わがままな 大 男
|だい|おとこ
selfish big man
わがままな 大 男
|だい|おとこ
Selfish big man
むかし むかし 、 ある ところ に 、 広くて きれいな 庭 ( にわ ) が あり ました 。
|||||ひろくて||にわ||||
Once upon a time, there was a large and beautiful garden in one place.
子ども たち は 、 その 庭 で 遊ぶ の が 大好きです 。
こども||||にわ||あそぶ|||だいすきです
Children love to play in the garden.
ある 日 の 事 、 その 庭 に 恐ろしい 声 が 響き ました 。
|ひ||こと||にわ||おそろしい|こえ||ひびき|
One day, a terrifying voice echoed in the garden.
「 わし の 庭 へ 、 勝手に 入る な !
||にわ||かってに|はいる|
"Don't go into my garden without permission!
」 長い 間 い なかった 、 庭 の 持ち主 が 帰って 来た のです 。
ながい|あいだ|||にわ||もちぬし||かえって|きた|
It wasn't long before the owner of the garden came back.
持ち主 は 、 わがままな 大 男 でした 。
もちぬし|||だい|おとこ|
The owner was a selfish big man.
「 出て 行け !
でて|いけ
" Get out !
わし の 庭 は わし だけ の 物 だ !
||にわ|||||ぶつ|
My garden belongs only to me!
」 怒鳴ら れた 子ども たち は 、 大 あわて で 庭 から 逃げ 出し ました 。
どなら||こども|||だい|||にわ||にげ|だし|
The yelled children rushed out of the garden.
「 いい な 、 二度と 入って くる な よ 」 大 男 は 高い へい で 庭 を 囲む と 、 大きな 立て札 を 立て ました 。
||にどと|はいって||||だい|おとこ||たかい|||にわ||かこむ||おおきな|たてふだ||たて|
"No, don't come in again." The big man stood a big bill when he surrounded the garden with a high ridge.
《 入る な !
はいる|
《Do not enter!》
》 子ども たち の 大好きな 遊び 場所 が 、 なくなって しまい ました 。
こども|||だいすきな|あそび|ばしょ||||
》 The children's favorite playground has disappeared.
「 あー ぁ ー 、 大 男 の 庭 は 、 きれいで 楽しかった な 。
||-|だい|おとこ||にわ|||たのしかった|
"Ah, the big man's garden was beautiful and fun.
もう 遊べ ない の か ・・・」 子ども たち は 冷たくて 高い ヘ い に もた れて 、 ため息 を つく ばかりです 。
|あそべ||||こども|||つめたくて|たかい||||||ためいき|||
Can't we play anymore? ”Children just sigh as they lean against the cold and high heights.
やがて 寒い 冬 が 終わって 、 春 が やって 来 ました 。
|さむい|ふゆ||おわって|はる|||らい|
Eventually, the cold winter was over and spring came.
けれど 大 男 の 庭 に は 、 雪 が 降り積もった まま です 。
|だい|おとこ||にわ|||ゆき||ふりつもった||
But the big man's yard is still covered with snow.
春 に なった のに 、 雪 は いつまで たって も 溶け ませ ん 。
はる||||ゆき|||||とけ||
Even though it's spring, the snow never melts.
夏 に なって も 、 秋 に なって も 、 大 男 の 庭 に は 春 は やって 来 ませ ん でした 。
なつ||||あき||||だい|おとこ||にわ|||はる|||らい|||
Whether it was summer or autumn, spring had never come to the big man's garden.
ずっと 、 寒い 冬 の まま です 。
|さむい|ふゆ|||
It's been a cold winter all the time.
「 なぜ 、 いつまでも 冬 ばかり が 続く のだろう ?
||ふゆ|||つづく|
"Why does winter last forever?
」 寒 さ に 震えた 大 男 は 、 ひどい 風邪 を ひいて しまい ました 。
さむ|||ふるえた|だい|おとこ|||かぜ||||
The big man who trembled in the cold had a terrible cold.
ある 朝 、 大 男 は スズメ の 鳴き声 で 目 を 覚まし ました 。
|あさ|だい|おとこ||すずめ||なきごえ||め||さまし|
One morning, the big man woke up with a sparrow's bark.
「 ああ 、 なんて いい 声 な んだろう 。
|||こえ||
"Oh, what a nice voice!
それ に 暖かだ 。
||あたたかだ
And it's warm.
・・・ うん ?
··· yes ?
暖か ?
あたたか
warm?
それ に なんだ 、 この 声 は ?
||||こえ|
And what is this voice?
」 大 男 は 飛び起きて 、 庭 を 見 ました 。
だい|おとこ||とびおきて|にわ||み|
' The big man sprang up and looked out into the garden.
庭 に は 花 が 咲き乱れ 、 すっかり 春 の 庭 に なって いた のです 。
にわ|||か||さきみだれ||はる||にわ||||
Flowers were in full bloom in the garden, and it had completely turned into a spring garden.
その 春 の 庭 で 、 子ども たち が 遊んで い ます 。
|はる||にわ||こども|||あそんで||
Children are playing in the spring garden.
「 大 男 は 、 きっと どこ か に 行った んだ 」 子ども たち は 大 男 が 風邪 で 寝て いる と は 知ら ず に 、 庭 に 入り 込んだ のです 。
だい|おとこ||||||おこなった||こども|||だい|おとこ||かぜ||ねて||||しら|||にわ||はいり|こんだ|
"The big man must have gone somewhere." The children went into the yard without knowing that the big man was sleeping because of a cold.
「 キャハハハハ 」 子ども たち が 笑う たび に 雪 は 溶けて 、 花 が 開き ました 。
|こども|||わらう|||ゆき||とけて|か||あき|
“Chahahaha” Every time the children laughed, the snow melted and the flowers opened.
「 そう か 、 わかった ぞ 。
"Well, I see.
子ども が 遊ぶ から 、 春 も 夏 も 秋 も やって 来る のだ 」 大 男 は 庭 に 出る と 、 木 の 下 に いる 小さな 子ども の ところ へ 行き ました 。
こども||あそぶ||はる||なつ||あき|||くる||だい|おとこ||にわ||でる||き||した|||ちいさな|こども||||いき|
Spring, summer, and autumn are coming because the children play. ”When the big man went out to the garden, he went to the little child under the tree.
みんな が 木 に 登って いる のに 、 その 子 は 小 さ 過ぎて 登れ ないで いた のです 。
||き||のぼって||||こ||しょう||すぎて|のぼれ|||
Everyone was climbing the tree, but the child was too small to climb.
大 男 は 小さな 子 を 抱きあげる と 、 そっと 枝 に 乗せ ました 。
だい|おとこ||ちいさな|こ||だきあげる|||えだ||のせ|
The big man picked up the little one and gently put him on a branch.
「 ありがとう 」 小さな 子 は ニッコリ 微笑む と 、 大 男 に キス を し ました 。
|ちいさな|こ||にっこり|ほおえむ||だい|おとこ||きす|||
"Thank you." The little boy smiled and kissed the big man.
大 男 も ニッコリ 微笑む と 、 周り に いる 子ども たち に 言い ました 。
だい|おとこ||にっこり|ほおえむ||まわり|||こども|||いい|
The big man also smiled and told the children around him.
「 聞いて くれ 、 子ども たち 。
きいて||こども|
"Listen, children.
たった今 から 、 ここ は みんな の 庭 だ 。
たったいま||||||にわ|
From now on, this is everyone's garden.
たくさん 遊んで くれ 」 大 男 は そう 言って 、 高い へい を 壊し ました 。
|あそんで||だい|おとこ|||いって|たかい|||こわし|
Play a lot. ”The big man said so and broke the high ridge.
その 日 から 子ども たち は 毎日 やって 来て 、 すっかり 優しく なった 大 男 と 遊ぶ 様 に なり ました 。
|ひ||こども|||まいにち||きて||やさしく||だい|おとこ||あそぶ|さま|||
From that day on, the children came every day and started playing with the big man who became completely kind.
けれども 、 大 男 に キス して くれた 小さい 子 が 来る 事 は あり ませ ん でした 。
|だい|おとこ||きす|||ちいさい|こ||くる|こと|||||
However, the little boy who kissed the big man never came.
「 わし が 木 の 枝 に 乗せて やった 、 小さい 男の子 を 連れて 来 ておくれ 。
||き||えだ||のせて||ちいさい|おとこのこ||つれて|らい|
"I put it on a tree branch, bring me a little boy.
あの 子 に 会い たい んだ よ 」 大 男 は 子ども たち に 頼み ました が 、 でも 小さい 子 が どこ に いる の か 、 何という 名前 な の か 、 誰 も 知り ませ ん 。
|こ||あい||||だい|おとこ||こども|||たのみ||||ちいさい|こ|||||||なんという|なまえ||||だれ||しり||
I want to see that child. ”The big man asked the children, but no one knew where the little child was or what his name was.
大 男 は 何 年 も 何 年 も 、 小さい 子 を 待ち 続け ました 。
だい|おとこ||なん|とし||なん|とし||ちいさい|こ||まち|つづけ|
The big man kept waiting for his little child for years and years.
やがて 大 男 は 、 すっかり 年 を 取り ました 。
|だい|おとこ|||とし||とり|
Eventually, the big man was completely old.
お じいさん に なって しまい 、 子ども と 遊ぶ 力 も なくなって しまい ました 。
|||||こども||あそぶ|ちから||||
I've become a grandfather, and I've lost the ability to play with my children.
また 、 冬 に なり ました 。
|ふゆ|||
It's winter again.
大 男 の 庭 は 、 雪 と 氷 に 包ま れて い ます 。
だい|おとこ||にわ||ゆき||こおり||つつま|||
The big man's garden is covered in snow and ice.
でも 大 男 は 、 寒い と も 冷たい と も 思い ませ ん 。
|だい|おとこ||さむい|||つめたい|||おもい||
But the big man doesn't think it's cold or cold.
もう すぐ 春 が 来る 事 を 、 知って いた から です 。
||はる||くる|こと||しって|||
I knew that spring was coming soon.
ある 朝 、 目 を 覚ました 大 男 は 、 庭 を 見て 叫び ました 。
|あさ|め||さました|だい|おとこ||にわ||みて|さけび|
One morning, the big man woke up and looked at the garden and shouted.
「 あの 子 だ !
|こ|
"It's that girl!
」 まっ 白い 花 が 咲いて いる 木 の 下 に 、 あの 小さい 男の子 が いた のです 。
|しろい|か||さいて||き||した|||ちいさい|おとこのこ|||
' There was that little boy under the tree where the pure white flowers were blooming.
大 男 は 急いで 庭 に 出て 行く と 、 小さな 子 を しっかり と 抱きしめ ました 。
だい|おとこ||いそいで|にわ||でて|いく||ちいさな|こ||||だきしめ|
The big man hurried out into the garden and hugged the little one tightly.
「 来て くれる の を 、 ずっと 待って いた んだ よ 。
きて|||||まって|||
"I've been waiting for you to come.
ずっと ずっと 、 会い たかった 」 小さい 男の子 も 大 男 を 抱きしめる と 、 ニッコリ 笑って 言い ました 。
||あい||ちいさい|おとこのこ||だい|おとこ||だきしめる||にっこり|わらって|いい|
I've always wanted to see you." The little boy hugged the big man and said with a smile.
「 いつか は 、 あなた の 庭 で 遊ば せて くれて ありがとう 。
||||にわ||あそば|||
"Someday, thank you for letting me play in your garden.
今日 は ぼく が 、 あなた を 連れて 行って あげる よ 。
きょう||||||つれて|おこなって||
I'll take you today.
天 の 上 に ある 、 ぼく の 庭 へ 」 そう 言って 、 あの 時 と 同じ 様 に 大 男 に キス を し ました 。
てん||うえ|||||にわ|||いって||じ||おなじ|さま||だい|おとこ||きす|||
To my garden above the heavens. "He said, and kissed the big man in the same way as he did then.
タ 方 、 やって 来た 子ども たち は 、 死んで いる 大 男 を 見つけ ました 。
|かた||きた|こども|||しんで||だい|おとこ||みつけ|
On the other hand, the children who came found a dead big man.
白い 花 に 包ま れた 大 男 は 、 幸せ そうに ニッコリ 微笑んで い ました 。
しろい|か||つつま||だい|おとこ||しあわせ|そう に|にっこり|ほおえんで||
The big man, wrapped in white flowers, smiled happily.
おしまい
end