーメン 屋 の バイト イブ なら 休める んだ ろ ?
( 菜緒 ) うん 毎年 恒例 だ もん ね
おばさん が 作る 煮込み ハンバーグ 楽しみだ な
フフッ
今年 は 2 人 で ど っか 出かけ ない か
( 菜緒 ) え ?
ホーム パーティー も いい けど
菜緒 が よかったら そういう の も いい か なって
まあ 気楽に … ( 菜緒 ) シーッ
ちょ っ ちょ っ …
どうした ?
上原 ?
( 菜緒 ) 絶対 こんな 姿 見 られ たく ない
大 ちゃん バイト の こと 上原 君 に 絶対 言わ ないで ね
おう …
ハァ ハァ …
よかった 行く よ
( 上原 ) イテッ ! イッテ …
おい 吉川 !
散らかす なって あれほど 言った だ ろ
( 上原 ) おい 寝て んじゃ ね ー よ
( 菜緒 ) ハァ …
ただいま …
( 上原 ) おう お かえり
大丈夫 か ?
大丈夫 ちょっと 疲れちゃ って
え … な … 何 ?
いい 匂い が する
え …
と ん こつ ベース に 和風 ダシ が きいた
あ … う お っ !
ちょ っ ちょ っ …
つ … 疲れた
先 お 風呂 入る から
あっ 24 日 ど っか 行く か ?
え ?
バイト 休み 取れた から
聞いて ん の か
あ … うん そ っか
じゃ … どこ 行く ?
ど … どこ 行 こっか
あ … ご飯 ここ でも いい ?
その後 イルミネーション 見て さ さ … 散歩 して さ
じゃ それ じゃあ … そういう こと で
何 だ よ
やった ー !
( 上原 の マネ ) 24 日 ど っか 行く か ?
バイト 休み 取れた から
やった やった
( ぶつかる 音 ) ( 菜緒 ) い … 痛い イッ …
( まり な ) いや ~ よく やった !
我が 校 が 誇る 激 レア ハイクラス の イケメン
上原 君 と イブ を 過ごす なんて !
だから たまたま 上原 君 の バイト の 休み が 取れて
だったら ど っか 行こう か って ノリ ?
私 は まあ どっち でも よかった んだ けど さ
は いはい 分かった 分かった
ついに 大地 先輩 から は 卒業 か
あっ !
( 信彦 ) 大地 なら 明日 まで 遠征 合宿 だ けど
そう です か ありがとう ございます
まあ いい んじゃ ない の ?
大 ちゃん も “ 何にも なかったら ” って 言って た んでしょ ?
( 菜緒 ) うん
でも 今年 は 2 人 で 過ごそう って 言って たしな
そんな の 兄妹 が 一緒に 過ごす みたいな 感覚 でしょ ?
大 ちゃん だって イケメン 御 三 家 の 1 人 だ よ ?
本当 なら いくら でも イブ を 一緒に 過ごす 相手 いる んだ から
逆に よく 10 年 も お前 の 相手 して きた よ な ~
とりあえず こまめに 連絡 して みる
ああ ~! それにしても うれしい
上原 君 の 彼女 の フリ の つもり が 現実 に なる 日 も 近い かも よ
( 阿部 ) やっぱり フリ だった んだ な
( まり な ) ん ?
( 光 石 ) おお 阿部 順 !
いつの間に ( 阿部 ) 俺
あれ から 吉川 さん の こと が 頭から 離れ なくて
珍しく 切り替え 遅い ね あ べ っち
どう 考えて も おかしい と 思った んだ よ
あの 上原 と 付き合って る なんて
吉川 さん どんな 事情 が あった か 分か ん ない けど
吉川 さん は 上原 の 彼女 の フリ なんて
むなしく ない の ? それ なら やっぱり 俺 と …
( まり な ) あー !
う っ ! 黙って あ べ っち
イブ は 私 と コンパ に 行こう ねっ !
かわいい 子 わんさ か 来る から
( 阿部 ) いや でも 俺 は … ( まり な ) うるさい
いい の ねっ
かわいい
え えっ !?
3万9千 円 …
高い
あ … ゆり りん !
何 して ん の ?
( 菜緒 ) あ … ( 百合 ) ん ?
( 百合 ) うん やっぱり これ が 一 番 似合う わ ね
( 菜緒 ) あの … ( 百合 ) 気 に 入ら ない ?
じゃあ 私 から の クリスマス プレゼント って こと で
( 菜緒 ) え ?
いや タダ で もらう わけに は …
私 の お 古 だ から 気 に し ないで
本当に いい の ?
( 百合 ) うん
料理 の 件 だ けど 久志 は 肉 好きだ けど
スープ は シーフード 系 が いい みたい よ
パスタ は 全 種類 オーケー ね
( 菜緒 ) うん …
スープ は シーフード ね
うん よし
あ … いや 私 は
もう とぼけて も 無駄 よ 菜緒 ちゃん
恋して る って 顔 に 書いて ある
でも 認めて も 仕方 ないし
どうして ?
ゆり りん も 知って る でしょ ?
簡単に は 上原 君 の 心 は 動か ない って
確かに …
でも だ から こそ
彼女 に なったら すごく 大事に して もらえる と 思う よ
( 上原 ) どうも
( 大地 ) 菜緒 に 伝言 頼んで いい かな
明日 の イブ 昼 過ぎ に 迎え に 行く って
明日 の イブ ?
そう
イブ は 毎年 家族 ぐるみ で 過ごして た けど
今年 は 2 人 で 過ごす って 決めた んだ
俺 は これ から は そう する って 決めた んだ
( 大地 ) じゃあ な
( ドア の 開閉 音 )
お かえり
ねえ 明日 の イブ な んだ けど さ 夕食 早 めに しよう と 思う んだ けど
( 上原 ) や っぱ 俺 バイト 入れた から
( 菜緒 ) うん じゃあ 明日 6 時 に 支度 して …
え えっ !?
( 菜緒 ) ちょ っ …
今 何て ?
俺 明日 バイト 入れた から
だから … 何で よ
だって お前 先約 あった んだ ろ
あの 先輩 と そう ならそう と 言えよ な
先輩 って … 大 ちゃん ?
大 ちゃん なら 断る つもりで …
毎年 一緒に 祝って た んだ ろ ?
なら 俺 が わざわざ
気 を 使う 必要 なんか なかった じゃ ね ー か
気 を 使う って …
気 を 使って 誘って くれた の ?
付き合って る フリ して る 以上 いろいろ 迷惑 かけて たかなって
何 それ 勝手に 責任 感じ ないで よ
は あ ? でも 焦って た んじゃ ない の か よ
あの まり なって 子 と
一緒に イブ を 過ごす 相手 探して た んじゃ ない の ?
は ? そんな こと して ない よ
じゃあ
何で 最近 帰り が 遅かった んだ よ
それ は …
何 だ よ
バイト
バイト って どこ で ?
駅前 の … カフェ
目 が 泳いで る し
違う よ
俺 に は よく 分か ん ね ー けど
女 に とって イブ は 特別な んだ ろ ?
( 菜緒 ) そうだ よ 特別だ よ
恋人 でも 家族 でも 大切に 思える 人 と
ケーキ 囲んで 幸せに 過ごす 日 だ よ
でも 誰 で も いい から って 一緒に いたい 日 じゃ ない よ !
だから よかった な あの 人 いて
もう いい よ !
何 だ よ …
もう !
( リポーター ) 聞いて み たい と 思い ます
メリークリスマス !
( カップル ) メリークリスマス !
( リポーター ) 皆さん は カップル で いらっしゃい ます よ ね
( カップル ) はい
( リポーター ) いい です ね さあ そこ で 街 行く 皆さん に
クリスマス を 一緒に 過ごす お 相手 を
聞いて み ました
1 位 は やはり こちら
6 割 以上 の 方 が “ 恋人 ” と 答え ました
きれい
( チャイム )
上原 君 …
大 ちゃん
断り の 留守 電 聞いた んだ けど 何 か 声 元気な さ そうだった から
そ っか … ごめん ね
迷惑だった ?
う うん 上がって
( なな こ ) メリークリスマス !
おいしい 手作り の
クリスマス ケーキ は いかがです か ?
( 明 ) ありがとう ございました
( なな こ ) ありがとう ございました
( 明 ) 本当に よかった の ? 上原 君 せっかく の 休み だった のに
そりゃ あ や っぱ 久志 君 だって
イブ は 大切な 人 と 一緒に 過ごし たい もん ね ー !
何 だ その 大切な 人 って 言う の は
( なな こ ) あ …
クリスマス ケーキ いかがです か ?
( 菜緒 ) 特別だ よ
大切に 思える 人 と
ケーキ 囲んで 幸せに 過ごす 日 だ よ
でも 誰 で も いい から って 一緒に いたい 日 じゃ ない よ !
悪かった な 大切じゃ なくて
( アラーム 音 )
ウソ …
38 度 5 分 !?
自分 で 気づか ない なんて どん だけ 鈍感な んだ よ
最近 ずっと 気 張って たから
( 大地 ) はい ( 菜緒 ) ありがとう
おかゆ 作る けど 何 か 他 に 食べ たい 物 ある ?
ケーキ
ケーキ は 風邪 治って から に しろ よ
丸い ケーキ が 食べ たい
大 ちゃん ち で よく 出して くれて た
ベタ な 苺 の ケーキ
で みんな で 囲んで 歌って 笑って
大 ちゃん あり が と ね
ん ?
毎年 付き合って くれて
おかげ で 今 まで イブ が 寂しい なんて
一 度 も 思わ なかった
( 上原 ) ありがとう ございました
ケーキ 1 つ ください
( 上原 ) はい
菜緒 が 食べ たい って いう から これ
3300 円 です
俺 昔 から 菜緒 が 好きな もの は 大体 分かる んだ
は ?
クリスマス は チキン と ポタージュスープ
そういう ベタ な の が 好きな んだ あいつ は
何 が 言い たい ん す か ?
でも 今日 は
ロール キャベツ と 魚介 スープ 用意 して た
体 壊して る の に 無理 して 作って 待って んだ よ
だから 何 言って んだ よ
( 大地 ) あいつ 弱音 吐か ねえ んだ
昔 っ から
でも 熱 出して 寂しい って 言って た
え …
一 度 約束 した ん なら 守れよ
( 幼少 の 菜緒 ) 大 ちゃん 大好き !
( 幼少 の 大地 ) いい よ
( 幼少 の 菜緒 ) うわ あ ! ホッコリマンチョコ の シール だ
菜緒 が 欲しい と 思って
どうして 分かった の ?
俺 分かる もん 菜緒 の 好きな もの 全部
大 ちゃん だ ~ い 好き !
吉川 入る ぞ
( 菜緒 ) 上原 君 …
( 上原 ) 寝て ろ
( 菜緒 ) バイト は ?
( 上原 ) あがら せて もらった よ
あの 人 から 知らせ 聞いて
( 菜緒 ) あの 人 って … 大 ちゃん ?
吉川
( 菜緒 ) 何 ?
熱 出して る 時 に 何 な んだ けど …
あれ
あ … あ …
これ は …
ラーメン 屋 の バイト の …
ラーメン 屋 !?
駅前 の カフェ じゃ なかった の か よ
( 菜緒 ) うん
何 だ よ 何で そんな くだら ね ーウソ つく んだ よ
( 菜緒 ) だって ( 上原 ) 何 だ よ
人 に は 見 られ たく ない 姿 って もん が ある でしょう
( 上原 ) は あ ?
この ジャージ で ラーメン 運んだら
バカに する でしょ
プッ 確かに ひで え な フフフ …
そっち も その 格好 も 言え ない と 思う けど
( 上原 ) え ?
( 菜緒 ) フッ … フフ …
うる せ ー な
上原 君 だけ に は 見 られ たく なかった から
え ?
だって 毎日 顔 合わせる しさ
同居 の ルール に 1 つ 追加 だ
え ?
カッコ つけ ん な 頼る ところ は 頼れ
体 壊す 前 に 俺 も 助け よう が あった し
この 前 倒れた の は どこ の 誰 でした か ?
う っせ え いい から 返事
は ~ い
あっ
これ ケーキ ? ( 上原 ) うん
うれしい 見て も いい ?
食う の は 熱 下がって から だ ぞ
うん
( 上原 ) あ …
や ばっ ! 走った から …
あっ バカ !
食う なって
ほら 気持ち 悪く なった んだ ろ
( 菜緒 ) う うん おいしい
( 百合 ) でも だ から こそ
彼女 に なったら すごく 大事に して もらえる と 思う よ
( 菜緒 ) このまま で 十 分
え ?
( 菜緒 ) 私 このまま で 十分だ よ
いや ダメだ ろ まだ 熱 め っちゃ 高い んだ ぞ
だ ね
( 上原 ) いただき ます
( 菜緒 ) ちょっと
( 上原 ) おい 吉川 牛乳 プリン 買って きた ぞ
( 菜緒 )“ 体調 が 戻った ので 公園 まで 散歩 して き ます !”
“ 菜緒 ”
は あ ?
どう した んだ よ 吉川 から 呼び出す なんて
あ べ っち に は 本当の こと 話して おき たい なって 思って
もし かして 俺 と 付き合う 気 に なった ?
私 あ べ っち の 言う とおり 上原 君 と は 付き合って ない の
( 阿部 ) え ?
上原 君 は 私 の こと 何とも 思って ない けど
じゃあ …
でも
私 は 上原 君 の こと が 好きな の
え …
上原 君 の こと が 好きだ から
あっ
♪~