Ghost in the Shell : Stand Alone Complex Episode 2
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( 整備 士 1) どう なって る んだ ?
( パイロット 1) おい あれ に は 誰 が 乗って いる ?
おい 止まれ !
うん ?
( パイロット 2) 何 だ ? 止まった ぞ
( パイロット 1) うわ あっ !
( 一同 ) 危ない !
( 一同 ) うわ あっ … ( 整備 士 2) おお っ … うわ あ
( パイロット 3) うわ っ う っ …
( チャナウ ) おい 何 が 起きて る んだ ?
( オーバ ) これ で いい んだ な 加護 ( かご )
( マツイ ) 今 の ところ 各 機体 ごと の 個体 差 は 認め られ ん な
( バトー ) つまり お前 に は 個性 が ねえ って こと だ よ
( タチコマ 1) コセイ ?
( マツイ ) どの 機体 を チョイス して も —
同じ スペック で 扱える と 言って ほしい ね
( バトー ) ふん だ が それ じゃ 面白味 が ねえ ぜ
お前 に いい 物 を やろう
天然 オイル だ
( トグサ ) いい の か ? そんな 物 入れて
変な 学習 する かも しれ ない ぜ
( バトー ) いい の いい の
これ は 機械 に 対する 愛 な の 愛
( タチコマ 1) おお っ ! いつも の 合成 オイル と 違い ます ね
( バトー ) お うよ
( タチコマ 1) は っ ! 少佐 !
( タチコマ 1) は っ ! 少佐 !
( バトー ) げ っ !
( 素子 ( もとこ )) タチコマ 6 機 を フル 装備 で 出動 準備
何 か あった の か ?
36 分 前 剣 菱 ( けんび し ) 重 工 の 演習 ドーム で —
新型 多 脚 戦車 が 暴走 を 始めた
搭乗 者 は 1 週間 前 に 死亡 した この 戦車 の 設計 者 —
加護 タケシ の 認識 コード を 使用 して いる と いう 点 以外 —
詳細 は 不明
犯行 声明 や 要求 など は 今 の ところ ない が —
播磨 ( はり ま ) 研究 学園 都市 内 で 起こった 状況 を 考慮
内務 省 は テロ の 可能 性 を 示唆 し —
我々 公安 9 課 に これ を 止めろ と の 出動 要請 が なされた
暴走 は 剣 菱重 工 が 行った 最終 調整 の 演習 中 に 起きた そう よ
暴走 の 原因 が ハード 及び ソフト の —
セキュリティ 面 の 欠陥 であった と なれば —
すべて の 責任 を 剣 菱 に 押しつけ たい と いう の が —
正式 採用 を 検討 中 だった 陸 自 の 本音 ね
相変わらず だ な
テロリスト から の 声明 が あった 場合 のみ —
彼ら は この 件 に 手 を 貸す そう よ
ひで え 話 だ メンツ で 国防 は 務 ま ら ねえ って の
それにしても スペック も よく 分から ねえ 戦車 相手 に —
タチコマ で ?
この 子 たち も 捨てた もん じゃ ない わ よ
( タチコマ 1) さすが です 少佐
( バトー ) マジ ?
( オペレーター ) 少佐 戦車 は 進路 を 変えて —
播磨 研究 学園 都市 を 出て いく 模様 です
( 素子 ) チャンス だ な
学園 都市 から 伸びる テクノ ライン は —
山道 を 切り開いた 専用 道路
周り は 農村 ばかり だ
よし 戦車 が テクノライン 上 に いる うち に たたく
パズ は 電 脳 化 義 体 化 など に 反対 して いる テロ 組織 から —
犯行 声明 が 出て い ない か を 確認
ボーマ と サイトー は 先行 して 播磨 テクノライン 上 で 迎撃 準備
最も 被害 の 出 にくい ポイント で 戦車 を 狙撃 停止 さ せる
トグサ は 剣 菱 で 課長 と 合流 戦車 暴走 の 原因 を 究明
私 と バトー は タチコマ 6 機 で 暴走 戦車 を 誘導 する
それ が 君 の お 仕事
戦車 に 吹っ飛ば さ れて 泣く な
( タチコマ 1) 播磨 研究 学園 都市 って —
僕たち の ニューロチップ が 作ら れた 所 でしょ
( タチコマ 2) 生まれ故郷 に 凱旋 ( がいせん )
( タチコマ 3) おしゃべり して る と 少佐 に 怒ら れる よ
我々 は 攻 殻 機動 隊 だ 状況 の 説明 を
( 隊長 ) は っ ! 通信 に よれば もう じき 姿 を 現す と の こと です
( 隊員 1) 隊長 !
( 一同 ) おお っ
今 の ところ 仲間 の 戦車 を 破壊 した だけ で —
攻撃 は して こ ない ようだ
道 を 空けて あと は 我々 に 任せろ
( タチコマ 1) ワオ
( 素子 ) 見とれて 奴 の 射 界 に 入り込む な よ
行く ぞ
( 隊員 1) 攻 機 初めて 見た よ
( 隊員 2) 実在 して いた んだ な
( 素子 ) 現状 の 距離 を 保ち 迎撃 ポイント まで 監視 を 継続 する
( バトー ) ジガバチ だ
陸 自 の 奴 ら 高み の 見物 の つもり か よ
( 素子 ) 剣 菱重 工 へ の 牽制 ( けんせい ) と 保険 よ
( バトー ) それにしても こいつ の 目的 は 何 だ ?
目的 地 も 分から ん し
大体 ホントに 人 が 乗って ん の か よ
勝負 に なら ん の は 分かる が —
これ だけ 完璧に 無視 さ れる と 頭 に 来る ぜ
( 素子 ) じゃあ 鼻先 に 回り込んで みる ?
( バトー ) 冗談 だ よ おやじ と トグサ から の 情報 を 待つ ぜ
( パズ ) 少佐 該当 し そうな 組織 23 の うち —
20 を 洗った が —
やはり 本件 に 絡んだ 声明 など は 出さ れて い ない
( 素子 ) よし 残り 3 を 洗って それ でも 何も 出 ない 場合 は —
他の ルート を 使って 検索 を かけろ
愉快 犯 戦車 泥棒 もしくは AI の 故障 って 線 で 手 を 打た ねえ か
( 素子 ) 愉快 犯 も 戦車 泥 も 広義 に おいて は テロ だ
AI の 故障 の 線 は 捨てきれ ない けど —
それ は 課長 たち の 報告 を 待って 結論 を 出す
( バトー ) へい へい
( 荒巻 ( あらまき )) 先ごろ 亡くなった 開発 担当 者 の 加護 タケシ の 同僚 で —
同じく 開発 を 担当 して いた オーバ と いう 技師 が いる
暴走 した 戦車 を 直前 まで 整備 して いた そうだ
お前たち は 彼 を 事情 聴取 しろ
わし は 剣 菱 の 上層 部 と 掛け合う
( トグサ ・ イシカワ ) はい
開発 担当 の オーバ ・ トシオ さん です ね ?
( オーバ ) え ? あっ … はい
( 荒巻 ) 被害 を 最小 限 に 抑える こと を お 望み でしたら —
新型 戦車 に 関する すべて の 情報 を —
速やかに 我々 に 提示 して 頂き たい
これ で すべて です かな ?
( チャナム ) ええ …
少佐
( 荒巻 ) 剣 菱重 工 から 提供 さ れた データ を 送る
( 素子 ) 確認 した わ これ なら 何とか 抜ける わ ね
( バトー ) 結局 ゴツ い 戦車 の 尻 見て 終わり か
もう すぐ 迎撃 ポイント だ ぜ
( 素子 ) サイトー 準備 は ?
( サイトー ) もう 少し です
( ボーマ ) こんな もんか ( サイトー ) ああ
( サイトー ) 少佐 離れて 下さい
( 素子 ) まだ だ
気付か れ ない ように ギリギリ まで 待つ
( サイトー ) 衛星 と リンク した 少佐 !
( 素子 ) よし !
( 素子 ) 課長 !
( サイトー ) 少佐 タカ の 目 の データ が 盗ま れて いる
奴 は 衛星 と リンク して いる ようです
目 視 で あと ワン チャンス
残念 ながら すべて の 情報 を 教えて は もらえ なかった ようです な
( 素子 ) そのまま 撤収 合流 しろ ( サイトー ・ ボーマ ) 了解
( バトー ) 高速に 乗る つもりだ ぞ
( 素子 ) 急いで 行き たい 場所 が ある んでしょ
( バトー ) ジガバチ が 離れて く ぜ
( 素子 ) そろそろ 報道 管制 が 破ら れる 頃 だ
テロリスト から の 犯行 声明 も なく —
剣 菱 も この 件 を 自社 の ミス と 認め ない 限り —
陸 自 は シラ を 切り 通す だろう
( バトー ) 俺 たち で 止める しか ねえ の か
サル おやじ に 期待 しよう ぜ
( 素子 ) そう 悠長な こと も 言って られ ない わ よ
奴 が 分岐 で どっち に 行き た がる か で 話 は 違って くる
( 荒巻 ) 陸 自 の 答え は 聞か なくて も お 分かり でしょう
あと は 剣 菱 が 公安 9 課 を 信用 して いただける か です な
( チャナウ ) HAW 206 は —
剣 菱 が 6 年 の 年月 を かけて 開発 した んだ ぞ
スペック を 公開 する こと で 受ける 損害 を —
あなた たち 警察 が 補償 する と でも 言う の か
それ は 購入 先 が あって の こと でしょう
このまま で は 剣 菱 の マーク が 入った 宣伝 カー が —
最悪の デモンストレーション を して 回る こと に なり ます が ?
よろしい か ?
( リットン ) 何とか おたく の 戦車 だけ で —
あれ を 足止め する こと は でき ん かね
さっき から 何 を 気 に して いる んです ?
教えて くれ ない か ? あの 戦車 君 が 作った んだ ろ
何 が 原因 で 暴走 を 起こした と 思う ?
本当に 心当たり は ない の か ?
別に この 件 で 君 を 容疑 者 と して 取り調べて る わけじゃ ない んだ
もっと 協力 して くれ ない か な
それとも 何 か 話せ ない 事情 が ある の か な ?
( 素子 ) バトー 奴 が どっち に 行き たい の か 確認 する ぞ
( バトー ) 市街 地 に 向かう んじゃ ねえ の ?
( 素子 ) 撃た れる な よ
( 素子 ) 散れ !
( タチコマ 2) ああ あっ !
( バトー ) 大丈夫 か ?
( タチコマ 2) 大丈夫です
( 素子 ) お前 は そこ で 救助 を 待て
( タチコマ 2) は 〜 い …
( タチコマ 1) いい な いい なあ 壊れた よ
( タチコマ 3) 構造 解析 さ れちゃ う かも
( 素子 ) 課長 奴 は 橋 に 進路 を 向けた わ
対戦 車 ミサイル を 使える ラスト チャンス かも
あいつ に それ が 有効 か だけ でも 聞いて
しくじれば スプリング 8( エイト ) の —
4 倍 の 税金 を かけた 橋 を 落とす こと に なる かも って
だ そうです いかが かな ? 開発 部長
( 素子 ) 対岸 に 渡ったら すぐに 市街 地 に 入る わ
ますます 打つ手 が なくなる わ よ
( チャナウ ) ミサイル は やめた 方 が いい
モード L で 操作 さ れて いる と 思わ れる ので —
ほとんど の 無線 誘導 弾 に ジャミング を かけ られ ます
( 荒巻 ) レーザー 誘導 でも ?
( チャナウ ) レーザー 誘導 の 場合 に は —
欺瞞 ( ぎまん ) 信号 を 出して ミサイル を そらし ます
オンライン 誘導 でも 射程 距離 が 300 メートル 以上 の 場合 なら —
90% 以上 の 確率 で ハッキング を かけ —
ミサイル を 発射 した 本人 に 送り 返す こと も 可能です
( 荒巻 ) 黙って いれば いい 宣伝 材料 に なった でしょう な
( ドア の 開く 音 )
課長 戦車 に 誰 が 乗って いる か が 分かり ました
誰 が あれ を 動かして いる んだ
( トグサ ) 加護 タケシ です
加護 タケシ だって ?
あいつ は 1 週間 前 に 死んだ んだ ぞ
ええ 聞き ました
彼 の 話 で は —
死んだ 加護 の 脳 を 戦車 の AI に つないだ そうです
( チャナウ ) なぜ そんな こと を した んだ
( オーバ ) それ が 彼 の 遺言 だった から です
( トグサ ) 少佐 聞いて ます ?
戦車 の 目的 地 は 加護 タケシ の 実家 です
これ が 所在 地
( 素子 ) だいぶ 近い わ ね
ええ や ばい です
加護 タケシ の 目的 は —
両親 へ の 復讐 で は ない か と 思わ れ ます
加護 は 兵器 の 設計 に 天才 的な 才能 を 発揮 し —
大学 在籍 中 に スカウト さ れた 人物 です が —
生まれつき 体 が 弱く 医師 から も —
“ 義 体 化 し ない 限り —”
“20 歳 の 春 は 迎え られ ない ” と 言わ れて いた ようです
しかし 宗教 的な 理由 から —
義 体 化 は もちろん 電 脳 化 すら 許さ れ ず —
ほとんど 戦車 の 開発 へ の 執念 で —
28 まで 生きて いた ような 状態 だった そうです
似た ような 境遇 に 育ち ながら —
義 体 化 する こと で 生き長らえた オーバ は —
加護 の 死ぬ 間際 の 遺言 —
“ 肉体 が 死んだら 宗教 から 解放 さ れる ”
“ そう したら 脳 を 取り出し 戦車 に つないで くれ ” と いう 約束 を —
実行 した んだ そうです
( 荒巻 ) わし だ
淡路 ( あわ じ ) 署 の 石塚 ( いし づか ) 君 を 呼び出して くれ
( 素子 ) それ で なぜ 両親 に 復讐 を ?
( トグサ ) 生前 加護 は 病弱な 体 に 自分 を 生んだ 両親 を 恨み —
こと ある ごと に —
“ 鋼鉄 の 体 に 生まれ変わり たい ” と 言って いた そうです
生 から 解放 さ れれば 両親 の 教え に 背く こと なく —
鋼鉄 の 肉体 を 手 に 入れ られる
加護 は その 夢 を オーバ に 託した んです
( アナウンサー ) 住民 の 皆さん は —
警察 の 指示 に 従って 速やかに 避難 して 下さい
繰り返し ます 住民 の 皆さん は —
警察 の 指示 に 従って 速やかに 避難 して 下さい
( バトー ) あ 〜 あ 強引な 奴
( 素子 ) ここ から だ と 目的 地 は すぐ ね とにかく 追う ぞ
( バトー ) 特攻 でも かける か ?
( 荒巻 ) とうとう 市街 地 に 入り ました な
現在 あの 戦車 に よる 死傷 者 は 1 人 も 出て い ませ ん
ですが これ から 先 は どう なる か 予想 が つき ませ ん
死傷 者 は ゼロ
しゃ … 社長 それ は …
わし は 剣 菱 自体 を 明日 に 残さ ねば なら ん のだ
ご 協力 感謝 いたし ます
( 素子 ) ワイヤー で 戦車 の 脚 を 狙う ぞ
( タチコマ たち ) 了解
はっ ! ワイヤー を 切れ
( 素子 ) 物理 的 攻撃 で は 無理 ね
( バトー ) バカな 考え を 起こす な よ
軍 の 防壁 だ 脳 を 焼き 切ら れる ぞ
大体 有線 でき ねえ だろう が
( 素子 ) やる だけ やって みる わ よ
( 荒巻 ) 有効 射程 距離 まで あと どの くらい だ ?
( オペレーター ) 約 2 分 です
少佐 !
ぬう う っ
少佐 無理だ やめろ !
うん ?
( イシカワ ) 止まれ
( 素子 ) 課長 …
サル が タヌキ を 説得 した か
剣 菱 の 対 多 脚 戦車 兵器 か
ある なら とっとと よこし や がれ
う あっ
やっと 止まった か
すげ え 粘着 力 だ な
課長 攻 性 防壁 解除 の 暗証 コード を
ハッチ を パージ して 加護 の 脳 を 取り出す わ
( 素子 ) 戦車 の 防壁 が なければ ただ の 無防備な 脳 だ な
( 素子 ) バトー 手 を 貸して ( バトー ) おう !
物理 的な トラップ か ?
( 素子 ) 大丈夫だ と 思う けど 念のため 用心 して 開けて
( 加護 の 母親 ) タケシ … ( 素子 ) うん ?
( 加護 の 母親 ) タケシ な の かい ?
( 素子 ) バカな なぜ 避難 して い ない
( バトー ) タチコマ ! ( 素子 ) あっ !
な っ …
( 素子 ) あっ ! ( バトー ) ふん っ !
( 加護 の 母親 ) ああ っ ! ( 素子 ) は っ !
止めた か ?
( チャナウ ) 誠に 申し訳 ございませ ん
たった今 加護 の 脳 を 焼き 切った そうだ
ああ っ …
あっ … 加護 …
クソッ たれ そこ まで 自分 の 親 が 憎かった の か
( 素子 ) 違う ( バトー ) うん ?
加護 の 脳 を 焼いた とき 一瞬 だ けど 感じた わ
“ どう だい 母さん 鋼鉄 の 体 に なった 俺 の 姿 ”
そんな 自慢 と も 復讐 と も つか ない 奇妙な 感覚
やめ とけ それ は ただ の 錯覚 だ
なら いい んだ けど
それ を 確かめる 術 ( すべ ) は 二度と なくなった
♪〜
〜♪