Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 21
( み くる ) あたし は 何 を したら ?
( ハルヒ ) ああ み くる ちゃん は いい の よ
えっ ?
( ハルヒ ) 帰っちゃ って いい わ よ 今日 は もう 用 済み だ から
ああ …
( キョン ) どうやら 本日 の ハルヒ 的 活動 は これ で 打ち止め らしい
敏腕 ネゴシエーター でも 左側 に 寄り そうな 手腕 で
これ だけ の 物 を 入手
しかも かかった 費用 は 無料 つまり タダ だ
昔 の 人 は よく 言った もの だ “ タダ より 怖い もの は ない ”
問題 は ハルヒ が それ を 全然 怖がって い ない こと だった
と いう か こいつ の 怖がり そうな もの が あったら
ぜひ 俺 まで ご 連絡 いただき たい
♪~
~♪
( 谷口 ( たに ぐち )) なんだ よ そりゃ ? よい 子 たち へ の プレゼント か ?
( キョン ) んな わきゃ ないだ ろ こんな もん
( 谷口 ) お っ へえ ~ モデルガン か お前 こんな 趣味 あった っけ ?
俺 じゃ ない ハルヒ の 趣味 だ
ふ ~ ん 涼 宮 ( すずみ や ) ね
まっ 大変だ よ な お前 も
は あ ?
( 谷口 ) そう いえば よ
うん ? なんだ ?
いや もう すぐ 文化 祭 じゃ ねえ か
お前 ら 今度 は 何 やって くれ ん だ よ ?
なぜ 俺 に 聞く ?
涼 宮 に 聞いて まともな 答え が 返って くる と は 思え ん
長門 ( な が と ) は 聞いて も 何も 言わ ねえ し
朝比奈 ( あさひ な ) さん は 近寄り がたい し
もう 一 人 の 男 は なんだか 気持ち 悪い
だから お前 に 聞いて ん の さ
( キョン ) 俺 は 渉外 担当 か 単なる お人よしな の か ?
少なくとも 後者 で は ある だ ろ
えっ ?
( 谷口 ) お前 って そっち に 歩いて け ば 崖 に なる と 分かって ん のに
一緒に なって 歩いて いる ような
つきあい の よ すぎる ヤツ に 見える けど な
心外だ 知って て も もう お前 に は 教え ん
おい !
( キョン ) ハルヒ 的 獣 道 の 行き着く 先 に
ろく で も ない もの が 待ち受けて いる のだろう な と は
そりゃ 俺 だって 分かって いる
だが 一緒に 歩いて いる の は ハルヒ と 俺 だけ じゃ なく
分かって いる だけ で 他 に 最低 3 人 は いる のだ
その うち 2 人 は 放っておいて も 大丈夫だろう が
朝比奈 さん が 危なっかしい
未来 人 と も 思え ない くらい
自分 の 身 に 起こる 何 か を 全然 予測 できて い ない のだ
“ 俺 が 守って やら に ゃ ” と 思う の も 当然 と いう もの だ
うん
( チャイム )
( み くる ) うわ ~! ( キョン ) お っ ?
( ハルヒ ) ほら 早く 脱ぐ の ! 手伝って あげる から !
( み くる ) そんな 引っ張ったら … ひ ゃあ !
( ハルヒ ) ほら ! ( み くる ) うわ ~!
( キョン ) は あ ~ ( 物音 )
( ノック ) ( ハルヒ ) どうぞ !
うわ っ !
( み くる ) えっ う っ … ( ハルヒ ) どう ?
( キョン ) どうも 何も 異様に 似合って ま ~ す カエアン 製 か と 思い ました ね
( 古泉 ( こい ずみ )) や あ どうも おや 失礼
おお これ は よく お 似合い です よ
( キョン ) そんな もん 見りゃ 分かる !
分から ない の は なんで 喫茶 店 で も ない のに
ウエートレス が この 部室 に いる かって こと だ
( ハルヒ ) それ はね み くる ちゃん に は
この コスチューム で 映画 に 出て もらう から よ !
は あ ?
いつも の メイド 服 じゃ 不都合な の か ?
もちよ メイド って の は ど っか の 屋敷 に いて
個人 的 奉仕 活動 を する の が 仕事 よ
ウエートレス は 違う わ
ど っか の 店 で 不 特定 多数 に サービス する の が 目的 な の !
どのみち 朝比奈 さん は
そんな こと する ため に それ を 着て る わけじゃ ない だろう が
細かい こと は 気 に し ないで いい の こういう の は 気分 の 問題 な の ね
あたし は 気分 いい わ !
( キョン ) お前 は よくて も 朝比奈 さん は どう な んだ よ !
( み くる ) あの …
こ っ これ あたし に は ちょっと 小さい ような
だっ だ から あの …
大丈夫 ! これ ぐらい が ちょうど いい の よ !
ジャストフィット って 感じ だ わ !
( キョン ) ダメだ 一 刀 両 断 だ
つまり 今回 の 映画 の コンセプト が これ な の よ !
あたし は SOS 団 代表 監督 と して 娯楽 に 徹する こと に 決めた の !
見て なさい ! 観客 を 残ら ず
スタンディングオベーション さ せて み せる から ね !
( キョン ) ああ … ( ドア が 開く 音 )
うん ? うわ っ !
えっ ええ ?
有希 ( ゆき )! あなた も 分かって きた じゃ ない !
そう ! それ よ !
( キョン ) 何 が “ それ ” な の か 分から ない が
どうやら クラス が する 占い 大会 の 衣装 らしい
ハルヒ の 矢継ぎ早の 質問 に 答えた 長門 の 単語 を つなげて いく と
そういう 答え に なった
それにしても そんな 格好で 教室 から ここ まで 歩いて くる と は
どういう つもり だ ?
あたし の 考えて いた 配役 に ピッタリ の 衣装 だ わ
“ ピッタリ ” って どういう こった ?
お っ ?
( ハルヒ ) これ よ !
うん ?
( キョン ) お っ … ああ … これ は つまり
俺 の せい か ?
アハハ … これ は なんと いい ます か さすが と 言う べきでしょう ね
本当に 涼 宮 さん らしい 配役 です
すばらしい で すね
( キョン ) 俺 に ほほえみ かける な 石 に なる
( キョン ) あっ ( み くる ) う う …
( キョン ) ああ すいません
じゃあ キョン 例 の 銃 今日 中 に 使える ように し と いて
あした が クランクイン なんだ から ね
それ から カメラ の 取り扱い 方 も 覚えて おか なきゃ ダメ よ !
( 古泉 ) 取り立てて 問題 は ない でしょう
あいつ の 行動 で 問題 で ない こと が あった か ?
俺 は もう ひと つ 笑え ない ぜ
まあ 笑う こと も ない でしょう が 悲観 する こと で も あり ませ ん
どうして 分かる んだ ?
なぜなら たかが 映画 の 配役 だ から です
涼 宮 さん は 本気で 僕 が 超 能力 少年 だ と
思って いる わけで は あり ませ ん
あくまで 映画 と いう フィクション 内 で
僕 が 演じる 古泉 一樹 ( いつき ) なる 少年 が
超 能力 者 だ と 設定 して いる だけ です から ね
誰 だって 映画 の 中 の 登場 人物 と
演じて いる 俳優 を 混同 したり は し ない でしょ ?
もし いる んだ と して も
それ は 涼 宮 さん に は 当てはまり ませ ん
なんだか あんまり 安心 でき ない な
お前 の 言う こと が 正しい と いう 保証 は ない
( 古泉 ) もし 彼女 が 現実 と フィクション を ご っちゃ に して いる 人 だ と したら
この世 は とっくに
ファンタジック な 世界 に なって いる でしょう
前 に も 言い ました が 涼 宮 さん は あれ でも
現実 的な 思考 の 持ち主 な のです
( キョン ) それ は 分かる ハルヒ の 現実 的 思考 なる もの が
中途半端に 神 が かって いる せい で
俺 は けった いな 事件 の 数々 に 巻き込ま れて いる のだ から な
しかも ハルヒ が 全然 無自覚 の うち に だ
( モデルガン を 撃つ 音 )
涼 宮 さん に 証拠 を 見せつける わけに も いきま せ ん から ね
もしかすると
そんな 事態 に なら ざる を え ない 時 が 来る の かも しれ ませ ん
でも それ は 今では ない
幸いな こと に 朝比奈 さん や 長門 さん の 勢力 も 同 意見 な ようです
僕 は 永遠に このまま で いい と 思い ます けど ね
俺 だって そう さ
世界 が しっちゃ かめ っちゃ か に なる の は 見 たく ない
お っ
世界 を 心配 する より
あなた は 自分 の こと を もっと 注意 して みる べきです ね
僕 や 長門 さん の 代わり は 他 に も いる かも しれ ませ ん が
あなた の アンダースタディー は いま せ ん ので
( 吹奏 楽 の 練習 の 音 )
チェッ 何 が 文化 祭 だ 腹立たしい
( 国 木田 ( くに き だ )) なんで ?
俺 が 全然 楽しく も ない のに
楽し そうに して る ヤツ ら が めちゃめちゃ 目障りだ
特に 男女 2 人 組 なんか 殺意 の 波動 に 目覚める ぜ
( キョン ) そりゃ 逆恨み と いう やつ だ ろ
( 谷口 ) 大体 この クラス も なんだ ? アンケート ?
フンッ つまら ん !
だったら お前 が 名案 を 提案 すれば よかった じゃ ねえ か
( キョン ) そし たら ハルヒ も 映画 が どう と か
言いださ なかった の かも しれ ない のに
言う か よ
仕切り を やらさ れちゃ かなわ ねえ だ ろ
( 国 木田 ) そうだ ね こんな 時 に 朝倉 ( あさく ら ) さん が いて くれれば な
( 谷口 ) 惜しい こと した よ な
より に よって AA ランク プラス が い なく な っち まう なんて
今 から クラス 替え して くん ねえ かな
どこ の クラス が いい ? 長門 さん の クラス と か ?
あっ そう いや 昨日
魔法使い みたいな 格好で 歩いて た よ ね
あれ な んな の ?
さあ な 俺 も 知ら ん
( 谷口 ) そうい や いつ だ っけ
お前 と 長門 が 教室 で 絡み合って た の は よ
いっ いや あれ は …
分かって る よ どうせ あれ だ ろ ?
涼 宮 の シナリオ だ ろ ?
えっ あっ ああ …
( キョン ) 勝手に 勘違い して くれて 俺 は 肩 の 荷 が 下りた 気分 だ
あり が とうよ 谷口 お前 の アホ は 世界 を 救える
( 谷口 ) それにしても つま ん ねえ な
( ハルヒ ) さあ みんな ロケ に 行く わ よ !
いきなり だ な
学校 で いい ところ を 探した んだ けど
や っぱ 近場 で 済まそう と して も ダメ ね
( ハルヒ ) み くるちゃ ん 準備 して ( み くる ) えっ ?
あ … あたし も 行く んです か ?
( ハルヒ ) 当然でしょ ? 主役 が い ない と 話 に なら ない もの
で っ でも この 格好で です か ?
( ハルヒ ) うん そう !
う っ う っ … せめて 上 から 羽織る 物 を …
( ハルヒ ) ダメ よ !
恥ずかしい と 思う から 変な てれ が 出る の よ !
そんな ん じゃ ゴールデングローブ 賞 は
狙え ない わ よ !
( キョン ) 狙う の は 文化 祭 ベストイベント 投票 ナンバーワン で は なかった の か ?
( ハルヒ ) あっ それ と 有希 !
はい これ 持って !
有希 の 役どころ は 悪い 宇宙 人 の 魔法使い に 変更 する わ
( キョン ) 早速 脚本 ねじ曲げ や がった
… が 長門 が 魔法 みたいな 力 を 持って いる の は 確かだ
( ハルヒ ) ほら キョン ! カメラ 用意 して
さあ 出かけ ましょう ! みんな で ね !
( キョン ) どうやら この 女 本気 らしい
チャンチャ ~ ン チャカチャカ チャンチャンチャカチャカ ♪
チャンチャンチャカチャカ チャチャチャチャ … チャン ♪
( キョン ) おい ハルヒ ( ハルヒ ) うん ?
お前 ひょっとして この 2 人 を
この 格好で 電車 に 乗せる つもりな の か ?
( ハルヒ ) ん ?
( ハルヒ ) 何 か 問題 ある の ? ( キョン ) 大 あり だろう が !
どうして ? 素 っ 裸 なら 捕まる かも しれ ない けど
ちゃんと 服 着 てる じゃ ん
( キョン ) な っ !
あっ 何 ? バニーガール の ほう が よかった ?
なら 先 に 言い なさい よ
( キョン ) わざわざ ウエートレス の 衣装 を 持ってきた ヤツ の
言う セリフ じゃ ないだ ろ !
つうか 今回 の コンセプト は これ って 言って なかった か ?
一 番 大事な の は 臨機応変 に 対応 する こと な の
地球 の 生き物 は そう やって 進化 して きた んだ から ね
ぼんやり して いたら 淘汰 ( とうた ) さ れる だけ な の よ
( キョン ) 環境 に 意思 が ある なら 真っ先 に ハルヒ を
大気 圏 の 外 に 放り出し そうだ が …
( ハルヒ ) あっ 電車 が 来た わ !
ほら み くる ちゃん キリキリ 歩いて !
( み くる ) うえ ~ ん
( ハルヒ ) 約束 どおり 来 ました !
( 大森 ( おおもり )) はい ああ ご 苦労 さん
おお おととい の 子 見違えた ね
アハッ !
( 大森 ) じゃあ よろしく 頼む よ
了解 了解 !
はい みんな
これ から 打ち合わせ を する から 集合 !
これ から CM 撮り を し ます !
( 古泉 ・ キョン ・ み くる ) はい ?
( み くる ) こ っ こ っ ここ の お 店 は
店長 が とても 親切で ~ す
それ に ナイスガイ で ~ す
え ~ っと 今 の 店主 の 栄二 郎 ( えいじ ろう ) さん の
お じいさん の 代 から やって いま ~ す
乾電池 から 冷蔵 庫 まで なんでも そろ いま ~ す
え ~ っと あと は
とにかく 大森 電器 店 を よろしく お 願い しま ~ す
は ~ い カット
どうも 感じ が 出 ない わ ね
いまいち 伝わって こ ない の は なぜ かしら ?
( 子供 ) ママ ~ あれ 何 ?
( 母親 ) シッ 見ちゃ ダメ よ
分かった わ !
( キョン ) 頼む から お前 は もう 何も 分かる な !
電器 屋 さん に ウエートレス が いる の が 引っかかる の よ !
( キョン ) そこ かよ !
古泉 君 そっち の 小さい 袋 貸して !
( 古泉 ) はい
( キョン ) “ 映画 の 途中 に CM 入れて あげる から ”
“ ビデオ カメラ ちょうだい ”
“ いい です と も ”
おととい の ハルヒ と 店長 の 対話 を 5 秒 に まとめる と
こんな もん だろう
( ハルヒ ) み くるちゃ ん ちょっと !
やれやれ この 分 で は 僕 の 出番 は な さ そうです ね
( キョン ) うん ?
実は クラス の 舞台 劇 でも
僕 は 役者 を やる こと に なって しまい まして
セリフ 覚え に 四苦八苦 して いる のです よ
そうかい
こちら で は できる だけ セリフ の 少ない 役 が いい のです が
どう です ? あなた が 主演 を して みて は
キャスティング 権 を 握って いる の は ハルヒ だ
そういう 注文 は ヤツ に つけて くれ
そんな 恐れ多い こと が 僕 に できる と 思い ます か ?
何しろ 涼 宮 さん の 命令 です し
背いた 後 に どんな こと が 待って いる か なんて
想像 したく も あり ませ ん
俺 だって し たく ない
だから こう やって
カメラマン なんか やって る んじゃ ない か
( ハルヒ ) お 待た せ ! ( キョン ) おわ っ !
( キョン ) う お ~!
懐かし の 朝比奈 み くる コスプレ 第 1 段
完全無欠の バニーガール
ああ … もう あれ は 半年 前 の 出来事 だった んだ な
思えば いろいろ あった もん だ 今 と なって は よい 思い出
( シャッター 音 ) ( キョン ) んな わけ ねえ だ ろ !
( ハルヒ ) うん これ で バッチリ !
やっぱり 商品 の 紹介 に は バニー よ ね
さあ 最初 から やり 直し ! キョン も カメラ 用意 して !
じゃあ テイク 2( ツー )!
( キョン ) かくして 電器 店 CM が 終了 した
しかし ここ で 俺 たち が 訪れた スポンサー と やら は
もう 一 件 あった こと を 思い出さ ねば なら ない
( ハルヒ ) は ~ い じゃあ み くるちゃ ん
さっき の 感じ で 頼む わ よ あれ で 問題 ない から
( キョン ) 問題 だらけ だ ろ !
よ ~ い アクション !
こ っ この 模型 屋 さん は 山 土 ( やま つち ) 啓 治 ( けいじ ) さん 28 歳 が
去年 脱サラ して 開店 オープン した んだ そうで ~ す
えっ 趣味 が 高じた ばっかりに やっちゃ った って 感じ で ~ す
あ … 案の定 売り上げ は 思う ように 伸び ず
えっ と 今 年度 前期 は 昨年 対比 で
伸長 率 80% な ので
皆さん どんどん 買い に 来て あげて くださ ~ い !
ふう ~
えっ 持つ んです か ?
う っ
ひ … 人 に 向けて 撃って は いけ ませ ~ ん !
空き缶 でも 撃って 我慢 し ま しょ ~ う !
えっ 撃つ の ?
( モデルガン の 連 射 音 ) ( み くる ) ひえ ~!
はい カット !
( ハルヒ ) 今日 の 撮影 は まあまあだった わ ね
あした から いよいよ 本 編 に 入る わ よ
すでに CM だけ で 15 分 以上 費やして る じゃ ねえ か
本 編 は どの くらい に なる んだ よ
とりあえず 撮れる だけ 撮って 後 で 編集 すれば いい の よ
今 じゃ パソコン で ちょ ちょ いのち ょい だ から !
( キョン ) その “ ちょ ちょ いのち ょい ” を 誰 が する んだ ?
俺 の 役職 の ところ に “ 編集 ” って 書いて あった ような 気 も する が …
あした は 土曜日 で 休み だ から 朝 から 全員 集合 ね
北口 駅前 に 9 時 に は 来て る こと !
なあ ハルヒ 朝比奈 さん の 格好
もう ちょっと なんとか なら ない の か ?
もっと こう 戦う んであれば 戦い そうな 衣装 が ある だろう が
プラグ スーツ と か ステルス 迷彩 と か
チッ チッ
そんな ん で 戦って も 意外 性 が ない じゃ ない
ウエートレス が 戦う から
“ おお っ ” と 思わ せる こと が できる の よ
つかみ が 肝心な の よ コンセプト よ コンセプト !
( キョン ) その “ コンセプト ” と やら の 意味 が 分かって 言って る んだろう か
まあ それ は いい けど さ
なんで わざわざ 未来 から 来た こと に する んだ ?
( み くる ) あっ … ( キョン ) お っ あっ いや その …
えっ と 別に 未来 人 じゃ なくて も いい じゃ ねえ か
( ハルヒ ) 大丈夫 そんな もん ツッコ ま れた 時 に 考えれば いい の よ
考えて も 思いつか なきゃ 無視 し ときゃ いい の
面白ければ なん だって オーケー よ
う う …
それ は 面白かった 場合 だけ だろう が !
監督 だけ 面白がった って しかたない だ ろ
ゴールデンラズベリー 賞 素人 部門 でも 狙って る の か ?
何 それ ? 狙う の は 1 つ よ
文化 祭 ベストイベント 投票 ナンバーワン よ
それ に できたら ゴールデングローブ 賞 も
じゃあ とりあえず 脚本 見せろ どう なって んだ ?
う っ !
大丈夫 全部 こん 中 に ある から
脚本 も 絵 コンテ も バッチリ どんどん よ !
あんた は なんにも 考え なくて いい わ
随分な 言い 方 だ な
( キョン ) お前 こそ 何も 考え ず に 窓 の 外 を 眺めて りゃ いい んだ
マシ な 表情 さえ して れば
その 様子 だけ で 朝比奈 さん と チェンジ できる ぜ
うん ? 何 ?
何も
じゃあ みんな 気合い 入れて いく わ よ !
栄光 を 勝ち取る に は まず 精神 論 よ !
心 の タガ が 外れた 時
自分 でも 知ら なかった 潜在 能力 が 覚醒 して
思わぬ パワー を 生み出す わけ よ !
( キョン ) バトル 漫画 の 逆 ギレ 合戦 展開 じゃ ある まい し
( 子供 ) あっ 風船 ~!
( キョン ) 明けて 翌日 この 日 から 俺 たち は
またまた けった いな 事態 に 陥る こと に なる のだ が …
いや まったく なんと言う べき か な
ハルヒ は なんて 言って た っけ ?
“ 心 の タガ が 外れた 時 ”
“ 潜在 能力 が 覚醒 して 思わぬ パワー を 生み出す ”
… と か だった か ?
でも な ハルヒ
より に も よって お前 が 覚醒 する こと は ない じゃ ない か
しかも お前 の 自覚 なし に さ
お っそ い !
まだ 9 時 前 じゃ ねえ か
最後 は 最後 よ
罰金 と して お 昼 ごはん おごり なさい
へい へい
お っ ?
( キョン ) うん ?
まあ バス 代 ぐらい は 出して あげる わ
必要 経費 って やつ ね
( キョン ) どうも ( ハルヒ ) あっ そうだ
( ハルヒ ) これ つけて おか なきゃ !
うん ?
お前 は なんで 制服 な んだ ?
昨日 そのように 言わ れ まして ね
役 の 上 で は 僕 は
一 介 の 高校 生 に 身 を やつした 超 能力 者
… と いう こと に なって い ます から
( キョン ) その まん ま じゃ ねえ か
( ハルヒ ) これ で よし !
さあ バス停 は こっち よ !
ほら キョン 早く !
( キョン ) は あ ~ ( 古泉 ) アハッ
( キョン ) バス に 揺られて 30 分 そこ から 徒歩 30 分
やって 来た の は
“ 何 を すき 好んで こんな ところ まで ”
… と 言い たく なる ような 場所 であった
ハァ 暑 っ 暑い …
( み くる ) あの 飲み ます ?
あたし の 飲 みかけ で よければ
飲み … あっ すいません
えっ ええ ?
後 に し なさい 後 に
( ハルヒ ) み くる ちゃん も ! ( み くる ) えっ ?
今 は こんな 雑用 係 に 水分 補給 さ せて いる 暇 は ない の
ほら さっさと 撮影 始める わ よ
( ハルヒ ) 着替えて ! ( み くる ) えっ あの …
( ハルヒ ) 大丈夫 ! 奥 行けば 誰 も 来 ない わ
( み くる ) え ~!
( キョン ) ああ 飲み かけ …
( キョン ) うん ? の ぞくな よ ( 古泉 ) は いはい
ジャ ~ ン ! カラーコンタクト よ !
左右 の 目 の 色 が 違う って いう の も 結構 重要な の よ ね
これ 1 個 で 神秘 性 が ググッ と 増す でしょ ?
まっ 記号 よ 記号 !
そして この 青い 目 に は 秘密 が ある わけ
そりゃ まあ 意味 なく 色 が 違って て も 話 に は なら ん から な
で … どんな 秘密だ ?
まだ 秘密 !
ほら み くる ちゃん ! いつまで グンニャリ して る の
( ハルヒ ) こ ~ ら み くるちゃ ん !
もっと てれ を なくし なさい !
役 に ハマ って なりきれば いい の よ !
( み くる ) ひ ゃっ ハァ ハァ …
はい もう 一 回 走って みて
えっ ? う う …
( キョン ) どうやら これ が 記念 す べき オープニング らしい
せめて 脚本 でも 書いて くる の か と 思った が
ハルヒ は “ そんな もの ない ” と 断言 し や がった
下手に 文書 に して 内容 が 漏れたら マズ い じゃ ない
( キョン ) … と いう の が その 理由 である いつ から 香港 映画 に なった んだ
オーケー ! じゃあ 3 回 目 の 感じ で ね !
( み くる ) え ~!
( ハルヒ ) じゃあ 次 は み くる ちゃんと 有希 の 戦闘 シーン ね
み くるちゃ ん ! 有希 を 思う さま 撃ち なさい !
( み くる ) えっ ? でも これ 人 を 撃っちゃ ダメな んじゃ ?
大丈夫 ! み くる ちゃん の 腕 じゃ どうせ 当たら ない わ
仮に 当たり そう でも 有希 なら よける わ !
( み くる ) え ~? ( 長門 ) いい
撃って
( ハルヒ ) ほら い いって ! ジャンジャカ 撃ち なさい !
言 っと く けど 同時に 撃つ んじゃ なくて
交互に 撃つ の よ
それ が 二 丁 拳銃 の 基本 だ から !
う う … う っ …
( モデルガン を 撃つ 音 ) ( み くる ) ひ っ は っ は っ は っ !
( ハルヒ ) まあ こんな もん かしら
おい ハルヒ これ の どこ が 映画 だ ?
なんの 話 だ か さっぱり 分から ねえ ぞ
いい の どうせ 編集 段階 で 切ったり つなげたり する つもりだ し
誰 が する んだ ? その “ 切ったり つなげたり ” を さ
せめて セリフ だけ でも 入れろ よ !
大丈夫 いざ と なれば 音声 は 消して アフレコ する わ
効果 音 と か BGM も 入れ ない と いけない しね
今 は 深く 考え なくて も いい の
う う …
( キョン ) 考えよう に も ストーリー が お前 の 頭 の 中 に しか ない んだ から
俺 たち が 考える こと など 何も ない
♪~
~♪