Natsume Yuujinchou (Natsume 's Book of Friends ) Episode 10
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Natsume Yuujinchou (Natsumes Buch der Freunde) Episode 10
Natsume Yuujinchou (Natsume's Book of Friends) Episode 10
また そんな 顔 し て 唇 噛み締め て
||かお|||くちびる|かみしめ|
弱 さ を 隠し てる けど
じゃく|||かくし||
その 瞳 の 奥 うずくまる 君 が
|ひとみ||おく||きみ|
本当 の 心 なら
ほんとう||こころ|
all alone,
思って 泣 い て 一 人 で 不安 で
おもって|なき|||ひと|じん||ふあん|
なんで 痛い の 持って ん だ
|いたい||もって||
僕 に そっと 預け て よ
ぼく|||あずけ||
直ぐ じゃ 無理 と 思う の なら ば
すぐ||むり||おもう|||
少しずつ で いい
すこしずつ||
翼 の 無い 僕等 は きっと
つばさ||ない|ぼくら||
飛 べ ない と 決め付け てる だけ
と||||きめつけ||
声 の 限り 君 を 呼ぶ よ 迷わ ない よう に
こえ||かぎり|きみ||よぶ||まよわ|||
フワリ 心 舞い上がれ あの 風 に 乗 せ て
ふわり|こころ|まいあがれ||かぜ||じょう||
妖怪 が 見える の は みんな に は 秘密 だ
ようかい||みえる||||||ひみつ|
I'm keeping my ability to see spirits secret from everyone.
あ 傘 が 飛ばさ れ てる
|かさ||とばさ||
傘
どこ どこ
かさ||
Where?
ほら あそこ だって
Look, right there.
どこ だって どこ
Where? I can't see it.
いや 見 間違い だ ろ う
|み|まちがい|||
Never mind, my eyes must be playing tricks on me.
そ っか
You think so?
じゃあ な 夏目
||なつめ
See you later, Natsume.
明日 な
あした|
See you tomorrow.
私 が 見える の か 人 の 子 よ
わたくし||みえる|||じん||こ|
Can you see me, human child?
では お 主 に 致 そ う
||おも||いた||
Then you'll have to do.
人間 など 触れ たく ない が 仕方 ある まい
にんげん||ふれ||||しかた||
I don't want to touch a human, but it can't be helped.
お前 の 体 を 頂く ぞ
おまえ||からだ||いただく|
I'll be taking your body.
よ よせ
C-cut it out.
さあ 寄越せ
|よこせ
やめ ん か
Cut it out!
止めろ って ん だ ろ
とどめろ||||
I told you to cut it out!
お前 本当 に 気 が 短い な
おまえ|ほんとう||き||みじかい|
に ゃん こ 先生
|||せんせい
Nyanko Sensei...
ほれ カルシウム だ 食え
|かるしうむ||くえ
Here, it's calcium, eat it.
要ら ない
いら|
I don't want it.
くそ 俺 と し た こと が
|おれ|||||
Dammit, for me to have messed up this badly... For a human, you're pretty good...
人間 の くせ に なかなか やる じゃ ねえ か
にんげん||||||||
よし 何が何でも その 体 を 頂 こ う
|なにがなんでも||からだ||いただ||
Alright! No matter what, I'll take that body!
何 な ん だ よ
なん||||
What's with you?
お 待ち なさい アカ ガネ
|まち||あか|
Wait, Akagane.
人 の 子 よ この 者 の 無礼 を お 許し ください
じん||こ|||もの||ぶれい|||ゆるし|
Human child, please forgive his insolence.
すべて 私 の ため に
|わたくし|||
Everything was done for my sake.
瓢箪 から 声 が
ひょうたん||こえ|
A voice from the gourd...
アサギ 喋る な 疲れ て しまう ぞ
|しゃべる||つかれ|||
Don't talk, Asagi, you'll wear yourself out.
私 は
わたくし|
I am...
眠って しまった よう だ
ねむって|||
It looks like she fell asleep.
アサギ 聞い た 名 だ
|ききい||な|
Asagi... I know the name.
高貴 な 者 達 が 集う 幻 の 里 磯 月 の 森 に
こうき||もの|さとる||つどう|まぼろし||さと|いそ|つき||しげる|
The nobles gathered at a mystical village.
アサギ と いう 美しい 蒼 琴 弾き が いる と 聞く が
|||うつくしい|あお|こと|はじき||||きく|
あの アサギ か
That Asagi, huh?
そう だ
Correct, but her body fell ill and she no longer was able to play the Koto. Thus, she was sent back to her hometown.
だが 体 を 病 ん で 琴 を 弾く こと も でき なく なり 里 へ 返さ れ た ん だ
|からだ||びょう|||こと||はじく||||||さと||かえさ||||
よく 笑う 奴 だった のに
|わらう|やつ||
She used to laugh a lot, but now... she's lost all of her former energy.
すっかり 元 気 が なく なった
|もと|き|||
だから 人 の 子 よ アサギ の ため に しばらく その 体 を
|じん||こ||||||||からだ|
Therefore, human child...
言う こと を 聞か ね ば その 耳 か 鼻 か を 食い千切って やる ぞ
いう|||きか||||みみ||はな|||くいちぎって||
If you don't do as I say, I'll eat your ears or your nose!
貸せ 寄越せ
かせ|よこせ
待て こら 低級 これ は 私 の だ
まて||ていきゅう|||わたくし||
Give it to me!
ああ 狸 に 噛ま れ た
|たぬき||かま||
何 だ と
なん||
笑う な 地蔵
わらう||じぞう
Jizō are stone statues of the Boddhisatva Ksitigarbha.
妖 に うかつ に 関わる と ろくな こと に は なら ない
よう||||かかわる|||||||
Nothing good comes out of carelessly getting involved with the supernatural.
まして や 体 を 貸す なんて
||からだ||かす|
Much less something like lending your body...
よく 笑う 奴 だった のに
|わらう|やつ||
She used to laugh a lot.
でも 少し 気の毒 な 気 が し た
|すこし|きのどく||き|||
ただいま
あ おはよう に ゃん こ 先生
|||||せんせい
Good morning, Master. You were up all night again?
また 朝 帰り か
|あさ|かえり|
夏目 その 髪
なつめ||かみ
瞳 の 色 も なんか 蒼 い
ひとみ||いろ|||あお|
My eyes are blue as well.
なんで こんな こと に
Why did this happen?
あれ 戻った
|もどった
Eh? It's back to normal...
気のせい だった の か
きのせい|||
Was it just my imagination?
お ー い おはよう 夏目
|-|||なつめ
あ はい おはよう ございます
お おはよう 北本
||きたもと
G-good morning, Kitamoto.
び びっくり し た 一瞬 人違い か と 思った
||||いっしゅん|ひとちがい|||おもった
Y-you surprised me there, I thought I had gotten the wrong person there for a second.
あっ は ごめん
Sorry about that.
なん な の この 二 人
||||ふた|じん
夏目 辞書 ありがとう
なつめ|じしょ|
Natsume. Thanks for lending me this dictionary.
助かった よ
たすかった|
It helped me out a lot.
夏目 落とし た ぞ
なつめ|おとし||
Natsume, you dropped it.
ありがとう 田沼
|たぬま
Thanks, Tanuma-
田沼
たぬま
...Tanuma?
あ いや 一瞬 夏目 が 女 の 人 に 見え た ん だ けど
||いっしゅん|なつめ||おんな||じん||みえ||||
Eh? Uh... for a moment, I thought you looked like a girl.
すま ん 気のせい だ
||きのせい|
Sorry, it must have been my imagination.
す すみません
E-excuse me!
で この 三 代 将軍 徳川 家 光 が
||みっ|だい|しょうぐん|とくがわ|いえ|ひかり|
北本 は ともかく
きたもと||
Kitamoto aside, if Tanuma felt something, that means... it couldn't be...
田沼 が 何 か を 感じる って こと は まさか
たぬま||なん|||かんじる||||
お前 何 か し た な
おまえ|なん||||
You did something, didn't you.
眠って る 間 に アサギ を お前 の 体 の 中 に 入れ させ て もらった
ねむって||あいだ||||おまえ||からだ||なか||いれ|さ せ||
While you were sleeping, I took the liberty of putting Asagi into your body.
うまい こと 同化 でき てる みたい だ な
||どうか|||||
It looks like you synchronized pretty well.
まあ しばらく 協力 願 お う
||きょうりょく|ねがい||
Well, just go along with it for now.
は あ 今朝 の 青い 髪 も 目 も 憑依 の 現れ だった の か
||けさ||あおい|かみ||め||ひょうい||あらわれ|||
申し訳 あり ませ ん
もうしわけ|||
I'm terribly sorry about this.
止める よう に 言った の です が
とどめる|||いった|||
I asked him to stop, but since I didn't have any way of stopping him... I'm really sorry...
制止 する 術 も なく 申し訳 ござい ませ ん
せいし||じゅつ|||もうしわけ|||
この 声 お前 が アサギ か
|こえ|おまえ|||
This voice... you're Asagi?
どう か あの 者 を 咎め ない で ください
|||もの||とがめ|||
Please don't get angry at him... The one at fault is me.
悪い の は 私 な の です
わるい|||わたくし|||
いい よ 謝ら なく て も
||あやまら|||
申し訳 あり ませ ん
もうしわけ|||
I'm terribly sorry...
体 から 出し て やる 方法
からだ||だし|||ほうほう
A way to get her out of your body?
ああ 頭 突き 以外 で な
|あたま|つき|いがい||
Yeah, but without head butting me.
ふん じゃ アサギ の 希望 を 叶える しか ない な
||||きぼう||かなえる|||
Hmph, then there's no other way besides granting her wish.
気持ち が 消化 さ れ れ ば 自然 と 体 から 剥がれ て いく だ ろ う
きもち||しょうか|||||しぜん||からだ||はがれ|||||
If her feelings are alleviated, she'll leave your body naturally.
うーん でも 希望 った って
||きぼう||
グタグタ 言って て も しょうがない だ ろ う
|いって||||||
Even if you complain about it, there's no helping it.
さっさと 済ませ て 帰る ぞ 人 の 子 よ
|すませ||かえる||じん||こ|
We just want to get it over and done with, and then go home.
お前 が 言う な
おまえ||いう|
You don't get to say that. Where did you pop out from? What is your name?
どこ から 湧 い た 名前 は 何 だ
||わ|||なまえ||なん|
人間 ごとき に 名乗る 名 は ない
にんげん|||なのる|な||
I don't have a name to give a human like you.
じゃあ お前 は 今 から 蛇の目 さん だ
|おまえ||いま||じゃのめ||
Janomegasa is a style of Japanese umbrella similar to what Akagane is carrying.
蛇の目 傘 の 蛇の目
じゃのめ|かさ||じゃのめ
じゃ 蛇の目 さん
|じゃのめ|
J-Janome!?
お 迎 い ご 苦労 さん
|むかい|||くろう|
Good job in coming to get us.
なんと
まあ 可愛い 名前
|かわいい|なまえ
What a cute name. Good for you, Janome.
よかった です ね 蛇の目 さん
|||じゃのめ|
アサギ お前 まで
|おまえ|
Asagi! Even you...
いい でしょ う 楽しい じゃ ない です か
|||たのしい||||
Why not? It's more fun this way.
アサギ
Asagi...
気持ち 悪い
きもち|わるい
今 体 を 乗っ取ら れ た
いま|からだ||のっとら||
Just now... my body was taken over...
あ つい うっかり 申し訳 あり ませ ん
|||もうしわけ|||
Ah, I couldn't help myself, I'm terribly sorry.
分かった 分かった
わかった|わかった
協力 する から 琴 が 弾け たら 離れる ん だ ろ う
きょうりょく|||こと||はじけ||はなれる||||
もちろん だ
Of course!
で 琴 を 作る ところ から
|こと||つくる||
And?
ああ 特別 な 琴 だ から な
|とくべつ||こと|||
Yeah.
額 に 白い 線 の ある 線引き って 言う 鯉 そっくり の 妖 が いる から
がく||しろい|せん|||せんびき||いう|こい|||よう|||
We're going to catch a spirit that looks just like a carp! He's got white lines on his forehead and is called Senbiki.
そい つ を 捕まえる
|||つかまえる
だから 何で 魚 を
|なんで|ぎょ|
Then, why are we looking for fish...?
何 つべこべ 言う な
なん||いう|
What!? Don't complain about every single thing!
なん だ その しけ た 面 は
|||||おもて|
What's with that sulky face?
俺 は やる ぜ ぇ
おれ||||
I'm going to catch it!
あー 疲れ た
|つかれ|
Ugh, so tired.
出 て 来い
だ||こい
Show yourself!
申し訳 あり ませ ん 夏目 様
もうしわけ||||なつめ|さま
あ いや
Don't worry about it. Asagi, how are you and Janome related?
アサギ と 蛇の目 さん は どう いう 関係 な ん だい
||じゃのめ|||||かんけい|||
付き合って る と か
つきあって|||
...are you going out or something?
まさか 蛇の目 さん は 傘 持ち だった の です
|じゃのめ|||かさ|もち|||
No, Janome was my umbrella-holder.
傘 持ち
かさ|もち
Umbrella-holder?
磯 月 の 森 に は
いそ|つき||しげる||
People with talent recognized by Lord Mibu were gathered within Isozuki's Forest.
森 を 治める 壬生 様 が 見初め た 才 の ある もの 達 が 集まって おり まし た
しげる||おさめる|みぶ|さま||みそめ||さい||||さとる||あつまって|||
そこ で 壬生 様 や それ ら の もの 達 に 傘 を さし かけ たり
||みぶ|さま||||||さとる||かさ||||
Janome's job was to provide everyone with umbrellas and act as their bodyguard.
用心棒 と し て 皆 を 守る の が 蛇の目 さん の お 役目 な の です
ようじんぼう||||みな||まもる|||じゃのめ||||やくめ|||
蛇の目 さん は とても 腕 が 立つ の です よ
じゃのめ||||うで||たつ|||
Janome is quite skilled.
磯 月 は 美しい ところ で し た 夢 の よう に
いそ|つき||うつくしい|||||ゆめ|||
Isozuki was a beautiful place, it was almost like a dream.
いつ まで も い たかった
I wanted to be there forever, I thought I would always live at the side of Lord Mibu.
ずっと 壬生 様 の お 傍 で 生き て いく の だ と 思って い た
|みぶ|さま|||そば||いき||||||おもって||
ずっと ずっと
Always... forever...
引け なく なった から って 追い出す なんて
ひけ|||||おいだす|
To expel you just because you couldn't play... what a miserly god.
ずいぶん 了 見 の 狭い 神様 じゃ ない か
|さとる|み||せまい|かみさま|||
いいえ 夏目 様
|なつめ|さま
No, Master Natsume, Lord Mibu took me in when I had no place to go.
居場所 も 持た なかった 私 を 壬生 様 は 拾って くださった の です
いばしょ||もた||わたくし||みぶ|さま||ひろって|||
役 に 立て なく なった こと に 耐え られ ず 飛び出し た の は 私 の 方
やく||たて|||||たえ|||とびだし||||わたくし||かた
Since I could no longer be of any use to him, I left of my own accord.
い た ぞ 線引き だ
|||せんびき|
He's here! It's Senbiki! I caught him!
捕った ぞ
とった|
ほら 見ろ この 糸 を 弦 に 使う ん だ
|みろ||いと||げん||つかう||
Look! This is what we'll use for the strings!
じゃあ 材料 集 め は これ で 終わり
|ざいりょう|しゅう|||||おわり
Then, are we done with the material gathering-
いや 次 は 胴 だ
|つぎ||どう|
No, next is the body.
切り株 を 探す ぞ
きりかぶ||さがす|
We're going to look for a stump! But no ordinary stump! It has to have a bamboo shoot just starting to grow out of it!
それ も 頭 が 出 た ばかり の 竹 の 子 に がん がん 貫か れ てる もの だ
||あたま||だ||||たけ||こ||||つらぬか||||
もう 少し もう 少し で 弾か せ て やる
|すこし||すこし||はじか|||
Just a little more... a little more and you'll be able to play.
蛇の目 さん は 本当 に アサギ の こと が
じゃのめ|||ほんとう|||||
Janome really... for Asagi...
まあ どう し た の そんなに 濡れ ちゃ って
||||||ぬれ||
Oh my, what did you do to get that drenched?
ああ いえ
Oh, um...
あ タオル タオル
|たおる|たおる
I'll get a towel.
や だ 貴志 君 が 風邪 引 い ちゃ う
||きし|きみ||かぜ|ひ|||
Oh no, Takashi will catch a cold like this.
本当 大丈夫 です から
ほんとう|だいじょうぶ||
I'm really fine, don't worry.
ほら ほら はい よく 拭い て
||||ぬぐい|
Let's get you dry.
肌 も 本当 に びっしょり よ
はだ||ほんとう|||
Your hair is really wet.
いつ まで も い たかった ずっと
I wanted to be there forever...
さあ お 風呂 に 入って らっしゃい ねえ
||ふろ||はいって||
Hurry and get in the bath. I just drew the water, so get in quickly.
ちょうど 沸 い た ばかり だ から 早く 入り なさい ね
|わ||||||はやく|はいり||
俺 は いつ まで ここ に い られる ん だ ろ う
おれ|||||||||||
I wonder how long I can stay here.
今 の は 夢
いま|||ゆめ
Just now... a dream?
いや アサギ の
No, Asagi's...
蛇の目 さん
じゃのめ|
Janome.
起こし た か 夏目
おこし|||なつめ
Did I wake you up, Natsume?
でも アサギ は 眠って る ぞ
|||ねむって||
Asagi's asleep, if you want to talk-
話し たい なら
はなし||
アサギ の 指 で は もう 琴 は 弾け ない
||ゆび||||こと||はじけ|
Asagi's fingers can no longer play the Koto.
体 が 乾 い た 土 の よう に 崩れ て いく 病気 だ
からだ||いぬい|||つち||||くずれ|||びょうき|
The sickness caused her body to dry up and crumble like dust.
もう 戻 れ ない
|もど||
She can't be restored.
だが ほか の 器 に 移って る 間 は 進行 が 遅く なる
|||うつわ||うつって||あいだ||しんこう||おそく|
However, if she transfers into another body, the process will slow.
感謝 し て いる 夏目
かんしゃ||||なつめ
I'm thankful to you, Natsume. I haven't seen her smile since the time she played before Lord Mibu.
あいつ が 笑って いる の を 見 た の は 壬生 様 の 御前 で
||わらって||||み||||みぶ|さま||おまえ|
I'm thankful to you, Natsume. I haven't seen her smile since the time she played before Lord Mibu.
幸せ そう に 楽 を 奏で て い た の が 最後 だった
しあわせ|||がく||かなで||||||さいご|
The last time was during the last performance she played.
その 演奏 中
|えんそう|なか
突然 肌 が 崩れ 始め た
とつぜん|はだ||くずれ|はじめ|
Suddenly, her skin began to crumble away. Her long, white fingers, and her shining cheek.
白く のびる 指 も 光る 頬 も
しろく||ゆび||ひかる|ほお|
憧れ て やま ない 壬生 様 の 前 で
あこがれ||||みぶ|さま||ぜん|
All in front of Lord Mibu, whom she eternally looked up to.
明日 は 満月 磯 月 へ の 道 が 一 時 だけ 開く
あした||まんげつ|いそ|つき|||どう||ひと|じ||あく
Tomorrow is the full moon. The path into Isozuki's forest will open just once.
最後 に もう 一 度 だけ でも 壬生 様 の 前 で 弾か せ て やり たい
さいご|||ひと|たび|||みぶ|さま||ぜん||はじか||||
I want to let her play before Lord Mibu just one more time.
それ まで どう か お 力 を 夏目 殿
|||||ちから||なつめ|しんがり
Until then... please lend her your power, Lord Natsume.
蛇の目 さん は どう し て
じゃのめ|||||
Why do you do it, Janome? Why do you go this far?
どう し て そんなに も
俺 は
おれ|
こんにち は アカ ガネ
||あか|
How do you do, Akagane?
俺 は ただ の 傘 持ち さ
おれ||||かさ|もち|
I... I'm just an umbrella-holder.
くそ なかなか ない もん だ なあ
Damn, it's hard to find one...
ぜ 全然 見つから ない ぞ
|ぜんぜん|みつから||
Where are you? Show yourself!
どこ だ 切り株
||きりかぶ
本当 に ある の か ここ に
ほんとう||||||
Is such a thing really around here?
何 か お 探 しか
なん|||さが|
Are you looking for something?
竹 の 生え た 切り株 を
たけ||はえ||きりかぶ|
Bamboo sprouting from a tree stump.
それ なら ほれ その 藪 の 中 を
||||やぶ||なか|
If that's all, there's some behind those bushes right there.
あ 本当 だ あった
|ほんとう||
Ah, there really is.
え 今 俺 何と 会話 を
|いま|おれ|なんと|かいわ|
Just then... I talked to something...?
教え て やった ぞ 教え て やった ぞ
おしえ||||おしえ|||
I told you. I told you. In return, I'll take your intestines!
代わり に お前 の 腸 を もら お う
かわり||おまえ||ちょう||||
しまった 変 な 妖怪 と 口 を きい て しまった か
|へん||ようかい||くち|||||
Dammit, I accidentally talked to some strange spirit.
おい 夏目
|なつめ
Hey, Natsume, are you searching properly?
ちゃんと 探し てる か
|さがし||
でか した ぞ 夏目 これ だ
|||なつめ||
You did it, Natsume! Alright, let's pull it out immediately!
よ ー し 早速 削り だす ぞ
|-||さっそく|けずり||
気分 が 悪く なって き た
きぶん||わるく|||
I'm starting to feel sick... Is this feverish sluggishness hers?
この ざら っと し た 熱っぽい だる さ は アサギ の か
|||||ねつっぽい||||||
こんなに 弱って 演奏 なんか し たら アサギ の 命 が
|よわって|えんそう||||||いのち|
If she's this weakened, putting on a performance could mean the end for her...
大丈夫 です か 申し訳 あり ませ ん
だいじょうぶ|||もうしわけ|||
Are you okay? I'm sorry, it's all my fault.
わたし の せい で
そう いえ ば 確認 し て なかった けど
|||かくにん||||
I never asked you before, but...
はい
Yes?
アサギ も 琴 を 弾き たい の か
||こと||はじき|||
Do you want to play the Koto?
もし もう 一 度
||ひと|たび
If... If such an opportunity ever appeared before me... I...
もう 一 度 その 機会 が ある の で あれ ば 私 は
|ひと|たび||きかい|||||||わたくし|
俺 は 器用 じゃ ない し 指 も 硬く て うまく 弾け ない かも しれ ない よ
おれ||きよう||||ゆび||かたく|||はじけ|||||
I'm not skilled at all. You might not be able to play well at all with my stiff fingers. Even still, is that okay with you?
それ でも いい の かい
アサギ 知って る かい
|しって||
Asagi, did you know? Akagane has always... always... about you...
アカ ガネ は ずっと ずっと 君 の こと が
あか|||||きみ|||
でき た 夏目 起きろ
||なつめ|おきろ
Natsume! It's done! Wake up!
よかった
Thank goodness, we can still make it. Let's hurry!
まだ 間に合う 行く ぞ
|まにあう|いく|
アカ ガネ どう し た ん です
あか||||||
Akagane, what's the matter? What's going on?
一体 何 の
いったい|なん|
アサギ 今 なら まだ 磯 月 の 森 へ の 道 が 開 い てる
|いま|||いそ|つき||しげる|||どう||ひらき||
Asagi, we can still make it. The path into Isozuki is still open. Go and show Lord Mibu-
行って おいで
おこなって|
そして 壬生 様 に
|みぶ|さま|
見つけ た ぞ
みつけ||
I've found you!
約束 だ 腸 を もらい に 来 た
やくそく||ちょう||||らい|
It was a promise, I've come to take your intestines!
あの 時 の
|じ|
From back then-
あ アカ ガネ
|あか|
しまった
Shit!
あ 琴 が
|こと|
The Koto... Asagi's... Janome's... important thing!
アサギ の 蛇の目 さん の 大切 な
||じゃのめ|||たいせつ|
夏目
なつめ
Natsume!
夏目 夏目
なつめ|なつめ
Natsume... Natsume!
大丈夫 か
だいじょうぶ|
Are you okay?
あいつ は 追い払った
||おいはらった
I drove that guy off.
琴 は
こと|
What about the Koto?
無事 だ お前 が 守って くれ た
ぶじ||おまえ||まもって||
It's safe. You protected it.
そう か よかった
I see, that's great.
立 て そう か 急げ ば まだ なんとか 間に合う
た||||いそげ||||まにあう
Can you stand? If we hurry, we'll be able to make it somehow. If you can't, then I'll carry you.
無理 なら 俺 が 抱え て いく
むり||おれ||かかえ||
蛇の目 さん こそ そんな 怪我 で
じゃのめ||||けが|
You too, Janome, with those wounds...
行 こ う 夏目
ぎょう|||なつめ
Let's go, Natsume!
行 こ う
ぎょう||
Let's go!
叶う なら もう 一 度 だけ でも 弾き たい と 思った
かなう|||ひと|たび|||はじき|||おもった
If it could be granted... I wished that I could play just once more.
ずっと ずっと あの 方 の ため に だけ 弾 い て 来 た
|||かた|||||たま|||らい|
For so long... for so long, I played for the sake of that person.
だから もし もう 一 度 弾く こと が 叶う の なら
|||ひと|たび|はじく|||かなう||
That's why...
優しく て 大切 な 友人 の ため
やさしく||たいせつ||ゆうじん||
あなた の ため に 弾き たい と 思って い た
||||はじき|||おもって||
アカ ガネ 聞い て くれ ます か
あか||ききい||||
Akagane, will you listen?
遠く で 音楽 が 聞こえ た
とおく||おんがく||きこえ|
From far away, I could hear music. A beautiful kind of sound that I had never heard before.
それ でも その 音 は
|||おと|
But still, that sound... from my fingers... vibrated in the air.
僕 の 指 から
ぼく||ゆび|
空気 を 揺らし て
くうき||ゆらし|
まるで 空 へ 落ちる よう に アサギ は 僕 から 剥がれ て いった
|から||おちる|||||ぼく||はがれ||
As if she fell into the sky, Asagi left me.
世話 に なった な
せわ|||
I've caused you a lot of trouble.
これ から どう する ん だ
What are you going to do from now on?
アサギ を 連れ て 里 へ 帰る
||つれ||さと||かえる
I'll take Asagi back to her hometown.
そう か
I see.
深く 深く 眠った だけ だ よ
ふかく|ふかく|ねむった|||
She's just in a deep, deep sleep.
うん また な アサギ
Yeah... See you later, Asagi.
また な 蛇の目 さん
||じゃのめ|
また な 夏目
||なつめ
どこ 行って た ん だ よ 先生 人 が 大変 な 時 に
|おこなって|||||せんせい|じん||たいへん||じ|
Where did you go off to, Master? When we were having trouble...
気 が 済 ん だ か お人好し め
き||す||||おひとよし|
Are you satisfied now, you big softie? I'm hungry, go buy me some sweet buns.
腹 が 減った ぞ 饅頭 買って くれ
はら||へった||まんじゅう|かって|
まだ 七 辻 屋 は 開 い て ない ぞ
|なな|つじ|や||ひらき||||
Nanatsujiya isn't open yet.
な なん だ と
W-what!?
に ゃん こ 先生 は ずっと い たい と 思える 場所 って あった か
|||せんせい||||||おもえる|ばしょ|||
Nyanko Sensei, is there a place that you've ever thought you'd like to be forever?
ふん そんな もの 私 に は 一生 必要な い さ
|||わたくし|||いっしょう|ひつような||
俺 も ね 先生
おれ|||せんせい
I used to think that way all of the time, Master.
ずっと そう 思って いた ん だ けど なあ
||おもって|||||
な バカ 抱きしめる な
|ばか|だきしめる|
Fool! Don't hug me! Let me go! Lemme go!
放せ 放 せ ん か
はなせ|はな|||
残さ れ て い た 琴 を 弾 い て み た けれど
のこさ|||||こと||たま|||||
I tried playing the Koto that they left behind, but I couldn't manage to get that beautiful sound out of it.
もう あんな 美しい 音 は 出 なかった
||うつくしい|おと||だ|
あの 音 は 俺 の 指 で は なく 彼女 の 心 が 奏で た の だ ろ う
|おと||おれ||ゆび||||かのじょ||こころ||かなで|||||
That sound didn't come from my fingers, but from her heart.
朝 ご飯 よ
あさ|ごはん|
It's time for breakfast!
は ー い
|-|
Okay!
色づく 西 空 に
いろづく|にし|から|
色づく 西空に
差し込む 一筋 の 陽
さしこむ|ひとすじ||よう
差し込む 一筋の 陽
夕立 の 雨上がり に
ゆうだち||あめあがり|
After the shower of rain,
気付く 夏 の 匂い
きづく|なつ||におい
ひしめく 光 が 照らす
|ひかり||てらす
ひしめく 光が 照らす
想い に 耳 を 澄ま せ ば
おもい||みみ||すま||
思いに 耳を 澄ませば
聴 こえ し 友 の 面影
き|||とも||おもかげ
聞こえし 友の 面影
夏 夕 空 薫り 立つ
なつ|ゆう|から|かおり|たつ
鮮やか な 過ぎ去り し 日々
あざやか||すぎさり||ひび
鮮やかな 過ぎ去りし 日々
心 の まま 笑い あった
こころ|||わらい|
心の まま
あの 夏 の 思い出 よ
|なつ||おもいで|
あの夏の 思い出よ
あ 先生 なんて こと を
|せんせい|||
Sensei, what have you done!?
私 が そんな こと を する もの か
わたくし|||||||
Do you think I'd do something like that?
とぼける な 出て 行け
||でて|いけ
Don't play dumb with me, get out!
ああ 出て 行って やる わ い 夏目 の バーカ
|でて|おこなって||||なつめ||
Oh I'll get out alright, Natsume is an idiot!
そして 私 は 穴 に 落ち た
|わたくし||あな||おち|
わ あ 白い 小 豚 が 降って き た
||しろい|しょう|ぶた||ふって||
Ah! A white piggy fell from the sky!