Grand Blue Episode 2
( 伊 織 ( いおり ) ) う う … う っ …
( 千 紗 ( ちさ ) ) ただいま
( 3 人 ) お かえり !
う お っ …
( 登志夫 ( と しお ) ) どう し た 伊 織
( 寿 ( こと ぶき ) ) 二日酔い か ?
( 時田 ( と き た ) ) 吐く なら トイレ だ
( 伊 織 ) その 格好 の せい です よ
( 3 人 ) ん ? ハッハッハ …
( 寿 ) ああ この 格好 か あ
( 時田 ) この あと 潜る から 準備 し て た もん で な
( 登志夫 ) 下 に は ちゃんと 水着 つけ てる から
なん だ そう だった ん です か
( 奈々 華 ( な なか ) ) 3 人 と も ちょっと いい ?
( 3 人 ) ん ?
( 伊 織 ) ウソつき ~ !
♪ ~
~ ♪
( 奈々 華 ) 今日 の お 客 さん な ん だ けど …
あっ お かえり なさい
あ … 奈々 華 さん は 服 着 てる ん です ね
( 奈々 華 ) ん ? ( 登志夫 ) どう し た ?
( 奈々 華 ) お 客 さん 急用 で 延期 し て ほしい って
そりゃ 残念 だ な
って こと は 今日 は 中止 か
( 寿 ) しかたがない たま に は 服 でも 着る か
( 伊 織 ) 普通 は 常に 着 て いる もん です けど ね
( 登志夫 ) はい それ じゃあ
( 一同 ) いただき ます !
さ ~ て 飲み 会 まで 空 い ち まった なあ
ああ そう だ なあ
( 寿 ・ 時田 ) 伊 織 夜 まで どう する ?
なぜ そこ で 俺 に 振る ん です か
( 寿 ) じゃあ 別 の 用事 が ある の か
今日 は 飲み 会 に 参加 し ない って 言って る ん です
お前 は なんの サークル に 入った つもり だ !
えっ ダイビング じゃ ない の ?
伊 織 君 !
え … はい
( 奈々 華 ) 伊 織 君 が うち に 来 て 3 日 目 だ けど 知って る ?
えっ と … なん でしょ う か ?
( 奈々 華 ) 自分 の 部屋 が どこ に ある の か を
( 伊 織 ) 言わ れ て み れ ば … ( 奈々 華 ) でしょ ?
( 奈々 華 ) 大学生 に なって はしゃぐ 気持ち も 分かる けど
3 日 連続 で 夜 遊び なんて ダメ
( 伊 織 ) そう です ね 奈々 華 さん の 言う とおり です
と いう こと で 今晩 は 不 参加 です
まあ しかたがない
伊 織 は 不 参加 か
いや あ ほんと すいません ね
( 時田 ) な に いい さ
( 寿 ) どうせ 人数 は 足りる だ ろ う
今日 の 飲み 会 は 青海 ( お うみ ) 女子 大 と の 交流 会 だ し な
( ドア が 閉まる 音 )
( 伊 織 ) 女子 大 … だ と ?
飲み 会 まで どう する ?
そう だ なあ …
( 2 人 ) ん ?
( 伊 織 ) ここ まで し て も 許し て もら え ませ ん か !
( 時田 ) おい 伊 織 何 が あった ?
俺 思い出し まし た
自分 が なんの サークル に 入った の か を
( 寿 ) ダイビング だ ろ ? ( 伊 織 ) いいえ !
そんな もの に 入った 覚え は あり ませ ん !
すばらしい 手のひら 返し だ な
手首 が ねじ 切 れ ん ばかり だ
( 伊 織 ) お 願い し ます 奈々 華 さん !
えっ と ね とりあえず 顔 を 上げ て 服 を 着よ う
大体 どう し て 服 脱ぐ の よ
表裏 の ない 誠意 を 示す ため !
遊び たい の は 分かる けど …
ですが 大将 !
( 奈々 華 ) ダメ です ! ( 伊 織 ) そこ を なんとか !
( 奈々 華 ) ダメ な もの は ダメ ! ( 千 紗 ) ハァ …
( 伊 織 ) どう し たら 許可 が 下りる と 思い ます ?
( 時田 ) あそこ まで 言わ れ たら 諦めろ よ
( 伊 織 ) イヤ です ! 俺 は 諦め ませ ん
一体 何 が お前 を そこ まで 突き動かし てる ん だ ?
恥ずかし ながら 性欲 です
( 寿 ) 本当 に 恥ずかしい な
( 伊 織 ) そんな こと より 奈々 華 さん を どう 説得 する か です
( 時田 ・ 寿 ) うーん …
ん ? とりあえず 荷 ほど き を 済ませる
けど それ だけ じゃ …
不足 か ?
( 寿 ) なら お前 が 自立 し た 1 人 の 男 だ と ―
アピール できる 部屋 を 作れ ば いい
ん な こ と 言わ れ て も …
( 時田 ) しかたがない
かわいい 後輩 の ため に 一 肌 脱ぐ と する か
伊 織 が 立派 な 大人 の 男 だ と
一目 で 分かる よう な 部屋 作り を し て やる !
( 奈々 華 ) えっ ? もう 荷 ほど き が 終わった の ?
( 伊 織 ) はい 俺 だって もう ちゃん と 自立 し た 大人 です から
へ っ ! ? 違う ん です 奈々 華 さん これ は …
あっ … い … 伊 織 君 も ―
男の子 だ もん ね ( 伊 織 ) いや あの ちょっと …
あ … えっ …
( 時田 ) どう だった ? 伊 織 ( 寿 ) バッチリ だ ろ ?
この ド 畜生 ども が ~ !
( 時田 ) 失敗 だった の か ?
( 伊 織 ) むしろ どう し て これ で 成功 する と 思える ん です !
エロ 本 を 見つけ た 母親 は よく
“ 大人 に なった わ ね ” と いう 反応 を する だ ろ う
意味 が 全然 違う でしょ !
じゃ どう し て ほしい ん だ ?
普通 で いい です よ !
初めて 1 人 暮らし を する 大学生 が 作る 普通 の 部屋 で !
なん だ それ で よかった の か ?
それ なら そう と 先 に 言 えよ
ハァ … 頼った 俺 が バカ で し た
あと は 自分 で やり ます から これ 持って 帰って ください
( 時田 ) ん ? 片づけ て いい の か ?
( 伊 織 ) 当たり 前 じゃ ない です か !
いや 寿 と な
入学 祝い に 気 に 入った もの を 1 本 贈呈 し よ う か と
( 伊 織 ) ほう …
伊 織 これ 捨てる やつ だ けど よかったら …
( 女性 ) オー イエス ! オー イエス ! イエス !
( 伊 織 ) なかなか いい です ね 78 点
( 時田 ) うーん 自信 の 1 本 だった ん だ が な
( 女性 ) セッシボーン ! セッシボーン !
おかげ で ひどい 誤解 を 受け まし た よ
( 時田 ) 誤解 で も なかった と 思う が な
( 寿 ) 普通 は あの 場 で “ お前 も 一緒に 見る か ” と は ―
言わ ない だ ろ う ?
もう 帰って ください お 祝い の 1 本 を 置 い て !
待て 伊 織
このまま で は 俺 たち の 沽券 ( こけ ん ) に 関わる
いえ もう 結構 …
( 時田 ) もう 1 本 どう だ !
先輩 方 を 信じ ま しょ う
( 寿 ) 任せ て おけ
新入 生 らしい 完璧 な 部屋 を 作って みせよ う
頼み ます よ
お っ 伊 織
さっき 千 紗 が やけに 怒って た が 何 か あった か ?
俺 だけ が 先輩 に 引っ越し 祝い を もらって た の が よく なかった よう で
それ で 怒る と は あいつ も まだ まだ 子ども だ な
( 伊 織 ) よかったら 一緒に と 誘って み た ん です けど ね
( 奈々 華 ) あっ 伊 織 君
ん ? 奈々 華 さん 説明 を さ せ て ください
大丈夫 気 に し て ない から
それ に さっき お 友達 に 電話 で 聞い たら
伊 織 君 くらい の 男の子 なら 普通 だ って
( 伊 織 ) それ 俺 の 不名誉 が 拡散 さ れ て ませ ん ?
あれ は 先輩 方 の ジョーク な ん です よ
( 奈々 華 ) そう な ん だ
はい 今 は バッチリ 普通 の 部屋 に …
( 耕平 ( こうへい ) ) 店長 セロテープ ありがとう ござい まし た
( 登志夫 ) おう ( 伊 織 ) ん ?
( 耕平 の 鼻歌 )
おう
どう だ ? 俺 プロデュース の 快適 部屋 は
( 伊 織 ) なぜ お前 が ここ に いる ん だ !
( 伊 織 ) なぜ お前 が ここ に いる ん だ !
( 耕平 ) ノー !
貴 様 ! よく も この 俺 自慢 の 1 人 暮らし スターター セット を !
黙れ ! 人 の 部屋 を 勝手 に 自分 色 に 染め 上げ や が って !
( 耕平 ) クッ … 人 が 丹精 込め て コピー し て き た ポスター を
末代 まで 呪って やる
コピー 破った だけ で 呪わ れる 俺 の 子孫 が ふびん すぎる だ ろ
どう だ 今回 は 完璧 だ ろ う ?
新入 生 らしい 部屋 だったら 新入 生 が 作る の が 一 番 だ から な
全然 話 に なり ませ ん !
じゃあ どんな 部屋 なら よかった と いう ん だ !
これ と は 正反対 の 部屋 だ よ !
( 耕平 ) う っ … なん だ そう な の か
そう なら そう と 先 に 言え
言わ なきゃ 分から ん もん かね
分かった 今 すぐ そう いう 部屋 に し て やる
いや もう 自分 で やる から 帰って くれ
俺 を お 兄ちゃん と 慕う 女子 中学生 たち を 目前 に 帰 れる か !
( 伊 織 ) お前 どんな 餌 で 呼び出さ れ た ん だ よ !
( 登志夫 ) お ー い 伊 織 ちょっと いい か !
( 伊 織 ) ああ … ( 寿 ) 行って こい
居候 なら 手伝い は 大事 だ ぞ
部屋 なら 要望 どおり に し て おい て やる さ
う っ … 不安 だ が しかたない !
( 寿 ) なあ 耕平 本当 に これ で 大丈夫 な の か ?
( 耕平 ) ええ 俺 と 正反対 なら これ で 間違い あり ませ ん
ん ? どう し た 北原 伊 織
( 伊 織 ) う う …
( 耕平 ) 貴 様 よせ さ て は 俺 に 乱暴 す …
う っ … う わ ああ …
さっき より ひどく なって る じゃ ない です か !
( 寿 ) この DVD は なん だ ? ( 時田 ) 再生 し て みる か
人 の 話 を 聞い て ください !
( ノック ) ( 奈々 華 ) 伊 織 君 ?
ヒイイ …
あ あっ … どう かし まし た か ? 奈々 華 さん
手伝 お う と 思って
ああ … 今 は 結構 です
さっき の こと なら 大丈夫 だ よ
( 男性 ) 俺 は お前 が 男 でも かまわ ない
( 男性 ) そう か 実は 俺 も お前 の こと が …
( 寿 ・ 時田 ) おお … おお …
あの 奈々 華 さん 今 の は です ね …
えっ あっ と … ごめん ね 伊 織 君
私 ちょっと お 友達 に 電話 し て こ ない と
( 男性 ) タク … ( 男性 ) ユースケ …
絶対 に 最高 の 部屋 を 作って 合 コン へ 行く ぞ オラァ !
( 時田 ・ 寿 ) お … おう
なんとか し て 奈々 華 さん の 気 に 入る 部屋 を ―
作る 必要 が あり ます !
何 か 考え が ある の か ?
いい か ! 奈々 華 さん は 妹 の 千 紗 を 溺愛 し て いる
( 耕平 ) そう な の か ?
( 伊 織 ) つまり 奈々 華 さん が 気 に 入る 部屋 と は …
( 時田 ) なあ これ は さすが に 違う と 思う ぞ
むだ 口 を たたか ない で 手 を 動かし て !
これ もう 完全 に ストーカー の 部屋 じゃ ねえ か
先輩 そろそろ 飲み 会 の 時間 で は ?
あ … 言い 忘れ て た
連絡 が あって 向こう の 都合 で 延期 に し て ほしい と …
は ? 延期 ?
延期
今日 じゃ ない ?
今日 じゃ ない
ちょっと 待って ください
と いう こと は 俺 たち の やって いる こと は …
伊 織 お 茶 …
よかった な 伊 織
念願 の 自立 し た 生活 が できる 部屋 じゃ ない か
こんな 結末 …
望 ん で ね え ~ !
( 時計 の アラーム )
( 時田 ) それ じゃあ 俺 と 寿 は 新入 生 の 面倒 を …
ハッ ! なんで 俺 の 部屋 に 集まる ん です か !
今 まで あそこ は 俺 たち の 部室 だった から な
いまさら お前 の 一存 で 場 所 を 変える こと は でき ん
俺 の 部屋 は 俺 の 一存 で 自由 に し たい ところ です けど ね
おはよう ございます
おう
おはよう 伊 織 君 フフッ …
お …
今日 は 服 を 着 てる ん だ ねえ 偉い 偉い !
( 伊 織 ) 大変 不本意 な 褒め られ 方 です
サークル 活動 か
ええ 新入 生 と 軽く 何 か やろ う と
( 奈々 華 ) 新入 生 って 何 人 入った の ?
今 の ところ 3 人 っす
( 時田 ) 新入 生 諸君 今日 は よく 集まって くれ た
( 伊 織 ) 3 人 って この メンツ か よ
って か なんで 耕平 は 真面目 に 参加 し てん だ ?
先輩 から 緊急 招集 が 届 い た から な
( カヤ ) カヤ で ー す
ん な もん ウソ に 決まって る だ ろ
( 耕平 ) リアリー ? ( 時田 ) うむ ウソ だ
( 伊 織 ) おいおい いくら なんでも こんな ウソ に だまさ れる な よ
う う …
( 伊 織 ) えっ マジ 泣き ? その 年 で ?
カヤ ちゃん 最近 忙しい みたい だ から
当分 来 れ ない だ ろ う
その 言い 方 だ と 前 は よく 来 て た よう な …
( 奈々 華 ) ええ 来 て た わ よ ( 耕平 ) リアリー ?
うん リアリー
芸能 人 も よく 来る ぞ
クッ … そう 言って また だます 気 に 違いない
ウフフフ … ウソ なんて 言わ ない わ よ
( 耕平 ) 証拠 が なけ れ ば 信じ られ ませ ん
彼女 の ウエット スーツ なら 向こう に ある ぞ
( 耕平 ) ふむ … ウエット スーツ です か
では テー スティング よろしい か ?
すげ え … ちゅうちょ の ない 変態 宣言 だ
( 耕平 ) 俺 やる 気 が 出 て き まし た ダイビング の こと 教え て ください !
( 時田 ) うむ 任せ と け !
私 も 参加 し ない と いけ ませ ん か ?
( 4 人 ) ん ?
経験 者 の 千 紗 ちゃん は 必要 ない か
( 千 紗 ) それ なら 私 は 不 参加 で
( 登志夫 ) 千 紗 も 参加 し なさい
初心 者 の 挙動 を 勉強 する の も 大事 だ ぞ
ええ …
俺 は 見学 で いい です か ?
なん だ 体調 不良 か ?
( 伊 織 ) いえ …
ああ … あの こと か
俺 泳 げ ない ん です よ だ から …
そんな こと は 気 に する な
気 に し ます って
泳 げ ない ダイバー だって いる ん だ ぞ
いや でも …
やって みる 前 から そこ まで 否定 する な
もったいない ぞ
そこ まで 言う なら …
( 時田 ) と いう わけ で ―
今日 は レクリエーション も 兼ね た 水泳 の 練習 を 行う
えっ ! さっき 泳 げ なく て も いい って 言った のに
泳ぎ の 技術 自体 は さして 重要 じゃ ない
水 に 慣れ て おく の が 重要 な ん だ
( 耕平 ・ 伊 織 ) おお …
( 時田 ) ん じゃ さっさと 水着 に なる ぞ !
私 も 着替える ん です か ?
そりゃ そう だ ろ
ハァ …
( 時田 ) 要するに だ
泳 げ ない やつ は 水 に 恐怖 心 を 抱 い て いる
ダイビング で は それ は マズ い こと な ん だ
( 伊 織 ) 話 が 頭 に 入ら ない んで 下 を はい て もら え ませ ん か
水 に 恐怖 心 が ある と ―
トラブル に 対し て パニック に 陥り やすい
( 寿 ) する と 効率 の いい 呼吸 を 保 て ず ―
エアー の 消費 量 が 多く なる ん だ
これ は 安全 に も 関わる から ちゃんと 練習 し て もらう ぞ
驚 い た ダイビング に は 真面目 な ん です ね
分かったら さっさと 着替えろ
えっ … ああ …
( 寿 ) よし 始める か
伊 織 お 前 は 基本 中 の 基本
水中 で 目 を 開ける 練習 から だ
あ … 水中 で 目 を …
( 寿 ) ここ は 足 が つく 安心 し て やって みろ
分かり まし た
( 伊 織 ) 大丈夫 目 を 開ける なんて 簡単 じゃ ない か
プハッ ! ハァ … ハァ …
ダメ か …
( 伊 織 ) すいません
なら こいつ を 使って みる か
( 時田 ) お前 も 装備 を 使った 練習 に 入る か ?
はい
それ なら 恐怖 感 は だいぶ 薄れる だ ろ ?
はい …
( 伊 織 ) 聞き 慣れ ない 音 が する
呼吸 が でき ない し 動き づらい
でも 目 は 圧迫 さ れ て ない 水 が 入る 気配 も ない
これ なら 目 を 開ける こと も …
どう だ ? 水中 の 景色 は いい もん だ ろ う
俺 もう 一生 水 の 中 ダメ かも しれ ませ ん
( 耕平 ) いきなり 何 す ん です か !
装備 が 外れ て も パニック に なら ない 練習 だ
外す なら ゴーグル でしょ う が !
よし じゃあ こう しよ う
ん ?
お前 風呂 は 平気 だ ろ ?
はい むしろ 好き な くらい です けど …
う う …
( 千 紗 ) ダイビング なら ともかく プール で 水着 なんて …
ハァ … ん ?
あ ?
( 寿 ) どう だ ? 伊 織
うーん なん と も … あっ
いや 待て 違う ん だ !
これ は 訓練 な ん だ です よ ね 先輩
しかし お前 も 脱ぐ の が 好き だ よ な
( 伊 織 ) 先輩 !
変態
う っ …
俺 に は 露出 の 趣味 は ない ! 分かって くれる よ な 千 紗
( 千 紗 ) それ で 何 を やって る ん です か ?
伊 織 を 水 に 慣れ させる 特訓 中 だ
( 伊 織 ) なぜ 俺 の 話 を 聞い て くれ ない ん だ !
とりあえず 私 は 向こう で 見学 し て ます から
俺 は 変態 じゃ ない のに …
さあ 伊 織 続ける ぞ
水 の 中 を 楽しむ ため に 頑張 ろ う ぜ
水 の 中 …
いえ … 正直 もう 水 の 中 なんて 興味 が う せ た と いう か
( 足音 )
( 奈々 華 ) どう ? 伊 織 君 水 の 中 は 楽し め そう ?
いいえ 全く …
私 と ちょっと お出かけ し て み ない ?
えっ ! ?
( 伊 織 ) おお ~
( 奈々 華 ) フフッ 夜 の 水族 館 って すてき でしょ ?
( 伊 織 ) なんか 神秘 的 な 感じ です ね
でも 閉館 時間 過ぎ てる のに どう し て 入れ て もら え た ん です ?
千 紗 ちゃん が たま に お 手伝い し に 来る よしみ で ね
手伝い ?
ああ いう の
へえ … 千 紗 こう いう の やって ん だ
イメージ 全然 違う な
あら 伊 織 君 って ば 意外 と 見る 目 ない の ね
千 紗 ちゃん す っ ごい 人気 な ん だ から
M 趣味 の 人 って 結構 多い です から
( 奈々 華 ) そう いう こと じゃ ない ん だ けど …
千 紗 ちゃん は いい 子 よ
ちょっと 素直 じゃ なく て 不器用 だ けど
かわいい し 優しい し 柔らかい し いい 匂い が する
俺 の 知ら ない こと ばかり です よ
俺 も 魚 の 勉強 し て みよ う かな
気 に 入った の ?
いえ そう し たら 水 の 中 が 楽しく なる か と
ああ そう いう こと うーん …
伊 織 君 は 難しく 考え すぎ だ と 思う よ
( 伊 織 ) そう でしょ う か ?
( 奈々 華 ) そんな の 私 も 千 紗 ちゃん も ―
考え た こ と ない もの
( 伊 織 ) そりゃ 2 人 は 泳ぎ も 得意 だ し 魚 も …
違う よ 誰 だって 最初 は 泳げ ない し
魚 に も 詳しく ない もの
だから まず は 単純 に 感じ取って ほしい な
感じ取る … 何 を ?
( 奈々 華 ) なんにも 難しい こと なんて 考え ない で
頭 を 空っぽ に し て
こう いう 水 の 中 の 世界 を
ああ …
すごい でしょ う ?
( 伊 織 ) これ が 水 の 中 の 世界 …
う うん これ は まだ 水 の 中 に 近い 世界
えっ …
世界 に は ここ より もっと すごい 景色 を ―
全身 で 感じ られる 場所 が ある ん だ から
ここ より もっと …
( 奈々 華 ) 実は ね ―
ここ に 伊 織 君 を 連れ て いく よう 言いだし た の は 千 紗 ちゃん な の
( 伊 織 ) え ? 千 紗 が ? どう し て ?
ダイビング を 好き に なって もらい たい から じゃ ない ?
なんで そんな こと を
それ は 知って もらい たい から
伊 織 君 が 苦手 な 水 の 中 に は ―
こんなに も きれい な 世界 が ある ん だ って
時田 君 や 寿 君 も そう
だから あんな に 一生懸命 ダイビング を 勧める の
( 伊 織 ) そう か …
誰 だって 自分 が 好き な もの は ほか の 人 に 否定 さ れ たく ない
感動 を 共有 し たい
そう いう 仲間 は 1 人 でも 多い ほう が いい
自分 も 楽しい し 相手 も 楽しい
私 も 伊 織 君 に
水 は 怖い もの だ けど それ だけ じゃ ない って
分かって ほしい な
( 伊 織 ) そう です ね
少し 興味 が 湧 い て き まし た
そ っか それ は 私 も うれしい な
( ドア が 開く 音 )
( 伊 織 ) 千 紗
何 ?
( 伊 織 ) はい これ お土産
私 が どれ だけ あの 水族 館 に 通って き た と 思って ん の ?
まあ 感謝 の 気持ち だ よ
感謝 ?
俺 を あそこ に 連れ て いく よう
奈々 華 さん に 頼 ん で くれ た ん だ ろ う ?
ダイビング バカ に さ れ た まま な の も しゃく だ から
そ っか とにかく やる よ
ん …
( 伊 織 ) じゃ
( 千 紗 ) ちょっと 待って ( 伊 織 ) ん ?
( 千 紗 ) で どう だった の ?
( 伊 織 ) 何 が ?
( 千 紗 ) 水 の 中
ああ そう だ な … 苦手 意識 は 変わら ない けど
次 は もっと 近く で 見 て み た いか な
( 千 紗 ) あっ そ
だから それ プレゼント ありがとう な 千 紗
あっ ちょっと
それ なら もっと かわいい もの よこし なさい よ
バカ
( 耕平 ) ほれ 北原 マイク
( 伊 織 ) 俺 も かよ
よっ しゃ いく ぜ !
( 寿 ) おお ~ 歌え 歌え !
( 時田 ) ノリ ノリ だ な
♪ ~
~ ♪
( 一同 ) すいません で し た !
またしても 飲みすぎ た …
水 … ウプッ
何 す ん です か … えっ ?
( 伊 織 ) ヒイイ …
( 梓 ( あずさ ) ) もう ちょ い 寝よ う よ