宇崎 ちゃん は 遊びたい!08
~ ( 桜井 ) な なぁ 宇崎 …。 ( 宇崎 ) 先輩 。
この 前 は どうも
たいへんな ご 迷惑 を 。
いや 気 に する なって 。
あれ は … そう
酔った うえ で の こと だろう ?
酔った 勢い で ?
あっ 。
浮気 かしら 。
最低 !
お 納め ください 。
えっ ?
えっ と …。
アルバイト の お 給料 が まだ な ので
恥ずかし ながら お 母さん に
出して もらった んです が 。
慰謝料 ?
ヒモ じゃ ない ?
まさか 母親 も !?
う っ 。
いやいや いい って !
どうせ 安物 を
何 年 も 使い 倒した もの だ しさ !
た … 足りない よう なら
お 給料 日 まで
お 待ち いただけ ない でしょう か 。
恐喝 ?
ヤクザ かも 。
け 警察 へ !
クッ … ホント
マジ で 気 に して ない から ! な っ !?
で でも …。
私 の あんな 恥ずかしい ところ を
先輩 に 見せて しまって 。
(3 人 ) 恥ずかしい ところ !?
だから 言い 方 !
あんな こと に なって しまった 以上
私 が 先輩 に できる こと は
もう この くらい しか
ない んで すって ば !
いや 少し 布団 を 汚した だけ だ ろ !?
お前 初めて の 経験 だった んだ から
しかたない って !
(3 人 ) え えっ !
う っ …。
あぁ もう わかった !
金 は 受け取る !
だから もう 忘れろ !
何も なかった こと に しよう !
はい もう 終わり !
布団 を 汚した 。
初めて の 経験 。
何も なかった こと に 。
(3 人 ) 男 の クズ 。
あぁ …。
俺 も 言い 方 ~!
( 亜実 ) ありがとう ございました 。
また お 越し ください ませ
さて と …。
ひと 段 落ついた みたい ね 父さん 。
( 亜紀 彦 ) あぁ
少し 休憩 に しよう 娘 よ 。
フンッ 。
そい やっ !
そう そう 桜井 くん 。
この 間 の 花 ちゃん の
誕生日 は どう だった ?
大した アドバイス は でき なかった けど
喜んで もらえた の なら 幸い かな 。
ハァ …。
《2 人 : あっ これ アカン やつ だ 》
宇崎 の ヤツ 俺 と 一緒に
居酒屋 で 酒飲み た いってん で
連れて って
飲ま せて やった んです よ 。
そう したら アイツ …。
あっ いや
俺 も ちょっと 飲み すぎちゃ って
気付いたら もう
終電 も なくなって まして …。
(2 人 ) 続けて 。
で お互い 酔い が 回って た せい か
なん やかん や で 宇崎 を 俺 ん ち に
泊める こと に な っち まって 。
(2 人 ) ほうほう ほう 。
そうして …。
(2 人 ) そうして ?
そうして …。
クッ …。
すみません アイツ …。
あんな ん でも 女 なんで
俺 の 口 から は これ 以上 …。
《2 人 : いい 大人 が 泣いた 》
《 花 ちゃん 何やら かした の !?》
( 汽笛 )
( 榊 ) ふ ぅ … アイツ ら と 行った 海 も
楽しかった けど
こうして 一 人
船 に 揺られる の も オツ な もの …。
なんだ ? なんか 唐突に
俺 の い ない 間 に
何 か 起き そうな 気 が する !
クソ ! 一 人 で来る んじゃ なかった !
ちょ … お 客 様 !?
待って ろ 今 行く ぞ !
お 客 さ ~ ん !
( バイブ 音 )
ともかく 誕生日 以来
花 ちゃん の 元気 が ない
と いう こと かな ?
ま ぁ そういう こと です 。
気 に する なって
何度 も 言って る んです けど 。
フム それ だけ 桜井 くん に
申し訳ない こと を した と
思って いる んだろう ねぇ 。
いやいや そういう キャラ じゃ
ないで すよ アイツ は 。
いやいや あれ で 花 ちゃん
そのへん の ライン は
きっちり 守って る でしょ 。
桜井 くん も
本気で ひどい 目 に あった こと
今 まで 一 度 も ない んじゃ ない ?
言わ れて みれば …。
さすが に
ちょっと 引き ました わ
だめ ! 無理 ! 耐え られ ない
ヤッホ ー ! スマホゲット !
《 言わ れて みれば …。
そんな … ような …
気 も し ない … で も ない か ?》
葛藤 して る ようだ ね 。
花 ちゃん わりと
紙一重 の 愛情 表現 だった か ぁ 。
ま ぁ それ は それ と して !
《2 人 : 考える の を やめた 》
宇崎 が おとなしい の は
いいん です けど
それ は それ で なんか
調子 が 狂う と いう か
絡み づらい と いう か 。
(2 人 ) ほうほう 。
自分 も 十分
ひどい 目 に あった んだ から
いつも みたいに 何も 気 に して ない
顔 し てりゃ いい のに
なんで …。
(2 人 ) うん 。
( 亜紀 彦 ) 桜井 くん
よかったら これ 使って 。
なんで すか ? これ 。
近く 花火 大会 が ある だろう ?
出店 で 使える 優待 券 を
町内会 で もらって ね 。
YOU 花 ちゃん 誘っちゃ いな YO !
えっ なんで 俺 が 宇崎 を 。
仲直り し たい んでしょ ?
いや そもそも
別に ケンカ した わけで は …。
黙れ 小僧 !
あ … 亜実 さん ?
クッ …。
《 直接 介入 する の は
主義 に 反する けど …》
いい から 行き なさい !
でも って 「 君 の 笑顔 は
大輪 の 花火 の ようだ 」 と か
「 打ち上げ 花火 の ように
下 から 見て も 横 から 見て も
きれいだ ね 」 と か
ちょっと 歯 の 浮く セリフ で
褒めて 褒めて 褒め まくれば
花 ちゃん の 機嫌 も 必ず なおる !
《 ちょ ろ いから ね 》
ちょ … マジ で そんな こと を !?
《 そういう 経験 が
微塵 も ない 娘 が
男 と 女 を 語る
姿 を 見る 父 の 心境 …》
ま ぁ 呼び出す 口実 に は
なる と 思う よ 。
奢 る なんて 言って も
今 の 花 ちゃん は 聞か ない だろう し 。
( 桜井 ) あざ っす 。
(2 人 ) フフフ …。
( 桜井 ) お ~ い 宇崎 !
あっ 。
ハァ … 悪い 待た せた 。
すげ ぇ 混 んで たから 。
いや …。
自分 も 今 来た ところ なんで
全然 大丈夫 っす 。
そ そう か 。
先輩 今日 は
自分 なんか を 誘って いただき
まことに ありがとう ございます 。
《 だめだ まだ 尾 を 引いて いる 》
き 気 に す ん なって 。
あ ~ 腹 減って る ?
花火 始まる まで 屋台 で も 回る か 。
ん っ …。
~ ごちそうさま でした 先輩 。 お おう … 気 に する な 。
どうせ タダ 券 だ から な 。
フフッ マスタ ー に 感謝 っす ね 。
な っ …。
先輩 ?
あぁ いや … なんでも ねえ 。
《 まだ だめ か 。
一見 明るく
振る舞っちゃ いる んだ けど
なんか ぎこちない んだ よ な 。
本来 の 宇崎 なら …》
先輩 金魚すくい やり ましょう よ
金魚すくい !
私 が ぼっ ちな 先輩 の ため に
同居 人 を 作って あげる っす !
金魚 に 向かって 「 ただいま 」 と か
言う 先輩 想像 したら
アッハッハ ! 超 ウケ る っす ! アハハ !
クッ … あっ 。
《 いや や っぱな ん と か
元気づけて やら ない と 。
けど どう すれば …》
ちょっと 歯 の 浮く セリフ で
褒めて 褒めて 褒め まくれば
花 ちゃん の 機嫌 も 必ず なおる !
ウ ー ン …。
宇崎 !
はい 。
言い 忘れて た んだ が …。
えっ と … 浴衣 … すごい な それ 。
あっ お 母さん に やって もらって 。
いい な 似合って る 。
えっ 。
そ そう っす か …。
《 よし これ だ !》
うん うん 本当 似合って る !
エヘヘ ありがとう ございます 。
その 下駄 !
あっ 。
浴衣 に 合わせて 買った やつ っす 。
いい なぁ ピッタリ だ !
花 飾り も 夏 って 感じ で いい な !
エヘヘ 。
これ も 浴衣 に 合わせた ん すよ 。
髪形 も 今日 は いつも と 違う な !
エヘヘヘ 。
いい ぞ ~ 似合って る それ も !
あぁ 財布 と か スマホ と か 入り ます 。
いっぱい 入り そうで いい な !
ウヘ … エヘヘ … ヘヘッ 。
ま ぁ 私 も 今日 の ため に
わりと 頑張った っす けど ね !
さすが の 感性 死んで る 先輩 も
魅了 さ れちゃ った っす か ね ~。
クッ …。
お お ぉ ! 今日 の 宇崎
すげ ぇわ マジ で !
そ っす か ~ そ っす よ ね ~。
ホント 頑張った んで
感謝 して ください よ ね ~。
この 機会 逃したら
浴衣 の 女の子 と 遊び に いく と か
先輩 に は
一生 な さ そう っす もん ね ~。
アハハハ !
《 我慢 だ 俺 。
しおらしい 宇崎 より
何 倍 も マシ だ ろ 》
あぁ せっかく
かわいい 格好 して る んだ から
今日 は 楽しま ない と な 。
き ゃわ ~。
か かわいい っす か ?
先輩 の 目 から 見て も ?
ハッ …。
《 ヤベ … つい … いや ここ は !》
かわいい !
今日 は 誘って よかった !
来て くれて 本当に ありがとう !
ふい ぃぃ 。
きれい ! 美人 !
かわいい ! かわいい ぞ !
あ ~ それ と … それ と かわいい !
《 カップル が イチャ ついて る 》
《 彼 氏 必死だ な 》
《 語彙 力 ねえ な 彼 氏 》
も もう いい っす !
もう いい か ? かわいい 後輩 !
褒め すぎ っす !
わかった っす から !
おっと 危 ねっ 。
もう 先輩 ! もう もうもう !
落ち着け 宇崎
ごめん ごめん って 。
も ~ う !
あっ …。
( ゴング )
せ … せ ん ぱ ~ い !
( セミ の 鳴き声 )
ガハッ … ゲホゲホ …。
う ぇ … 水 飲んじゃ った 。
ハァ … ハァ … ハァ …。
おい 。
あっ 。
ヒィ !
また 一 人 で 練習 して ん の か 。
さ … 桜井 先輩 。
あの もう 帰った んじゃ 。
忘れ もん 取り に きた 。
危ない から 一 人 で は
やめ と けって 言ったろう 。
あ … いえ その です ね !
桜井 先輩 に も
何度 か 教えて もらったり
マネジャ ー 的に ふだん
皆さん の 練習 も 見て る から
そろそろ 上手に
泳げる ように なって たり
する んじゃ ない か な ~ って 。
思って たより も
そう で も なかった みたいで 。
すみません …
教えて もらって る のに 。
ハァ …。
そう か 。
えっ ? あっ 桜井 先輩 。
あの 先輩
やっぱり まだ ちょっと 怖い 。
周り も 薄暗い から 特に 。
まだ もう 少し できる かな 。
よし 頑張ろう 。
プハッ ! もう …。
なんで うまく 泳げ ない の か な 。
( 飛び込む 音 )
あっ …。
さ 桜井 先輩 ?
わ ぁ やっぱり
レギュラ ー だけ あって うまい なぁ 。
ん っ ?
《 すごい な あんなに 激しく
体 動かして る のに
私 と 違って 全然 静か 》
あっ 。
慌て ず 体 の 力 を ぬいて 。
えっ 。
正しい 姿勢 で 水 を 叩け 。
大丈夫 人間 は 基本 浮く もん だ 。
あ … あっ 。
あっ は はい やって み ます !
ハァ …。
どうした ?
いえ 結局 全然 上達 し なくて 。
あっ 。
( 宇崎 ) あっ 今日
花火 大会 な んです よ 。
そう か …。
ちょっと 待って ろ 。
はっ ?
先輩 ?
宇崎 … ほら 。
えっ ? あ あの …。
腹 減って ない か ?
ま ぁ いっぱい 泳いだ んで …
どうも 。
おいしい 。
もう 少し だ 頑張れ 。
なんか すみ ませ ん 桜井 先輩
何度 も 教えて もらって おいて 。
宇崎 ? あの な …。
あっ 。
あっ !
( 歓声 )
先輩 !
おっと 。
見て ください ほら !
きれい … お っ きい 。
すごい 。
~ わ ぁ … ん っ …。
先輩 ?
ん っ 宇崎 … ぬ あっ !?
よかった 起きた ん すね 。
お お ぉ …。
《 ちょ っ 膝 枕 !?
宇崎 の ? なんで ?》
俺 気絶 して た の か ?
ほんの ちょっと の 間 っす 。
ほら 花火 の 打ち上げ も
まだ 始まって ない っす 。
そう か …。
あっ まだ 起きちゃ だめ っす 。
目 が 覚めて も 少し 安静に
して おいた ほう が いい って
運ぶ の を 手伝って くれた 人 が
言って たっす よ 。
お … お ぉ 。
《 クッ … 視界 を ふさいだ せい か
あぁ クソ
なんか すげ ぇ いい 匂い する 》
先輩 …。
ん っ ?
すみません 重ね重ね ホント 。
い い や いい って 。
今回 の は 事故 みたいな もん だ ろ
ほら 俺 も 調子 に 乗り すぎた よ 。
でも …。
ホント 気 に す んな 頼む から 。
はい … わかり ました 。
《 あぁ せっかく 立ち直った のに
また 落ち込んで 。
見え ない けど
また あんな 顔 して る んだろう な 。
あぁ そうだ あん とき と 同じ 。
マスタ ー や 亜実 さん が 言った とおり
周り の こと
いろいろ 考えて る んだ な 。
けど … や っぱ コイツ は
あんな ん だ と 調子 狂う んだ よ な 》
あの さ 宇崎 。
ん っ …。
去年 お前 が うち の 大学 に 入って
また 後輩 に なった とき は 正直
特に なんとも 思わ なかった んだ 。
けど ま ぁ あれ だ 。
なんか お前
春 ごろ から 急に 馴れ馴れしく
絡んで くる ように なって
正直 わりと 本気で ウザ かった 。
ア アハハ …。
でも な 。
今日 まで の こと ざっと
思い返して みた んだ けども
どこ へ 行く に も ついてきたり
憩い の 空間 に 踏み込んで
こら れたり した こと も
あった けど さ …。
ま ぁ 一緒に 遊んだり
海 や 猫 カフェ なんか も 行って
酒 と かも
2 人 で 飲む ように なって さ 。
今日 も こうして
花火 を 見 に きたり なんか して 。
去年 まで は さ
こんなに いろいろ したり
出かけたり する こと は なかった 。
騒がしい の は ごめん だ けど
なんだか んだ やっぱり
結構 … 楽しかった し … それ も …。
言い たか ない けど たぶん
お前 の おかげ で
俺 も ま ぁ そんな の に
慣れて きた わけで 。
だから ま ぁ な んだ …。
そんな 気 に して 落ち込ま んで くれ
調子 狂う 。
あっ … 先輩 。
夏 休み も まだまだ 残って んだ し
また ど っか 行こう ぜ 。
お前 が よければ さ 。
し … しようがない っす ね !
先輩 の ぼ っち 夏 休み
私 が いくら でも
つきあって あげ ます よ !
お ぅ … ま ぁ 頼む わ 。
あっ 。
( 花火 の 音 )
お っ 始まった 。
そう っす ね 。
先輩 花火 見え ます か ?
ギリギリ な 。
ギリギリ ?
いや なんでもない 。
た ~ ま や ~ か ~ ぎ や ~。
《 見え ねえ けど きっと …。
あぁ や っぱ こっち が いい わ 》
先輩 。
ん っ ?
明日 は どこ に 行く っす か ?
どこ へ だって
おつきあい する っす よ 。
あぁ そう だ な …。
明日 は 何 して 遊ぶ か …。