逃げる は 恥 だ が 役 に 立つ#06
( みくり ) 私 の 恋人 に なって もらえ ません か ?
いき ます やーッ ( 津崎 ) はい
きちんと 日 を 定める べきだ と 思う んです
ハグ の 日 を 火曜日 に する の は どう でしょう ?
了解 です 資源 ゴミ の 日 で 覚え やすい です
< 火曜 の 朝 は 資源 ゴミ を 出す ところ から 始まる > < いつも の ように お弁当 を 準備 し > < いつも の ように 朝食 を 作る > おはようございます おはようございます
< 以前 は 着替えて から 部屋 を 出て きた 平匡 さん が > < 寝巻き 姿 で うろついて いる こと が 嬉しい > < この 喜び は > < 野生 の カピバラ を 手なずけた 感覚 ?> < なで たい > < なで たい けど 逃げ られ そうで これ 以上 は 近寄れ ない > < みたいな > おはようございます おはようございます
< 平匡 さん を 送り出した あと は > < 片づけて 洗濯 して 掃除 する と いう ルーティンワーク > < 加えて 週 に 一度 の 掃除 も こなし > < 昼 休み に 歯医者 へ 行き 買い物 へ 行き > < 家 に 帰って 洗濯物 を 取り込み アイロン を かけ 夕飯 を 作る > (2人 ) ごちそうさま でした
< 夕飯 の 片づけ を 終え > < 明日 出す ゴミ の 用意 を する まで が > < 家事 で お 給料 を 頂いて いる 私 の 仕事 > 紅茶 です ちょっと いい やつ
時間 外 に すいません 私 も 飲み たかった ので ついで です
ところで 今日 は 火曜日 です
「 ハグ の 日 」 です よ ね
承知 して い ます です が 先日 …
《 ハグ して いい です か ?》 《 今日 は 火曜日 じゃない です が 》
《 前借り で お願いします 》
つまり 今日 は 火曜 で は ある もの の
ハグ を し ない 火曜 と いう こと に なる ので は
もう 忘れて くれた もの か と 忘れ ません よ
じゃ 前借り の 前借り で そんな
借金 の 自転車 操業 みたいな こと 言わ ないで ください
冗談 です 分かって ます 火曜 だった ので 一応 確認 でした
下 は 冷え ます
ありがとうございます
失礼 し ます
< 何という 平和 > ( 百合 ) セクハラ ?
いや 特に セクハラ された 覚え は ( 里中 ) 土屋 さん あなた は
加害者 です 先週 の 水曜日
部下 の 梅原 ナツキ さん に 対し イケメン よ ね と 発言
ああ
《 梅原 君 って イケメン よ ね 》 《( ナツキ ) うん ?》
《 なのに 不思議 と ムカつか ない の よ ね 》
《 何で だろう 部下 だ から かな ?》
いや そんな 大した 話 じゃ … 情報 提供者 の 話 に よる と
《 梅原 君 って イケメン よ ね 》 《 うん ?》
《 何 か 不思議 と かわいがり たく なっ ちゃう 》
《 何で だろう 恋 だ から ?》
おかしい それ おかしい
途中 で 話 が すり 替わって る だ よ ねえ
奥手 で 潔癖で 真面目な つっちー が さ
そんな こと する わけない よね 誰 が そんな こと 言って る の ?
守秘 義務 私 が 悪い の ?
つっちー は さ 産休 や 育休 を へて
キャリア を 外さ れた 私達 に とって みんな の 希望 の 星 な んだ から
変な こと に つまずか ない ように パワハラ 発言 に も 注意
し ない って ウチ の 部長 が さ ➡
つっちー の 下 に ついて る 女の子 堀内 さん ?
いっつも いびら れて て かわいそう だって
私 だって ね 好きで お 小言 おばさん やって る ん じゃない の よ
ただ その 子 の 文章 が 壊滅 的 だ から 仕方なく 言って あげて る だけ で
ホント は 私 が 自分 で やった 方 が ずっと 早い の
でも 仕事 を 奪っ ちゃったら 本人 の ため に なら ない でしょ
やり たく も ない のに お 小言 おばさん やって ん のに
色 ボケ おばさん まで 加わって ホント やって らん ない !
すいません 僕達 の せい で 私達 の せい ?
それ で 苦情 言い に 来た の か な と ちょっと クレーマ さん の 称号 まで
つけ ないで くれる ? ここ に 来た ついでに
ちょっと 愚痴 って みた だけ ちょっと …?
あッ ! うん うん うん !
本題 この 1 年間 コツコツコツコツ きた クレジットカード が
ついに 5万 ポイント 達し ました
おめでとうございます
で その ポイント は
これ に 引き換え ました
ペア 宿泊 ご 招待券
ああ みくり さん の 休暇 願 です か どうぞ 休んで 2人 で ペア 旅行 に
そっち の ペア に 決まって る でしょう が
2人 で 新婚旅行 行って き なさい
百合 ちゃん 私達 新婚旅行 は … 僕 も 仕事 が ある んで
こういう の は ね 行ける 時 に 行く の !
《 いつ 行く か ? 今 でしょ !》
《 いつか いつか と 思って る うち に 子供 が できた と し ます 》
《3年 は 旅行 へ 行け ません 2人 目 が できた と し ます 》
《 さらに 3年 は 困難 です 》 《 先生 》
《 どうぞ 》 《 私達 子供 を つくる 予定 は …》
《 甘い ! 人生 が 予定 どおり に いく の なら 》
《 私 は 27 で 結婚 して い ました 》
《 お 小言 おばさん や セクハラ ん に なる 運命 など 》
《 誰 が 想像 した でしょう か 》
《 いい です か ?》
《 思い も よら ない こと が 起こる の が ~》
《 人生 です 》
《 えッ ? 金八 ?》 林 先生 です よ ね
いや でも 今 ほのかに 金八 の かおり が
大体 ね カンタ 達 が うまく いって る か いって ない か 分かんない から
こんな ペア 旅行 券 なんか 頼ん じゃった の よ
本当 なら ね 高級 食材 と か 1人 で 行く リゾート スパ と か
そういう の を 選ぶ はず だった の よ それ な のに …
行か せて いただき ます よろしい
じゃあ 帰る
いい んです か ? 仕方 あり ません
すいません いえ
♬~
( 日野 ) 温泉 行く んだ
いい な いい な
個室 の 露天 風呂 で イチャイチャ する んだ ?
部屋 に お 風呂 ついて ません から ( 安恵 ) お 風呂 上がり に
広~い ベッド で イチャイチャ し ちゃう んだ う うん ツインルーム ベッド は 別
は ? イチャイチャ も 一切 なし
何 し に 行く の ? それ 何て いう の か な
友達 以上 恋人 未満 くらい が ぬるく 楽しく ちょうど いい
みたいな 下着 は ? カワイイ 系 ?
ホント 人 の 話 聞いて ない よ ね いっそ セクシー ?
どうした の ? それ 駅 で もらった
若い んだ から 人生 楽しみな よ 同い年 でしょ 何 おばさん みたいに
私 は 当分 いい や 人生 お休み
実家 あって 良かった よ ね それ
実家 なんて 好き じゃない なって 思って た けど さ
なきゃ 今頃 家 なし だ もん ね 何 が 幸い する か 分かんない わ
やっさん 今日 は 食べよう 私 の おごり だ から
デザート も ね あッ これ いい !
さりげなく カワイイ お 泊まり ランジェリー
カワイイ … オープン 記念 で 30 パーオフ
安い ! て 買わ ない し
そこ まで 浮かれた もの でも 楽しい もの で も あり ません
旅行 でしょ 楽しい でしょ 目下 の 心配 は
夜 です 夜 ?
< 果たして 眠れる だろう か > < ツインルーム と は いえ > < 女性 と 同じ 部屋 で 眠った こと など ない > そんなに 深刻 なら あと で いい もの あげる よ
あッ 旅行 の こと 沼田 さん に は 絶対 に 言わ ないで ください
何で ? 風見 さん に 伝わる から です
風見 さん に も 絶対 に 言わ ないで ください
何で ?
どうした ? いや
沼田 さん が どっか で 聞いて る んじゃない か な と 思って
忍者 じゃない んだ から はい
ホントに 言わ ないで ください ね 分かった
お願いします あと で いい もの あげる から
( 沼田 ) 今 行っ ちゃダメ だ きっと 何 か 理由 が ある んだ
彼 の 心 が 君 から 離れて る なんて そんな こと は 絶対 ない から
( 風見 ) どうした ん です か すいません ちょッ …
沼田 さん 今 は ダメな んだ
うーッ !
< みくり さん と 旅行 だ なんて 風見 さん に 話したら > < 羨まし がられて しまう それ に 旅行 と いって も > < 実態 は ただ の 社員 旅行 > < せいぜい 従業員 の 慰労 に 努める と しよう > ( ノック )
準備 でき ました か ? はい
戸締まり OK です で は 出発 し ましょう
はい
(♬~ My Favorite Things )
♬~
そう だ 京都 行こう
行き先 は 京都 で は あり ません
気分 です
すいません
隣 に 座って も よろしい でしょう か
進行 方向 向いて ない と 落ち着か なくて
あッ 私 も 同じ タイプ です
すいません
すいません 気づか なくて いえ
今日 は みくり さん を 慰労 する 旅行 な ので
そんな いつも ありがとうございます
いえ こちら こそ お 世話に なって ます
(♬~ My Favorite Things )
あの 一番 高い 建物 です
雨 でも キレイ です ね はい
あそこ です はい
(♬~ My Favorite Things )
わあ 素敵な お 部 …
( 仲居 ) ご ゆっくり どうぞ すいません
ツイン の お 部屋 を 頼んだ んです けど 変更 を 承り ました が
うん した した 何で 勝手に ?
だって 旅館 から 宿泊 確認 の 連絡 が 私 の 方 に きて
ツイン って 言わ れた って いう から そんな はず ない
☎ ダブルベッド で お願いします って ツイン を 取った んだ って
何で よ ? いつも 一緒に 寝て る ん でしょ
寝て … る ん でした はい
( 従業員 ) あいにく 本日 の ツインルーム は 全て 埋まって しまい まして
みくり さん 諦め ましょう
旅館 の 方 に 何ひとつ 落ち度 は あり ません
お 忙しい ところ お 騒がせ し ました
お 役 に 立て なくて 申し訳 ございません
いえいえ ≪( 従業 員 ) 失礼 いたし ます
< 高校 の 時 の 彼氏 は 正反対 の タイプ だった > 《( カヲル ) ちっさッ ! 何 これ ?》 《 エスプレッソ で ございます 》
《 こんな の 頼んで ない 普通 の に かえて 》
《 カヲル 君 私達 頼んだ よ 》 《 だって こんな の って 知って た ?》
《 知ら なくて も 頼んだ んだ から 》 《 すいませーん かえて くーださい 》
《 すいません …》
< きっと 平匡 さん なら > 《 小さい … です ね 》
《 まさか こんな サイズ と は 》
《 勉強 に なり ました 》 《 はい 》
《(2人 ) にがッ 》
< 妄想 で すら 平和 > みくり さん ? はい
部屋 に 戻り ましょう はい
( 男 ) だって こんなん だって 知ら なかった んだ し ➡
知ら なかった んだ から かえて くれて も よく ない ?
≪( 従業員 ) そう 言わ れ まして も … ≪( リリカ ) もう いい よ カヲル 君
( カヲル ) えーッ だって 魚 より カニ の 方 が いい じゃん
≪( リリカ ) 私 どっち も 嫌い
ご 夕食 は 指定 して いただいて た コース のみ の ご 提供 と なって おり ます
2人 分 ぐらい どうにか な ん ない ? 私 どっち も 嫌い だって !
ああ なる と クレーマー です ね ≪( カヲル ) どこ 産 ? カニ
すいません えッ ?
北海道 ? 北海道 か よ 聞いて ねえ 部屋 に 戻り ましょう 今 すぐ
あの 人 も どう か と 思い ます けど 付き合って る 女性 の 方 も
ちょっと 人間性 を 疑って しまい ます ね
そう です ね
< 私 何で 付き合った んだ っけ ?> < 学園 祭 を 前 に 周り が どんどん カップル に なって > < そんな 時 に 付き合おう って 言わ れて > < カッコイイ し 悪い 人 じゃ ないし いい か なんて > 《 はい 》 《 嘘ーッ !》
< でも あまりに 価値 観 が 合わ なくて > 《 カヲル 君 そういう ところ 直した 方 が いい よ 》
《 これ メッチャ 良く ない ?》 《 全然 似合って ない 》
《 痛い っす よ 》 《 ぶつかったら ごめんなさい だ よ 》
< 結果 「 お前 と いて も 楽しく ない 」 と フラれた > < 嫌な 言い 方 を して しまった > 《 付き合って る 女性 の 方 も 》
《 ちょっと 人間性 を 疑って しまい ます ね 》
< あんな の は モテ ない 男 の ひがみ だ > < どんな 相手 を 選ぼう が その 人 の 自由な のに > 平匡 さん 写真 撮り ません か ?
写真 ? 2人 で 浴衣 着て
ラブラブ 風 の 1枚 を 百合 ちゃん に
バッグ に 何 か ? いえ 何も
ペット の ネコ が ついてき ちゃった ? ネコ 飼って ない でしょ
冗談 です 何か この 部屋 暑い です ね 冷たい もの 買って き ます ね
だって 津崎 君 が 夜 が 心配 だって 言う から
そういう 心配 じゃ あり ません てっきり 安眠 グッズ と か
リラックス 効果 の ある 何か を くれた もの だ と ばかり
高かった んだ から 無駄に す んな よ ちゃ お !
ちゃ …
しかも 3本 !
( 扉 が 開く )
お 水 と お茶 どっち … ちゃ お !
お茶 を … どうぞ
平匡 さん は い
ダブルベッド に なって しまい ました が これ だけ 大き ければ
雑魚寝 の つもり で 端 と 端 で 問題 なく 眠れる と 思い ます
ソファー に 一緒に 座る 感覚 で
スプリング も 良 さ そうだ し 互い の 振動 も
そんなに 気 に なら ない んじゃ ない でしょう か
うん ?
下 に 何 か … わ あー ッ ダメです
中 に マムシ !
ムシ 虫 が い ます
大きい ? かなり 深刻な 虫 な ので 見 ない 方 が
仲居 さん 呼び ましょう いや そんな 大 ごと で は
虫 な んです よ ね ? ま … むし です
なら 正当な 苦情 です クレーマー に は なり ません
あッ 逃げた 逃げ ました え ッ どこ へ ?
その みくり さん の 足 の 方 に えッ ちょっと … あッ !
あッ !
不可抗力 です ! 分かって ます 大丈夫 です
セクハラ で は ! 大丈夫 です 事故 です セーフ です
< 到着 して 2 時間 も たって い ない と いう のに > < 果たして 僕 は 社員 旅行 と いう ミッション を > < 無事 やり遂げ られる のだろう か > < 平匡 さん すごい 汗 > < 何だか 私 まで > (2人 ) 暑い !
すいません 空調 の 調子 が おかしくて
一番 いい お 部屋 な んです けど 今朝 ちょうど キャンセル が 出た んです
差額 は 結構 です ので
こちら 露天 風呂 付き 客室 と なって おり ます
どうぞ ご ゆっくり お 楽しみ ください
えー …
素敵 な お 部屋 で 得 し ました ね いやいや いや
おかしい でしょ この 部屋 は 一番 いい お 部屋 だ と
社員 旅行 に ふさわしく あり ません でも 他 に 空いて ないし
では 僕 は 下 の 大浴場 へ 行き ます もったいない です
障子 を 閉めれば 普通 に 入れ ます し この 部屋 たぶん
10万 円 以上 する と 思い ます めったに 泊まれ ない んだ から
思う存分 満喫 し ましょう 社員 旅行 を
はい 社員 旅行 を
( ノック )
≪( 仲居 ) 失礼 し ます 先ほど の 部屋 に お 忘れ物 が
どうぞ
失礼 し ます
ありがとう ございます 失礼 し ます
チェスト の 下 に 落ちて ました
失礼 し ます
何て 素晴らしい 仲居 さん なんだ
忘れ物 を 届ける くらい 当然 じゃ ? いや あの 方 は 仕事 プラスアルファ の
気遣い が できる 素晴らしい 仲居 さん です
何 です か ? それ みくり さん に は 関係 あり ません
せっかく 来た んだ し お 風呂 一緒に 入り ます か ?
あッ 見 ないで !
それ から
お 風呂 に 一緒に 入る と か そういう 冗談 を
軽々しく 言わ ないで ください
僕達 は ただ の 雇用 関係 で あと
火曜日 に ハグ を する だけ の 関係 でしょ
今 も ただ の 社員 旅行 です し それ 以上 でも それ 以下 で も ない
まったく もう …
みくり さん は すぐに 突拍子もない こと を 言い出す
< 怒ら れて しまった > < 私 の この こざかし さ が いつも 彼氏 に フラれる 原因 な んだ よ な > ( カヲル と リリカ の 楽し そうな 声 )
< あー いつも なら ちっとも 羨ましく ない ベッタベッタ な カップル が > < 羨ましく 見える > < これ は 社員旅行 百合 ちゃん へ 感謝 の 貢ぎ物 を > 土屋 さん この スチール な んです けど 修整 かけ ます か ?
あんま 色味 を 強く する と 嘘 っぽく なる ような
そう ね ナチュラル に とどめて 分かり ました
( 柚 ) 土屋 さん 本部 会議 の 資料 見て もらえ ました か ?
あー これ ね 途中 まで 赤 入れた んだ けど いい わ
こっち で 直す えッ ?
会議 明日 だ から 時間 ない から
土屋 さん 優しい ありがとうございます
もしもし 土屋 です
自分 で やる って 言えば 良かった のに
私 が やる と 時間 かかる し
結局 私 が 自分 で 資料 直して さ
まあ 仕事 だ から しょうがない んだ けど
仕事 の 半分 は 仕方 が ない で できて る
残り の 半分 は ? 帰り たい
やる気 ゼロ じゃない
でも 仕事 だけ が 人生 じゃない
ほどほど の 仕事 でも 食って けりゃ それ で いい じゃない
それ も 一つ の 真理 よ ね
百合 さん は やり たい 仕事 を やって る んだ よ ね
まあ ね でも 最近
自分 が かけた 時間 と 労力 に 対して
割 が 合わ ない ような 気 が して き ちゃって
割 と か 言い出したら 何も でき ない よ
そう な の よ ね
( 山 さん ) 人間 は 悲しい かな
見返り が 欲しく なって しまう 生き物 な んだ よ
特に 恋愛 に 関して は ちょっと 仕事 の 話して んだ けど
まあまあ まあ 自分 が 相手 に かけた 愛情 と
同等の 愛情 が 返って こ ない と 人 は 不安に なる
愛情 が もらえ なくて も
同等の 見返り が あれば 納得 できる こと も ある
お 金 だ と か 生活 の 安定 だ と か
でも ね 思い が 強い ほど 次第に 耐え られ なく なる んだ
俺 ばっかり 私 ばっかり が 積もり に 積もって
関係 は 終わり を 迎える
ちょっと つられ ないで よ !
おいしい です ね
はい
何 だろう これ それ シャケ でした
これ も 手 が 込んで いて
すいません いつも 手抜き 料理 ばっかり で
手抜き だった んです か ? そういう わけ で も ない んです が
どうしても 効率 重視 に なって しまう ので
日々 の 生活 の 中 で 効率 は 大事 です
お 店 の 味 を 求める なら それなり の 時間 と
料金 を と いう こと に なり ます
こういう 食事 は たまに だ から いい んだ し
僕 は みくり さん の 作る 料理 どれも とても 好き です
立派な キンメ だ な
< 私 意外 と 単純 かも > 《 今 も ただ の 社員旅行 です し それ 以上 でも それ 以下 で も ない 》
< さっき の モヤモヤ が 平匡 さん の ちょっと した 一言 で > < 嘘 みたいに 消えた > < ありがとう 百合 ちゃん > < この キンメダイ も 隅々 まで 満喫 する から ね !> 百合 ちゃん 頑張って る よ
沼 ちゃん も そのまま で いい よ だ よ な そうだ よ な
だ よ ね ああ
一体 何 が …? 私 帰る
いい じゃない です か もう 少し 明日 も 早い の
あッ そうだ
みくり と 平匡 さん ね 今 新婚旅行 満喫 して る から
冗談 でしょ ?
もう やけ ちゃう ぐらい ラブラブ な んだ から
< 思い も し ない こと が 起こる の が 人生 > < そのとおり です 百合 先生 > < 契約 結婚 も 火曜日 の ハグ も 無茶苦茶 で は ある けれど > < こう やって 安全 装置 の 付いた 疑似 体験 を 味わう の は 悪く ない > < むしろ 理想 的 と まで 思える > 《 せっかく 来た んだ し お 風呂 一緒に 入り ます か ?》
< 全く みくり さん は ! 僕 が プロ の 独身 だ から いい ような もの の > < 獣 の ような 男 だったら どう する つもり な んだ > < 困った 人 だ > < みくり さん は > < うっかり バッグ を 蹴飛ばして > < 中身 を 飛び出さ せて しまった ばっかりに > < えらい もの を 見た ような > < 平匡 さん に そんな 度胸 ある はず も ない し > < 何の 用意 も 必要 ない と 思って はいた けれど > < 何 が 幸いする か は 分から ない > < 備え あれば 憂い なし の 「 備え 」 が > < 役 に 立つ 時 ?> 少し つかり すぎ ました
もう 平気 です 落ち着き ました
どうぞ お 風呂 に 行って きて ください
はい
はあ ~
< いい ん だろう か > < 平匡 さん の 心 の テリトリー に > < 入ら せて もらえる ん だろう か > < 腕 が しびれた > < だが 下手に 動いて 勘違い されて は まずい > < これ は 社員旅行 一歩 間違う と セクハラ > < 大惨事 だ > < 世の中 の 男達 は どう やって 1つ 布団 で 女性 と 寝て いる の か > < あらかじめ ぐぐって おく べき だった > < いや こんな シチュエーション 普通 は ない の か > < 完璧 だった > < 耳栓 と アイマスク で みくり さん の 気配 を 完全 に 断って > < 眠る こと に 成功 した > < やり きった > < プロ の 独身 やり きり ました !> はあ ~
< 私 は 1人 で 何 を やって いる の か > < 思い返せば > < 結婚 し ましょう だの 恋人 に なり ましょう だの > < ハグ を し ましょう だの ハグ の 前借り だ の > < どれ も 私 の 一方的な 要求 で > < 優しい から 受け止めて くれて る んだろう けど > < いつも いつも 私 から > 疲れた …
朝食 も おいしい です ね
まあまあ です まあまあ ?
そう かな
≪( カヲル ) 森山 !?
森山 じゃーん ! 忘れて た
何 やって んだ よ ? いや 何 って …
どうも ~! あッ この 人 高校 の 時 の 同級生 で
森山 の 元カレ でーす それ 言う 必要 なくない ?
こいつ めんどくさい でしょ やかましくて ➡
まあ 悪い やつ じゃない ん す けど ね
あれ 渋谷 の カフェ 行った 時 店 で 俺 に もう 説教 始めて …
余計 な こと 言わ なくて いい から 何で そういう ところ …
先 に 戻り ます
ご ゆっくり どうぞ
彼 怒った ?
平気 ? お前 男 の 趣味 変わった な ~
変わった んじゃ ない よ えッ ?
気づいた だけ だ よ
おはよう
おはようございます
ゆうべ は 悪かった
意地悪 し すぎた ごめんなさい
どういう 風 の 吹き回し です か ?
あなた が あんな 顔 する と 思わ なかった の よ
《 もう やけ ちゃう ぐらい ラブ ラブ な んだ から 》
もっと いい加減 な 気持ち で みくり に 近づいて る と 思って た
ダメ ね この 年 に なって も 人 の 気持ち が 分かんない
自分 でも よく 分から ない んです
ショック を 受けた ように 見えた なら そう な の かもしれません
この 年 に なって も 自分 の 気持ち が 分から ない
困った もん ね
まったく です
僕 は 何 を 求めて る んでしょう
私 に 聞か ないで よ
< あの 時 …> 《 こいつ めんどくさい でしょ やかましくて 》
< 何 か 言って くれる か と 思った > < もしも 今 手 を つなぎ ましょう って 言ったら > 《 今 は 社員旅行 中 です 》 < て 怒ら れて > 《 新婚旅行 の ふり を する と いう 仕事 の 最中 で も あり ます 》
< て 食い下がったら > 《 それ は グレー ゾーン です ね 》 < なんて 困った 顔 を して > < 仕方なく 手 を 出して > < でも 欲しい の は > < 仕方なく なんか じゃ なくて > < 私 は > < 平匡 さん に 何 を 求めて る んだろう > < 疲れた けど 楽しかった な > 《 森山 の 元カレ でーす こいつ めんどくさい でしょ 》
《 やかましくて 》
< 彼 に 腹 も 立た なかった > < 自分 の 方 が みくり さん を 知って る と 思った から > < 僕 は 知って る > < 穏やか な ほほ笑み も > < ぬくもり も > < 優し さ も > < もしも 今 手 を 重ねたら > < みくり さん は どんな 顔 を する だろう > < この 旅 が 終われば 雇用主 と 従業員 > < 週 に 一度 ハグ を する だけ の 関係 > < 今 まで どおり > < 今 まで どおり で いい > < もう やめる > < もう 疲れた > < 何も し ない > < 何も 求め ない > < この 旅 が 終われば > < 平穏 な 日常 に 戻る > < あと 一 駅 > < あと 一 駅 > < あと … 一 駅 > <(2人 ) 永遠 に 着か なければ いい のに > ( アナウンス ) ご 乗車 ありがとうございました
終点 三島 三島 です
東海道 線 新幹線 ご 利用 の お客様 は お 乗り換え と なり ます
行き ましょう か 車内 に 落とし物 お 忘れ物 を
なさい ません よう ご 注意 ください
♬~