世界の昔話, トウモロコシドロボウ

トウモロコシドロボウ Corn thief

むかし むかし 、 メキシコ の ある 村 に 、 お 金持 の お 百姓 が い ました 。 ||めきしこ|||むら|||かねもち|||ひゃくしょう||| Once upon a time there was a rich farmer in a village in Mexico. お 百姓 は 広い トウモロコシ 畑 を 持って いて 、 毎年 たくさん の 卜 ウモロコシ を とり入れ ました 。 |ひゃくしょう||ひろい|とうもろこし|はたけ||もって||まいとし|||ぼく|||とりいれ| ところが ある 年 、 トウモ 口 コシ 畑 に ドロボウ が 入った のです 。 ||とし||くち||はたけ||||はいった|の です

さて 、 この お 百姓 に は 、 三 人 の 息子 が おり ました 。 |||ひゃくしょう|||みっ|じん||むすこ||| 一 番 上 の 息子 は 、 なまけ者 です 。 ひと|ばん|うえ||むすこ||なまけもの| 二 番 目 の 息子 は 、 いばり 屋 で 、 いつも 人 を バカに して い ました 。 ふた|ばん|め||むすこ|||や|||じん||ばかに||| 三 番 目 の 息子 は 、 どういう 子ども か 、 よく わかり ませ ん でした 。 みっ|ばん|め||むすこ|||こども|||||| お 百姓 は 、 三 人 の 息子 を 呼んで 、 「 誰 でも いい 。 |ひゃくしょう||みっ|じん||むすこ||よんで|だれ|| ドロボウ を 見つけて くれ 。 ||みつけて| 見つけた 者 に 、 わし の 財産 ( ざいさん ) を ゆずろう 」 と 、 言い ました 。 みつけた|もの||||ざいさん|||||いい| まず 、 一 番 上 の 息子 が 畑 ヘ 行き ました 。 |ひと|ばん|うえ||むすこ||はたけ||いき| 息子 は ごちそう を つめた カゴ を 持って 、 鉄砲 ( てっぽう ) を 肩 に かけて 、 プラリプラリ と あくび を し ながら 出かけ ました 。 むすこ|||||||もって|てっぽう|||かた|||||||||でかけ| 庭 の 井戸 ( いど ) まで 来る と 、 「 ちょっと ぐらい 、 眠って も 大丈夫だろう 」 と 、 言って 、 腰 を おろし ました 。 にわ||いど|||くる||||ねむって||だいじょうぶだろう||いって|こし||| そして すぐ に いびき を かいて 、 眠って しまい ました が 、 やがて 、 「 わたし を 、 トウモロコシ 畑 ヘ 連れて 行って ください 。 ||||||ねむって|||||||とうもろこし|はたけ||つれて|おこなって| ドロボウ を 捕まえる お 手伝い を し ます 」 と 、 言う 、 カエル の 声 で 目 を 覚まし ました 。 ||つかまえる||てつだい|||||いう|かえる||こえ||め||さまし| 「 何 だ と 。 なん|| この 汚 らしい 、 ろくでなし め 。 |きたな||| お前 なんか に 、 ドロボウ が 捕まる もの か 」 と 、 言って 、 息子 は カエル を 井戸 の 中 へ 投げ 込んで しまい ました 。 おまえ|||||つかまる||||いって|むすこ||かえる||いど||なか||なげ|こんで|| それ から 、 トウモロコシ 畑 へ 出かけ ました 。 ||とうもろこし|はたけ||でかけ| けれども また 、 居眠り を 始め ました 。 ||いねむり||はじめ| 夜 が 明けて 目 が 覚めた 時 に は 、 トウモロコシ は もう 盗ま れて い ました 。 よ||あけて|め||さめた|じ|||とうもろこし|||ぬすま|||

今度 は 、 二 番 目 の 息子 の 番 です 。 こんど||ふた|ばん|め||むすこ||ばん| 二 番 目 の 息子 は 、 豆 を つめた カゴ と ヒョウタン を 持って 出かけ ました 。 ふた|ばん|め||むすこ||まめ|||||ひょうたん||もって|でかけ| 井戸 まで 来て ヒョウタン に 水 を くもう と した 時 、 カエル が 近づいて 来て 言い ました 。 いど||きて|ひょうたん||すい|||||じ|かえる||ちかづいて|きて|いい| 「 わたし を 、 トウモロコシ 畑 ヘ 連れて 行って ください 。 ||とうもろこし|はたけ||つれて|おこなって| ドロボウ を 捕まえる お 手伝い を し ます から 」 　 息子 は ビックリ して 、 ヒョウタン を 落とし そうに なり ました 。 ||つかまえる||てつだい|||||むすこ||びっくり||ひょうたん||おとし|そう に|| 「 おい 、 黙れ 。 |だまれ おどかす な 」 と 、 言って 、 カエル に かまわ ず 行って しまい ました 。 |||いって|かえる||||おこなって|| そして トウモロコシ 畑 に 座り 込んで 、 ドロボウ を 待ち ました 。 |とうもろこし|はたけ||すわり|こんで|||まち| 間もなく 、 鳥 の 羽ばたき が 聞こえ ました 。 まもなく|ちょう||はばたき||きこえ| 尾 の 長い 、 きれいな 鳥 が 、 月 の かがやく 空 に 現れた か と 思う と 、 スーッ と トウモロコシ 畑 に 降りて 来 ました 。 お||ながい||ちょう||つき|||から||あらわれた|||おもう||||とうもろこし|はたけ||おりて|らい| これ こそ 、 ドロボウ に 違い あり ませ ん 。 ||||ちがい||| 二 番 目 の 息子 は 、 鉄砲 の 狙い を 定めて 、 　 ズドン ！ ふた|ばん|め||むすこ||てっぽう||ねらい||さだめて| と 、 撃ち ました 。 |うち| 鳥 は 叫び声 を あげて 逃げて 行き 、 あと に は 羽 が 二 枚 残り ました 。 ちょう||さけびごえ|||にげて|いき||||はね||ふた|まい|のこり| 兄さん は 羽 を 拾い あげて 、 朝 に なる まで 待ち ました 。 にいさん||はね||ひろい||あさ||||まち| けれども 鳥 は 、 それ きり 現れ ませ ん でした 。 |ちょう||||あらわれ||| 二 番 目 の 息子 も 、 ドロボウ を 捕まえる 事 は 出来 ませ ん でした 。 ふた|ばん|め||むすこ||||つかまえる|こと||でき|||

次に 三 番 目 の 息子 が 、 ドロボウ を 捕まえ に 行き たい と 言い 出し ました 。 つぎに|みっ|ばん|め||むすこ||||つかまえ||いき|||いい|だし| 「 おれ に 出来 なかった んだ 。 ||でき|| お前 に 出来る はず が ないじゃ ない か 」 と 、 一 番 上 の 兄さん が 言い ました 。 おまえ||できる|||ない じゃ||||ひと|ばん|うえ||にいさん||いい| それ でも 三 番 目 の 息子 は 、 パン だけ 持って 出かけ ました 。 ||みっ|ばん|め||むすこ||ぱん||もって|でかけ| 井戸 まで 来る と 、 腰 を おろして パン を 食べ ました 。 いど||くる||こし|||ぱん||たべ| する と 、 「 こんにち は 」 と 、 カエル の 声 が し ました 。 |||||かえる||こえ||| 息子 は 、 カエル を 手の平 に 乗せて 、 「 パン が 欲しい の かい ？ むすこ||かえる||て の ひら||のせて|ぱん||ほしい|| とても 、 おいしく 焼けて る よ 」 　 カエル は パン を もらって 、 食べ 終わる と 言い ました 。 ||やけて|||かえる||ぱん|||たべ|おわる||いい| 「 わたし を 、 トウモロコシ 畑 ヘ 連れて 行って ください 。 ||とうもろこし|はたけ||つれて|おこなって| お 手伝い し ます よ 」 「 ああ 、 いい と も 。 |てつだい||||||| 一緒に おい で 」 と 、 三 番 目 の 息子 は 言い ました 。 いっしょに||||みっ|ばん|め||むすこ||いい| する と 、 カエル が 言い ました 。 ||かえる||いい| 「 この 井戸 は 魔法 の 井戸 です 。 |いど||まほう||いど| この 中 に 、 何でも 願い 事 を 言って ごらん なさい 。 |なか||なんでも|ねがい|こと||いって|| きっと 、 かなえ られ ます よ 」 　 三 番 目 の 息子 は 、 井戸 の 中 へ 、 「 トウモロコシドロボウ が 、 捕まえ られ ます 様 に 。 |||||みっ|ばん|め||むすこ||いど||なか||||つかまえ|||さま| 美しい お 嫁 さん が 、 きて くれ ます 様 に 。 うつくしい||よめ||||||さま| そして 、 窓 が いっぱい ついて いる 家 に 住め ます 様 に 」 と 、 願い 事 を 言い ました 。 |まど|||||いえ||すめ||さま|||ねがい|こと||いい| 三 番 目 の 息子 と カエル は 、 一緒に トウモロコシ 畑 ヘ 行き ました 。 みっ|ばん|め||むすこ||かえる||いっしょに|とうもろこし|はたけ||いき| 間もなく 、 美しい 鳥 が トウモロコシ 畑 に 舞い降りて 来 ました 。 まもなく|うつくしい|ちょう||とうもろこし|はたけ||まいおりて|らい| 息子 は 鉄砲 を 向けて 、 その 鳥 を 撃とう と し ました が 、 「 あっ 、 撃って は いけ ませ ん ！ むすこ||てっぽう||むけて||ちょう||うとう||||||うって|||| 」 と 、 カエル が 叫び ました 。 |かえる||さけび| 三 番 目 の 息子 は 、 鉄砲 を 下 に 置き ました 。 みっ|ばん|め||むすこ||てっぽう||した||おき| する と 美しい 鳥 は 、 頭 の 上 を 飛び ながら 、 ♪ わたし は 魔法 を かけ られて 、 ♪ 鳥 に なった 娘 です 。 ||うつくしい|ちょう||あたま||うえ||とび||||まほう||||ちょう|||むすめ| ♪ お腹 が 空いて 、 ♪ トウモロコシ を 、 いただき ました 」 と 、 歌い ました 。 おなか||あいて|とうもろこし|||||うたい| カエル が ケロケロ と 歌 を 歌う と 、 美しい 鳥 が いつの間にか きれいな 娘 の 姿 に 変わり ました 。 かえる||||うた||うたう||うつくしい|ちょう||いつのまにか||むすめ||すがた||かわり| 「 さあ 、 あなた の お 嫁 さん です よ 」 と 、 カエル が 言い ました 。 ||||よめ|||||かえる||いい| 三 番 目 の 息子 は 娘 の 手 を 取って 、 お 父さん の ところ へ 帰り ました 。 みっ|ばん|め||むすこ||むすめ||て||とって||とうさん||||かえり| する と 、 どう でしょう 。 お 父さん の 家 の 隣 に 窓 の たくさん ついて いる 、 大きな 家 が 建って いる で は あり ませ ん か 。 |とうさん||いえ||となり||まど|||||おおきな|いえ||たって||||||| 「 さあ 、 これ が あなた の 家 です よ 」 と 、 カエル が 言い ました 。 |||||いえ||||かえる||いい| 三 番 目 の 息子 が お 父さん の ところ ヘ 行く と 、 一 番 上 の 兄さん は 、 「 こんな 事 なら 、 カエル を 井戸 ヘ 投げ 込ま なきゃ よかった 」 と 、 言って 、 くやし がり ました 。 みっ|ばん|め||むすこ|||とうさん||||いく||ひと|ばん|うえ||にいさん|||こと||かえる||いど||なげ|こま||||いって||| 二 番 目 の 兄さん は 、 「 カエル の 歌 を 、 聞いて やる んだった なあ 」 と 、 くやし がり ました 。 ふた|ばん|め||にいさん||かえる||うた||きいて||||||| お 父さん は 約束 通り 、 三 番 目 の 息子 に 財産 を やり ました 。 |とうさん||やくそく|とおり|みっ|ばん|め||むすこ||ざいさん||| 三 番 目 の 息子 は 、 美しい お 嫁 さん と カエル と 一緒に 楽しく 暮らし ました 。 みっ|ばん|め||むすこ||うつくしい||よめ|||かえる||いっしょに|たのしく|くらし|

おしまい