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Fairy Tales, 佐々木 小次郎 の ツバメ返し

佐々木 小次郎 の ツバメ返し

佐々木 小 次郎 の ツバメ 返し

日本 に は 数多く の 剣豪 ( けんごう ) と よばれる 剣術 の 達人 が い ます が 、 宮本 武蔵 と 並んで 人気 の 一 位 を 争う の が 、「 ツバメ 返し 」 で 有名な 佐々木 小 次郎 です 。 これ は 、 その 佐々木 小 次郎 の お 話し です 。

今 から 四百 年 も むかし 、 越前 の 国 ( え ち ぜん の くに → 福井 県 ) の 一 乗 谷 ( いちじょう だに ) に 城 を かまえる 、 朝倉 義 景 ( あさく ら よし かげ ) と いう 殿さま の 家臣 に 、 富田 勢 源 ( と みた せいげん ) と いう 、 飛び抜けた 剣 術 を 持つ 侍 が い ました 。 勢 源 ( せいげん ) は 、『 中条 流 ( なか じょうりゅう )』 と いう 剣法 を あみ出して 、 その 強 さ は 北陸 中 ( ほ くり くじゅう ) に 知れ渡って い ました 。 その 勢源 が 最も 得意 と して いた の は 、『 小 太刀 ( こだち )』 と いう 短い 剣 を 使う 剣 法 です 。 ある 日 の 事 、 勢 源 の 元 に 、 小 次郎 ( こじろう ) と 名乗る 子ども が 弟子入り に やってき ました 。 「 強く なり たい です 。 弟子 に して ください 」 一見 する と 小 次郎 は ひ弱 そうな 子ども だった ので 、 勢 源 は 弟子入り を 断り ました 。 ですが 、 「 お 願い です 。 強く なり たい のです 。 弟子 に して ください 」 と 、 断って も 断って も 弟子入り を お 願い する ので 、 ついに 根負け し た 勢 源 は 、 小 次郎 を 道場 の 小 間 使い と して 使う こと に し ました 。 小 間 使い と して 働く ように なった 小 次郎 は 、 少し でも 時間 を 見つける と 、 とても 熱心に 修業 を して 、 十六 才 に なる 頃 に は 道場 一 の 剣 術 使い に なって いた のです 。 それ から は 名 も 佐々木 小 次郎 と 改め 、 勢 源 が い ない 時 は 、 勢 源 の 代わり と して 道場 を 任さ れる ように も なり ました 。 こうして 願い 通り に 強く なった 小 次郎 です が 、 師匠 の 勢 源 に は 、 まだまだ 勝つ 事 が 出来 ませ ん 。 「 一体 どう すれば 、 師匠 を 抜く 事 が 出来る のだ ? 」 悩んだ 小 次郎 は 、 ふと 、 洗濯物 を 干す 物干し 竿 を 見て 思い つき ました 。 「 師匠 に は 小太刀 を 教えて もらった が 、 同じ 小 太刀 で は 師匠 に 一日の長 が ある ため 、 抜く 事 は 出来 ない 。 しかし 、 刀 を 長く すれば 」 こうして 小 次郎 は 小 太刀 を 捨てて 、 長い 刀 を 持つ ように なった のです が 、 簡単に 使い こなせる 物 で は あり ませ ん 。 師匠 の 勢 源 から も 、 「 剣 で もっとも 重要な 物 は 早 さ だ 。 その様に 長い 刀 で は 、 早く 振る 事 は 出来 まい 」 と 、 言わ れ ました が 、 小 次郎 は あきらめ ませ ん 。 毎日 毎日 、 長い 刀 で 練習 を 重ね 、 ついに は 腰 に 差せ ない ほど の 長い 刀 を 使い こなせる ように なった のです 。 ですが 、 まだ 師匠 に は 勝て ませ ん 。 ある時 、 小 次郎 は 近く の 一 乗 滝 ( いちじょう だき ) で 流れる 水 を 見て い ました 。 すると そこ へ ツバメ が 飛んで きて 、 空 を 切って 一 回転 する と 空 へ と 舞い上がり ました 。 「 飛んで いる ツバメ は 、 どんな 剣 の 達人 で も 斬る 事 が 出来 ない と 言う が 、 もし ツバメ を 斬る 事 が 出来れば 、 わたし は 師匠 を 抜く 事 が 出来る かも しれ ん 」 こうして 小 次郎 は 、 毎日 滝 へ 出かけて は 、 ツバメ に いどみ 続け 、 ついに ツバメ を 斬り おとす と 技 を あみ出した のです 。 そして 、 その 技 で 師匠 に 勝つ 事 が 出来た 小 次郎 は 、 長い 剣 を 使う 剣 法 を 『 厳流 ( がん りゅう )』、 ツバメ を 斬り おとした 奥義 ( おうぎ ) を 『 ツバメ 返し 』 と 名付け 、 さらに 剣 術 を 磨く 為 に 、 諸国 へ 武者 修業 に 出かけた のです 。

これ は 、 宮本 武蔵 と 戦う 数 年 前 の 事 です 。

おしまい

佐々木 小次郎 の ツバメ返し ささき|こじろう||つばめ かえし Sasaki|||counterattack Sasaki Kojiro's swallow-tails Les queues d'hirondelle de Sasaki Kojiro Caudas de andorinha de Sasaki Kojiro Ласточкины хвосты Сасаки Кодзиро 佐佐木小次郎之燕子归来 佐佐木小次郎的燕子归来 佐佐木小次郎的燕尾服

佐々木 小 次郎 の ツバメ 返し ささき|しょう|じろう||つばめ|かえし 佐佐木小次郎之燕子归来

日本 に は 数多く の 剣豪 ( けんごう ) と よばれる 剣術 の 達人 が い ます が 、 宮本 武蔵 と 並んで 人気 の 一 位 を 争う の が 、「 ツバメ 返し 」 で 有名な 佐々木 小 次郎 です 。 にっぽん|||かずおおく||けんごう|||よば れる|けん じゅつ||たつじん|||||みやもと|たけぞう||ならんで|にんき||ひと|くらい||あらそう|||つばめ|かえし||ゆうめいな|ささき|しょう|じろう| |||||||||swordsmanship||master|||||Miyamoto|Miyamoto Musashi||alongside||||||compete for|||||||||| In Japan, there are many swordsmen called "kengou" who are masters of swordsmanship, but one who competes for the top spot in popularity along with Miyamoto Musashi is Sasuke Sarutobi, famous for his "Swallow Reversal." 在日本,有很多被称为kengo的剑术高手,但以‘燕外师’(Tsubame Gaeshi)而闻名的佐佐木小次郎却在与宫本武藏争夺最受欢迎的剑术。 これ は 、 その 佐々木 小 次郎 の お 話し です 。 |||ささき|しょう|じろう|||はなし| |||Sasaki|||||| This is the story of Sasuke Sarutobi.

今 から 四百 年 も むかし 、 越前 の 国 ( え ち ぜん の くに → 福井 県 ) の 一 乗 谷 ( いちじょう だに ) に 城 を かまえる 、 朝倉 義 景 ( あさく ら よし かげ ) と いう 殿さま の 家臣 に 、 富田 勢 源 ( と みた せいげん ) と いう 、 飛び抜けた 剣 術 を 持つ 侍 が い ました 。 いま||しひゃく|とし|||えちぜん||くに||||||ふくい|けん||ひと|じょう|たに||||しろ|||あさくら|ただし|けい|||||||とのさま||かしん||とみた|ぜい|げん||||||とびぬけた|けん|じゅつ||もつ|さむらい||| ||four hundred||||||||||||Fukui||||warrior|valley|Ichijo|even||castle||establish|Asakura|gi|Yoshikage|Asakura||||||||retainer||Tomita|force|Minamoto|||Seigen|||outstanding||technique|||samurai||| Four hundred years ago, in the Ichijodani area of Echizen Province (present-day Fukui Prefecture), there was a samurai named Tomita Seigen who served under Lord Asakura Yoshikage, who owned a castle in that area and was known for his exceptional swordsmanship. 四百年前,在越前国(福井县)的一乘谷建造城池的朝仓义影的家臣从前,有一位武士富田青玄,他是一位出色的剑客。 勢 源 ( せいげん ) は 、『 中条 流 ( なか じょうりゅう )』 と いう 剣法 を あみ出して 、 その 強 さ は 北陸 中 ( ほ くり くじゅう ) に 知れ渡って い ました 。 ぜい|げん|||ちゅうじょう|りゅう|||||けん ほう||あみだして||つよ|||ほくりく|なか|||||しれわたって|| Seigen was known in the Hokuriku region for creating the sword style called 'Nakajō-ryū'. Seigen 发明了一种名为“Nakajo-ryu”的剑术,其强度在整个北陆地区广为人知。 その 勢源 が 最も 得意 と して いた の は 、『 小 太刀 ( こだち )』 と いう 短い 剣 を 使う 剣 法 です 。 |ぜい げん||もっとも|とくい||||||しょう|たち||||みじかい|けん||つかう|けん|ほう| |source of power||most|most skilled|||||||short sword||||short|||||| Seigen's specialty was using a short sword called 'Kodachi'. 青玄的专长是使用名为“小太刀”的短剑的剑术。 ある 日 の 事 、 勢 源 の 元 に 、 小 次郎 ( こじろう ) と 名乗る 子ども が 弟子入り に やってき ました 。 |ひ||こと|ぜい|げん||もと||しょう|じろう|||なのる|こども||でしいり||| ||||vigor|||||||Kojiro||called|||apprenticeship||| One day, a child calling himself Kojiro came to Seigen and asked to become his disciple. 有一天,一个名叫小次郎的孩子来到青玄这里成为他的徒弟。 「 強く なり たい です 。 つよく||| “我想变得更强。 弟子 に して ください 」   一見 する と 小 次郎 は ひ弱 そうな 子ども だった ので 、 勢 源 は 弟子入り を 断り ました 。 でし||||いっけん|||しょう|じろう||ひよわ|そう な|こども|||ぜい|げん||でしいり||ことわり| ||||at first glance||||||weak|||||vigor|||apprenticeship||refusal|seemed 请收我为徒吧。”小次郎乍一看就像个弱小的孩子,青玄拒绝收他为徒。 ですが 、 「 お 願い です 。 ||ねがい| 然而,“请。 強く なり たい のです 。 つよく||| 我想坚强。 弟子 に して ください 」 と 、 断って も 断って も 弟子入り を お 願い する ので 、 ついに 根負け し た 勢 源 は 、 小 次郎 を 道場 の 小 間 使い と して 使う こと に し ました 。 でし|||||たって||たって||でしいり|||ねがい||||こんまけ|||ぜい|げん||しょう|じろう||どうじょう||しょう|あいだ|つかい|||つかう|||| |||||refused||||apprenticeship|||||||giving in|||enthusiasm||||||dojo||young|room|to use||||||| 小 間 使い と して 働く ように なった 小 次郎 は 、 少し でも 時間 を 見つける と 、 とても 熱心に 修業 を して 、 十六 才 に なる 頃 に は 道場 一 の 剣 術 使い に なって いた のです 。 しょう|あいだ|つかい|||はたらく|||しょう|じろう||すこし||じかん||みつける|||ねっしんに|しゅぎょう|||じゅうろく|さい|||ころ|||どうじょう|ひと||けん|じゅつ|つかい|||| small||swordsman||||||||||||||||enthusiastically|training||||||||||training hall||||||||| それ から は 名 も 佐々木 小 次郎 と 改め 、 勢 源 が い ない 時 は 、 勢 源 の 代わり と して 道場 を 任さ れる ように も なり ました 。 |||な||ささき|しょう|じろう||あらため|ぜい|げん||||じ||ぜい|げん||かわり|||どうじょう||まかさ||||| |||name||||||changed||||||||||||||dojo||||||| After that, he changed his name to Sasaki Kojiro and sometimes even had the responsibility of running the dojo when Seigen was not around. こうして 願い 通り に 強く なった 小 次郎 です が 、 師匠 の 勢 源 に は 、 まだまだ 勝つ 事 が 出来 ませ ん 。 |ねがい|とおり||つよく||しょう|じろう|||ししょう||ぜい|げん||||かつ|こと||でき|| ||||||||||master|||||||||||| Sasaki Kojiro had become strong as he wished, but he still couldn't defeat his master, Seigen. 「 一体 どう すれば 、 師匠 を 抜く 事 が 出来る のだ ? いったい|||ししょう||ぬく|こと||できる| |||master||surpass|||| "What should I do to surpass my master? 」   悩んだ 小 次郎 は 、 ふと 、 洗濯物 を 干す 物干し 竿 を 見て 思い つき ました 。 なやんだ|しょう|じろう|||せんたくもの||ほす|ものほし|さお||みて|おもい|| was worried|||||laundry||dry|clothesline|||||| 「 師匠 に は 小太刀 を 教えて もらった が 、 同じ 小 太刀 で は 師匠 に 一日の長 が ある ため 、 抜く 事 は 出来 ない 。 ししょう|||しょう たち||おしえて|||おなじ|しょう|たち|||ししょう||いちじつのちょう||||ぬく|こと||でき| |||short sword||||||||||||specialty|||||||| しかし 、 刀 を 長く すれば 」   こうして 小 次郎 は 小 太刀 を 捨てて 、 長い 刀 を 持つ ように なった のです が 、 簡単に 使い こなせる 物 で は あり ませ ん 。 |かたな||ながく|||しょう|じろう||しょう|たち||すてて|ながい|かたな||もつ|||||かんたんに|つかい||ぶつ||||| |||||||||||||||||||||||able to handle|||||| 師匠 の 勢 源 から も 、 「 剣 で もっとも 重要な 物 は 早 さ だ 。 ししょう||ぜい|げん|||けん|||じゅうような|ぶつ||はや|| ||||||||most|||||| From my mentor's energy, I was told, 'The most important thing with a sword is speed.' "Even from Master Seizgen, (I heard) 'The most important thing in swordsmanship is speed.'" Breakdown: 師匠 (shishō): "master" or "teacher" の (no): Possessive particle 勢源 (Seizgen): This appears to be a name, likely the name of the master から (kara): "from" も (mo): "also" or "even" 「: Opening quotation mark 剣 (ken): "sword" or "swordsmanship" で (de): Particle indicating means or location もっとも (mottomo): "most" or "extremely" 重要 (jūyō): "important" な (na): Adjective-linking particle 物 (mono): "thing" は (wa): Topic-marking particle 早さ (hayasa): "speed" or "quickness" だ (da): Copula, equivalent to "is" in English その様に 長い 刀 で は 、 早く 振る 事 は 出来 まい 」 と 、 言わ れ ました が 、 小 次郎 は あきらめ ませ ん 。 その よう に|ながい|かたな|||はやく|ふる|こと||でき|||いわ||||しょう|じろう|||| that way||||||||||||||||||||| Even though it was said that with a long sword it's difficult to swing quickly, Kojiro never gave up. 毎日 毎日 、 長い 刀 で 練習 を 重ね 、 ついに は 腰 に 差せ ない ほど の 長い 刀 を 使い こなせる ように なった のです 。 まいにち|まいにち|ながい|かたな||れんしゅう||かさね|||こし||させ||||ながい|かたな||つかい|||| |||||practice||repeated|finally||waist||sheath||||||||||| Every day, he practiced with a long sword until he was finally able to handle a sword so long that it couldn't be sheathed on his waist. ですが 、 まだ 師匠 に は 勝て ませ ん 。 ||ししょう|||かて|| ある時 、 小 次郎 は 近く の 一 乗 滝 ( いちじょう だき ) で 流れる 水 を 見て い ました 。 ある とき|しょう|じろう||ちかく||ひと|じょう|たき||||ながれる|すい||みて|| ||||||||waterfall|one's own|waterfall||flowing||||| すると そこ へ ツバメ が 飛んで きて 、 空 を 切って 一 回転 する と 空 へ と 舞い上がり ました 。 |||つばめ||とんで||から||きって|ひと|かいてん|||から|||まいあがり| 「 飛んで いる ツバメ は 、 どんな 剣 の 達人 で も 斬る 事 が 出来 ない と 言う が 、 もし ツバメ を 斬る 事 が 出来れば 、 わたし は 師匠 を 抜く 事 が 出来る かも しれ ん 」   こうして 小 次郎 は 、 毎日 滝 へ 出かけて は 、 ツバメ に いどみ 続け 、 ついに ツバメ を 斬り おとす と 技 を あみ出した のです 。 とんで||つばめ|||けん||たつじん|||きる|こと||でき|||いう|||つばめ||きる|こと||できれば|||ししょう||ぬく|こと||できる|||||しょう|じろう||まいにち|たき||でかけて||つばめ|||つづけ||つばめ||きり|||わざ||あみだした| ||||||||||cut|||||||||||||||||||||||||||||||waterfall||||||challenged|||||cut|knock down||skill||devised| そして 、 その 技 で 師匠 に 勝つ 事 が 出来た 小 次郎 は 、 長い 剣 を 使う 剣 法 を 『 厳流 ( がん りゅう )』、 ツバメ を 斬り おとした 奥義 ( おうぎ ) を 『 ツバメ 返し 』 と 名付け 、 さらに 剣 術 を 磨く 為 に 、 諸国 へ 武者 修業 に 出かけた のです 。 ||わざ||ししょう||かつ|こと||できた|しょう|じろう||ながい|けん||つかう|けん|ほう||いわお りゅう|||つばめ||きり||おうぎ|||つばめ|かえし||なづけ||けん|じゅつ||みがく|ため||しょこく||むしゃ|しゅぎょう||でかけた| ||||||||||||||||||||strict style||||||dropped||secret technique||||||further||||refine|||||warrior|training|||

これ は 、 宮本 武蔵 と 戦う 数 年 前 の 事 です 。 ||みやもと|たけぞう||たたかう|すう|とし|ぜん||こと|

おしまい