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天 の 猟師 オリオン
天 の 猟師 オリオン
むかし むかし 、 ギリシア の 海 の 神さま ポセイドン の 子 の オリオン は 、 月 の 美しい ある 夜 、 散歩 に 出かけ ました 。
オリオン は 、 ふと 足 を とめ ました 。
どこ から か 楽し そうな 音楽 と 、 それ に まじって 女 の 人 たち の 笑い声 が 聞こえて くる のです 。
オリオン は 草 の しげみ を かきわけて 、 その 声 の 方 へ そっと 進み ました 。
草 の しげみ の 向こう に は 、 森 の 中 の 広場 が あり ました 。
そこ で は 、 美しい 七 人 姉妹 が おどって い ます 。
長い 髪 を 月 の 光 に かがやか せ 、 ほほ は バラ 色 です 。
あまり の 美し さ に オリオン は しばらく ウットリ と ながめて い ました が 、 しばらく する と 娘 たち を 少し から かってやろう と 思い ました 。
そして 、 「 ウォーッ !
」 と 、 化物 の ような 声 を 出し 、 持って いた 太い ぼう を ふり あげ ながら 七 人 姉妹 の 方 へ 飛び出して 行った のです 。
「 き ゃあ 、 こわい !
」 七 人 姉妹 は たちまち 青く なり 、 急いで ほら 穴 へ 逃げ 込み ました 。
「 助けて !
助けて ください !
」 その ほら 穴 は 、 月 と 狩り の 女神 アルテミス の いる 場所 でした 。
アルテミス は 銀色 の 服 の すそ を 広げて 、 七 人 姉妹 を かくし ました 。
七 人 姉妹 は 、 妖精 だった のです 。
そう と は 知ら ない オリオン は 、 まだ ふざけて 、 「 ウォー !
ウォー !
」 と 、 ほえ ながら 、 ほら 穴 へ 入って 行き ました 。
する と 、 「 とまれ !
」 アルテミス が 、 どなり ました 。
その 声 に 、 オリオン は ドキッ と し ました 。
強い 魔法 を 持つ 、 アルテミス だ と わかった から です 。
アルテミス を 怒ら せたら 、 自分 は どんな 魔法 を かけ られる か わかり ませ ん 。
オリオン は 一 歩 後ろ へ 下がり 、 もう 一 歩 下がる と 、 ゆっくり ふりむき ました 。
そして そのまま 、 ほら 穴 を 飛び出し 逃げて 行き ました 。
アルテミス は クスクス 笑って 、 銀色 の すその 下 に かくした 七 人 姉妹 に 言い ました 。
「 もう 怖い 事 は あり ませ ん 。
さあ 出て いらっしゃい 」 アルテミス は 、 銀色 の すそ を 広げ ました 。
する と 、 どう でしょう 。
七 羽 の まっ 白い ハト たち が 、 飛び 立って 行った のです 。
その 美しい ハト たち は 、 月 あかり の 森 へ 飛んで 行き ました 。
この 様子 を 、 ゼウス が 見て い ました 。
そして 美しい 七 羽 の 白い ハト を いつまでも 空 に かざり たい と 考えて 、 ハト たち を 魔法 で 星 に かえ ました 。
この 星 たち が 、 おうし座 の 中 で キラキラ と かがやく スバル 座 だ と いう こと です 。
おしまい
天 の 猟師 オリオン
てん||りょうし|
Orion the Heavenly Hunter
天獵者俄里翁
天 の 猟師 オリオン
てん||りょうし|
むかし むかし 、 ギリシア の 海 の 神さま ポセイドン の 子 の オリオン は 、 月 の 美しい ある 夜 、 散歩 に 出かけ ました 。
||ぎりしあ||うみ||かみさま|||こ||||つき||うつくしい||よ|さんぽ||でかけ|
オリオン は 、 ふと 足 を とめ ました 。
|||あし|||
どこ から か 楽し そうな 音楽 と 、 それ に まじって 女 の 人 たち の 笑い声 が 聞こえて くる のです 。
|||たのし|そう な|おんがく|||||おんな||じん|||わらいごえ||きこえて||の です
From somewhere, I can hear the music that seems to be fun, and the laughter of the women.
オリオン は 草 の しげみ を かきわけて 、 その 声 の 方 へ そっと 進み ました 。
||くさ||||かき わけて||こえ||かた|||すすみ|
草 の しげみ の 向こう に は 、 森 の 中 の 広場 が あり ました 。
くさ||||むこう|||しげる||なか||ひろば|||
そこ で は 、 美しい 七 人 姉妹 が おどって い ます 。
|||うつくしい|なな|じん|しまい||||
長い 髪 を 月 の 光 に かがやか せ 、 ほほ は バラ 色 です 。
ながい|かみ||つき||ひかり||||||ばら|いろ|
あまり の 美し さ に オリオン は しばらく ウットリ と ながめて い ました が 、 しばらく する と 娘 たち を 少し から かってやろう と 思い ました 。
||うつくし|||||||||||||||むすめ|||すこし||かって やろう||おもい|
そして 、 「 ウォーッ !
」 と 、 化物 の ような 声 を 出し 、 持って いた 太い ぼう を ふり あげ ながら 七 人 姉妹 の 方 へ 飛び出して 行った のです 。
|か ぶつ|||こえ||だし|もって||ふとい||||||なな|じん|しまい||かた||とびだして|おこなった|の です
「 き ゃあ 、 こわい !
」 七 人 姉妹 は たちまち 青く なり 、 急いで ほら 穴 へ 逃げ 込み ました 。
なな|じん|しまい|||あおく||いそいで||あな||にげ|こみ|
「 助けて !
たすけて
助けて ください !
たすけて|
」 その ほら 穴 は 、 月 と 狩り の 女神 アルテミス の いる 場所 でした 。
||あな||つき||かり||めがみ||||ばしょ|
アルテミス は 銀色 の 服 の すそ を 広げて 、 七 人 姉妹 を かくし ました 。
||ぎんいろ||ふく||||ひろげて|なな|じん|しまい|||
七 人 姉妹 は 、 妖精 だった のです 。
なな|じん|しまい||ようせい||の です
そう と は 知ら ない オリオン は 、 まだ ふざけて 、 「 ウォー !
|||しら||||||うぉー
ウォー !
うぉー
」 と 、 ほえ ながら 、 ほら 穴 へ 入って 行き ました 。
||||あな||はいって|いき|
する と 、 「 とまれ !
」 アルテミス が 、 どなり ました 。
その 声 に 、 オリオン は ドキッ と し ました 。
|こえ|||||||
強い 魔法 を 持つ 、 アルテミス だ と わかった から です 。
つよい|まほう||もつ||||||
アルテミス を 怒ら せたら 、 自分 は どんな 魔法 を かけ られる か わかり ませ ん 。
||いから||じぶん|||まほう|||||||
オリオン は 一 歩 後ろ へ 下がり 、 もう 一 歩 下がる と 、 ゆっくり ふりむき ました 。
||ひと|ふ|うしろ||さがり||ひと|ふ|さがる||||
そして そのまま 、 ほら 穴 を 飛び出し 逃げて 行き ました 。
|||あな||とびだし|にげて|いき|
アルテミス は クスクス 笑って 、 銀色 の すその 下 に かくした 七 人 姉妹 に 言い ました 。
||くすくす|わらって|ぎんいろ|||した|||なな|じん|しまい||いい|
「 もう 怖い 事 は あり ませ ん 。
|こわい|こと||||
さあ 出て いらっしゃい 」 アルテミス は 、 銀色 の すそ を 広げ ました 。
|でて||||ぎんいろ||||ひろげ|
する と 、 どう でしょう 。
七 羽 の まっ 白い ハト たち が 、 飛び 立って 行った のです 。
なな|はね|||しろい|はと|||とび|たって|おこなった|の です
その 美しい ハト たち は 、 月 あかり の 森 へ 飛んで 行き ました 。
|うつくしい|はと|||つき|||しげる||とんで|いき|
この 様子 を 、 ゼウス が 見て い ました 。
|ようす||||みて||
そして 美しい 七 羽 の 白い ハト を いつまでも 空 に かざり たい と 考えて 、 ハト たち を 魔法 で 星 に かえ ました 。
|うつくしい|なな|はね||しろい|はと|||から|||||かんがえて|はと|||まほう||ほし|||
この 星 たち が 、 おうし座 の 中 で キラキラ と かがやく スバル 座 だ と いう こと です 。
|ほし|||おうし ざ||なか||きらきら|||すばる|ざ|||||
おしまい