酒 呑童 子
さけ|どんわらべ|こ
Trunkenbold
Shuten-doji
borracho
ivrogne
ubriacone
bêbado
пьяница
酒吞童子
醉汉
むかし むかし 、大江 山 (おおえ やま →京都 府 )に 酒呑童子 (しゅ てん どうじ )と 言う 、鬼 の 盗賊 が いました。
||おおえ|やま|||みやこ|ふ||さけ どんわらべ こ|||||いう|おに||とうぞく||
Once upon a time, there was a demon thief named Shuten-doji on Mt. Oe (→Kyoto Prefecture).
酒 呑童 子 は お 酒 に 酔う と 、いつも 上機嫌に なって 、ポンポン と 頭 を 叩いて ニヤニヤ と 笑う の が くせ でした。
さけ|どんわらべ|こ|||さけ||よう|||じょうきげんに||ぽんぽん||あたま||たたいて|||わらう||||
When Shuten-doji got drunk, he was always in a good mood, and he used to pat himself on the head and smile.
ところが 、源 頼光 (みなもと の より みつ )たち に 退治 されて から は 、酒 呑童 子 は 首 だけ に なって しまいました。
|げん|よりみつ|||||||たいじ||||さけ|どんわらべ|こ||くび||||
However, after being exterminated by Minamoto no Yorimitsu and others, Shuten-doji was only decapitated.
お 酒好き の 酒 呑童 子 は 、首 だけ に なって も 酒 を 飲む の を 止められません。
|さけずき||さけ|どんわらべ|こ||くび|||||さけ||のむ|||とどめられません
Shuten-doji, who loves alcohol, can't stop drinking even if he's just fired.
昼 も 夜 も 、まっ黒 な 雲 に 乗って 空 を 飛んで 歩き 、酒屋 を 見つける と 降りて 来て、
ひる||よ||まっくろ||くも||のって|から||とんで|あるき|さかや||みつける||おりて|きて
Day and night, they fly through the sky on pitch-black clouds, and when they find a liquor store, they come down,
グワグワグワーァ
Gwagwagwaa
と 、気味 の 悪い 声 で 脅かして 、酒 を ただ 飲み する のです。
|きみ||わるい|こえ||おびやかして|さけ|||のみ||
He threatens with a creepy voice and just drinks.
こんなふうに して 酒屋 を 荒らし 回った もの です から 、京都 や 大阪 で は 黒 雲 を 見た だけ で 、どこ の 酒屋 も 大戸 を おろして しまいます。
||さかや||あらし|まわった||||みやこ||おおさか|||くろ|くも||みた|||||さかや||おおと|||
This is how they ransacked liquor stores, so in Kyoto and Osaka, the mere sight of a black cloud would bring down the doors of any liquor store.
仕方なく 酒 呑童 子 は 、黒 雲 に 乗って 江戸 ヘ やってきました。
しかたなく|さけ|どんわらべ|こ||くろ|くも||のって|えど||
Reluctantly, Shuten-doji rode on a dark cloud and came to Edo.
「ありゃ。
"Yes.
あそこ に 、酒屋 が ある ぞ」
||さかや|||
There's a liquor store over there."
酒屋 の 前 で 、ヒラリ と 雲 から 飛び降りる と、
さかや||ぜん||ひらり||くも||とびおりる|
In front of the liquor store, when I jumped off the cloud,
グワグワグワーァ
Gwagwagwaa
「上等 の 酒 を 五 升 (→9リットル ほど )ばかり 、かん を つけて 持ってこ ー い!
じょうとう||さけ||いつ|しょう|||||||もってこ|-|
"Bring about 5 sho (about 9 liters) of high-quality sake in a can!
」
酒屋 の者 たち は 、まっ青 に なりました。
さかや|の しゃ|||まっあお||
The people in the liquor store turned pale.
持っていか なければ 、何 を さ れる か わかりません。
もっていか||なん|||||
If I don't bring it, I don't know what they will do to me.
急いで 、かん を つける と 、さかずき 代わり に どんぶり を そえて 、ブルブル 震え ながら 差し出しました。
いそいで||||||かわり|||||ぶるぶる|ふるえ||さしだしました
I hurriedly put the can on it, put a bowl of rice in it instead of a bowl, and tremblingly held it out.
「ど 、どうぞ。
"Hey, please.
手 じゃく (→自分 で つぎ ながら 酒 を 飲む こと )で 、お 飲 みな すって」
て||じぶん||||さけ||のむ||||いん||
Drink with your hands (→ Drinking sake while pouring it yourself).”
置いて 逃げよう と する と 、首 が 怒鳴りました。
おいて|にげよう||||くび||どなりました
When I tried to leave it and run away, my neck yelled at me.
「おい 、おい。
"little by little.
おれ は 、この とおり 首 だけ だ。
||||くび||
As you can see, I only have a neck.
手 じゃく で は やれ ん。
て|||||
You can't do it with your hands.
飲ま せて くれ」
のま||
let me drink
と 、大きな 口 を バックリ と 開けました。
|おおきな|くち||||あけました
Then he opened his big mouth with a backlash.
酒屋 の 主人 は 仕方なく 、どんぶり に ついで は 飲ま せ 、ついで は 飲ま せ して 、五 升 の 酒 を みんな 飲ま せて やりました。
さかや||あるじ||しかたなく|||||のま||||のま|||いつ|しょう||さけ|||のま||
The owner of the liquor store had no choice but to give her a bowl of sake, then another, and then another, and he gave them all the five sho of sake.
童子 の 首 は すっかり 酔っぱらって 、上機嫌 です。
わらべ こ||くび|||よっぱらって|じょうきげん|
The boy's neck is completely drunk and in a good mood.
「ああ 、久しぶり で 、なんとも いえん 、いい 気持ち だ。
|ひさしぶり|||||きもち|
"Ah, it's been a long time, and I can't describe how good it feels.
ついでに 、わし の 頭 を ポンポン と 叩いて くれ」
|||あたま||ぽんぽん||たたいて|
While you're at it, pat me on the head."
と 、言います。
|いいます
Is called.
酒屋 の 主人 が 怖々 ポンポン と 叩いて やる と 、首 は いかにも うれし そうに 、ニヤッ と 笑った そうです。
さかや||あるじ||こわ 々|ぽんぽん||たたいて|||くび||||そう に|||わらった|そう です
The owner of the liquor store was afraid to give it a tap, but when he did, the head grinned happily.
おしまい