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三姉妹探偵団 1, 三姉妹探偵団01 chapter 08 (2)

三 姉妹 探偵 団 01 chapter 08 (2)

珠美 は たちまち スパゲッティ を 平らげる と 、 更に サンドイッチ を ペロリ 。

「 病院 の 食事 じゃ 、 餓死 しちゃ う 」

「 昨日 一晩 じゃ ない の 。

呆れた ! 多少 落ち着いて から 、 夕 里子 は 珠美 に 、 片瀬 紀子 が 殺さ れた 事件 と 、 今日 の 地下 街 で の 事件 を 話して やった 。

「 へえ !

じゃ 本当な の ね 」

「 あんた 、 姉 を 信用 でき ない の ?

「 私 が 信じる の は お 金 だけ よ 」

こういう こと を 真面目に 言って いる ところ が 怖い のである 。

「 で 、 お 姉ちゃん 、 大丈夫だった の ? 「 この 通り 生きて る わ よ 」

「 そう じゃ なくて 、 さ 。

三 人 に 犯さ れ なかった ? 処女 膜 再生 手術 って 高い の よ 、 保険 きか ない から 」

「 ひっぱ たく ぞ 、 もう !

と 夕 里子 は 拳 を 振り上げた 。

「 殴ったら 、 お 金 やら ない !

何しろ 大蔵 大臣 は 強い 。

夕 里子 は 渋々 拳 を おろした 。 珠美 は 鞄 を 開ける と 、

「 じゃ 、 まあ 事実 と 認めて 、 千 円 ほど 出し ましょう か 」

「 ケチ !

五千 円 に して よ 」

二 人 は 、 やや はた目 に は 見 っと も ない 交渉 を 続けて 、 やっと 三千 円 で 手 を 打った 。

「 それ で ね 、 珠美 。

あんた に お 願い が ある んだ けど 」

「 いくら くれる ?

夕 里子 は 無視 して 、

「 ちょっと お 姉さん の 様子 が おかしい の よ ね 。

よく 見て て ほしい の 」

「 新入 社員 の 五 月 病 じゃ ない ?

「 そんな ん じゃ ない の よ 。

どうも …… 安東 先生 に 熱 を 上げて る みたいな の 」

珠美 は 目 を 丸く して 、

「 綾子 姉さん が ?

まさか !

と 笑い 出した 。

「 冗談 じゃ ない の よ 。

どうも 変な の 。 安東 先生 て 、 評判 どう ? 「 安東 ねえ 。

悪く ない よ 。 だって 、 親切だ しね 、 頼り がい ある し さ 。 うち の クラス だって 、 二 月 十四 日 に ゃ バレンタイン ・ チョコ 贈った の 、 何 人 か いた もん 」

「 あんた は ?

「 馬鹿らしい !

女 は もらう の が 役目 よ 」

珠美 の 哲学 である 。

「 そう ね 、 安東 先生 と いえば 、 結構 人気 は ある な 。 姉さん が 勝手に ポーッ と なって も 、 別に いい じゃ ない 。 お 金 かかる わけで なし 」

「 それ なら いい の よ 。

でも 、 安東 先生 の 態度 も 気 に なる の 」

「 まさか !

奥さん 一緒に いる の よ 」

「 でも 、 帰り 遅い でしょ 」

「 そう ねえ ……」

珠美 は ちょっと 考え込んで 、「 まあ 、 この ところ 、 全然 夜 の 生活 は ない みたい ね 」

「 あんた 、 どうして そんな こと 分 る の ?

「 だって 、 安東 の いびき が 聞こえる んだ もん 。

寝たら 即 、 いびき よ 。 奥さん と 愛し 合って たら 、 いびき かけ ない じゃ ない 」

「 あんた たち に 遠慮 して んじゃ ない の 」

「 まさか !

我慢 して られる もん じゃ ない わ よ 、 男 なんて 」

どっち が 年上 か 分 ら ない 。

「 ともかく 、 先生 と お 姉さん の 様子 、 よく 見て て 。

いい わ ね ? これ 、 あんた の 役目 よ 」

「 私 、 只 の 仕事 って 嫌いな んだ けど ……」

珠美 は 夕 里子 の にらみつける 目 に 押さ れて 、「 まあ 、 今回 は 我慢 する わ 」

と 言った 。

「 当り前でしょ 。

私 が こんな ひどい 目 に 遭って る んだ から 」

「 殺人 が 二 つ 、 文書 偽造 、 窃盗 、 婦女 暴行 か 。

だいぶ 賑やかに なって 来た わ ね 」

「 暴行 未遂 」

と 、 夕 里子 が 訂正 する 。

「 は いはい 。

── あ 、 そう か ! と 、 珠美 が ハッと した 。

「 大変だ ! 「 どうした の ?

「 片瀬 さん の 奥さん 、 亡くなった んでしょ ?

お 葬式 出す の よ ね 、 きっと ? 「 そりゃ そう よ 」

「 お 香典 、 いくら に する ?

夕 里子 は 、 しっかり し すぎた 妹 も 困った もん だ 、 と 思った 。

夕 里子 と 珠美 は 顔 を 見合わせた 。

やっぱり おかしい 、 と 肯 き 合う 。

「 や あ 、 済ま ん なあ 」

茶の間 へ 入って 来る と 、 安東 が 言った 。

「 家庭 料理 の 味 なんか 、 久しぶりだ 」

「 ちょっと 失礼 」

夕 里子 は 立ち上って 、 台所 へ 入って 行った 。

「 姉さん !

気 でも 違った の ? と 声 を 低めて 、「 カマボコ 切る のだ って 下手くそな くせ に !

「 いい の よ 。

出来て る の 買って 来た んだ もの 」

と 綾子 は 、 デパート の 食料 品 売場 の 袋 から 、 おかず を 皿 へ 移し ながら 言った 。

夕 里子 は 胸 を 撫でおろした 。

どんな ひどい もの を 食べ させ られる か と 、 気 が 気 で なかった のだ 。

「 でも 、 先生 、 家庭 料理 だ と 思って る わ よ 」

「 いい の よ 。

〈 家庭 の 味 〉 って コーナー で 買って 来た んだ から 」

夕 里子 は 、 どうして 、 こう も 我が 姉妹 の 発想 は 人間 離れ して いる の か 、 と 思った 。

「 だけど 、 そのまま じゃ だめ よ !

私 に かして 、 いくら 何でも 、 温め なきゃ 」

「 悪い わ ね 。

お 魚 なんか 、 火 に かけたら 、 真っ黒に なり そうで ……」

「 任せ と いて 。

お 姉さん 、 お 湯 でも 沸かし なさい よ 」

「 うん 。

それ 得意な の 」

と 、 綾子 は 嬉し そうに 言った 。

「── 旨 い !

大した もん じゃ ない か 」

と 、 食べ ながら 、 安東 は しきりに 感心 する 。

「 これ なら 、 いつでも 嫁 に 行ける ぞ 」

綾子 が 、 すっかり 頰 を 上気 さ せて 、 ご飯 の おかわり など を よ そって いる 。

あんな こと した こと ない くせ に 。

夕 里子 は 呆れて 物 も 言え なかった 。

「 どう だ 、 犯人 捜し は 進 ん ど る の か ?

と 、 安東 が 言った 。

「 あ 、 そうだ 。

忘れて た わ 」

と 、 綾子 が 言った 。

「 どうした の ?

「 あの ね 、 今日 会社 で 神田 さん が 話して くれた の 」

「 神田 さん って …… 水口 淳子 と 親しかった って 人 ね 」

「 そう 。

ホテル で ね 、 水口 淳子 と 一緒の 男性 を 見た こと ある んです って 」

夕 里子 は 、 耳 を 疑って いた 。

「 一緒に いた 男 」 を 見た ……。

「 じゃ 、 犯人 を 見た の ?

「 分 ん ない の 。

後ろ姿 だった らしい の よ 。 でも 聞いて みる と パパ じゃ ない の 。 全然 違う 感じ だった わ 」

「 それ 以外 に 何 か ?

「 うん 。

ええ と …… 何 だった か な 。 あ 、 そうだ 。

つい この 間 、 また その ホテル へ ね 、 神田 さん 行った らしい 。 年中 行って る らしい んだ けど 。 そこ で 同じ 男らしい の を 見た んです って 」

夕 里子 は 、 しばし ポカン と して いた 。

そんな 凄い 情報 を 、 忘れて た 、 です って ? ── さすが に 夕 里子 も 頭 へ 来て 、 怒鳴ろう と した が 、 そこ は 安東 の 前 で 、 ぐっと こらえる 。

「 それ は すぐ 警察 へ 知らせた 方 が いい わ 」

夕 里子 は 立ち上って 、「 先生 、 お 電話 を お 借り し ます 」

「 ああ 、 いい と も 」

夕 里子 が 、 茶の間 の 襖 を ガラリ と 開ける と 、 目の前 に 安東 岐子 が 立って いて 、 思わず 、

「 キャッ !

と 声 を 上げて しまった 。

「 お 、 お 帰り なさい ……」

「 何 だ 岐子 、 帰って た の か 」

と 、 安東 が 言った 。

「 気 が 付か なかった ぞ 。 早い じゃ ない か 。 さ 、 食べろ よ 。 綾子 君 が 作って くれた 。 なかなか いける ぞ 」

安東 岐子 は 、 青ざめた 顔 を こわばら せて 、 茶の間 へ 入って 来た 。

何となく 、 誰 も 動け なくて 、 そのまま じっと 、 息 を 殺して いた 。

「── 何 だ 。

どうした ? と 、 安東 が 言った 。

「 そんなに この 女の子 の 料理 が 気 に 入った の なら 、 この 子 と 結婚 なさったら いかがです か ?

と 、 岐子 は 鋭い 声 で 言った 。

「 おい 、 妙な こと を 言う な よ 」

安東 は 顔 を しかめた 。

「 綾子 君 は 、 ただ 好意 で ──」

「 私 が 何も 知ら ない と 思って る んです か !

岐子 が 叫んだ 。

綾子 は 怯えて 身 を 縮めた 。

「 住む 家 が ない と いう から 面倒 を みて やって いる のに 、 主人 に 色 目 を 使う なんて ……」

岐子 は 、 綾子 を にらみつける と 、「 この 泥棒 猫 !

と 言う なり 、 平手 で 綾子 の 頰 を 打った 。

「 私 …… 何も ……」

綾子 が ワッ と 泣き出す 。

「 おい !

何て こと を する んだ ! 安東 が 腰 を 浮かした 。

「 あなた は 黙って なさい !

岐子 が 金切り声 を 上げる 。

「 こんな 子供 の どこ が いい の ! どうせ 男 の 学生 と すぐ 寝る 不良に 決 って る じゃ あり ませ ん か ! 「 ひどい わ 、 そんな ──」

綾子 が 泣きじゃくり ながら 言った 。

「 私 …… 何も やましい こと なんか あり ませ ん ! 「 そう だ と も 。

お前 の 邪推 と いう もん だ 、 それ は 」

「 だったら 、 もう この 家 を 出て 行けば いい じゃ ない の !

いつまでも 図 々 しく 居座って 。 私 の 帰り が 遅い の を いい こと に して 、 何 やって る か 知れた もん じゃ ない ! 夕 里子 は 、 やっと 我 に 返って 、

「 お 姉さん 、 ああ 言わ れて る んだ から 、 出て 行こう よ 」

と 、 綾子 の 肩 に 手 を かけた 。

「 でも ……」

「 ね 、 今夜 一晩 ぐらい 、 敦子 の 所 で 泊めて くれる わ よ 」

綾子 が 、 安東 の 方 を 涙 に 濡れた 目 で 見た 。

安東 は 何 か 言い た げ に 口 を 開き かけた が 、 岐子 の 険しい 目 に 出くわして 、 そのまま 黙って しまった 。

「 さあ 、 持って行く もの が あったら 取って 来て 」

夕 里子 は 綾子 を 支えて 立た せ 、「 珠美 、 あんた も よ 」

「 私 も かな 、 やっぱり 」

「 当り前でしょ 」

珠美 が 肩 を すくめて 立ち上る 。

綾子 と 珠美 が 奥 の 部屋 へ 入って 行く と 、 夕 里子 は 、 そこ に 正座 して 、

「 どうも 長い 間 、 姉 と 妹 が お 世話に なって しまって 、 申し訳 あり ませ ん でした 」

と 頭 を 下げた 。

「 いや 。

教育 者 と して 当然の こと さ 」

と 、 安東 は 言った 。

「 何の 教育 を して いる の か ……」

と 岐子 が 、 わざとらしく そっぽ を 向いて 言う 。

「 つい 、 ご 好意 に 甘えて しまって 、 色々 不愉快な こと も あった と 思い ます 。

どう か 、 許して 下さい 」

夕 里子 は 立ち上る と 、 奥 から 出て 来た 綾子 と 珠美 を 玄関 の 方 へ 押しやった 。

表 に 出る と 、 珠美 が フーッ と 息 を 吐いて 、

「 凄い ねえ 、 中年 女 の 嫉妬 って 」

と 言った 。

綾子 が 、 立ち止って 、 じっと 安東 の 家 を 振り返って いる 。

「 お 姉さん 」

と 、 夕 里子 は 促した 。

「 うん ……」

綾子 は 、 また グスン と すすり 上げる と 、 力なく 歩き 出した 。


三 姉妹 探偵 団 01 chapter 08 (2) みっ|しまい|たんてい|だん|

珠美 は たちまち スパゲッティ を 平らげる と 、 更に サンドイッチ を ペロリ 。 たまみ|||||たいらげる||さらに|さんどいっち||ぺろり

「 病院 の 食事 じゃ 、 餓死 しちゃ う 」 びょういん||しょくじ||がし||

「 昨日 一晩 じゃ ない の 。 きのう|ひとばん||| "It's not one night yesterday.

呆れた ! あきれた 多少 落ち着いて から 、 夕 里子 は 珠美 に 、 片瀬 紀子 が 殺さ れた 事件 と 、 今日 の 地下 街 で の 事件 を 話して やった 。 たしょう|おちついて||ゆう|さとご||たまみ||かたせ|としこ||ころさ||じけん||きょう||ちか|がい|||じけん||はなして|

「 へえ !

じゃ 本当な の ね 」 |ほんとうな||

「 あんた 、 姉 を 信用 でき ない の ? |あね||しんよう|||

「 私 が 信じる の は お 金 だけ よ 」 わたくし||しんじる||||きむ|| "I only believe in money."

こういう こと を 真面目に 言って いる ところ が 怖い のである 。 |||まじめに|いって||||こわい| It is scary to say that these things are serious.

「 で 、 お 姉ちゃん 、 大丈夫だった の ? ||ねえちゃん|だいじょうぶだった| 「 この 通り 生きて る わ よ 」 |とおり|いきて||| "I'm alive this way,"

「 そう じゃ なくて 、 さ 。

三 人 に 犯さ れ なかった ? みっ|じん||おかさ|| Didn't three of you get fucked? 処女 膜 再生 手術 って 高い の よ 、 保険 きか ない から 」 しょじょ|まく|さいせい|しゅじゅつ||たかい|||ほけん||| Hymen 's surgery is expensive, because I can not afford insurance "

「 ひっぱ たく ぞ 、 もう ! "I can't wait, it 's already!

と 夕 里子 は 拳 を 振り上げた 。 |ゆう|さとご||けん||ふりあげた

「 殴ったら 、 お 金 やら ない ! なぐったら||きむ|| "I won't give you money if you get it!

何しろ 大蔵 大臣 は 強い 。 なにしろ|おおくら|だいじん||つよい The Minister of Finance is strong.

夕 里子 は 渋々 拳 を おろした 。 ゆう|さとご||しぶしぶ|けん|| Yuuriko reluctantly dropped her fist. 珠美 は 鞄 を 開ける と 、 たまみ||かばん||あける|

「 じゃ 、 まあ 事実 と 認めて 、 千 円 ほど 出し ましょう か 」 ||じじつ||みとめて|せん|えん||だし|| "Well, let 's just say it is a fact, and let' s give it a thousand yen."

「 ケチ !

五千 円 に して よ 」 ごせん|えん||| Make five thousand yen "

二 人 は 、 やや はた目 に は 見 っと も ない 交渉 を 続けて 、 やっと 三千 円 で 手 を 打った 。 ふた|じん|||はため|||み||||こうしょう||つづけて||さんせん|えん||て||うった The two men continued to negotiate with their eyes slightly and finally struck for 3,000 yen.

「 それ で ね 、 珠美 。 |||たまみ

あんた に お 願い が ある んだ けど 」 |||ねがい|||| I have a wish for you.

「 いくら くれる ? "How much will you do?

夕 里子 は 無視 して 、 ゆう|さとご||むし|

「 ちょっと お 姉さん の 様子 が おかしい の よ ね 。 ||ねえさん||ようす||||| "The appearance of my sister is a bit strange, isn't it?

よく 見て て ほしい の 」 |みて||| I want you to look closely "

「 新入 社員 の 五 月 病 じゃ ない ? しんにゅう|しゃいん||いつ|つき|びょう|| "Isn't it a new employee 's May disease?

「 そんな ん じゃ ない の よ 。

どうも …… 安東 先生 に 熱 を 上げて る みたいな の 」 |あんどう|せんせい||ねつ||あげて||| It looks like you're raising a fever to Mr. Ando.

珠美 は 目 を 丸く して 、 たまみ||め||まるく| Tamami rounded her eyes,

「 綾子 姉さん が ? あやこ|ねえさん|

まさか !

と 笑い 出した 。 |わらい|だした

「 冗談 じゃ ない の よ 。 じょうだん||||

どうも 変な の 。 |へんな| It is strange. 安東 先生 て 、 評判 どう ? あんどう|せんせい||ひょうばん| 「 安東 ねえ 。 あんどう|

悪く ない よ 。 わるく|| だって 、 親切だ しね 、 頼り がい ある し さ 。 |しんせつだ||たより|||| うち の クラス だって 、 二 月 十四 日 に ゃ バレンタイン ・ チョコ 贈った の 、 何 人 か いた もん 」 ||くらす||ふた|つき|じゅうよん|ひ|||ばれんたいん|ちょこ|おくった||なん|じん||| Some of my class members gave me Valentine chocolate on February 14th. "

「 あんた は ?

「 馬鹿らしい ! ばからしい

女 は もらう の が 役目 よ 」 おんな|||||やくめ| The role of the woman is to get it.

珠美 の 哲学 である 。 たまみ||てつがく|

「 そう ね 、 安東 先生 と いえば 、 結構 人気 は ある な 。 ||あんどう|せんせい|||けっこう|にんき||| 姉さん が 勝手に ポーッ と なって も 、 別に いい じゃ ない 。 ねえさん||かってに|||||べつに||| Even if my sister gets a poop on her own, it's not good. お 金 かかる わけで なし 」 |きむ||| It does not cost money. "

「 それ なら いい の よ 。 "That 's fine.

でも 、 安東 先生 の 態度 も 気 に なる の 」 |あんどう|せんせい||たいど||き||| But you also care about Mr. Ando's attitude.

「 まさか !

奥さん 一緒に いる の よ 」 おくさん|いっしょに||| My wife is with me "

「 でも 、 帰り 遅い でしょ 」 |かえり|おそい|

「 そう ねえ ……」

珠美 は ちょっと 考え込んで 、「 まあ 、 この ところ 、 全然 夜 の 生活 は ない みたい ね 」 たまみ|||かんがえこんで||||ぜんぜん|よ||せいかつ|||| Tamami thinks a little bit, "Well, these days, there seems to be no night life at all."

「 あんた 、 どうして そんな こと 分 る の ? ||||ぶん|| "Why are you aware of that?

「 だって 、 安東 の いびき が 聞こえる んだ もん 。 |あんどう||||きこえる|| "Because you can hear Ando's snoring.

寝たら 即 、 いびき よ 。 ねたら|そく|| As soon as I go to bed, I'm sorry. 奥さん と 愛し 合って たら 、 いびき かけ ない じゃ ない 」 おくさん||あいし|あって|||||| If you love one's wife, you won't start snoring. "

「 あんた たち に 遠慮 して んじゃ ない の 」 |||えんりょ|||| "Don't hold back to you."

「 まさか !

我慢 して られる もん じゃ ない わ よ 、 男 なんて 」 がまん||||||||おとこ| It 's not something I can endure, man. "

どっち が 年上 か 分 ら ない 。 ||としうえ||ぶん|| I am not sure which one is older.

「 ともかく 、 先生 と お 姉さん の 様子 、 よく 見て て 。 |せんせい|||ねえさん||ようす||みて|

いい わ ね ? これ 、 あんた の 役目 よ 」 |||やくめ|

「 私 、 只 の 仕事 って 嫌いな んだ けど ……」 わたくし|ただ||しごと||きらいな|| "I hate the work of a wolf but ..."

珠美 は 夕 里子 の にらみつける 目 に 押さ れて 、「 まあ 、 今回 は 我慢 する わ 」 たまみ||ゆう|さとご|||め||おさ|||こんかい||がまん||

と 言った 。 |いった

「 当り前でしょ 。 あたりまえでしょ

私 が こんな ひどい 目 に 遭って る んだ から 」 わたくし||||め||あって||| I have such a terrible eyes. "

「 殺人 が 二 つ 、 文書 偽造 、 窃盗 、 婦女 暴行 か 。 さつじん||ふた||ぶんしょ|ぎぞう|せっとう|ふじょ|ぼうこう| "Are there two murders, forgery of documents, theft, and women's assault?

だいぶ 賑やかに なって 来た わ ね 」 |にぎやかに||きた||

「 暴行 未遂 」 ぼうこう|みすい

と 、 夕 里子 が 訂正 する 。 |ゆう|さとご||ていせい|

「 は いはい 。

── あ 、 そう か ! と 、 珠美 が ハッと した 。 |たまみ||はっと|

「 大変だ ! たいへんだ 「 どうした の ?

「 片瀬 さん の 奥さん 、 亡くなった んでしょ ? かたせ|||おくさん|なくなった|

お 葬式 出す の よ ね 、 きっと ? |そうしき|だす|||| 「 そりゃ そう よ 」

「 お 香典 、 いくら に する ? |こうでん||| "How much will you cook?

夕 里子 は 、 しっかり し すぎた 妹 も 困った もん だ 、 と 思った 。 ゆう|さとご|||||いもうと||こまった||||おもった Yuuriko thought that her sister, who was too strong, was also troubled.

夕 里子 と 珠美 は 顔 を 見合わせた 。 ゆう|さとご||たまみ||かお||みあわせた

やっぱり おかしい 、 と 肯 き 合う 。 |||こう||あう

「 や あ 、 済ま ん なあ 」 ||すま|| "Hey, I'm done."

茶の間 へ 入って 来る と 、 安東 が 言った 。 ちゃのま||はいって|くる||あんどう||いった

「 家庭 料理 の 味 なんか 、 久しぶりだ 」 かてい|りょうり||あじ||ひさしぶりだ

「 ちょっと 失礼 」 |しつれい "A little bit rude"

夕 里子 は 立ち上って 、 台所 へ 入って 行った 。 ゆう|さとご||たちのぼって|だいどころ||はいって|おこなった Yuuriko got up and went into the kitchen.

「 姉さん ! ねえさん

気 でも 違った の ? き||ちがった| Is it different from your mind? と 声 を 低めて 、「 カマボコ 切る のだ って 下手くそな くせ に ! |こえ||ひくめて||きる|||へたくそな|| Lower her voice and said, "I'm not good at cutting kamaboko!

「 いい の よ 。

出来て る の 買って 来た んだ もの 」 できて|||かって|きた|| I'm buying it is done. "

と 綾子 は 、 デパート の 食料 品 売場 の 袋 から 、 おかず を 皿 へ 移し ながら 言った 。 |あやこ||でぱーと||しょくりょう|しな|うりば||ふくろ||||さら||うつし||いった Said gyoza from the department store 's grocery store' s bag, transferring the side dishes to a plate.

夕 里子 は 胸 を 撫でおろした 。 ゆう|さとご||むね||なでおろした

どんな ひどい もの を 食べ させ られる か と 、 気 が 気 で なかった のだ 。 ||||たべ|さ せ||||き||き||| I didn't care what kind of awful thing I could eat.

「 でも 、 先生 、 家庭 料理 だ と 思って る わ よ 」 |せんせい|かてい|りょうり|||おもって||| "But the teacher thinks it's home-cooked."

「 いい の よ 。

〈 家庭 の 味 〉 って コーナー で 買って 来た んだ から 」 かてい||あじ||こーなー||かって|きた|| "Home taste" I bought it at the corner "

夕 里子 は 、 どうして 、 こう も 我が 姉妹 の 発想 は 人間 離れ して いる の か 、 と 思った 。 ゆう|さとご|||||わが|しまい||はっそう||にんげん|はなれ||||||おもった Yuriko wondered why my sister's idea is so far from humans.

「 だけど 、 そのまま じゃ だめ よ ! "But, don't leave it alone!

私 に かして 、 いくら 何でも 、 温め なきゃ 」 わたくし||||なんでも|あたため| I have to warm it up for anything.

「 悪い わ ね 。 わるい||

お 魚 なんか 、 火 に かけたら 、 真っ黒に なり そうで ……」 |ぎょ||ひ|||まっくろに||そう で If you put a fish on fire, it's going to be black ... "

「 任せ と いて 。 まかせ||

お 姉さん 、 お 湯 でも 沸かし なさい よ 」 |ねえさん||ゆ||わかし|| My sister, please boil even with hot water.

「 うん 。

それ 得意な の 」 |とくいな|

と 、 綾子 は 嬉し そうに 言った 。 |あやこ||うれし|そう に|いった

「── 旨 い ! むね|

大した もん じゃ ない か 」 たいした|||| Isn't it a big deal? "

と 、 食べ ながら 、 安東 は しきりに 感心 する 。 |たべ||あんどう|||かんしん| And, while eating, Andong impresses me very much.

「 これ なら 、 いつでも 嫁 に 行ける ぞ 」 |||よめ||いける| "With this, I can always go to my bride"

綾子 が 、 すっかり 頰 を 上気 さ せて 、 ご飯 の おかわり など を よ そって いる 。 あやこ|||||じょうき|||ごはん||||||| Dumplings are completely upset about the chopsticks, and are scorning for another meal.

あんな こと した こと ない くせ に 。 I have never done such a thing.

夕 里子 は 呆れて 物 も 言え なかった 。 ゆう|さとご||あきれて|ぶつ||いえ| Yuuriko was amazed and couldn't say anything.

「 どう だ 、 犯人 捜し は 進 ん ど る の か ? ||はんにん|さがし||すすむ|||||

と 、 安東 が 言った 。 |あんどう||いった

「 あ 、 そうだ 。 |そう だ

忘れて た わ 」 わすれて||

と 、 綾子 が 言った 。 |あやこ||いった

「 どうした の ?

「 あの ね 、 今日 会社 で 神田 さん が 話して くれた の 」 ||きょう|かいしゃ||しんでん|||はなして|| "Well, Mr.Kanda talked about it today at work."

「 神田 さん って …… 水口 淳子 と 親しかった って 人 ね 」 しんでん|||みずぐち|あつこ||したしかった||じん|

「 そう 。

ホテル で ね 、 水口 淳子 と 一緒の 男性 を 見た こと ある んです って 」 ほてる|||みずぐち|あつこ||いっしょの|だんせい||みた|||| I've seen a man with Ms. Mizuguchi Mizuki at a hotel.

夕 里子 は 、 耳 を 疑って いた 。 ゆう|さとご||みみ||うたがって|

「 一緒に いた 男 」 を 見た ……。 いっしょに||おとこ||みた

「 じゃ 、 犯人 を 見た の ? |はんにん||みた| "Well, did you see the culprit?

「 分 ん ない の 。 ぶん|||

後ろ姿 だった らしい の よ 。 うしろすがた|||| でも 聞いて みる と パパ じゃ ない の 。 |きいて|||ぱぱ||| 全然 違う 感じ だった わ 」 ぜんぜん|ちがう|かんじ||

「 それ 以外 に 何 か ? |いがい||なん| "What else?"

「 うん 。

ええ と …… 何 だった か な 。 ||なん||| あ 、 そうだ 。 |そう だ

つい この 間 、 また その ホテル へ ね 、 神田 さん 行った らしい 。 ||あいだ|||ほてる|||しんでん||おこなった| 年中 行って る らしい んだ けど 。 ねんじゅう|おこなって|||| It seems that I will go all year round. そこ で 同じ 男らしい の を 見た んです って 」 ||おなじ|おとこらしい|||みた|| I saw that same manly there "

夕 里子 は 、 しばし ポカン と して いた 。 ゆう|さとご|||||| Yuuriko has been a pokane for a while.

そんな 凄い 情報 を 、 忘れて た 、 です って ? |すごい|じょうほう||わすれて||| ── さすが に 夕 里子 も 頭 へ 来て 、 怒鳴ろう と した が 、 そこ は 安東 の 前 で 、 ぐっと こらえる 。 ||ゆう|さとご||あたま||きて|どなろう||||||あんどう||ぜん||| さ As expected, Yuuriko also came to her head and tried to shout, but in front of Andong, I could stand still.

「 それ は すぐ 警察 へ 知らせた 方 が いい わ 」 |||けいさつ||しらせた|かた|||

夕 里子 は 立ち上って 、「 先生 、 お 電話 を お 借り し ます 」 ゆう|さとご||たちのぼって|せんせい||でんわ|||かり||

「 ああ 、 いい と も 」 "Oh, that's good too"

夕 里子 が 、 茶の間 の 襖 を ガラリ と 開ける と 、 目の前 に 安東 岐子 が 立って いて 、 思わず 、 ゆう|さとご||ちゃのま||ふすま||がらり||あける||めのまえ||あんどう|しこ||たって||おもわず When Yuuriko opens her bowl of tea, she sees Kyoko Ando standing in front of her eyes.

「 キャッ !

と 声 を 上げて しまった 。 |こえ||あげて|

「 お 、 お 帰り なさい ……」 ||かえり|

「 何 だ 岐子 、 帰って た の か 」 なん||しこ|かえって||| "What is Yoshiko, are you home?"

と 、 安東 が 言った 。 |あんどう||いった

「 気 が 付か なかった ぞ 。 き||つか|| "I did not notice it. 早い じゃ ない か 。 はやい||| Isn't it early? さ 、 食べろ よ 。 |たべろ| 綾子 君 が 作って くれた 。 あやこ|きみ||つくって| なかなか いける ぞ 」 I can't wait. "

安東 岐子 は 、 青ざめた 顔 を こわばら せて 、 茶の間 へ 入って 来た 。 あんどう|しこ||あおざめた|かお||||ちゃのま||はいって|きた Kyoko Ando broke into a pale face and came into the tea room.

何となく 、 誰 も 動け なくて 、 そのまま じっと 、 息 を 殺して いた 。 なんとなく|だれ||うごけ||||いき||ころして| Somehow, no one was able to move, and as it was, I was killing my breath.

「── 何 だ 。 なん|

どうした ? と 、 安東 が 言った 。 |あんどう||いった

「 そんなに この 女の子 の 料理 が 気 に 入った の なら 、 この 子 と 結婚 なさったら いかがです か ? ||おんなのこ||りょうり||き||はいった||||こ||けっこん||| "If you were interested in the food of this girl, how would you like to marry this girl?

と 、 岐子 は 鋭い 声 で 言った 。 |しこ||するどい|こえ||いった

「 おい 、 妙な こと を 言う な よ 」 |みょうな|||いう|| "Hey, do not say strange things"

安東 は 顔 を しかめた 。 あんどう||かお||

「 綾子 君 は 、 ただ 好意 で ──」 あやこ|きみ|||こうい|

「 私 が 何も 知ら ない と 思って る んです か ! わたくし||なにも|しら|||おもって|||

岐子 が 叫んだ 。 しこ||さけんだ

綾子 は 怯えて 身 を 縮めた 。 あやこ||おびえて|み||ちぢめた

「 住む 家 が ない と いう から 面倒 を みて やって いる のに 、 主人 に 色 目 を 使う なんて ……」 すむ|いえ||||||めんどう||||||あるじ||いろ|め||つかう| "Even though I'm taking care of you because I don't have a house to live in, I'm trying to use my color to my master ..."

岐子 は 、 綾子 を にらみつける と 、「 この 泥棒 猫 ! しこ||あやこ|||||どろぼう|ねこ

と 言う なり 、 平手 で 綾子 の 頰 を 打った 。 |いう||ひらて||あやこ||||うった Then I hit a ladder with a palm.

「 私 …… 何も ……」 わたくし|なにも

綾子 が ワッ と 泣き出す 。 あやこ||||なきだす

「 おい !

何て こと を する んだ ! なんて|||| 安東 が 腰 を 浮かした 。 あんどう||こし||うかした Andong came back to his feet.

「 あなた は 黙って なさい ! ||だまって|

岐子 が 金切り声 を 上げる 。 しこ||かなきりごえ||あげる Giko screams.

「 こんな 子供 の どこ が いい の ! |こども||||| "What kind of child like this is good! どうせ 男 の 学生 と すぐ 寝る 不良に 決 って る じゃ あり ませ ん か ! |おとこ||がくせい|||ねる|ふりょうに|けっ||||||| Anyway, I'm going to go to bed with a student of a man right away? 「 ひどい わ 、 そんな ──」

綾子 が 泣きじゃくり ながら 言った 。 あやこ||なきじゃくり||いった Yuko said while crying.

「 私 …… 何も やましい こと なんか あり ませ ん ! わたくし|なにも|||||| "I ... ... There is nothing to be foolish! 「 そう だ と も 。

お前 の 邪推 と いう もん だ 、 それ は 」 おまえ||じゃすい|||||| It is your evil devotion, it is

「 だったら 、 もう この 家 を 出て 行けば いい じゃ ない の ! |||いえ||でて|いけば|||| "Well then, you can leave this house already!

いつまでも 図 々 しく 居座って 。 |ず|||いすわって Stay with me forever and ever. 私 の 帰り が 遅い の を いい こと に して 、 何 やって る か 知れた もん じゃ ない ! わたくし||かえり||おそい|||||||なん||||しれた||| The good thing is that my return is late and it is not what I know what to do! 夕 里子 は 、 やっと 我 に 返って 、 ゆう|さとご|||われ||かえって Yuriko finally came back to me,

「 お 姉さん 、 ああ 言わ れて る んだ から 、 出て 行こう よ 」 |ねえさん||いわ|||||でて|いこう| "Sister, oh, I'm told, so let's go out."

と 、 綾子 の 肩 に 手 を かけた 。 |あやこ||かた||て||

「 でも ……」

「 ね 、 今夜 一晩 ぐらい 、 敦子 の 所 で 泊めて くれる わ よ 」 |こんや|ひとばん||あつこ||しょ||とめて||| "Yeah, I'll be staying at the dumplings for about one night tonight."

綾子 が 、 安東 の 方 を 涙 に 濡れた 目 で 見た 。 あやこ||あんどう||かた||なみだ||ぬれた|め||みた Reiko saw Ando with eyes wet with tears.

安東 は 何 か 言い た げ に 口 を 開き かけた が 、 岐子 の 険しい 目 に 出くわして 、 そのまま 黙って しまった 。 あんどう||なん||いい||||くち||あき|||しこ||けわしい|め||でくわして||だまって| Ando opened his mouth to say something, but when he came across Kiko's steep eyes, he shut up silently.

「 さあ 、 持って行く もの が あったら 取って 来て 」 |もっていく||||とって|きて "Come on, take it with you if you have something to take with you"

夕 里子 は 綾子 を 支えて 立た せ 、「 珠美 、 あんた も よ 」 ゆう|さとご||あやこ||ささえて|たた||たまみ||| Yuuriko is supporting Yuko and standing up, "Tsumi, you too"

「 私 も かな 、 やっぱり 」 わたくし||| "I am too, after all"

「 当り前でしょ 」 あたりまえでしょ

珠美 が 肩 を すくめて 立ち上る 。 たまみ||かた|||たちのぼる

綾子 と 珠美 が 奥 の 部屋 へ 入って 行く と 、 夕 里子 は 、 そこ に 正座 して 、 あやこ||たまみ||おく||へや||はいって|いく||ゆう|さとご||||せいざ| When Yuko and Shukumi went into the room at the back of the room, Yuuriko sat up there,

「 どうも 長い 間 、 姉 と 妹 が お 世話に なって しまって 、 申し訳 あり ませ ん でした 」 |ながい|あいだ|あね||いもうと|||せわに|||もうしわけ|||| "I am sorry that my sister and sister have been indebted for a long time."

と 頭 を 下げた 。 |あたま||さげた

「 いや 。

教育 者 と して 当然の こと さ 」 きょういく|もの|||とうぜんの||

と 、 安東 は 言った 。 |あんどう||いった

「 何の 教育 を して いる の か ……」 なんの|きょういく||||| "What kind of education are you doing ..."

と 岐子 が 、 わざとらしく そっぽ を 向いて 言う 。 |しこ|||||むいて|いう

「 つい 、 ご 好意 に 甘えて しまって 、 色々 不愉快な こと も あった と 思い ます 。 ||こうい||あまえて||いろいろ|ふゆかいな|||||おもい| "I think that I was addicted to the favor and there were a lot of unpleasant things.

どう か 、 許して 下さい 」 ||ゆるして|ください

夕 里子 は 立ち上る と 、 奥 から 出て 来た 綾子 と 珠美 を 玄関 の 方 へ 押しやった 。 ゆう|さとご||たちのぼる||おく||でて|きた|あやこ||たまみ||げんかん||かた||おしやった

表 に 出る と 、 珠美 が フーッ と 息 を 吐いて 、 ひょう||でる||たまみ||||いき||はいて When it comes to the front, Tamami exudes breath and

「 凄い ねえ 、 中年 女 の 嫉妬 って 」 すごい||ちゅうねん|おんな||しっと|

と 言った 。 |いった

綾子 が 、 立ち止って 、 じっと 安東 の 家 を 振り返って いる 。 あやこ||たちどまって||あんどう||いえ||ふりかえって|

「 お 姉さん 」 |ねえさん

と 、 夕 里子 は 促した 。 |ゆう|さとご||うながした

「 うん ……」

綾子 は 、 また グスン と すすり 上げる と 、 力なく 歩き 出した 。 あやこ||||||あげる||ちからなく|あるき|だした