×

We gebruiken cookies om LingQ beter te maken. Als u de website bezoekt, gaat u akkoord met onze cookiebeleid.

image

2 - Harry Potter, 13.2.2 重大秘密の日記 - The Very Secret Diary

13.2.2 重大 秘密の 日記 - The Very Secret Diary

ハリー は 両足 が 固い 地面 に 触れた ような 気 が して 、 震え ながら 立ち上がった 。

すると 周り の ぼんやり した 物 影 が 、 突然 はっきり 見える ように なった 。

自分 が どこ に いる の か 、 ハリー に は すぐ わかった 。

居眠り 肖僕 画 の かかって いる 円形 の 部屋 は ダンブルドア の 校長 室 だ ―― しかし 、 机 の むこう に 座って いる の は ダンブルドア で は なかった 。

皺 くちゃ で 弱々しい 小柄な 老人 が 、 パラパラ と 白髪 の 残る 禿頭 を 見せて 、 蝋燭 の 灯り で 手紙 を 読んで いた 。

ハリー が 一 度 も 会った こと の ない 魔法使い だった 。

「 すみません 」 ハリー は 震える 声 で 言った 。

「 突然 お邪魔 する つもり は なかった んです が ......」

しかし 、 その 魔法使い は 下 を 向いた まま 、 尐 し 眉 を ひそめて 読み 続けて いる 。

ハリー は 尐 し 机 に 近づき 、 突っかえ ながら 言った 。 「 あの ー 、 僕 、 すぐに 失礼 した 方 が ?」

それ でも 無視 さ れ 続けた 。 どうも ハリー の 言う こと が 聞こえて さえ いない ようだ 。 耳 が 違い かも しれ ない と 思い 、 ハリー は 声 を 張りあげた 。

「 お邪魔 して すみません でした 。 すぐ 失礼 します 」 ほとんど 怒鳴る ように 言った 。 その 魔法使い は ため息 を ついて 、 羊 皮 紙 の 手紙 を 丸め 、 立ち上がり 、 ハリー に は 目 も くれ ず に そば を 通り過ぎて 、 窓 の カーテン を 閉めた 。

窓 の 外 は ルビー の ように 真っ赤な 空 だった 。 夕 陽 が 沈む ところ らしい 。 老人 は 机 に 戻って 椅 子 に 腰掛け 、 手 を 組み 、 親指 を もてあそび ながら 入口 の 扉 を 見つめて いた 。

ハリー は 部屋 を 見回した 。 不死鳥 の フォークス も いない 。 クルクル 回る 銀 の 仕掛け 装置 も ない 。 これ は リドル の 記憶 の 中 の ホグワーツ だ 。 つまり ダンブルドア で は なく 、 この 見知らぬ 魔法使い が 校長 な んだ 。 そして 自分 は せいぜい 幻 みたいな 存在 で 、 五十 年 前 の 人 たち に は まったく 見え ない のだ 。 誰 か が 扉 を ノック した 。

「 お 入り 」 老人 が 弱々しい 声 で 言った 。

十六 歳 ぐらい の 尐年 が 入って きて 、 三角 帽子 を 脱いだ 。 銀色 の 監督 生 バッジ が 胸 に 光って い る 。 ハリー より ずっと 背 が 高かった が 、 この 尐年 も 真っ黒 の 髪 だった 。

「 ああ 、 リドル か 」 校長 先生 は 言った 。

「 ディペット 先生 、 何 かご 用 でしょう か ?」 リドル は 緊張 して いる ようだった 。

「 お 座り なさい 。 ちょうど 君 が くれた 手紙 を 読んだ ところ じゃ 」

「 あぁ 」 と 言って リドル は 座った 。 両手 を 固く 握り合わ せて いる 。

「 リドル 君 」 ディペット 先生 が やさしく 言った 。

「 夏 休み の 間 、 学校 に 置いて あげる こと は でき ない んじゃ よ 。 休暇 に は 、 家 に 帰りたい じゃ ろう ?」 「 いいえ 」 リドル が 即座に 答えた 。 「 僕 は むしろ ホグワーツ に 残りたい んです 。 その ―― あそこ に 帰る より ――」

「 君 は 休暇 中 は マグル の 孤児院 で 過ごす と 聞いて おる が ?」

ディペット は 興味深 げ に 尋ねた 。

「 はい 、 先生 」 リドル は 尐 し 赤く なった 。

「 君 は マグル 出身 かね ?」

「 ハーフ です 。 父 は マグル で 、 母 が 魔女 です 」

「 それ で ―― ご 両親 は ?」

「 母 は 僕 が 生まれて 間もなく 亡くなりました 。 僕 に 名前 を 付ける と すぐに 。 孤児院 で そう 聞 きました 。 父 の 名 を 取って トム 、 祖父 の 名 を 取って マールヴォロ です 」

ディペット 先生 は なんとも 痚 ま しい と いう ように 領 いた 。

「 しかし じゃ 、 トム 」 先生 は ため息 を ついた 。

「 特別の 措置 を 取ろう と 思って おった が 、 しかし 、 今 の この 状況 で は ......」

「 先生 、 襲撃 事件 の こと でしょう か ?」 リドル が たずねた 。

ハリー の 心臓 が 躍り上がった 。 一言 も 聞き漏らす まい と 、 近く に 寄った 。

「 その 通り じゃ 。 わかる じゃ ろう ? 学期 が 終わった あと 、 君 が この 城 に 残る の を 許す の は 、 どんなに 愚か しい こと か 。 特に 、 先日 の あの 悲しい 出来事 を 考える と ......。

かわいそうに 、 女子 学生 が 一 人 死んで しも うた ......。 孤児院 に 戻って いた 方 が ずっと 安全な んじゃ よ 。 実 を 言う と 、 魔法 省 は 今や 、 この 学校 を 閉鎖 する こと さえ 考えて おる 。 我々 は そ の 一連の 不愉快な 事件 の 怪 ―― ア 一 ―― 源 を 突き止める こと が でき ん ......」

リドル は 目 を 大きく 見開いた 。 「 先生 ―― もし その 何者 か が 捕まったら ...... もし 事件 が 起こら なく なったら ......」 「 どういう 意味 かね !」 ディペット 先生 は 椅子 に 座り 直し 、 身 を 起こして 上ずった 声 で 言った 。 「 リドル 、 何 か この 襲撃 事件 に ついて 知っている と でも 言う の か ね ?」 「 いいえ 、 先生 」 リドル が 慌てて 答えた 。

ハリー に は この 「 いいえ 」 が 、 ハリー 自身 が ダンブルドア に 答えた 「 いいえ 」 と 同じだ 、 と すぐ わかった 。

失望 の 色 を 浮かべ ながら 、 ディペット 先生 は また 椅子 に 座り込んだ 。

「 トム 、 もう 行って よろしい ......」 リドル は スッ と 椅子 から 立ち上がり 、 重い 足取り で 部屋 を 出た 。 ハリー は あと を ついて行った 。

動く 螺旋 階段 を 降り 、 二 人 は 廊下 の ガーゴイル 飾り の 脇 に 出た 。 暗く なり かけて いた 。 リド ル が 立ち止まった ので ハリー も 止まって 、 リドル を 見つめた 。

リドル が 何 か 深刻な 考え 事 を して いる の が ハリー に も よく わかった 。

リドル は 唇 を 噛み 、 額 に 皺 を 寄せて いる 。

それ から 突然 何事 か 決心 した か の ように 、 急いで 歩き 出した 。

ハリー は 音 も なり 滑る ように リドル に ついて行った 。

玄関 ホール まで 誰 に も 会わ なかった が 、 そこ で 、 長い ふさふさ した とび色 の 髪 と 髭 を 蓄えた 背 の 高い 魔法使い が 、 大理石 の 階段 の 上 から リドル を 呼び止めた 。

「 トム 、 こんな 遅く に 歩き回って 、 何 を して いる の か ね ?」

ハリー は その 魔法使い を じっと 見た 。 今 より 五十 歳 若い ダンブルドア に まちがい ない 。

「 はい 、 先生 、 校長 先生 に 呼ば れました ので 」 リドル が 言った 。 「 それでは 、 早く ベッド に 戻り なさい 」

ダンブルドア は 、 ハリー が よく 知っている 、 あの 心 の 中 まで 見通す ような まなざし で リドル を 見つめた 。

「 このごろ は 廊下 を 歩き回ら ない 方 が よい 。 例の 事件 以来 ......」

ダンブルドア は 大きく ため息 を つき 、 リドル に 「 お やすみ 」 と 言って 、 その 場 を 立ち去った 。 リドル は その 姿 が 見え なり なる まで 見て いた が 、 それ から 急いで 石段 を 下り 、 まっすぐ 地下 牢 に 向かった 。 ハリー も 必死に 追跡 した 。

しかし 残念な こと に 、 リドル は 隠れた 通路 や 、 秘密の トンネル に 行った ので は なく 、 スネイ プ が 魔法 薬学 の 授業 で 使う 地下 牢教 室 に 入った 。

松明 は 点いて い なかった し 、 リドル が 教室 の ドア を ほとんど 完全に 閉めて しまった ので 、 ハ リー に は リドル の 姿 が やっと 見える だけ だった 。 リドル は ドア の 陰 に 立って 身 じ ろ ぎ も せ ず 、 外 の 通路 に 目 を 凝らして いる 。

尐 なく と も 一 時間 は そう して いた ような 気 が する 。

ハリー の 目 に は 、 ドア の 隙間 から 目 を 凝らし 、 銅 僕 の ように じっと 何 か を 待って いる リドル の 姿 が 見える だけ だった 。 期待 も 萎え 、 緊張 も 緩み かけ 「 現在 」 に 戻りたい と 思い はじめた ちょうど その とき 、 ドア の むこうで 何 か が 動く 気配 が した 。 誰 か が 忍び足 で 通路 を 歩いて きた 。

いったい 誰 な の か 、 リドル と 自分 が 隠れて いる 地下 牢教 室 の 前 を 通り過ぎる 音 が した 。

リドル は まるで 影 の ように 静かに 、 す るり と ドア から にじ り 出て あと を つけた 。

ハリー も 誰 に も 聞こえる はず が ない こと を 忘れて 、 抜き 足 差し 足 で リドル の あと に 続いた 。

五 分 も たったろう か 。

二 人 は その 足音 に ついて 歩いた が 、 リドル が 急に 止まって 、 何 か 別の 物音 の する 方角 に 顔 を 向けた 。

ドア が ギーッ と 開き 、 誰 か が しゃが れ 声 で ささやいて いる の が 、 ハリー の 耳 に 聞こえて き た 。

「 おいで ...... おまえ さん を こっか ら 出さ なきゃ な ん ねえ ...... さあ 、 こっち へ ...... この 箱 の 中 に ......」

なんとなく 聞き覚え が ある 声 だった 。

リドル が 物陰 から 突然 飛び出した 。 ハリー も あと に ついて 出た 。

ど で かい 尐年 の 暗い 影 の ような 輪郭 が 見えた 。

大きな 箱 を 傍ら に 置き 、 開け 放した ドア の 前 に しゃがみ込んで いる 。

「 こんばんは 、 ルビウス 」 リドル が 鋭く 言った 。

尐年 は ドア を バタン と 閉めて 立ち上がった 。

「 トム 。 こんな ところ で おまえ 、 なん して る ?」

リドル が 一 歩 近寄った 。 「 観念 する んだ 」 リドル が 言った 。

「 ルビウス 、 僕 は 君 を 突き出す つもりだ 。 襲撃 事件 が やま なければ 、 ホグワーツ 校 が 閉鎖 さ れる 話 まで 出て いる んだ 」

「 なん が 言 いて え の か ――」

「 君 が 誰 か を 殺そう と した と は 思わ ない 。 だけど 怪物 は 、 ペット と して ふさわしく ない 。 君 は 運動 さ せよう と して 、 ちょっと 放した んだろう が 、 それ が ――」

「 こいつ は 誰 も 殺して ねぇ !」

で かい 尐年 は 今 、 閉めた ばかりの ドア の 方 へ あとずさり した 。

その 尐年 の 背後 から 、 ガサゴソ 、 カチカチ と 奇妙な 音 が した 。

「 さあ 、 ルビウス 」 リドル は もう 一 歩 詰め寄った 。

「 死んだ 女子 学生 の ご 両親 が 、 明日 学校 に 来る 。 娘 さん を 殺した やつ を 、 確実に 始末 する こ と 。 学校 と して 、 尐 なく と も それ だけ は できる 」

「 こいつ が やった んじゃ ねぇ !」 尐年 が 喚 く 声 が 暗い 通路 に こだま した 。

「 こいつ に できる はず ねぇ ! 絶対 やっちゃ い ねぇ !」

「 ど いて くれ 」 リドル は 杖 を 取り出した 。

リドル の 呪文 は 突然 燃える ような 光 で 廊下 を 照らした 。

ど で かい 尐年 の 背後 の ドア が ものすごい 勢い で 開き 、 尐年 は 反対 側 の 壁 まで 吹っ飛ば さ れ た 。 中 から 出て きた 物 を 見た 途端 、 ハリー は 思わず 鋭い 悲鳴 を もらした ―― 自分 に しか 聞こ え ない 長い 悲鳴 を ――。

毛 むくじゃ ら の 巨大な 胴体 が 、 低い 位置 に 吊り下げられて いる 。 絡み合った 黒い 脚 、 ギラギラ 光る たくさんの 眼 、 剃刀 の ように 鋭い 鋏 。

リドル が もう 一 度 杖 を 振り上げた が 、 遅かった 。 その 生物 は リドル を 突き 転がし 、 ガサゴソ と 大急ぎで 廊下 を 逃げて 行き 、 姿 を 消した 。 リドル は 素早く 起き上がり 、 後ろ姿 を 目 で 追 い 、 杖 を 振り上げた 。

「 やめろ お おお おお おお !」 ど で かい 尐年 が リドル に 飛びかかり 、 杖 を 引った くり 、 リドル を また 投げ飛ばした 。 場面 が グルグル 旋回 し 、 真っ暗闇に なった 。 ハリー は 自分 が 落ちて 行く の を 感じた 、 そし て 、 ドサリ と 着地 した 。

ハリー は 、 グリフィンドール の 寝室 の 天 蓋付 き ベッド の 上 に 大 の 字 に なって いた 。

リドル の 日記 は 腹 の 上 に 開いた まま 乗って いた 。

息 を 弾ま せて いる 最中 に 、 寝室 の 戸 が 開いて ロン が 入って きた 。

「 ここ に いた の か 」 と ロン 。

ハリー は 起き上がった 。 汗 びっしょり で ブルブル 震えて いた 。

「 どうした の !」 と ロン が 心配 そうに 聞いた 。

「 ロン 、 ハグリッド だった んだ 。 五十 年 前 に 『 秘密の 部屋 』 の 扉 を 開けた の は 、 ハグリッド だった んだ !」

Learn languages from TV shows, movies, news, articles and more! Try LingQ for FREE

13.2.2 重大 秘密の 日記 - The Very Secret Diary じゅうだい|ひみつの|にっき|the|very|secret|diary significant|||||| 13.2.2 Das sehr geheime Tagebuch 13.2.2 The Very Secret Diary 13.2.2 Le journal très secret 13.2.2 Il Diario Segretissimo 13.2.2 Bardzo tajny dziennik 13.2.2 Den mycket hemliga dagboken 13.2.2 非常秘密的日記

ハリー は 両足 が 固い 地面 に 触れた ような 気 が して 、 震え ながら 立ち上がった 。 ||りょうあし||かたい|じめん||ふれた||き|||ふるえ||たちあがった Harry||both feet||stiff|ground||touched||||||| Harry felt his feet touch the hard ground and stood up, shaking.

すると 周り の ぼんやり した 物 影 が 、 突然 はっきり 見える ように なった 。 |まわり||||ぶつ|かげ||とつぜん||みえる|| |surroundings||vaguely||object|shadow||suddenly|||| Then, the vague shadows around me suddenly became clearly visible.

自分 が どこ に いる の か 、 ハリー に は すぐ わかった 。 じぶん||||||||||| Harry knew immediately where he was.

居眠り 肖僕 画 の かかって いる 円形 の 部屋 は ダンブルドア の 校長 室 だ ―― しかし 、 机 の むこう に 座って いる の は ダンブルドア で は なかった 。 いねむり|しょうぼく|が||||えんけい||へや||||こうちょう|しつ|||つくえ||||すわって||||||| napping|portrait|picture||||circular||room||Dumbledore||principal|office|||||||||||||| Doze Xiao I The circular room with the picture is Dumbledore's principal's room-but it wasn't Dumbledore who was sitting behind the desk.

皺 くちゃ で 弱々しい 小柄な 老人 が 、 パラパラ と 白髪 の 残る 禿頭 を 見せて 、 蝋燭 の 灯り で 手紙 を 読んで いた 。 しわ|||よわよわしい|こがらな|ろうじん||ぱらぱら||しらが||のこる|とくとう||みせて|ろうそく||ともり||てがみ||よんで| wrinkle|wrinkled||feeble|small|elderly man||fluttering||white hair||remaining|bald head|||candle||candlelight||letter||reading| A wrinkled, weak, petite old man was reading a letter with a candlelight, showing a bald head with fluttering and white hair.

ハリー が 一 度 も 会った こと の ない 魔法使い だった 。 ||ひと|たび||あった||||まほうつかい| ||one||also|met||||wizard| Harry was a witch he had never met.

「 すみません 」 ハリー は 震える 声 で 言った 。 |||ふるえる|こえ||いった excuse me||||||

「 突然 お邪魔 する つもり は なかった んです が ......」 とつぜん|おじゃま|||||| suddenly|intrude||||||but "I didn't mean to intrude so abruptly, but ......"

しかし 、 その 魔法使い は 下 を 向いた まま 、 尐 し 眉 を ひそめて 読み 続けて いる 。 ||まほうつかい||した||むいた||||まゆ|||よみ|つづけて| ||||||||||slightly furrowed brow||furrowed|reading|| However, the Wizard looks down, scowls slightly, and continues reading.

ハリー は 尐 し 机 に 近づき 、 突っかえ ながら 言った 。 ||||つくえ||ちかづき|つ っ かえ||いった |||||||stumbling|| 「 あの ー 、 僕 、 すぐに 失礼 した 方 が ?」 |-|ぼく||しつれい||かた| |||right away|excuse me||person|subject marker "Ah, I'm sorry, who should be rude right away?"

それ でも 無視 さ れ 続けた 。 ||むし|||つづけた ||ignored|||continued to be ignored But they kept ignoring me. どうも ハリー の 言う こと が 聞こえて さえ いない ようだ 。 |||いう|||きこえて||| Apparently, they can't even hear what Harry is saying. 耳 が 違い かも しれ ない と 思い 、 ハリー は 声 を 張りあげた 。 みみ||ちがい|||||おもい|||こえ||はりあげた ear||different||||||||||raised Thinking he might be hearing things wrong, Harry raised his voice.

「 お邪魔 して すみません でした 。 おじゃま||| すぐ 失礼 します 」 ほとんど 怒鳴る ように 言った 。 |しつれい|し ます||どなる||いった right away||will do||shouted|| その 魔法使い は ため息 を ついて 、 羊 皮 紙 の 手紙 を 丸め 、 立ち上がり 、 ハリー に は 目 も くれ ず に そば を 通り過ぎて 、 窓 の カーテン を 閉めた 。 |まほうつかい||ためいき|||ひつじ|かわ|かみ||てがみ||まるめ|たちあがり||||め|||||||とおりすぎて|まど||かーてん||しめた that|||||sighed|sheep||||||rolled up|||||glance||glanced|not||||passed by|window||||closed The wizard sighed, rolled a letter of sheepskin, stood up, passed by Harry without even looking, and closed the window curtain.

窓 の 外 は ルビー の ように 真っ赤な 空 だった 。 まど||がい||るびー|||まっかな|から| ||outside||||||sky| Outside the window, the sky was as red as rubies. 夕 陽 が 沈む ところ らしい 。 ゆう|よう||しずむ|| evening|sun||setsu|| 老人 は 机 に 戻って 椅 子 に 腰掛け 、 手 を 組み 、 親指 を もてあそび ながら 入口 の 扉 を 見つめて いた 。 ろうじん||つくえ||もどって|い|こ||こしかけ|て||くみ|おやゆび||||いりぐち||とびら||みつめて| old man|||||chair|||sat down|hand||folded|thumb||fidgeting with|||||||

ハリー は 部屋 を 見回した 。 ||へや||みまわした ||||looked around 不死鳥 の フォークス も いない 。 ふしちょう|||| phoenix||Fawkes|| クルクル 回る 銀 の 仕掛け 装置 も ない 。 くるくる|まわる|ぎん||しかけ|そうち|| round and round||silver||device|device|| There is no silver gimmick that spins around. これ は リドル の 記憶 の 中 の ホグワーツ だ 。 ||||きおく||なか||| ||||memory||||| つまり ダンブルドア で は なく 、 この 見知らぬ 魔法使い が 校長 な んだ 。 ||||||みしらぬ|まほうつかい||こうちょう|| ||||||unknown|||principal|| そして 自分 は せいぜい 幻 みたいな 存在 で 、 五十 年 前 の 人 たち に は まったく 見え ない のだ 。 |じぶん|||まぼろし||そんざい||ごじゅう|とし|ぜん||じん|||||みえ|| |||at most|illusion||being||||||||||||| And I was, at best, a phantom, invisible to the people of fifty years ago. 誰 か が 扉 を ノック した 。 だれ|||とびら||| |||door||knock|

「 お 入り 」 老人 が 弱々しい 声 で 言った 。 |はいり|ろうじん||よわよわしい|こえ||いった |entered|old man||feeble|||

十六 歳 ぐらい の 尐年 が 入って きて 、 三角 帽子 を 脱いだ 。 じゅうろく|さい|||尐ねん||はいって||さんかく|ぼうし||ぬいだ |years|||young boy||||triangle|||took off 銀色 の 監督 生 バッジ が 胸 に 光って い る 。 ぎんいろ||かんとく|せい|ばっじ||むね||ひかって|| silver||director||||chest||is shining|| ハリー より ずっと 背 が 高かった が 、 この 尐年 も 真っ黒 の 髪 だった 。 |||せ||たかかった|||尐ねん||まっくろ||かみ| |||height||tall|||||jet black|||

「 ああ 、 リドル か 」 校長 先生 は 言った 。 |||こうちょう|せんせい||いった |||principal|||

「 ディペット 先生 、 何 かご 用 でしょう か ?」 リドル は 緊張 して いる ようだった 。 |せんせい|なん||よう|||||きんちょう||| Mr Dipet||what|basket|business|||||nervous||| "Mr. Dippet, can I help you? Riddle seemed nervous.

「 お 座り なさい 。 |すわり| ちょうど 君 が くれた 手紙 を 読んだ ところ じゃ 」 |きみ|||てがみ||よんだ|| |||gave|||||

「 あぁ 」 と 言って リドル は 座った 。 ||いって|||すわった 両手 を 固く 握り合わ せて いる 。 りょうて||かたく|にぎりあわ|| ||firmly|gripping each other|| Both hands are clasped tightly together.

「 リドル 君 」 ディペット 先生 が やさしく 言った 。 |きみ||せんせい|||いった ||pet||||

「 夏 休み の 間 、 学校 に 置いて あげる こと は でき ない んじゃ よ 。 なつ|やすみ||あいだ|がっこう||おいて||||||| summer||||school||at||||||| "During the summer vacation, you can't leave it at school. 休暇 に は 、 家 に 帰りたい じゃ ろう ?」 「 いいえ 」 リドル が 即座に 答えた 。 きゅうか|||いえ||かえり たい||||||そくざに|こたえた vacation|||||want to go home||||||immediately| You want to go home for the vacations, don't you? 「 僕 は むしろ ホグワーツ に 残りたい んです 。 ぼく|||||のこり たい| |||||want to stay| その ―― あそこ に 帰る より ――」 |||かえる| that||||than I'd rather go back there than..."

「 君 は 休暇 中 は マグル の 孤児院 で 過ごす と 聞いて おる が ?」 きみ||きゅうか|なか||||こじいん||すごす||きいて|| |||||non-magical person||orphanage||spend time|||| "I heard you spend your vacation in an orphanage in Muggle?"

ディペット は 興味深 げ に 尋ねた 。 ||きょうみぶか|||たずねた ||interesting|||asked

「 はい 、 先生 」 リドル は 尐 し 赤く なった 。 |せんせい|||||あかく|

「 君 は マグル 出身 かね ?」 きみ|||しゅっしん| |||origin|

「 ハーフ です 。 はーふ| half| 父 は マグル で 、 母 が 魔女 です 」 ちち||||はは||まじょ| ||||||witch|

「 それ で ―― ご 両親 は ?」 |||りょうしん| |||parents|

「 母 は 僕 が 生まれて 間もなく 亡くなりました 。 はは||ぼく||うまれて|まもなく|なくなり ました ||||||passed away My mother passed away shortly after I was born. 僕 に 名前 を 付ける と すぐに 。 ぼく||なまえ||つける|| I||||to give||right away As soon as she named me. 孤児院 で そう 聞 きました 。 こじいん|||き|き ました orphanage||||came I heard that in the orphanage. 父 の 名 を 取って トム 、 祖父 の 名 を 取って マールヴォロ です 」 ちち||な||とって|とむ|そふ||な||とって|| ||||to take|Tom|grandfather|||||Marlboro| I was named after my father, Tom, and after my grandfather, Marvolo."

ディペット 先生 は なんとも 痚 ま しい と いう ように 領 いた 。 |せんせい|||||||||りょう| teacher|||not at all|painful||painful||||took| Dippet found this to be very interesting.

「 しかし じゃ 、 トム 」 先生 は ため息 を ついた 。 ||とむ|せんせい||ためいき|| |||||sigh|| But then, Tom," he sighed.

「 特別の 措置 を 取ろう と 思って おった が 、 しかし 、 今 の この 状況 で は ......」 とくべつの|そち||とろう||おもって||||いま|||じょうきょう|| special|measure||take measures|||||||||situation|| "I was going to take special measures, but the way things are going right now, I can't ......"

「 先生 、 襲撃 事件 の こと でしょう か ?」 リドル が たずねた 。 せんせい|しゅうげき|じけん||||||| |attack|incident||||||| "Doctor, are you referring to the attack? Riddle asked.

ハリー の 心臓 が 躍り上がった 。 ||しんぞう||おどりあがった ||heart||jumped up 一言 も 聞き漏らす まい と 、 近く に 寄った 。 いちげん||ききもらす|||ちかく||よった ||miss hearing|||near||approached Not wanting to miss a single word, I moved closer.

「 その 通り じゃ 。 |とおり| |that's right| わかる じゃ ろう ? 学期 が 終わった あと 、 君 が この 城 に 残る の を 許す の は 、 どんなに 愚か しい こと か 。 |||がっき||おわった||きみ|||しろ||のこる|||ゆるす||||おろか||| understand|well||semester|||||||castle||will remain|||will allow|||how|foolish|||quotation particle You see? How foolish it is to allow you to stay in this castle after the semester is over. 特に 、 先日 の あの 悲しい 出来事 を 考える と ......。 とくに|せんじつ|||かなしい|できごと||かんがえる| especially|the other day|||sad|||| Especially considering the sad events of the other day. ......

かわいそうに 、 女子 学生 が 一 人 死んで しも うた ......。 |じょし|がくせい||ひと|じん|しんで|| ||student||||||it seems Poor girl, one of the students died. ...... 孤児院 に 戻って いた 方 が ずっと 安全な んじゃ よ 。 こじいん||もどって||かた|||あんぜんな|| orphanage|||||||safer|| It would be much safer to return to the orphanage. 実 を 言う と 、 魔法 省 は 今や 、 この 学校 を 閉鎖 する こと さえ 考えて おる 。 み||いう||まほう|しょう||いまや||がっこう||へいさ||||かんがえて| truth||||magic|ministry||now||school||closure||||| To tell the truth, the Ministry of Magic is now even considering closing this school. 我々 は そ の 一連の 不愉快な 事件 の 怪 ―― ア 一 ―― 源 を 突き止める こと が でき ん ......」 われわれ||||いちれんの|ふゆかいな|じけん||かい||ひと|げん||つきとめる|||| we||that||series of|unpleasant|incident||mystery|||source||locate|||| We cannot pinpoint the source of that series of unpleasant incidents...

リドル は 目 を 大きく 見開いた 。 ||め||おおきく|みひらいた |||(object marker)||opened wide 「 先生 ―― もし その 何者 か が 捕まったら ...... もし 事件 が 起こら なく なったら ......」 「 どういう 意味 かね !」 ディペット 先生 は 椅子 に 座り 直し 、 身 を 起こして 上ずった 声 で 言った 。 せんせい|||なにもの|||つかまったら||じけん||おこら||||いみ|||せんせい||いす||すわり|なおし|み||おこして|うわずった|こえ||いった |||someone|||if caught||incident||will not occur||||meaning|||||chair||sat down|sat up|body||sat up|strained||| "Sir -- if that something is caught, ...... If the case goes away: ...... What do you mean? Dippet sat up in his chair, raised himself, and said in a raised voice, "What do you mean? 「 リドル 、 何 か この 襲撃 事件 に ついて 知っている と でも 言う の か ね ?」 「 いいえ 、 先生 」 リドル が 慌てて 答えた 。 |なん|||しゅうげき|じけん|||しっている|||いう|||||せんせい|||あわてて|こたえた ||||attack|incident||||||||||||||in a hurry| Riddle, are you suggesting that you know something about this attack?

ハリー に は この 「 いいえ 」 が 、 ハリー 自身 が ダンブルドア に 答えた 「 いいえ 」 と 同じだ 、 と すぐ わかった 。 |||||||じしん||||こたえた|||おなじだ||| |||||||Harry himself||Dumbledore|||||the same||| Harry quickly realized that this "no" was the same as Harry's own answer to Dumbledore.

失望 の 色 を 浮かべ ながら 、 ディペット 先生 は また 椅子 に 座り込んだ 。 しつぼう||いろ||うかべ|||せんせい|||いす||すわりこんだ disappointment||color||to浮かべる||||||||sat down With a look of disappointment on his face, Mr. Dippet sat down in his chair again.

「 トム 、 もう 行って よろしい ......」 リドル は スッ と 椅子 から 立ち上がり 、 重い 足取り で 部屋 を 出た 。 とむ||おこなって||||||いす||たちあがり|おもい|あしどり||へや||でた Tom||||||quietly||chair|||heavy|heavy footsteps|||| "Tom, you're all right ..." Riddle quickly got up from his chair and left the room with a heavy footstep. ハリー は あと を ついて行った 。 ||||ついていった ||||followed

動く 螺旋 階段 を 降り 、 二 人 は 廊下 の ガーゴイル 飾り の 脇 に 出た 。 うごく|らせん|かいだん||ふり|ふた|じん||ろうか|||かざり||わき||でた to move|spiral|staircase||down||||||gargoyle|decoration||||appeared They descended the moving spiral staircase and stepped out into the hallway by the gargoyle decorations. 暗く なり かけて いた 。 くらく||| dark||| It was getting dark. リド ル が 立ち止まった ので ハリー も 止まって 、 リドル を 見つめた 。 |||たちどまった||||とまって|||みつめた Riddle|||stopped||||||| As Riddle stopped, Harry also stopped and stared at Riddle.

リドル が 何 か 深刻な 考え 事 を して いる の が ハリー に も よく わかった 。 ||なん||しんこくな|かんがえ|こと|||||||||| ||||serious|||||||||||| Harry could tell that Riddle was having some serious thoughts.

リドル は 唇 を 噛み 、 額 に 皺 を 寄せて いる 。 ||くちびる||かみ|がく||しわ||よせて| ||lips||biting|forehead||wrinkle||furrow|is Riddle bites his lip and wrinkles his forehead.

それ から 突然 何事 か 決心 した か の ように 、 急いで 歩き 出した 。 ||とつぜん|なにごと||けっしん|||||いそいで|あるき|だした ||||||||||||started

ハリー は 音 も なり 滑る ように リドル に ついて行った 。 ||おと|||すべる||||ついていった |||||||||followed Harry followed the riddle as it made noise and glided along.

玄関 ホール まで 誰 に も 会わ なかった が 、 そこ で 、 長い ふさふさ した とび色 の 髪 と 髭 を 蓄えた 背 の 高い 魔法使い が 、 大理石 の 階段 の 上 から リドル を 呼び止めた 。 げんかん|ほーる||だれ|||あわ|||||ながい|||とびいろ||かみ||ひげ||たくわえた|せ||たかい|まほうつかい||だいりせき||かいだん||うえ||||よびとめた |||||||||||long|fluffy||tawny color||||beard||accumulated|tall|||||marble||marble stairs||||||called out He did not see anyone until the entrance hall, where a tall wizard with long, bushy hair and a beard stopped him at the top of the marble stairs.

「 トム 、 こんな 遅く に 歩き回って 、 何 を して いる の か ね ?」 とむ||おそく||あるきまわって|なん|||||| ||so late||walking around||||||| "Tom, what are you doing, walking around so late?"

ハリー は その 魔法使い を じっと 見た 。 |||まほうつかい|||みた Harry|||||| 今 より 五十 歳 若い ダンブルドア に まちがい ない 。 いま||ごじゅう|さい|わかい|||| |||years|younger|||| Dumbledore is no doubt fifty years younger than he is now.

「 はい 、 先生 、 校長 先生 に 呼ば れました ので 」 リドル が 言った 。 |せんせい|こうちょう|せんせい||よば|れ ました||||いった |teacher|principal|||called||||| Yes, sir, the principal wants to see you," Riddle said. 「 それでは 、 早く ベッド に 戻り なさい 」 |はやく|べっど||もどり| ||bed||| "Now, get back into bed."

ダンブルドア は 、 ハリー が よく 知っている 、 あの 心 の 中 まで 見通す ような まなざし で リドル を 見つめた 。 |||||しっている||こころ||なか||みとおす||||||みつめた |||||||||||see through||gaze|||| Dumbledore stared at Riddle with a look that Harry was familiar with, looking into that heart.

「 このごろ は 廊下 を 歩き回ら ない 方 が よい 。 ||ろうか||あるきまわら||かた|| ||hallway||walk around||||better It's better not to walk around in the hallways these days," he said. 例の 事件 以来 ......」 れいの|じけん|いらい |incident|since

ダンブルドア は 大きく ため息 を つき 、 リドル に 「 お やすみ 」 と 言って 、 その 場 を 立ち去った 。 ||おおきく|ためいき||||||||いって||じょう||たちさった ||||||||good|good night||||spot||left the place Dumbledore sighed heavily, said "Good-bye" to Riddle, and left. リドル は その 姿 が 見え なり なる まで 見て いた が 、 それ から 急いで 石段 を 下り 、 まっすぐ 地下 牢 に 向かった 。 |||すがた||みえ||||みて|||||いそいで|いしだん||くだり||ちか|ろう||むかった |||appearance||could be seen||なる|||||||quickly|stone steps||down||underground|prison|| Riddle watched until he could no longer see the figure, then hurried down the stone steps and headed straight for the dungeon. ハリー も 必死に 追跡 した 。 ||ひっしに|ついせき| ||desperately|pursuit| Harry was also trying his best to track him down.

しかし 残念な こと に 、 リドル は 隠れた 通路 や 、 秘密の トンネル に 行った ので は なく 、 スネイ プ が 魔法 薬学 の 授業 で 使う 地下 牢教 室 に 入った 。 |ざんねんな|||||かくれた|つうろ||ひみつの|とんねる||おこなった|||||||まほう|やくがく||じゅぎょう||つかう|ちか|ろうきょう|しつ||はいった |regrettable|||||hidden|passage||secret|secret tunnel||||||Snape|||magic|potions class||class||uses|basement|detention room||| Unfortunately, Riddle did not go into the hidden passageways or secret tunnels, but into the dungeon room that Snape uses for Potions classes.

松明 は 点いて い なかった し 、 リドル が 教室 の ドア を ほとんど 完全に 閉めて しまった ので 、 ハ リー に は リドル の 姿 が やっと 見える だけ だった 。 たいまつ||ついて||||||きょうしつ||どあ|||かんぜんに|しめて|||||||||すがた|||みえる|| torch||was lit||||||classroom|||||almost completely|closed|||||||||figure||||| The torch wasn't on, and Riddle closed the classroom door almost completely, so Harry could only see Riddle. リドル は ドア の 陰 に 立って 身 じ ろ ぎ も せ ず 、 外 の 通路 に 目 を 凝らして いる 。 ||どあ||かげ||たって|み|||||||がい||つうろ||め||こらして| ||||shadow|||body||locomotion||also||not|outside||corridor||||fixated on| Riddle stands behind the door, not stirring, his eyes fixed on the passageway outside.

尐 なく と も 一 時間 は そう して いた ような 気 が する 。 ||||ひと|じかん||||||き|| I feel like I've been doing that for at least an hour.

ハリー の 目 に は 、 ドア の 隙間 から 目 を 凝らし 、 銅 僕 の ように じっと 何 か を 待って いる リドル の 姿 が 見える だけ だった 。 ||め|||どあ||すきま||め||こらし|どう|ぼく||||なん|||まって||||すがた||みえる|| |||||||gap||||staring intently|copper|I||||||||||||||| Harry's eyes could only see Riddle, squinting through the gap in the door and waiting for something like a bronze servant. 期待 も 萎え 、 緊張 も 緩み かけ 「 現在 」 に 戻りたい と 思い はじめた ちょうど その とき 、 ドア の むこうで 何 か が 動く 気配 が した 。 きたい||なえ|きんちょう||ゆるみ||げんざい||もどり たい||おもい|||||どあ|||なん|||うごく|けはい|| expectation||withering|||loosening||now||want to return|||||||||beyond the door||||moved|sign|| Just when I was beginning to feel like I wanted to return to the present, my expectations were fading and my nerves were beginning to loosen, I felt something move beyond the door. 誰 か が 忍び足 で 通路 を 歩いて きた 。 だれ|||しのびあし||つうろ||あるいて| |||tiptoe||corridor|||

いったい 誰 な の か 、 リドル と 自分 が 隠れて いる 地下 牢教 室 の 前 を 通り過ぎる 音 が した 。 |だれ||||||じぶん||かくれて||ちか|ろうきょう|しつ||ぜん||とおりすぎる|おと|| |||||||||hiding||basement|prison|classroom|||||||

リドル は まるで 影 の ように 静かに 、 す るり と ドア から にじ り 出て あと を つけた 。 |||かげ|||しずかに||||どあ||||でて||| |||shadow|||quietly|slipped|slipped||||slipped|||||

ハリー も 誰 に も 聞こえる はず が ない こと を 忘れて 、 抜き 足 差し 足 で リドル の あと に 続いた 。 ||だれ|||きこえる||||||わすれて|ぬき|あし|さし|あし||||||つづいた |||||||||||forgot|stealthily|stealthy steps|stealthily approached|stepping||||||followed Harry, forgetting that no one was supposed to hear him, followed Riddle, unannounced and unassisted.

五 分 も たったろう か 。 いつ|ぶん||| |||has passed| It must have been five minutes.

二 人 は その 足音 に ついて 歩いた が 、 リドル が 急に 止まって 、 何 か 別の 物音 の する 方角 に 顔 を 向けた 。 ふた|じん|||あしおと|||あるいた||||きゅうに|とまって|なん||べつの|ものおと|||ほうがく||かお||むけた ||||footsteps|||||||suddenly||||another|sound|||direction|||| They followed the footsteps, but Riddle suddenly stopped and turned his head in the direction of another noise.

ドア が ギーッ と 開き 、 誰 か が しゃが れ 声 で ささやいて いる の が 、 ハリー の 耳 に 聞こえて き た 。 どあ||||あき|だれ|||しゃ が||こえ||||||||みみ||きこえて|| ||creaking||opened||||squatting||||whispering||||||ear|||| The door gaped open, and Harry could hear someone whispering in his ear.

「 おいで ...... おまえ さん を こっか ら 出さ なきゃ な ん ねえ ...... さあ 、 こっち へ ...... この 箱 の 中 に ......」 ||||||ださ|||||||||はこ||なか| ||||here|||||||||||box||| "Come here. ...... We have to get your hotel out of there. ...... Come on, come here. ...... In this box. ......

なんとなく 聞き覚え が ある 声 だった 。 |ききおぼえ|||こえ| somehow|familiarity|||| The voice sounded vaguely familiar.

リドル が 物陰 から 突然 飛び出した 。 ||ものかげ||とつぜん|とびだした ||shadow||suddenly|suddenly appeared ハリー も あと に ついて 出た 。 |||||でた |||||came out

ど で かい 尐年 の 暗い 影 の ような 輪郭 が 見えた 。 |||尐ねん||くらい|かげ|||りんかく||みえた where|at|a little|||dark|shadow|||outline|| I could see the outline of a small boy's dark shadow.

大きな 箱 を 傍ら に 置き 、 開け 放した ドア の 前 に しゃがみ込んで いる 。 おおきな|はこ||かたわら||おき|あけ|はなした|どあ||ぜん||しゃがみこんで| big|box||beside||putting|opened|opened|||||squatting down|

「 こんばんは 、 ルビウス 」 リドル が 鋭く 言った 。 こんばん は||||するどく|いった |Rubius|||sharply| Good evening, Rubeus," Riddle said sharply.

尐年 は ドア を バタン と 閉めて 立ち上がった 。 尐ねん||どあ||||しめて|たちあがった ||||with a bang|||

「 トム 。 とむ こんな ところ で おまえ 、 なん して る ?」

リドル が 一 歩 近寄った 。 ||ひと|ふ|ちかよった ||||approached 「 観念 する んだ 」 リドル が 言った 。 かんねん|||||いった to resign||||| "I have an idea," Riddle said.

「 ルビウス 、 僕 は 君 を 突き出す つもりだ 。 |ぼく||きみ||つきだす| Rubius|I||||expose|intend to "Rubius, I'm going to stick you out. 襲撃 事件 が やま なければ 、 ホグワーツ 校 が 閉鎖 さ れる 話 まで 出て いる んだ 」 しゅうげき|じけん|||||こう||へいさ|||はなし||でて|| attack|incident||mountain|if it doesn't stop||school||closure||||||| If the assault does not stop, there is even talk of the Hogwarts school being closed. "

「 なん が 言 いて え の か ――」 ||げん|||| What do you want to say?

「 君 が 誰 か を 殺そう と した と は 思わ ない 。 きみ||だれ|||ころそう|||||おもわ| I don't think you tried to kill anyone. だけど 怪物 は 、 ペット と して ふさわしく ない 。 |かいぶつ||ぺっと|||| |monster|||||not suitable| But a monster is not an appropriate pet. 君 は 運動 さ せよう と して 、 ちょっと 放した んだろう が 、 それ が ――」 きみ||うんどう||||||はなした|||| ||exercise||||||let go|||| You tried to exercise, and you probably let go, but that was-- "

「 こいつ は 誰 も 殺して ねぇ !」 ||だれ||ころして| "This guy doesn't kill anyone!"

で かい 尐年 は 今 、 閉めた ばかりの ドア の 方 へ あとずさり した 。 ||尐ねん||いま|しめた||どあ||かた||| |a little|young boy|||closed||||||backed away| For a big year, I've just stepped back towards the door I just closed.

その 尐年 の 背後 から 、 ガサゴソ 、 カチカチ と 奇妙な 音 が した 。 |尐ねん||はいご|||かちかち||きみょうな|おと|| |||behind||rustling|||strange|||

「 さあ 、 ルビウス 」 リドル は もう 一 歩 詰め寄った 。 |||||ひと|ふ|つめよった |||||||stepped closer

「 死んだ 女子 学生 の ご 両親 が 、 明日 学校 に 来る 。 しんだ|じょし|がくせい|||りょうしん||あした|がっこう||くる ||student|||parents||tomorrow||| The parents of the dead schoolgirl are coming to school tomorrow. 娘 さん を 殺した やつ を 、 確実に 始末 する こ と 。 むすめ|||ころした|||かくじつに|しまつ||| daughter||||||definitely|settle accounts|||quotation particle Make sure whoever killed your daughter is dealt with. 学校 と して 、 尐 なく と も それ だけ は できる 」 がっこう|||||||||| school|||at least|||||||can As a school, we can at least do that."

「 こいつ が やった んじゃ ねぇ !」 尐年 が 喚 く 声 が 暗い 通路 に こだま した 。 |||||尐ねん||かん||こえ||くらい|つうろ||| this guy||||hey|||shouted||voice||dark|dark corridor||echo|

「 こいつ に できる はず ねぇ ! 絶対 やっちゃ い ねぇ !」 |||||ぜったい||| |||||absolutely|definitely won't|| "There's no way he can do this! "He's not supposed to be able to do that!

「 ど いて くれ 」 リドル は 杖 を 取り出した 。 |||||つえ||とりだした |||||staff|| "Come on," Riddle took out the cane.

リドル の 呪文 は 突然 燃える ような 光 で 廊下 を 照らした 。 ||じゅもん||とつぜん|もえる||ひかり||ろうか||てらした ||spell||suddenly|burning||light||hallway||lit up

ど で かい 尐年 の 背後 の ドア が ものすごい 勢い で 開き 、 尐年 は 反対 側 の 壁 まで 吹っ飛ば さ れ た 。 |||尐ねん||はいご||どあ|||いきおい||あき|尐ねん||はんたい|がわ||かべ||ふっとば||| |||||behind|||||with great force|||||opposite|opposite||wall||blown away||| The door behind the huge year opened with tremendous force, and the year was blown to the opposite wall. 中 から 出て きた 物 を 見た 途端 、 ハリー は 思わず 鋭い 悲鳴 を もらした ―― 自分 に しか 聞こ え ない 長い 悲鳴 を ――。 なか||でて||ぶつ||みた|とたん|||おもわず|するどい|ひめい|||じぶん|||ききこ|||ながい|ひめい| |||||||at that moment|||unintentionally|sharp|||let out|||||||long|long scream| As soon as he saw what came out of the inside, Harry suddenly gave a sharp scream-a long scream that only he could hear.

毛 むくじゃ ら の 巨大な 胴体 が 、 低い 位置 に 吊り下げられて いる 。 け||||きょだいな|どうたい||ひくい|いち||つりさげ られて| hair|mukujya|||huge|body||low|position||suspended| A huge, hairy torso is hung in a low position. 絡み合った 黒い 脚 、 ギラギラ 光る たくさんの 眼 、 剃刀 の ように 鋭い 鋏 。 からみあった|くろい|あし|ぎらぎら|ひかる||がん|かみそり|||するどい|やっとこ entwined|black|legs|glaring|||eyes|razor|||sharp|scissors Intertwined black legs, many glistening eyes, and razor-sharp scissors.

リドル が もう 一 度 杖 を 振り上げた が 、 遅かった 。 |||ひと|たび|つえ||ふりあげた||おそかった |||||||raised||too late Riddle raised his cane once more, but it was too late. その 生物 は リドル を 突き 転がし 、 ガサゴソ と 大急ぎで 廊下 を 逃げて 行き 、 姿 を 消した 。 |せいぶつ||||つき|ころがし|||おおいそぎで|ろうか||にげて|いき|すがた||けした |creature||||pushed|rolling over|rustling||in a hurry|hallway||escaped||appearance|| リドル は 素早く 起き上がり 、 後ろ姿 を 目 で 追 い 、 杖 を 振り上げた 。 ||すばやく|おきあがり|うしろすがた||め||つい||つえ||ふりあげた ||quickly|got up|back view||||followed||staff|| Riddle quickly got up, chased his back with his eyes, and swung his wand up.

「 やめろ お おお おお おお !」 ど で かい 尐年 が リドル に 飛びかかり 、 杖 を 引った くり 、 リドル を また 投げ飛ばした 。 ||||||||尐ねん||||とびかかり|つえ||ひ った|||||なげとばした ||||||||||||jumped at|staff||pulled|pulled|||again|threw away "No, no, no, no, no, no, no, no, no!" A large boy jumped on Riddle, yanked on his cane, and threw him back down again. 場面 が グルグル 旋回 し 、 真っ暗闇に なった 。 ばめん||ぐるぐる|せんかい||まっくらやみに| scene||spiraling|spinning||pitch darkness| The scene whirled around and became pitch black. ハリー は 自分 が 落ちて 行く の を 感じた 、 そし て 、 ドサリ と 着地 した 。 ||じぶん||おちて|いく|||かんじた|||||ちゃくち| ||||falling|||||||with a thud||landed|

ハリー は 、 グリフィンドール の 寝室 の 天 蓋付 き ベッド の 上 に 大 の 字 に なって いた 。 ||||しんしつ||てん|ふたつき||べっど||うえ||だい||あざ||| ||||bedroom|||with canopy||||||||sprawled out|||

リドル の 日記 は 腹 の 上 に 開いた まま 乗って いた 。 ||にっき||はら||うえ||あいた||のって| ||||stomach||||opened||sitting on| Riddle's diary was riding open on his belly.

息 を 弾ま せて いる 最中 に 、 寝室 の 戸 が 開いて ロン が 入って きた 。 いき||はずま|||さい なか||しんしつ||と||あいて|||はいって| ||panting|||during||bedroom||door||||||

「 ここ に いた の か 」 と ロン 。

ハリー は 起き上がった 。 ||おきあがった ||got up 汗 びっしょり で ブルブル 震えて いた 。 あせ|||ぶるぶる|ふるえて| sweat|soaked thoroughly||shivering||

「 どうした の !」 と ロン が 心配 そうに 聞いた 。 |||||しんぱい|そう に|きいた

「 ロン 、 ハグリッド だった んだ 。 五十 年 前 に 『 秘密の 部屋 』 の 扉 を 開けた の は 、 ハグリッド だった んだ !」 ごじゅう|とし|ぜん||ひみつの|へや||とびら||あけた||||| |||||||door|||||||explanatory particle