正直者のスエン
しょうじき しゃ の スエン
Honest Suen
正直 者 の スエン
しょうじき|もの||
Honest Suen
むかし むかし 、 重い 病気 に かかった お 百姓 が 、 三 人 の 息子 に 財産 を 分ける 事 に し ました 。
||おもい|びょうき||||ひゃくしょう||みっ|じん||むすこ||ざいさん||わける|こと|||
Once upon a time, a seriously ill farmer decided to divide his fortune into three sons.
けれど 貧乏な ので 、 上 の 二 人 に 家 と 家具 を 与えて しまう と 、 末っ子 の スエン に は 何も 残り ませ ん でした 。
|びんぼうな||うえ||ふた|じん||いえ||かぐ||あたえて|||すえっこ|||||なにも|のこり|||
However, because he was poor, when he gave the above two people a house and furniture, nothing was left for his youngest child, Suen.
お 百姓 は 、 スエン に 謝り ました 。
|ひゃくしょう||||あやまり|
My peasant apologized to Suen.
「 スエン よ 、 すま ない ね 。
"Suen, I'm sorry.
わたし が お前 に やれる の は 、 わたし の 心 と 死んだ 妻 が 作って くれた 造花 だけ だ 」 すると スエン は 、 にっこり 笑って 言い ました 。
||おまえ|||||||こころ||しんだ|つま||つくって||ぞうか|||||||わらって|いい|
"The only thing I can do for you is my heart and the artificial flowers created by my dead wife," said Suen, smiling.
「 お 母さん の 作って くれた 造花 は 、 この世 で 一 番 美しい 物 です 。
|かあさん||つくって||ぞうか||このよ||ひと|ばん|うつくしい|ぶつ|
“The artificial flowers made by my mother are the most beautiful in the world.
そして まじめで 正直な お 父さん の 心 は 、 この世 で 一 番 素晴らしい 物 です 。
||しょうじきな||とうさん||こころ||このよ||ひと|ばん|すばらしい|ぶつ|
And the heart of a serious and honest father is the most wonderful thing in the world.
その 二 つ を もらえて 、 ぼく は 幸せです よ 」 「 スエン 、・・・ ありがとう 」 やがて お 父さん が 亡くなる と 、 スエン は 造花 と 自分 が 作った 弓 を 持って 旅 に 出 ました 。
|ふた||||||しあわせです||||||とうさん||なくなる||||ぞうか||じぶん||つくった|ゆみ||もって|たび||だ|
With these two things, I'm happy." "Suen... Thank you." Eventually, when his father died, Suen embarked on a journey with an artificial flower and a bow he made.
旅 に 出た スエン は 、 王さま の 住んで いる 都 に 着き ました 。
たび||でた|||おうさま||すんで||と||つき|
On the trip, Suen arrived in the city where the king lived.
その頃 、 お 城 で は 王さま に 仕える 新しい 家来 を 探して いる ところ でした 。
そのころ||しろ|||おうさま||つかえる|あたらしい|けらい||さがして|||
At that time, I was in the castle looking for a new servant to serve the king.
「 よし 、 ぼく も 申し込んで みよう 」 お 城 へ 行った スエン が 家来 に なる 事 を 申し出る と 、 金 の 王座 に 座った 王さま が 言い ました 。
|||もうしこんで|||しろ||おこなった|||けらい|||こと||もうしでる||きむ||おうざ||すわった|おうさま||いい|
“Okay, let me apply as well.” Suen, who went to the castle, offered to become a servant, said the King sitting on the throne of gold.
「 その様に みすぼらしい 格好で 、 よく この 城 に 来た もの だ な 。
その よう に||かっこうで|||しろ||きた|||
"It looks shabby like that, and I used to come to this castle.
・・・ まあ いい 、 お前 は 弓 を 持って いる が 、 腕前 を 見せて みろ 」 そこ で スエン は 、 お姫さま の 手のひら に サクランボウ の 種 を 乗せて 、 その 種 を 見事に 射落とした のです 。
||おまえ||ゆみ||もって|||うでまえ||みせて||||||おひめさま||てのひら||||しゅ||のせて||しゅ||みごとに|いおとした|
...Well, you have a bow, but show me your skill." There, Suen put a cherry seed on the princess' palm and shot it off.
これ に は 、 王さま も 感心 して 言い ました 。
|||おうさま||かんしん||いい|
The King was also impressed with this.
「 うむ 。
"Um.
見事だ !
みごとだ
It ’s amazing!
他 に も 何 か 、 特技 を 持って いる か ?
た|||なん||とくぎ||もって||
Do you have any other feats?
」 「 はい 。
" " Okay .
わたし は 死んだ 父 から 、 正直な 心 を 受け 継ぎ ました 。
||しんだ|ちち||しょうじきな|こころ||うけ|つぎ|
I inherited an honest heart from my dead father.
弓 以外 の 自慢 は 、 うそ を つか ない 事 です 」 意外な 答え に 、 王さま は 笑って 言い ました 。
ゆみ|いがい||じまん||||||こと||いがいな|こたえ||おうさま||わらって|いい|
The only pride other than the bow is that he doesn't lie. "The King laughed and said to the surprising answer.
「 うそ を つか ない の が 、 自慢 と は 。
||||||じまん||
"I'm proud of not telling lies.
では 聞く が 、 姫 は この世 で 一 番 美しい かな ?
|きく||ひめ||このよ||ひと|ばん|うつくしい|
Then I ask, is the princess the most beautiful in the world?
」 「 はい 、 とても お 美しい です 。
|||うつくしい|
"Yes, it's very beautiful.
でも 、 一 番 で は あり ませ ん 。
|ひと|ばん|||||
But it's not the number one.
この世 に は 、 お姫さま より も 美しい 女性 は たくさん い ます 。
このよ|||おひめさま|||うつくしい|じょせい||||
There are many women in the world who are more beautiful than princesses.
そして 、 わたし が この世 で 一 番 美しい と 思う 物 は 、 母 が 作って くれた 造花 です 」 スエン が 正直に 答える と 、 お姫さま の 機嫌 が 悪く なり ました 。
|||このよ||ひと|ばん|うつくしい||おもう|ぶつ||はは||つくって||ぞうか||||しょうじきに|こたえる||おひめさま||きげん||わるく||
And the most beautiful thing in the world that I think is the artificial flower that my mother made. ”Swen answered honestly, the princess was in a bad mood.
でも 王さま は 、 正直に 答えた スエン が 気に入った 様子 です 。
|おうさま||しょうじきに|こたえた|||き に はいった|ようす|
But the King seems to like Suen, who answered honestly.
「 よし 。
"OK.
今夜 一晩 、 わし の 部屋 の 前 で 見張り を して みろ 。
こんや|ひとばん|||へや||ぜん||みはり|||
Watch in front of my room overnight tonight.
うまく できたら 、 家来 に して やろう 」
||けらい|||
If you can do it well, let's make it a servant. "
その 夜 、 王さま は スエン に ごちそう を 食べ させて 、 上等の ぶどう 酒 を 飲ま せて やり ました 。
|よ|おうさま||||||たべ|さ せて|じょうとうの||さけ||のま|||
That night, the King made Suen eat a feast and drink fine grape liquor.
そして お腹 が いっぱいに なった スエン は 、 見張り を する ため に 王さま の 寝室 の 前 に 行き ました 。
|おなか||||||みはり|||||おうさま||しんしつ||ぜん||いき|
And when he was full, Suen went in front of the King's bedroom to keep watch.
そこ に は テーブル が あって 、 王さま の 王冠 と 金 の くさり が 乗せて あり ます 。
|||てーぶる|||おうさま||おうかん||きむ||||のせて||
There is a table there, with the king's crown and a gold sword on it.
「 いい か 、 決して 眠って は なら ん ぞ 。
||けっして|ねむって||||
"Okay, never sleep.
もしも 王冠 と 金 の くさり が 盗ま れたら 、 死刑 だ から な 」 王さま は そう 言う と 、 寝室 に 入って しまい ました 。
|おうかん||きむ||||ぬすま||しけい||||おうさま|||いう||しんしつ||はいって||
If the crown and the gold sword were stolen, it would be the death penalty. "The King said, and he went into the bedroom.
スエン は 一生懸命に 見張り を 続け ました が 、 どういう わけ か 眠たくて たまり ませ ん 。
||いっしょうけんめいに|みはり||つづけ||||||ねむたくて|||
Suen kept a lookout hard, but for some reason she was sleepy.
そして 気 が つく と 、 ぐう ぐう と 寝 込んで いた のです 。
|き|||||||ね|こんで||
And when I noticed, I fell asleep.
「 しまった !
" Oops !
」 目 を 覚ました スエン は 、 テーブル の 上 の 王冠 と 金 の くさり が なくなって いる の を 見て 驚き ました 。
め||さました|||てーぶる||うえ||おうかん||きむ||||||||みて|おどろき|
Waking up, Suen was surprised to see the crown and gold shavings on the table gone.
このまま で は 、 スエン は 死刑 に なって しまい ます 。
|||||しけい||||
At this rate, Suen would be sentenced to death.
けれど 父親 から 正直な 心 を 受け 継いだ スエン に は 、 だまって 逃げる 事 が 出来 ませ ん 。
|ちちおや||しょうじきな|こころ||うけ|ついだ|||||にげる|こと||でき||
However, Suen, who inherited the honest heart from her father, could not escape.
翌朝 、 王さま が 起きて くる と 、 スエン は 正直に 寝て しまった 事 を 話し ました 。
よくあさ|おうさま||おきて|||||しょうじきに|ねて||こと||はなし|
The next morning, when the King woke up, Suen honestly told him that he had fallen asleep.
王さま は 、 スエン に 尋ね ました 。
おうさま||||たずね|
The King asked Suen.
「 なぜ 、 逃げ なかった のだ ?
|にげ||
"Why didn't you run away?
死刑 に なる かも しれ ぬ と いう のに 」 スエン は 、 胸 を 張って 言い ました 。
しけい|||||||||||むね||はって|いい|
I could be sentenced to death, "Suan said with all his heart.
「 父 から 正直な 心 を 受け 継いだ わたし は 、 うそ や ひきょうな 事 は し ませ ん 。
ちち||しょうじきな|こころ||うけ|ついだ||||||こと||||
"I inherited an honest heart from my father, and I don't lie or do anything wrong.
さあ 、 死刑 に して ください 」 すると 王さま は 、 スエン に ニッコリ 微笑み ました 。
|しけい|||||おうさま||||にっこり|ほおえみ|
Now, let's put it to death. ”The King smiled at Suen with a smile.
「 許して くれ 。
ゆるして|
" Forgive me .
お前 が 本当に 正直な 心 を 持って いる の か 、 試した のだ 」 そして 王さま は 、 ぶどう 酒 に 眠り 薬 を 入れた 事 を 白状 した のです 。
おまえ||ほんとうに|しょうじきな|こころ||もって||||ためした|||おうさま|||さけ||ねむり|くすり||いれた|こと||はくじょう||
I tried to see if you really had an honest heart. ”And the King confessed that he had put a sleeping pill in his grape liquor.
もちろん 王冠 と 金 の くさり を 隠した の も 、 王さま の 仕業 でした 。
|おうかん||きむ||||かくした|||おうさま||しわざ|
Of course, it was the King's job to hide the crown and the gold sword.
こうして 王さま の 家来 に なった スエン は 正直な 心 で 人々 の 人望 を 集めて 出世 して 、 やがて お姫さま と 結婚 して この 国 の 王さま に なった のです 。
|おうさま||けらい|||||しょうじきな|こころ||ひとびと||じんぼう||あつめて|しゅっせ|||おひめさま||けっこん|||くに||おうさま|||
Suen, who became a servant of the king in this way, gathered the people's wishes with an honest heart and went on to advance, and eventually married a princess and became the king of this country.
その 時 スエン は 、 お姫さま へ の 贈り物 に 宝物 の 造花 を あげた そうです 。
|じ|||おひめさま|||おくりもの||たからもの||ぞうか|||そう です
At that time, Suen gave a treasure artificial flower as a gift to the princess.
おしまい
The end